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1−1.グローバリゼーションの読み解き方と
ワーホリの新活用法




ワーホリ実戦講座 INDEX

1:ワーホリとは?近年の環境変化
1−1:グローバリゼーションの読み解き方とワーホリの新活用法
1−2:ワーキングホリデー・ビザの取得方法
1−3:二回目ワーホリ

2: Watershed(分水嶺)運命の分かれ道〜 あまりに高い言葉と文化の壁
3.初期において「やる気」を「経験」にエクスチェンジすること
4.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その1(バスを制覇せよ)
5.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その2(地図を入手せよ)
6ー1.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その3(携帯電話を入手せよ)
6ー2.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その3(携帯電話編 その2)

7.シェアを探そう〜100%英語環境でのシェア探しがなぜ成功の第一関門になるのか?
※↑関連シドニーシェア探し入門を参照

8−1.仕事をしよう(その1) 仕事の効用 
8−2.仕事をしよう(その2) 仕事の探し方 日系〜ジャバレス編
8−3.仕事をしよう(その3) 仕事の探し方(2) 日系その他編、ローカル編
8−4.仕事をしよう(その4) 英文履歴書・実戦例

9−1.ラウンドのススメ(その1) 
9−2.ラウンドのススメ(その2) 
9−3.ラウンドのススメ(その3) 宿について
9−4.ラウンドのススメ(その4) 一人旅、車の旅

10−1.2年目ワーホリの難しさ(その1) 
10−2.2年目ワーホリの難しさ(その2) 「ワーホリ定食」論
10−3.2年目ワーホリの難しさ(その3) ゼロベースからの自家製メニュー
10−4.2年目ワーホリの難しさ(その4) 余談(自分の場合)と結語


読み解き方〜グローバリゼーションの反映

必要性あってのワーホリ

 前ページで見たように、過去の推移を見ていると、先陣を切ってまず韓国系がドカンと増えました。なぜ増えたのか?
 韓国の人々がある日を境に突如として勉学意欲に目醒めた、、なんてことはなくて、原因は比較的明瞭で、経済です。つまりは、就職するためです。

 韓国の人口は日本の3分の1程度(4600万人、日本は1億2600万人)。市場規模が小さいから、国内で売り尽くしても研究開発費のモトが取りにくい。だから、企業も生き残るためには必然的に外に打って出るしかない。したがって就職においても、海外で使える人材を求める。単に大学を卒業したくらいではダメで、名門サムソンに入ろうと思えば、日本語か英語が出来ること、英語だったらTOEIC950点以上、海外に1年以上滞在したことなど足切りだけでメチャクチャ厳しい。特に97年にアジア経済危機→IMF管理から、もう「全然違う国になった」と言われるくらいの厳しさだそうです。詳しくはエッセイ485参照。 

 現在サムソンの家電などは世界市場で日本家電を駆逐しつつある勢いですが、もともとが海外戦略前提で長い間努力を重ねていたところ、品質とブランド力が追いついてきた時点で一気にブレイクということでしょう。品質がずば抜けているというよりも海外での「売り方が上手」であり、「世界で売れるものを作るのが上手」ということでしょう。この点、人口500万にしかいないフィンランドなんか顕著にそうで、国内市場なんか最初っから考えてない(考えてもしょうがない)。だからNOKIAのような世界メーカーを生んでいる。その間、日本はガラパゴスで内向きにやっていた。逆にいえば内向きでもやっていけるくらい国内市場が大きかった。

 韓国の状況というのは国内市場が日に日に縮小していく「現在〜近未来の日本」の姿でしょう。国内市場が縮小すれば徐々に韓国その他の国々と同様の条件になり、外に打って出るしかなくなるという。遅まきながら、日本企業もガンガン海外シフトをかけてきています(後述)。
ところで、韓国人について

→MORE

 今、韓国のことを例にあげましたが、韓国だからというよりも、これは分かりやすい典型だからです。まず経済的必要があって→ワーホリという行動が生まれる構図は韓国人に限ったものではないです。確かに直近20年でグローバル化で一番弾けたのは韓国ですから(過去50年にすると一番弾けたのはダントツで日本)、そのまんま韓国ワーホリが先陣を切ってまず増えた。しかし、原理はどこの国でも同じです。

