荒木さんメール・インタビュー(その2)
では次にアコモデーションです。いいシェアの見つけ方、楽しいシェア生活のヒントというのはありますか?
そうですね、日本人以外とシェアする時は、日本にある程度興味のある人や日本人とシェアしたことがある人の方が楽だと思います。
それと、部屋を見せてもらう時に、フラットメイトがどんな人かチェックしておくといいと思います。同年代の人だと、その人の友達の同年代の人がやってくるので友達や顔見知りができやすいし。
オーストラリアで一人でブラブラ歩いていると、たまにおじいちゃんに「日本人か?」と声をかけられたことがありました。「私は怪しいものじゃないよ」と日本人の知り合いの話などをする人が多かったのですけど(それでもジューブン怪しい)、「日本人の女の子とシェアしてた」という人が結構いましたね。本人は、名前をだして話されているのを知っているのだろうかとちょっと心配だったけど。
アデレードでは、おじいちゃんが日本人の若い女の子からの手紙と彼女の写真も見せてくれた。買い物中(の店先で)でかなり迷惑だったんですけど。
あはは、おじいちゃんにモテてますね(^^*)。で、シェアですけど、「うわ、こいつは溜まらん」とインタビュー段階で断わったり、早々にシェアを切り上げたくなったりしたことはありますか。あるいは聴いた話などでも結構ですけど。
すごくよさそうな広告の割にはたいした事のない部屋を見たことがありますよ。海が見えるような事が書いてあったんですけど、実際行ってみたらほとんど見えなかったという。なんとなく、信頼できないと思ってそこはやめました。
あと、シドニーで住んでいた所で暑くなってくると(猫の)ノミが出てきた。ちょっと痒かったんですが、もうちょっとだと思って我慢しました。
では、ワーホリ生活の典型的な一日を描くと、どんなもんでしょうか。
う〜ん、日本と変わらず、ですね。
仕事ばかりの日もあり、ただダラダラとする日もあり、友達と遊んだり・・・
ただ、オーストラリアでという所だけが違うという。
ああ、それ、すごくリアルで判ります。それワーホリに限らないです。日本以上にダラダラしがちですもんね。
ここでちょっと逆説的に聞くのですが、生活していて「日本と同じだなあ」と仮に100%思うんだったら「別にオーストラリアなんか来なくたってよかったじゃん、同じなんだから」ということにもなりそうですね(理屈の上では)。そこで突っ込みたいのですけど、一つは「日本と同じようなことをやっていながらも、やはり日本と違うわ」という部分はありましたか。つまり同じダラダラしてても、日本でするダラダラとはどこか質が違うとか。もう一つは、「日本と同じ」であることは、それは良いことでしょうか、悪いことでしょうか。僕は、「同じ人間がやってるのだから、当たり前のこと」だと思うのですが、いかがでしょうか。
はい、私も「同じ人間がやってるから当たり前」派ですね。
で、オーストラリアに行って日本では会えなかった友達に会えたり、小カルチャーショック(オージーに対して「なんでやねん」と思ったり)する事は楽しかったし、そういった「日本と違う」部分は沢山ありました。でもそれらを踏まえた上での「日本と同じ」なんですね。(一般)常識や人間のする事はほとんど世界共通という意味で同じだという意味です。
でも、そんなこと思ったのも、オーストラリアに行ったからこそ言える事だと思います。
よう分かります。違うことは沢山あるけど、大きな目で見れば「しょせん人間のやることは一緒だわ」と思えてしまうという。そんでもって、いろいろ違った環境の影響を受けつつも、自分本来の個性というのはちゃんとあって、結局それがライフスタイルとして出てきてしまうという。「何処におっても、やっぱり私は私だわ」という。沢山違いがあるからこそ、ベーシックな同じ部分というのが逆によく見えてくるということですよね。
では次に、ワーホリさんの必須科目のようになっている「ラウンド」についてお聞きします(オーストラリアをあちこち旅行すること)。情報収集、計画、経費、オススメ旅行先、注意すべきことなどなど。
ええと予算的には、バックパッカーに泊まって自炊をしてれば、普通に生活しているのと変わらないお金で旅行できます。ただし、ツアー代などは別にかかりますけど。
情報はコミュニケーションも兼ねて、バックパッカーで会った人などに聞いていくと十分過ぎるほどの情報が得られます。日本人に聞くと日本人に人気の所を教えてくれるが、ヨーロッパ人だとちょっとそこが違ったりして、それが面白いですね。
ラウンドはお一人で行かれましたか?複数の日本人と同行するパターンが多いと聞きますがどうでしょうか。また、それぞれ一長一短あると思いますが、なにか感想はありますか。
私の場合は、ほとんど移動だったので「ラウンド」とは言えないかも・・・
一人で回っている人が多かったですよ。でも、回る方向が一緒なら同じ人に何度も会ったりするようです。ただ、一人でも話し相手にはほとんど苦労しなかったです。一人だと、一人の者どうし話しをしたりして新しい友達ができたりしますから、楽しかったですよ。
次に、「ワーホリの経済」ということで、大体の予算と生活費、現地での稼ぎなんかはどんなもんだったんですか?
