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今週の1枚(03.04.07)






   ESSAY/Perth 特集(その3)




  写真は、エスペランスの海



 パース特集の第三回です。

PART 3 二日目〜Esperance編


エスペランスまで800キロ
 2日目は上図のAの示すように、パースから一気に南東のエスペランスまで突っ走りました。

 
 なぜエスペランスまで行ったのかは、第一回目に書きましたように、エスペランスに行ってきた人から「人生観が変わるくらい美しい海」と聞いたので見てみたかったのですね。あと、ピンク色に輝くというピンクレイクも野次馬根性で見てみたかったというのもあります。

 しかし、ああ、エスペランスは遠かった。地図上の表示ではパースから720キロとか750キロとか書いてますが、実際に自分の車のトリップメーターでは800キロくらいいきました。これも書きましたが、だいたい1週間程度の行程だったら、定番どおりアルバニーどまりにしておけばいいものを、無理やりアルバニーから行って帰って1000キロというエスペランスを目的地に組み込んだのが運の尽きというか、今回の旅行の特性を決定してしまったと思います。すなわち、強行軍化であります。

 結果的に言えば、天候もイマイチで海の美しさも十分に堪能したとは言いがたいですし、ピンクレイクに至っては干上がってしまっていたわけで、1000キロ余計に走った割には「うーむ」という結果だったわけです。じゃあ、行かない方が良かったかというと、行った方が良かったです。エスペランスがどうとかいうよりは、そこまで行ったという爆走行為それ自体が面白かったわけです。結局、全編通じて、この爆走が一番思い出になったかもしれません。

 また単に「今日中に着けばいいや」だったらまだしも楽だったのですが、あわよくば日のあるうちに着いて海やピンクレイクを見物したいという野望があったので、「日没までに辿りつけ」という走れメロス状態だったのがさらに緊迫感を増すわけですね。こうなるともう気分はラリー状態。運転する奴は、ハンドルを握り締めて時速120キロ(or more)でぶっ飛ばし続け、5キロ単位で出てくる次の距離基点までの数字が走りすぎていくのを視界の隅におさめ、ナビ席の奴は、地図とにらめっこをして、「はい、そこで左折」「○○まできたら、あと○キロ」とか指示をするわけです。

 ちなみに書いてもあんまり意味無いけど、ルートの詳細は、パースシティを北から南に走り抜けてArmadale Rdを左折して、Armadaleの町までいったら、ここで南下してAlbany Highwayに入ります。そこから、Bannister経由でCrossmannまで87キロ、Williamsまで39キロ、Arthur Riverまで39キロ、そこからまた59キロ走ってKojonupまで着いたら、そこでアルバニーハイウェイから外れて東進し、Broomhillまで48キロ、Gnowangerupまで40キロ、Ongerup経由でJerramungupまで96キロ、ここからSouth Coast Highwayに合流し、Ravensthorpeまで113キロ、さらにMunglinupまで80キロ走ったら、最終目的地Esperanceまであと107キロ地点までたどり着きます。

 この地名がアボリジニ系が多いので、読みにくいです。「いま、どのあたり走ってるの」「えっと、、じぇ、じぇ、じぇらま。じぇらまんがっぷ?」「なにそれ?」みたいな感じですね。読みにくいものは記憶しにくいから、もう「じぇらなんたら」とかいう省略形で言ってましたけど。あと、やたらUPが最後につく地名が多いのですが、UPというのはアボリジニ語で水だったか何かを意味する言葉と聞いたことがありますが(自信はない)、ともあれ最後が「っぷ」になる地名が多いのが印象的でした。


爆走思い出アルバム

 


 「ハイウェイ」なんて名前がついてても、基本的には片道一車線の細い道です。上の写真のように、センターラインがひいてあるのはまだマシでして、下の写真のようにセンターラインすら引かれていない道も多いです。


 でもって、見通しがいいところは安心してすっ飛ばせるのですが、起伏があったりすると見通しが悪く、気を使います。さらに、対向車との離合に気をつかいます。なんせセンターラインのない細い道で120キロ同士ですれ違うわけですから。

 そして、恐怖のロードトレイン(2−3連結してある馬鹿でかいトレーラー)が向こうから見えたりするとビビります。向こうの坂から、ドドーンと不気味な容姿が見えてくると、「うわ〜、なんや変なモン来たでー」ということで血中アドレナリン濃度が上昇するわけですね。





