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今週の一枚ESSAY(07.04.09)


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ESSAY 305:永住権の近況


  写真は、Manlyビーチののどかな休日


 今週は、ひさしぶりに永住ビザの話をしたいと思います。今年の9月からまた色々変わるそうです。

 いきなり脱線しますが、ふと気が付いたら移民局の名称が変っていました。今年の1月からのことですが、これまでは"The Department of Immigration and Multicultural Affairs" という名称だったのですが、"the Department of Immigration and Citizenship" に変わったそうです。まあ、日本語(訳)としては「移民局」で変わらないのですが。しかし、この役所、僕の記憶では年がら年中変わってるような気がしますね。「the Department of Immigration 」までは不変なんだけど、そのあとが、「アボリジニやトレス海峡諸島民の問題」というのがくっついていたような、、、

 気になったので調べてみたら、2001年11月から"the Department of Immigration and Multicultural Affairs (DIMA)"と"the Department of Reconciliation and Aboriginal and Torres Strait Islander Affairs"が合体して、"the Department of Immigration and Multicultural and Indigenous Affairs (DIMIA)"になり、さらに2006年1月から "the Indigenous Affairs"というのが別の部局(the now Department of Families, Community Services and Indigenous Affairs)に移ったので、移民局の名称も"The Department of Immigration and Multicultural Affairs(DIMA)"に変わり、そして今回、"the Department of Immigration and Citizenship(DIAC)"に変更されたそうです。「いい加減にせえ」って気もしますね。

 というわけで、これまでディミア(DIMIA)とかディーマ(DIMA)とかいってた移民局も、いまはDIACになったということです。これは何と読むのだろう。単にディーアイエイシーなのだろうか、それともダィアックとでもいうのだろうか。前者の場合、オーストラリア訛りがキツイ人だと、「A」と「I」が日本人の耳には両方「あい」に聞こえるから、ディーアイアイシーになるのでしょう。

 しかし、ま、日本語的には「移民局」でいいです。正確には「移民"等"局」で、「等」の部分がコロコロ変わっているわけですが、面倒だからカットってことですね。



 それはさておき、最近の永住ビザ事情について地元の新聞に幾つかの記事がありましたので、ご紹介しておきます。

 "Foreign student crackdown"という記事で、April 7, 2007付です。
 ご存知かもしれませんが、現在のオーストラリアの永住権には、新卒者永住ビザというのがあり、ビジネス学校や大学に2年以上通うとそのまま永住権が貰えることになってます。もっとも話はそう簡単ではなく、Skilled Occupation List (SOL)の所定のコースでないとダメとか、移民必要職業リスト(MODF=Migration Occupation in Demand List)でボーナスポイントを貰うために調理師や美容師系の学校が人気とか、その種の戦略的な配慮は必要ですが、基本的には学校→永住権というコースがある。そうなってくると、当たり前の話ではあるのですが、学校が「ビザをとるための機関」に過ぎなくなるという本末転倒な状況になり、ビザ工場"Visa factory"になっているのではないかという問題意識もオーストラリア国民や当局の中に出てきたりするわけです。

 新たに移民局の大臣になったケヴィン・アンドリューズ(Kevin Andrews)氏によると、来る9月1日より、単に学校を出ただけでは永住権が取れなくなるように規制を変えるようです。すなわち、"competent" English skills を要求されるようになります。ビジネス学校や大学に入るだけでもかなりの英語力が必要なのですが、それでは足りないと。もっとハイレベルで「十分に有能な」英語力、それは"equivalent to those of a year 12 student"=こちらの高校3年生くらいの英語力と言われています。こちらの高校3年の英語力ってかなりのものでしょう。なぜなら、オーストラリアの場合、進学しない学生は高校1年(Year10)で卒業し、進学を希望する学生だけが高校2、3年をやるわけですが、これがかなりハード&アカデミックだったりします。日本人の高校3年生の日本語能力(大学入試受験生の国語能力」)よりも高いかもしれません。これって結構ハードル高いなって気がします。

 また、それだけではなく、学んでいる分野における「1年間の実務経験」もまた要求されるようになるとか。これは最低週20時間の労働経験といいますから、かなりフルタイムですね。もっとも既に現在においても、調理師の学校等の場合900時間の実習経験が卒業のための要件になってたりしますから、これらもカウントしてくれたらいいようなものですが、どうもそうではないみたいですね。だから卒業後、また労働ビザ(新たに創設されたSkilled Graguate Visa という18ヶ月有効のビザ) を取って1年まるまる働くことになります。要するに2年の通学で取れたものが、2年の通学+1年の実務に延長されるわけで、これはかなり大変でしょう。

 いずれにせよ、本気でこちらでやっていけるだけの英語力+実戦経験が必要とされるわけで、単に学校行ってりゃ自動的に永住権が転がり込んでくるなんて甘ったるいものではないってことです。現在でもそんなに甘いものではないですし、これからはもっとよりリアルに難しくなるということです。