 タイ系、ベトナム系、中国系、そしてヨーロピアンにしても、「本来海外に不向きなんだけど、就職その他の事情でイヤイヤ来ている」系の人達はどこにでもいますし、どこででも固まっています。シドニーシティの南側、チャイナタウンからタウンホールまでの間は、オリンピックの選手村のように、各国の人々が養鶏場のような寿司詰めシェアをしているということですね。

 また、ヨーロピアンでも話は同じなんです。彼ら金髪碧眼で陽気ですから、一見英語堪能、一見外向的、一見イケてるようだけど、イケてないヨーロピアンも沢山いるわけです。必要に迫られてきているんですから、向いてない奴も増えるのが道理。ヨーロピアン同志、同じ国同志で固まっているのはよくあります。でも見た目がオージーみたいだし、区別がつきにくいから何となく地元に馴染んでいるように見えたりするだけの話。

 ということで、「ヨーロピアン集団=イケてる、アジア人集団=イケてない」と思うのは、幼稚な発想だと思います。特に英語圏のイギリス、アイルランド系などは、もともと英語が喋れる分だけ、オーストラリアにいても楽な反面、得るものが少ない。僕らは英語で苦労する分だけ、ちゃんと得るものはある。でも彼らはいるだけだったら、イギリスの縮小コピーのようなオーストラリア社会で学べるものは少ない。かといって、アジア系文化から真剣に学んでいるという風でもない。だから、アイリッシュパブでひたすら飲んで、イヤイヤ二回目のためにファームに行くという、日本人でいえば、沖縄あたりでプー太郎やってるような感じですな。そういうのも結構います。

 いずれにせよ実践的なことをいえば、「人によりけり」です。ヨーロピアンでも真面目な人はいますし、遊んでるからダメってもんでもないですしね。でも「○○人だから」という「大量一括処理方式」は、今すぐこの場で捨ててください。なぜなら、一生の友達を得るチャンスを逃しますから。


グローバル化の反映

 ところで、ワーホリビザとは兄弟ビザのような学生ビザはどうなっているのでしょうか。
 世界経済の動向とオーストラリア留学&ワーホリ第二章で紹介した統計表をここでも挙げておきます。

学生ビザの国別状況


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 ということで、学生ビザにおいてもワーホリビザと同じ傾向が見受けられます。すなわち、

@.学生ビザ、ワーホリビザともども長期トレンドとしてはおおむね増加傾向にある
A.韓国勢は一時期よりも沈静化している
B.語学学校においては南米系が多く、留学生全体で言えば中国・インドが圧倒的に多い。
C.しかしこれまで殆ど来ていなかった国々から留学生が、中印南米以上の猛烈な伸び率で増えており、経済成長が成熟化するに伴って学生数の伸びは鈍化する
D、EU危機に照応してか、ヨーロピアンの学生・ワーホリが急増している
E、日本だけは、世界の動向をまるっぽ無視で一貫して減っていたが、ここに来て(お尻に火が付いたのか)反転上昇傾向にある

ということでしょうか。

 なんのことはない、グローバル経済が語学学校に「影響を与える」なんてレベルではなく、その動向がストレートに反映されており、更に言えばグローバル経済の明日を占うくらいの感じです。


 グローバル化については、日本企業も遅ればせながらこの動きに対応しはじめています。
 本当に「遅ればせ」過ぎるんだけど、大企業から中小企業まで、海外生産&販売シフト、外国人の登用、日本人スタッフの海外派遣や日本人の海外留学生の登用という記事が2年前あたりから目立つようになり、去年からは完全にデファクトモード的になってきてます。財界だけではなく、政府や自治体、大学も海外行きを応援しています(9月開講にするとか、単位認定を容易にするとか、通年採用に踏み切るとか)。

 ゆえに日本でもワーホリが増えてきているという、結局、原理はどこも同じだということですね。

 要は、本国市場が小さくなっているので外に出て行くしかない→しかし海外で使える人材が少ない→「海外使用可」の人材(外国人留学生、外国で修行してきた日本人留学生など)を求める動きが活発になってくる→財界だけではなく、政府や自治体、大学も海外行きを支援する(9月開講にするとか、単位認定を容易にするとか、通年採用に踏み切るとか)→就職状況のチャートが変わる→就職希望者の動向も変わる→ワーホリや留学が増える、という「風が吹けば桶屋が儲かる」式の因果関係です。