これは、シンプルに暮らせば、向こうでのお給料で十分暮らせると思います。
私が最初やっていた事務の仕事は、残業なしだと2週間で600ドル位でした。ガイドの場合は、仕事量に対するお給料とツアーやお土産のコミッションだった。私はセールスがうまくなかったので、事務の仕事の方が割が良かったですね。
家計的にはですね、私は家賃は週100ドル(電気代込)で抑えて、その他もだいたい週100ドル以下で生活するようにしてました。基本的に自炊で、私はタバコは吸わない、お酒もほとんど飲めないし、服もほとんど買わずに持って行った服を着つぶしたということでクリアしました。
あと、ガイドの間は(仕事がある時は)食費が結構うきました。
こっち煙草高いですからね、僕も苦労してます。煙草好きのワーホリさんとか早速紙巻煙草に切り替えてたりしますもんね。
さて、ガイドさんの話がでましたのでちょっと聞きたいのですが、ガイドさんってなるの難しいんでしょうか。これ実際にもメールで質問があったのですけど、ガイド養成講座とかありますが、あれって就職に有利なんでしょうか?
時期と場所を選べば難しくないです。あと、経験があるのが一番有利だと思います。メルボルンに行った時に、向こうのガイド会社に求人がないかどうか聞いたのですが、そこの付属のガイド養成講座で良い成績を取った人しか雇わないといってました。
シドニー、ゴールドコースト、ケアンズではもう少し仕事の需要があるのでまた違うと思います。
一般的に大手になると経験者じゃないと難しいようですが、中小では別に経験はMUST(必須)じゃないようです。求人のタイミングを見るのが大切だと思います。シーズン前だと求人も多く、仕事もあるので。
え〜、この際ついでに聞いちゃいますが、ガイドさんのコミッションって、どのくらい貰えるんですか?
それはですね、会社によって違います。ある会社はオプショナルツアーの10パーセント貰えるそうですが、私のいた所は、ツアーによって1人5ドルだったり、3ドルだったりいろいろでした。
ここで英語についてお聞きします。
荒木さんは、確か語学学校に行く必要がないくらい、ある程度英語が出来たと記憶してます。少なくとも買い物行って何もわからず自爆しちゃうようなことはなかったですよね。で、語学力があるとやっぱり仕事を見つけやすいものでしょうか。意外と世間で言われるほど関係ないものでしょうか。
これは、住む場所、仕事によると思います。
ゴールドコーストで買い物はスーパーマーケット又は日本食品店で済ませてたのでそんなに語学力は要りません。仕事ですけど、日本食レストランのキッチンハンドなら、英語力よりも日本でのレストランアルバイト経験の方がよっぽど役にたつ(仕事がもらえる)と思います。
もちろん、英語でコミュニケーションが取れる方がいろいろ楽なのは確かです。ガイドの会社でちょっとだけ事務のお手伝いをしましたが、英語の電話はどうしようもありませんでした。こういう仕事は英語絶対!かなり必要です。ちなみにシドニーの事務の仕事は日本人オンリーの部署だったので特に語学力は必要なかったですけど。
なるほど。基本的にはケースバイケースだと思うのですけど、それでもこれから来られる人にとっては、やっぱり「英語力はどのくらい必要?」「現地でどのくらい伸びるんだろう?」というのが気になっちゃうと思うんですけど。
そうですね、やや極端なことを言えば、場所や生活の仕方によっては、英語なしでも生活できますよ。
それと語学力の伸びですけど、オーストラリアにいると耳が慣れて英語が聞けるようになってくるというのはあります。また生活に密着した英語は自然と覚えられますよね。でも、根本的には勉強しないと英語力は伸びないと思います。
日本の英語勉強熱はかなりなので、オーストラリアにワーホリでいた時の方が少しでも英語が話せると(ワーホリの間で)スゴイといってもらえたりします。日本ではこの程度では何にもならないですよ。オーストラリアのワーホリの英語レベルがそれほど(一般的に)高くない。
非常に答えにくい質問だと思いますが、大雑把にいって平均的ワーホリの語学力というのはどの程度でしょうか。TOEFLだったら何点くらいとか、ラジオのニュース聴いても全然わからん程度とか、どんなもんでしょうか。あるいは、荒木さんからみて、自分より英語が上手いワーホリ(ないし日本人)と、下手な人との比率はどの程度であったでしょうか。