 ぶっ飛ばしてばかりいられる筈も無く、町についたら休息します。ゴハン食べたり、トイレに行ったり、給油したり、アイスクリーム食べたり。

 この途中の”宿場町”のような片田舎の町や、”峠の茶屋”みたいな街道沿いの店が、ときとしていい味出してたりします。

 下の写真左は、アルバニーハイウェイでの最初の休憩地。トイレ行って、背筋を伸ばしたりするわけですね。右の二枚が、Kojonupという中継地。この時点でパースから255キロ。前途遼遠ではあるものの、ペース的には快調。ここでやっと朝ゴハンに、ベーコンエッグのホットサンドを買って食べましたが、これが美味だったです。



 写真下左が、Jerramungup。ここのモーテルにあったレストラン(というより「食堂」)で昼ご飯食べましたが、すごかったですねー。メニューだけはうれしそうに色々書いてあるから、こっちも釣られて色々頼んじゃったけど、スープなんかトマトスープというよりもケチャップの牛乳割みたいなシロモノでした。一番美味しかったのはチップスでした。教訓、オーストラリアの地方にいったら、それも何の変哲もない店にいったら、最もトラディショナルなものを食べるべし。すなわちサンドイッチとかチップスとか。結局トラディショナルなものというのは、そのエリアでは一番よく収穫される物を、その地方で最も普遍的な調理法で料理して、一番多く食べられてきてるわけですから、一番美味しい確率が高いのでしょう。

 ガラーンとした昼下がりの食堂で、客なんか僕らだけだし、隣のテーブルでは店の人が賄いランチを食べてまして、なかなかまったりとした雰囲気で、また備え付けのテレビでやってたアメリカの昼メロみたいなものがまったり度を増していました。ウェイトレスのお姉さんだけがセッセと甲斐甲斐しく働いていたのが印象的でしたね。

 あと写真に載ってるように、建物に書かれていた妙な広告文句が気をひきました。「次の停車地、ラベンスロープホテルまで113キロ」とかいうのはどういう意味でしょう。僕は「ここで泊まらないとあと113キロホテルは無いよ」という意味かなと思ったのですが。

 写真右は、その113キロ経過したラベンスロープの町の眠ったような昼下がりの光景。




ESPERANCE − Pink Lake
 というわけでめでたく、日のあるうちにエスペランスまでたどり着きました。

 まずは街道から入っていけるピンクレイクだ、ということで、ピンクレイクに行ってみました。が、あんまりピンクに見えない。うーん、ここまで来てピンクでいてくれないと困るんですけど、、という心理にかられ「逆光だからちゃう?」「ほら、あの辺、心なしかピンクじゃない?」と無理やりピンクに仕立てあげてました。が、翌日、下まで降りていってみたら、水が干上がっていて、歩いていけるという。

 でも、まあ、負け惜しみではなく、風景的には綺麗でしたけど、、、、綺麗なのは湖というよりは、この開けた地形と逆行に浮かぶ雲だったりもします。



 ピンクレイクがピンクなわけは、写真右の説明に書いてありますので、各自辞書を片手に読むように、、、と言っても、あの忙しい日本の皆さんがこんな面倒な学術英語なんか読むわけないだろうから、ここでかいつまんで書いておきます。ピンクレイクがピンク色に見えるのは、水中に繁茂するジェナリエラと呼ばれる緑藻と、水底のバクテリアに基づきます。このジュナリエラという藻は、世界で最も塩濃度の高い塩水で生きていける種らしく、塩化ナトリウム35%までOKだそうです(海水はわずか3%)。高塩分濃度と、高温と、そしてきつい日光を浴びて、この藻は赤カロチン色素、ベータカロチンを生成します。これはニンジンの赤と同じ色素だそうで、ニンジンがわずか0.3%しかこの色素を含まないのに対して、このジェナリエラ藻はなんと14%も含むそうです。このベータカロチンは、藻自身を直射日光から防ぐとともにオレンジ・レッドの色を与えます。