 なお、このあたりの細かな動向は、世界経済の動向と将来のキャリア留学/ワーホリ/移住の新しい局面に、意地クソのようにメディアに出てきた関連記事をスクラップしていますので、またごらん下さい。

個人レベルでの対応

 ま、そんな天下国家はさておき、最後にオーストラリアにワーホリで来られる方のために、個人目線で具体的・実戦的な話をすれば、オーストラリアにおける日本人ワーホリの環境は以前よりも厳しくなっていると言えます。理由は大きく二つ。

@、ライバルの激増
 ジャパレス以外のローカルジョブをゲットするにしても、韓国系の他、ブラジル系、ドイツ等ヨーロピアン、さらにインド系や中国系が増えているので、以前よりも競争は熾烈になります。

 さらにラウンド中でのファームジョブでも同じように言えます。なんせドイツ系、フランス系ワーホリが二回目ワーホリを取るためにファームジョブを探しますので、英語は達者だわ、ガタイはいいわ、物怖じしないから押しが強いわ、情報も早いわという彼らに日本人ワーホリが駆逐されちゃって、なかなか仕事にありつけないという状況です。仕事をしてしまえば、日本人労働者は世界一優秀ですから可愛がられたり、評価されたりしますが、そこに行くまでの過程でメゲてしまうという。

 ★ただし、Good Newsもあります。ジャパレスです。シドニーの(おそらくはオーストラリア全土の)ジャパレスの数はもの凄い勢いで増えています。オージーをはじめ日本食が世界中に浸透してきたこと、人口増が著しいチャイニーズが日本食の大ファンであることなどから、日本食屋さんはどんどん増えてます。一方、そこで働く日本人のワーホリ・留学生は減ってます。働くならばチャンスだということです。
 もっとも、ジャパレスといっても、全てが日本人オーナーではありませんし、それどころか日本人が一人もいないジャパレスもあります。しかし、そうはいっても、ジャパレスに関してだけは日本人は特権的地位にあり、バイト獲得難易度はどんどん楽になっていると思います。時給もちょっと前まで8〜9ドルなどがザラだったのですが、最近では12ドルというところも珍しくないですし。

A、日本人のコミュニケーション能力等の人間力
 あらゆるところで書いてますが、こっちの世界では、知らない人に話しかけてなんぼです。幾らでも話しかけられるし、こちらかも話しかけていかねば、なかなかブレイクスルーの糸口はつかめません。でも、こういうのって慣れであり、場数ですから、「やんなきゃ」と思ってもなかなかその一歩が進まない。オーストラリアに来る前にそれなりに経験を積んでこないといけないのだけど、でも、日本国内の人間関係は年を追う毎に、よそよそしくなってるいうようで、知らない人に話しかけること自体躊躇われるような感じでしょう。空気も読まなきゃならんし。それはそれで日本人の美徳の一つではあるんだけど、いざこういう環境になるとアゲインストでしょう。昔から「シャイな日本人」と言われていましたが、近年は益々世界とのギャップが激しくなってきている。
 
 といっても、なにものべつまくなし「イエー!」と弾けたラテン系にならないとダメってことじゃないですよ。それにそうすれば成功するってもんでもないです。うるさがられるだけだったりして。物静かでも、無口でも、皆に愛されることは全然可能です。バリアを張らないで、物怖じしないで、堂々とニコニコしてるだけで結構うまくいきます。だけどこれって、頭で考えても習得しにくい。

 もう一つは”修羅場”経験です。海外というのは想定外の嵐のような環境で、どんなことが起きても臨機応変にクールに対応しなければなりません。早い話が「肝っ玉」が据わっている必要があるのですが、これも場数を踏まないと鍛えられない。”修羅場を潜る”という体験です。これまで、こういう経験は、職場で無理矢理鍛えられていたのですが、就職機会の減少と仕事の質的変化によって、練習機会が減ってきています。仕事の質というのは自由裁量の範囲、、ぶっちゃけて言えば、「よーし、全部お前に任せた、好きにやってみろ!」ってな感じの仕事をさせてもらわないと、切った張ったの現場経験は積みにくいです。マニュアルだけでは身につかない。

