シドニーの気候
1997年1月8日統計データ挿入
シドニーの気候は日本の東京大阪あたりに比べて暑くも寒くもなく、厳寒酷暑でしんどい思いをすることは、あまりないでしょう。特に日射が強いので、真冬でも日中Tシャツ一枚で歩いてる人は結構います。
但し注意すべき点が二点。第一に「海に面した平坦な大陸」ということもあって、風向き一つで日々の気温の落差、ないし一日における気温の変化が比較的激しいこと。実際、早朝息が白く見えたのに、日中出歩く分にはTシャツでもOKという日もありますし、先週32度の日があったと思ったら今週は20度を切ってみたり(そして来週また上がる)。いきなり寒気が流れ込んで真夏でも雹が降ったり、15分の間に気温が10度以上下がったりすることもあるそうです(オーストラリア人の友人に聞いただけで実体験した記憶はありませんが)。
総じて言うと、シドニーでは、暑さを決めるのは「日光」、寒さを決めるのは「風」だと思います。寒暖の原因が瞬発的なものですから、車を運転していて、窓を閉めて直射日光に晒されていると暑くてたまらなくなりクーラーを入れますが、ふと窓を開けるといきなり寒くなったりもしますし、昼間はクーラーを入れて走り、夜はヒーターを入れて帰ってくるとかいうことは、さほど珍しくありません。
実感としては、日光の温かさと低湿度のしのぎやすさのおかげで殆ど違和感がありませんし(不快指数が高くならない)、おそらくそう指摘されなければ気づかないでしょう。しかし、そこが落とし穴になります。なぜかというと、自分を省みて気付いたのですが、日本の感覚で「この季節はこの程度の気温の範囲」と無意識に思い込んでしまうのですね。明日は今日より10度も気温が下がるなんて普通は考えないのですが、こちらではしばしばあります。そこで無防備のまま夜に風邪を引いてしまうわけです。
もう一つの落し穴は、日本人の寒暑には「不快感」が付きまとうのですが、こちらはカラッとしているので不快指数は総じて低い。しのぎやすいから、本当は気温が急に変化しているのにそれが実感としてわからないという面もあると思います。何度も他愛なく風邪もひいてるうちに、段々と学習していったことです。
注意すべき第二点目としては、地域による格差です。海岸部の都市周辺を離れて内陸の砂漠地帯や山岳地帯に行くとこの寒暑のギャップは激しくなります。同じ日、同じNSW州内であっても、ある地域は最高気温38度、別の地域は最低気温が零下2度ということも、しばしばあります(日本ではあまり知られてませんが、スノウィ・マウンテンという地元では有名なスキー場もあります)。カントリーライフを計画されている方は、その点を頭に入れておいて下さい。暑い分には薄着になればいいだけですから、実戦的に準備するのは防寒着ということになるでしょう。なお防寒着は嵩張りますので、必要に応じて現地で調達しても良いでしょうし、皮革/羽毛製品は現地の方がおそらく安いでしょう(1〜2万円も出せば本皮のジャンパーが買えます)。
なおこれはシドニー周辺の気候ですので、オーストラリア全土となると話もまた変わってきますので注意。南部のタスマニアは北海道のような気候ですし、北部は熱帯雨林(ワニがいるくらいですから)。特に北部は冬でも30度ありますので、暑い/寒いというより雨季/乾季の区別の方が重要でしょう。
シドニーモーニングヘラルド紙1997年1月1日に、1996年の統計データーが掲載してありました。
これによると、1996年シドニーで、
最も暑かった日→11月13日で34.5度
最も寒かった日→8月9日 5度
一番暑かった月→1月、平均最高気温25.4度
一番寒かった月→7月、平均最低気温8.5度
最も雨が降った月→5月、177.8mm
最も雨が降った日→9月29日、69.4mm
年間雨量→1148.6mm(95年は1229.8mm)
だそうです。暑い寒いといっても、まあ知れてますね。
シドニーには季節感がありません。「ない」とまで言ってしまうと言い過ぎかもしれませんが、8月(日本では2月に相当)に30度の日があったりするなかで季節感を感じろというのは無理な注文ではなかろうか。
また、ユーカリの木のように常緑樹が多いので、色鮮やかな紅葉などあまりお目にかかれず(行くところに行けばありますが)、いつも同じ風景というのも、季節感を失わせるもう一つの原因だと思います。
さらに、日本の場合、天候寒暖の変化だけでなく、夏は甲子園やナイターとビール、冬はお正月でコタツとミカン、など強力に季節を感じさせてくれる「風物詩」がありますが、こちらではそんな慣れ親しんだ風物詩は一切ありません。
こちらに住んでいて焦がれるように日本を思い出すのは、これらの季節感です。日本にいるときは「都会には季節感なんかないよ」とボヤいてたのですが、今にして思えばなんと四季の風情に恵まれた美しい国よと感じてしまいます(離れているので美化してるのかもしれないし、実際に帰ったらあまりの湿度の高さに閉口するのですが)。大体、世界広しと言えども、季節ごとに、その季節をあしらったビールの新銘柄が続々発売される国なんか日本だけじゃないのでしょうか。
ああ、こんなことを書いていたら、初冬の荒ぶる日本海に行って、海の幸と熱燗を堪能して、湯煙のたちこめる温泉にぶくぶくと沈んでみたくなってきた。美味しかったなあ、いつぞやの氷見の寒ブリ。よし近いうちに日本に帰省しよう。
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