 この藻は、同じWA州のハットラグーンというところのファームで栽培されているそうで、食紅の一種として、あるいはサプルメント(ビタミンAに変えるそうです)として利用される、と。ちなみにこのファームは世界最大だそうです。時折、湖畔でスィートバイオレットの臭気を嗅ぐ人もいるでしょうが、これは湖畔に打ち上げられた藻が死んで臭いを発するそうです。ジェナリエア藻は、ここだけではなく世界のいたるところの塩水湖で発見されてます。南極、チリ、アメリカ、チベット、フランス、南アフリカなど。このジェナリエアという名前は、フランスでこの藻によって塩水湖がオレンジ色になることを発見したアンドレ・ジュナルという学者にちなんで呼ばれているそうです。

 一方、ハロバクテリアと呼ばれるバクテリアですが、湖底の塩の表面にいるそうです。このジュナリエアとバクテリアの比率関係によって、湖がどのようなピンク色に見えるかが決まるということです。



 というありがたいお勉強をした後、もう一度湖を見てみましょう。幸い、完全に干上がってるわけではなく水も残ってはおりました。写真下のように、「ピンク色に見えないことも無い」というエリアもあったりします。どうです、ピンクでしょう?って、しかし、これ、ピンクレイクだという先入観がなかったら気づかないだろうなあ。

 翌日、下までおりていって、干上がった湖を探検しました。

 
 ちなみに、エスペランスの町からピンクレイクまでのアクセスですが、歩いていけないこともないですけど、車の方が便利でしょうね。歩いたら、片道1時間はかかるでしょう。


ESPERANCE − Ocean
 さて、問題のエスペランスの海です。このために走ってきたようなものです。
 とりあえずピンクレイクから一路海まで来たのですが、最初の印象は「やあ、やっぱり綺麗だわあ」というものでした。ピンクレイク同様、「ここまで来たんだから是が非でもキレイであってくれねば困る」という心理は勿論あったわけですが、それを差し引いても綺麗でした。雲は出てるわ、西日だわ、でもです。

 特にそう思ったのは、やっぱりこの景観でしょうね。ひとっこ一人いないって、一人水着のおねーさんが泳いでましたが、それ以外はガラーンとしていて、それに西日を浴びた岩、島々、雲、、、、なんかどっかの惑星に不時着しました的な異郷的な雰囲気があったのですね。いきなりこれを見たから、「おお」と印象に残ったのかもしれません。あとは、やっぱり水の色が深かったです。


 上の二枚は普通のカメラで(CanonESO)撮ったもの、下の二枚はデジカメ(オリンパスのカメディア)で撮ったものです。
 本物はこれらのどれよりも2倍は綺麗だったのですが、カメラの場合はスキャナーがしょーもないからヘボだし、デジカメはやっぱり発色が弱いです。オリンパスねー、いいカメラなんだけどねー、きれいに撮れるんですけどねー、昔のコダックに比べると発色が本当に弱いんですよね。まあ、写真なんか、あとで現像して「こんなはずでは、、、」と悔しがるために撮ってるようなものなんですけど、それは知ってるはずなんですけど、やっぱり悔しいですねえ。フィルムスキャナー買おうかしら。


 翌朝、「今日こそは快晴!」と期待したけど、昨日以上の曇天。とほほでしたねー。
 でも、下の写真、特に右二枚を見たらおわかりのように、日光が差し込んでいなくても海水はしっかり緑色でした。



ESPERANCE − B&B

 宿です。インターネットで見つけてメールで予約した "Esperance B&B by the sea"という、そのまんま名前を冠した宿でありました。B&Bというのは、ベッド&ブレックファーストの略で、イギリス式の呼び方らしく、ヨーロッパに行くと「ペンション」という名前になり、日本における「民宿」ですね。

 さて、この宿ですが、良かったです。宿のホームページは、http://www.esperancebb.com/にあります。シンプルな2ページだけのホームページですが、写真に偽りなしでした。一見無造作な掘っ立て小屋風ですが、実は建築家のデザインしたもので、よく考えられていますし、インテリアとか素晴らしかったです。二階がメインなのですが、周囲をぐるっと広いベランダが取り囲んでいました。これ、快晴だったら超気分いいんだろうなあ。

 エスペランスの町にあるのではなく、そこから車で5分くらいいったBlue Haven Beachという浜辺に面した静かな住宅地にありました。上品なご夫婦がやっている宿で、宿というよりは普通の家ですね。もっぱら奥さんの方がメインに仕切っているようで、ダンナさんは別の仕事をもっているようでした。