平均は..うーん、分かりません・・・。日本と同じくあらゆるレベルの人がいるもんで。
やっぱり答えにくいですよね(^^*)。じゃあ、語学力のあるなしが、生活スタイルを規定するという部分はあるでしょうか。例えば英語が出来ないとどうしても日本人同士固まってしまうとか、他人まかせにしがちだとか。
あの〜英語の上手さとコミュニケーションの上手さは必ずしも比例しないのですね。ゴールドコーストでの2人目の日本人フラットメイトは私より英語が話せませんでしたが、コミュニケーションが上手な人でオージーフラットメイトとすごく仲良しでした。
(語学力がライフスタイルを作ってしまうという傾向は)ある程度はあると思いますが、本人の気持ちと努力しだいだと思います。カンニングペーパーを作ってでも英語が必要な所に行くか、日本人の輪の中で事を済ませるのかはその人次第だと思いますから。
それに日本人の輪の中は同じような経験をしている人が多いので、情報が多く、オージー情報より正確な可能性は高くて良い点もあります。
コミュニケーションですけど、現地でできた友達(ワーホリ仲間、他国からの留学生orワーホリ、地元オージー)について。
日本人の友達がほとんどでしたね。でも、シェアを通してオージーやアメリカ人の友達もできました。
初めはほとんど無視状態のオージーが何度か話しをするうちに信頼してくれたようで、冗談をいってくれるようになり、友達として他の人に紹介してくれた時はちょっと嬉しかったですね。
向こうで会った、アメリカ人の人も”友達は選ぶようにしている。”と言っていた。白人系は、一見フレンドリーな笑顔でも、実は笑顔の下で相手の様子をうかがう傾向があると思う。
いますごい興味深い指摘が出たんですけど、「白人系は、一見フレンドリーな笑顔でも、実は笑顔の下で相手の様子をうかがう傾向がある」という点ですけど、これって日本人でも同じじゃないですか?あるいは日本人の方がもっとヒドくないですか?
大きく言ってしまえば「そんなに簡単に気を許さない」という意味では人類共通なんでしょうけど、ただ、そこで白人系と日本系(アジア系でもまた違うけど)での違いってどんな感じでしょうか。例えば、「一見フレンドリーの笑顔」をする部分が違うとか、「相手を窺う」ことの意味ないし基準が違うとか。これすごい難しい質問だと思いますが、思う事があれば。
うーんと、そうですね、日本人だと「様子をうかがっているな」と顔を見てればある程度分かりますよね。でも白人系の人のそのへんの動きというのは私には今一つ分からなかったですよね。やたら親切&フレンドリーなのに突然(不思議な所で)距離をあけたりする。そのあたりが私には分からず、驚かされる事もありますし。外国人の社交辞令は難しい。慣れかも知れませんが・・・
あの〜、白人系一般かどうかは知りませんが、オージーって結構シャイじゃないですか?面と向ってNOって言わないで「後で連絡するよ」とか言ったり。大阪弁の「考えときまっさ」と同じだなあと。結構微妙なところに話題がいったり向こうが困るようなツッコミ入れると、「はははは」とか皆して笑って誤魔化すというか、「なかったことにしてニコニコしてようよ」みたいなノリを感じたりするんですけど。ディプロマティックってことなのかもしれませんが、大阪人の方がよっぽどズケズケ言うんじゃないかとか。まあ、これも人と場合によるなあ。そんなこと感じたことないですか?
うーん、どこでも同じく人によりけりですが、確かに、思っていたよりオージーはシャイだとは思いました。
でも、シャイなのはいいのかもしれませんが、私の少ないボキャブラリーでニュアンスまで理解できない状態ではハッキリ言ってくれない答えは難しい!オージーも日本人と同じようだったり、全然違った反応をしたり予測できないのでとまどいました。
そろそろマトメに入っていきたいのですけど、現地で学んだことをズバリ言うと?
人間どこでも生きて(サバイバルして)ゆける、ってことです。
じゃあ、現地で役立ったもの・こと・ひと・サービス・会社なんかはどうでしょう。
はじめ、オーストラリアに知り合いがゼロだったので、柏木さんの所(APLaCのゲストハウス)に泊めさせてもらったのは安心でした。やはり、言葉と気持ちが通じやすい日本人の知り合いがいると安心しますね。あと、インスタントのたらこスパゲティ。”たらこ”はフィッシュマーケットでも売ってなかったですよね?