 また、新卒者永住権だけではなく、全ての技術移住の永住権においても、英語スキルを厳しく求めていく意向らしいです。



   この英語に関しては、上記の記事の前日(4月6日)の”Migrants must speak English well: govt”という記事にもなってます。これによると、特に新卒者永住とか特定の業界だけではなく、技術移住関連の全てのビザについて要求する英語レベルを引き上げていこうという政府の方針が発表されています。これは、移民大臣と教育大臣の共同声明ですね。これまでIELTS5点で良かったところを6点に引き上げようと。また、ビザのカテゴリーも11から4に縮小し、サブクラスも15から9に縮小するらしいです。この具体的な意味は、プロではない僕には良く分かりません。なにやらタイトになりそうだなってことしか。

 これらの試案に対して、野党レイバーは歓迎するでコメントしてます。せっかく高い技能を持ちながらも、英語が出来ないためにタクシードライバーに落ち着いてしまってたりする現状は、本人にとっても、また有能な技術者を得られない社会にとっても、双方にとって不幸なことだから、高い英語力を求めるのは賛成であると。ということで、年内の連邦選挙で与野党逆転で政権が変わっても、これらビザに関する傾向はあんまり変わらない気がします。



 しかし、IELTS、難しいですよー。なんか日本で永住を検討してる人はIELTSを舐めてる傾向があるけど、ちょっと喋れるくらいじゃ5点も無理です。実際、その5点を取るためにどれだけの人がどれだけの努力をしてきたか、そして遂に取れずにあきらめて日本に帰っていったか、身近で知ってるだけに「舐めたらアカンよ」と言いたいです。こっちで2年地元オージーの企業で働いた人が帰国直前に記念にIELTS受けたら5点だったとか、こっちの大学まで卒業した人がもう一回受けたら6点だったとか聞きます。日本はTOEICなどという英語力を判定するには疑問の試験(だから世界でも日本と韓国でしかやってない)が流行ってますが、最近はTOEICも実戦的に難しくなったと言うものの、以前860点取ってきた人でも、こちらの語学学校の大学進学コースに入ることすらできなかったです。大学に入れなかったのではなく、大学に入るためのIELTS試験の受験対策コースに入ることが出来なかったわけです。まあ、TOEICなんか900点取ったとしても、現場に出たらものの役には立ちませんし、それは自身で900点以上取ったことのある人だったら身に沁みて理解しておられると思います。「800点以上取ったら達人」なんて思ってるのは、300点台の「夢見る少年少女」のレベルでしかない。

 それだけ頑張ってIELTSで点を取って進学しても、それでもまだ「英語力が足りない」といってさらに条件を厳しくしようと言ってるのが今回の改正方針なわけです。IELTS7点とかいわれたらかなりツライでしょう。今の僕でも、1ヶ月必死に受験勉強させてくれたら、まあ6点は取れるんじゃないかと思います。13年前に自分自身6点取ってますし、あれから英語力も伸びてはいますが、それでも年々難しくなってきているIELTSの難易度を考えると、一ヶ月時間をくれいって気はしますね。それでも7点とかなるともう自信ないですよ。3ヶ月以上英語学校入り直して根本的な部分で英語力を伸ばさないとダメかもしれない。



  ただし、これらの政府の方針について様々な角度から疑問の声もでています。例えば、現在でも900時間の実習が卒業の条件とされているとしたら、それに「12か月の労働経験」という条件を付け加えたからといってどれほどの効果が望めるのか疑問だという指摘があります。逆に、現在においても900時間の実習条件が必要である学生の足元を見て時給4ドルというアコギな条件で働かせている経営者もおり、労働条件を付加することはこれらの不当労働行為(労働者の権利を侵害する行為)を助長することになるという意見もあります。



 ところで、いったい急になにを論じ始めているのでしょう。何が問題なのでしょうか。もう少し遡って詳しい事情を拾ってみましょう。上の記事に先立つ3月28日には、"Some private colleges are visa factories"という記事が載せられています。そこでは、新卒者永住権の実態に関するモナシュ大学の”People and Place”という調査レポートが紹介されています。これが、一連の議論や政府の対応の発端であるような気がします。

 記事で紹介されているのはネパール人の学生達で、取材に応じてくれた調理師の学校に通っているネパール人学生は、「学校に行く主要な目的は永住権を取るためだよ」「ウチの学生の100人のうち5人くらいかな、卒業後本当にシェフの仕事をしたいって言ってるのは。いやシェフもいい仕事だと思うよ。でも、僕はもっと違うプランがあるんだ、コンピューター関係の仕事に就きたいと思ってる」と率直に語ってくれてます。