 見たところ客室は二階にひとつ(or ふたつ)、一階にひとつで、僕らはダブルだったら一階でした。でも、二階のツインの方が眺めは素晴らしいでしょうから、もし泊まるならツインがいいと思いますよ。といっても、こんなのベッド入れ替えられたらおしまいですから、予約するときに二階の方がいいと明記された方がいいでしょう。

 眺望的に劣る1階だったのですが、それでもベッドに寝転んで海は見えますし、一階は事実上僕らだけで、そこにトイレからバスから全部揃ってるから、気楽といえば気楽でした。




 写真にしちゃうとなんかしょーもなくなっちゃうのですが、全体に潔癖症か?と思うくらいキチンとしておりました。写真にとってないですけど、この宿の基調カラーである白とブルーグリーン(HPの色)がかなり徹底的にコーディネイトされてました。壁から、バスタオルから、ティッシュペーパーの箱の色まで。この家は、建物そのものはクラシカルではなくバリバリにモダン建築なのですが、それに猫足のアンティークをこう置いてみましたという感じで堪能できます。

 B&Bに泊まる醍醐味は、「他人を家を見る」楽しみといいますか、インテリアやライフスタイルの参考になるのですね。「なるほど、ここで気をつかうと、こういう具合にゴージャスに見えるわけね」という。まあ、大体は「参考」というよりは、打ちのめされてしまって、「あかんわ、ここまで毎日キッチリ掃除はできんわ」と思っちゃうのですが。

 とは言うものの、いいところに当たると、家具とかインテリアを楽しめます。なるほどー、こういった家具は本来こうやって使うものなのか、とかね。西欧式の生活に慣れてるようでよく知らない我々にとっては学ぶところが多いです。しかし、まあ、それもスペースがふんだんにあってこその話ですよね。



 下は、朝食時の風景です。B&Bの特徴は、名前のようにブレックファーストが出てくるところですね。特にコンチネンタルではなく、cooked breackfastと呼ばれる卵料理がくっついてくるのが嬉しいです。コンチネンタルの場合、コーヒー、ジュース、それとシリアルくらいですが、これもピンキリで、この宿くらいになると、シリアルにかけるアプリコットジャム一つとってもお手製だったりします。

 写真下左でいうと、左隅に写っているのがシリアルバーといいますか、ここにコーンフレークとかが置いてあり、その前の丼みたいな器にジャムだのなんだのが置かれているわけですね。写真右手が食卓で、そのうえにジュースやミルクのジャーが置いてあり、緊張しながらモソモソ食べていると、卵料理のオーダーを聞きに来てくれるわけです。ベーコン・アンド・エッグを頼むと、「ホットトマトはつけますか」なーんて聞かれたりするわけですね。



 当然のごとく全館禁煙なので、ガラガラと引き戸を開けて外に出てタバコを吸ったりするのですが、目の前の家が建築中でした。調度屋根をふいているところでしたが、朝の7時になったらもう作業がはじまってるのがいかにもオーストラリアらしいところですね。見たところどれも建ってから間が無いようで、ここらへん一帯が新規に開発されたようでした。でもって、これだけの景観なのに、家がスカスカに建ってるのですね。のちほど周囲をドライブしたのですが、家なんか全然なくて手付かず状態。シドニーだって、こんなに360度パノラマで海が見える家なんかそうそう無いのに、このあたりは、もう土地はいくらでもあるって感じでしたね。

 これで一泊朝食つき、二人で90ドルでした。日本円にしたら一人3000円ちょい。B&Bは当たるとお値打ちです。

 朝食後、奥さんとお話してたのですが、もしかしたら日本人で泊まったのは僕らが最初なんじゃないかというくらい感じで、多くのお客さんは同じWAのパースあたりから来るようです。そもそもシドニーから来たというのが、very unusal というくらいでしたから。その割には、海外のお客さんも多く、どこだっけな、スウェーデンとかドイツとかスイス?が多いようです。それは、そちら方面に強い旅行会社と提携してるので、そのルートでお客さんが来るそうです。


ESPERANCE − Town

 エスペランスの町ですが、田舎の観光地という感じです。確かに観光は盛んですので、宿やホテルは沢山ありました。インターネットで探し回ったので、「あ、この宿、写真で見てことあるぞ」と見覚えのある宿もいろいろあったのですが、写真でみるとカッコいいのですが、実際にみると結構しょぼかったりして、「ここにしないでよかった」とか思ったりして。