タラコという形ではありませんが、もっと露骨にフィッシュロウ(魚の卵)として売ってます。ただし、タラの子なのか、何の子なのか、日によって違いますし、見極めるのが難しい。高いものでもないので、トライして、唐辛子粉で漬けて、明太子なんぞ、柏木さんよく作ってくれてました。そうやって作った明太子スパゲティも食べた記憶あります。ただ、、、面倒臭いですよねえ(^^*)。
さすが・・・。
楽しかったことは、いい友達に恵まれたことです。
辛かったことは、日本帰国前におばあちゃんがまたずに死んでしまったことです。
「いい友達」っておっしゃいましたが、友達というのは日本人その他の国籍の人(オージーを含む)いろいろだと思います。さて、荒木さんが「いい友達」「恵まれた」と思うのを、もうすこしクールに分析していくと、日本にいるときに比べて「こういう美点をもってる人と、この位の比率でより多く出会えた」ということでしょうか。例えば、「自分の意見を持っている人といろんな実のある話が出来た良かった。そうことは日本にいるときは1年に3回くらいしかなかったけど、こちらだと月に1回はあった」とか。そういう具合に計量化するのは難しいと思いますが、そんな形で表現できますでしょうか?
うーん、これは数というよりも、日本と比べて友達との距離が近かったのだと思います。実際、家も近くてすぐ会える。同じような小さな冒険をしているという仲間意識もあったのかも知れません。
ワーホリやってて、もっと居たかった? それとも早く帰りたかった?
ワーホリとしての中途半端な状態ではあれ位の長さが限度だと思う。が、居心地は良かったのでもっといたいとは思いましたね。オージーの友達ができはじめたばかりなのが、ちょっと心残りだったですね。
「オーストラリアの居心地がいい」ということの、本質部分はなんでしょうか?ここで突っ込むのは、例えば「日本と違ってアレコレ外野から言われることがないこと」だとするなら、それはオーストラリアの特長ではなく、海外(日本国外)のメリットですよね。そういうことを踏まえて、「オーストラリア(独自の)よい居心地」というのはどういうことでしょうか。
食べてゆけて、快適な生活空間があって、仕事もマアマアで、友達も近くにいたので居心地がよかった(生活に満足していた)です。オーストラリアの居心地というよりオーストラリアでの(生活環境の)居心地なのかな?
確かに、なんでも手頃な感じはありますよね。
では、日本に帰ってきてから、ワーホリしたことのメリット・デメリットについては感じますか。
いや〜、実のところ、影響はほとんどないような気がします。
ただ、帰ってきたら日本の景気がやたら悪くなってるなあとは思いました。
そういえば、旅行中に会った韓国人のお兄ちゃんが、”オージーのイージーな所は好きじゃない。が、リラックスした所のは好きだ。イージーとリラックスは違う。”と言っていたが、私もそう思います。特に、オージーを見ていてそう思いました。素敵だなと思う人は、心に余裕があって柔軟な人が多かった。(そういえば、ガイドをしている時、航空会社の日本人係員だと融通の効かない事が多かった)それを忘れてはいけないと思いました。
ああ、リラックスして心が柔軟になれるのがメリットなんだけど、一歩間違えればただのレイジーになっちゃうというデメリットになるということですね。
もうひとつ、帰国してから「ワーホリした影響が殆どない」ということですが、これは周囲の外部環境とかについては、出国前とあまり変わらず同じように復帰することができたという意味だと思います。つまり1年留守したから何かに遅れてしまったとか、それが箔になって何かが有利に働いたみたいな事はない、ということでしょうか。
では、自分の内面についてはどうでしょうか。出国前の自分と比べて何か変りましたか。また、最初のメールでお書きになったように、一仕事成し遂げたあとの虚脱感みたいなもの、「これからどうしようかなあ」みたない気分はありますでしょうか。
影響が全くないわけではありませんが、何かに遅れたり、何かに有利になるというような変化がなかったという点で影響が良くも悪くもないです。私の中の考え方の部分では変化はあったと思いますね。年齢的な物かも知れませんが、余分な力がぬけたような気がします。
オーストラリアに行く前はかなり意気込んでいたのですが、日本は自分の国だという事と食いっぱぐれないのは分かっているのもあり、ちょっとボーっとしています。(もしかするとこれが一番の影響かもしれない・・・)
あはは、日本に帰った方がレイジーになっちゃったとか(^^*)。では最後に、これからワーホリを考えている人達に何かアドバイスがあれば?
ああ、それと「影響がない」ってことなんですけど、さっきちょっと話に出た「ワーホリ経験があると旅行会社就職に有利」みたいな現世的な御利益って、最近はどうなんでしょうか?
オーストラリアで観光客相手の仕事を経験して、また旅行関係の仕事にトライする人はいるようです。
旅行関係の経験があるとかオーストラリアの事に詳しいという点で多少有利になるのではないでしょうか。ただ、今現在の不況で旅行会社の就職自体が難しい状態だと思います。倒産とかも相次いでますし・・・
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