 ということで、@競争は激しくなっているが、A戦闘力(主としてメンタル面)はUPしてない(むしろDOWN)ということで、環境的には厳しくなっているということです。

 ここで人によって反応が分かれると思うのですが、「じゃあ、ダメだ」「やめとこうかな」と思うか、「おし!チャンスだ」と思うかです。僕だったら断然後者。当然じゃん。世界の状況と全く異なる奇妙なワーホリ環境がオーストラリアにあるんだったら、そこでいくら修行しても後々役に立てにくい。でも、世界状況と瓜二つの環境があるというなら願ったり叶ったりです。世界標準に慣れておけばこの先世界の何処に行っても入っていきやすいし、また日本国内においても遅かれ早かれこの波は本格的に押し寄せてくるんだから、一歩先んじて今のうちに練習しておいたらいい。

 逆にこの練習をしないで、会社の転勤なんぞでいきなり知らん国に飛ばされたら、これはキツいと思いますよ。住むだけでも大変なのに、仕事のプレッシャーもあるわけです。僕も仕事でオーストラリアに飛ばされてたら、こうはなってなかったかもしれないです。その点、ワーホリはノーリスクなんだから、ここを先途と思う存分世界を味わってきたら良いです。それが後々どれだけ自分のアドバンテージになるか。ワーホリ中はイケてないまま、鳴かず飛ばずでもいいです。それでも世界の味を知ることに意味があります。BRICsの存在感は、こちらに来たら皮膚感覚でよく分かるし、また別に恐がるようなことではないことも分かる。そこで第三のポイントが出てきます。

B、リターンが大きくなっている
 環境的にハードになっているのだけど、それだけにリターンは巨大になっています。「厳しい」というのは、それだけ日本で得難い修行が出来るということなんだから、価値は上がってると思います。

 それに、ワーホリで得た経験が後で役に立つという「お役立ち度数」みたいなものが高くなっている。これまでは、留学にせよワーホリにせよ、遊学・ホリデー的なニュアンスがあったのですが、今は将来のキャリア獲得の為の「正着の一手」みたいな方向にシフトしている。サムソンが給料払って社員にワーホリに行かせているくらいですから。変な比喩ですが、「お菓子だと思ってたら、ゴハンになってきた」みたいなものです。口当たりは甘くなくなってきたけど、その代わり栄養のバランスは良くなってきているという。

 以上、ここ数年の間に、日本人ワーホリの置かれている外部環境がかなり変わってきているという話でした。完璧に理解する必要はないけど、大雑把にでも頭にいれておくとかなり違うと思います。簡単にまとめてしまえば、甘い気持ちで来たら木端微塵になる可能性が高くなっているけど、逆に気合が入っている人にはどんどん美味しい環境になってきている、ってことでしょう。

   →次(ワーホリビザの取り方)に進む



ワーホリ実戦講座 INDEX

1:ワーホリとは?近年の環境変化
1−1:グローバリゼーションの読み解き方とワーホリの新活用法
1−2:ワーキングホリデー・ビザの取得方法
1−3:二回目ワーホリ

2: Watershed(分水嶺)運命の分かれ道〜 あまりに高い言葉と文化の壁
3.初期において「やる気」を「経験」にエクスチェンジすること
4.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その1(バスを制覇せよ)
5.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その2(地図を入手せよ)
6ー1.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その3(携帯電話を入手せよ)
6ー2.サバイバル力養成実戦講座 あしたのために〜その3(携帯電話編 その2)

7.シェアを探そう〜100%英語環境でのシェア探しがなぜ成功の第一関門になるのか?
※↑関連シドニーシェア探し入門を参照

8−1.仕事をしよう(その1) 仕事の効用 
8−2.仕事をしよう(その2) 仕事の探し方 日系〜ジャバレス編
8−3.仕事をしよう(その3) 仕事の探し方(2) 日系その他編、ローカル編
8−4.仕事をしよう(その4) 英文履歴書・実戦例

9−1.ラウンドのススメ(その1) 
9−2.ラウンドのススメ(その2) 
9−3.ラウンドのススメ(その3) 宿について
9−4.ラウンドのススメ(その4) 一人旅、車の旅

10−1.2年目ワーホリの難しさ(その1) 
10−2.2年目ワーホリの難しさ(その2) 「ワーホリ定食」論
10−3.2年目ワーホリの難しさ(その3) ゼロベースからの自家製メニュー
10−4.2年目ワーホリの難しさ(その4) 余談(自分の場合)と結語


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