 エスペランスは空港もあるし、大手レンタカー業者の支店もあるしで、それなりに大きな町かと思ってましたが、そんなに大きなことはないです。レンタカーの事務所も、看板がなければ絶対気づかないような、そのへんの普通の家でした。日本の地方の町はずれにある蕎麦屋みたいなタタズマイでありました。

 町の近くに展望台がありました。

 上の二枚の写真に写ってるのがエスペランスの町です。町といっても見えている殆どが住宅地で、商業地は一部に過ぎません。
 下の二枚は、町と反対側の海方面。右の写真は望遠で撮ったのですが、ピンクレイクが見えます。



 下の写真は、エスペランスの町の風景です。


 うーんと、2、300メートルくらいの通りが二本、そこに商店があって、それが町ですね。一応スーパーもありますし、このあたりではダントツに一番大きな町なのでしょうが、あまり多くを期待しないように。

 昼間に見るとそこそこにぎわってる町なのですが、晩御飯を食べにいったときは、ちょっと途方に暮れるくらい「え、レストラン、どこにあるの?」という感じでもありました。まあ、細かく探せばいろいろあったのでしょうが、車で走り抜けるとすぐに終わってしまうから、「これは降りて歩いて探さんと」というわけで、なんとか見つけたイタリア料理の店にいってみました。

 海辺沿いの二階にある、ボナパルトというナポレオンの実物大以上の肖像画がドーンと飾ってあるレストランで、一階にバーがあって、皆さん予約してからやってこられるという、「もしかしてこの付近では一番の高級レストラン?」という店でした。客観的にはどうあれ、店の意気込みとしては、「このあたりでは一番!」という気合を感じました。

 オーナーなんだか、マネージャーなんだかのオジサンがキビキビテキパキ歩き回って、注文を捌いていたのですが、なんかどことなくひょうきんなんですよね、この人。キビキビというよりも、セカセカと歩き回り、ご自分では一生懸命仕事をしてる敏腕マネージャーってな自意識オーラを発散しまくっておられたのですが、よーく見てると動きに無駄があるという。大体、ビールを頼むのにわざわざ一階のバーまで階段を下りていってオーダーを告げたりするのですが、そんなの内線電話でいいんじゃないかという。またメニューを配るときに、本日のスペシャルを言えばいいのに、スペシャルだけ告げにきて、またあとでオーダーを取りに来て、、という。

 でもって、厨房からフロアにいくのにドアが二つありまして、どうも入る専用、出る専用になってるようです。つまりドアは常に押してあけるようになっていて、これは両手がふさがってるときに重宝するのでありましょう。ふと気づくと(なんせ結構待たされたのでヒマだったのだ)、厨房に入るドアの左下隅がなにやら黒く汚れているのですね。「ははん」と思ったのですが、これってあのオジサンがドアを開けるときに足で押し開けているのではないか?と。なんか、そのドアの汚れが妙に記憶に残っています。

 さて、肝心な味の方は、記憶に残っておりません。まあまあというか、どってことないというか、値段からしたら高いです。
 素敵な海の見えるB&Bに泊まって、「いいなあ、こんな海の見える静かな生活」と思ってはみたものの、そうなったらなったで、今度はこのレストランを最高のもの有難がって暮らさねばならないのか、という。田舎の哀しみといいますか、昼間のケチャップスープとあいまって、考えさせられた一日でありました。


 ときに、なんでエスペランスなの?というと、右の石碑をお読みください。
 その昔、フランスの船舶がこの付近に避難したのですね。その船の名前がエスペランスだったという。
 それだけっちゃ、それだけの話です。


 エスペランスにお越しになる人は、白砂が有名なラッキーベイなんかもありますし(僕らは行く余裕がなかった)、僕らのように天候がイマイチということもありますから、日程に余裕を持ってこられたらいいと思います。急ぐのでしたら、スカイウェスト航空がパースから飛んでます。






 うう、エスペランスひとつでこれだけかかってたらキリがないな。次回はもう少し進行を早めたいと思います。まあ、思ってるだけで、書き出したら色々思いつくのだろうなあ。

 なお、同行したカミさんの方も自分のホームページで旅行記を書いてます。同じモノを見てても別の人が書くとまた意見も感想も違うし、併せて読むと立体的に、ステレオになって面白いと思います。






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