 レポートによると、彼のように調理師や美容師コースに入学する学生数は、ここ2年で3倍に増えているそうです。こういったビザのループホール(抜け道)はもっぱら民間ビジネス学校の職業コース経由で行われ、これらの学校は市場の8割を占めています。要するにこれらのビジネス学校は、ビザファクトリーであり、ビザキッチンであるという異名をつけられ、学校がメインにやってるのは適正なスキルを教えることではなく、永住ビザ申請のための書類を整えてやることに他ならないと手厳しく批判されています。また、実態調査の過程で、シドニーにあるいくつかの調理師コースを設けている学校では、出席してない学生に証明書を発行し、また900時間の実務経験もちゃんとチェックされているわけではない実情が明らかにされています。

 当の移民局では、将来的に有効な手段を講じるとのコメントを発表しているが、2006年5月にも似たようなことを言いながら結局なにもしてないではないかという批判も出されていました(だから今回の政策になったのだろうけど)。



 "A hair in the soup"と題した3月29日付の社説では、この問題をもう少し構造的に書いています。そもそも何で新卒者永住ビザや特定の職業だと永住権取得に有利かというと、オーストラリア国内において、ある分野の熟練労働者が不足しているという背景事情があります。まあ、それもこれもオーストラリアの景気がいいからで、バブル経済時の日本が「3K」の仕事に就く人が不足しており、多くの外国人労働者を招いていたのと事情は同じですね。あの頃の日本は、当局において不法滞在・不法労働が多いのは分かっていたけど、人手不足という経済界の要求から事実上黙認し、バブルが弾けたら真面目に摘発するという、移民問題に悩む諸国から「クレバーなやりかた」と皮肉たっぷりに言われたりしました。まあ、日本伝統の「お上の手心、胸先三寸」ってやつです。オーストラリアでは、いちいち真面目にビザ規定を改正したりするので話が見えやすくなっているということですね。

 さて、このような労働者不足を背景に、移民局では75の職種について永住権申請の際にボーナス加点をしています。MIGRATION OCCUPATIONS IN DEMAND (MODL)です。これらの職種についてスキルがある人は永住権が取りやすいわけであり、だからこそこのボーナスを狙って調理師や美容師のコースが繁盛しているわけです。ちなみに、このハイディマンドな職種も不変ではなく、ちょっと前まではITや会計関係が人気だったのですが、ここ数年は調理師・美容師の実務系が人気です。ということは、現在の調理師コース人気が永遠に続くわけもなく、しかも2年の就学期間を終えた時点では流行が去ってしまって結局永住権は取れませんでしたというリスクは絶えずあります。

 しかし、移民局が「永住権取れまっせ」「サービスしまっせ」と呼びかける戦略は、実際に功を奏しているか?という疑問である、と。なぜなら、確かにビザ申請上では「調理師でーす」「美容師でーす」ということになってるけど、そういった人達が実際にその業界で働いて、人手不足が解消されているかというと、あんまりそんなこともない。むしろ「永住権を取る近道」としか認識されていない。実際にそれらの職業の現場に立つ人は少ない。

 この社説では、「それはむしろイイコトだ」と逆説的に書いてます。なぜなら、これらの学校では出席してない生徒にも出席証明を出し、900時間の実習もまたいい加減にしかモニターしてないから、一人前のシェフや美容師としてのスキルを身につけていない者も沢山いるだろうし、こんな連中に厨房に立たれたり、ミラーの前に立たれたりするよりは仕事してくれない方がマシだと。だから「イイコト」だと。かなり皮肉がキツいですね。

 そして、これら新しく生まれたシェフやヘアドレッサー達がオーストラリア社会の人手不足を解消することはなく、逆に、他の領域のオーストラリアの若者達の就職機会を妨害することにもなっている。本来、これらの職業領域で人手不足が生じるならば、国内のオーストラリア人の潜在労働者達に職場が魅力的に思えるような施策を講じたり、あるいは十分な職業訓練を行うような正攻法の政策で臨むべきだ。このように永住権をエサに外国人労働者を入れましょうというのは、しょせんはその場限りの弥縫策、英語でいうなら「バンドエイド・ポリシー」に過ぎないと批判されています。この特殊な職業領域に関する新卒者永住権のプロセスについては、さらなる実効的な監視措置が必要であるとしても、オーストラリア国内の労働政策という大きな絵図面においては、より骨太で抜本的な対策が求められていると、この社説はいかにも社説っぽくしめくくっています。

 これらの背景事情をもとに、最初の記事、つまり新しく移民局大臣になったアンデリューズ氏の政策コメントにつながっていったのでしょう。「もっと規制を厳しくする」「英語力を厳しく求めるようにする」と。



 さて、これらの情報は新聞記事レベルのものであり、正式に法律や規制が改正されたのかどうか、あるいは「じゃあ、どうなるの?」という細々とした部分にまでわたるものではないないです。英語力をより求めるといっても、結局はポイント換算だから、これまでIELTS6点が最高ポイントで、6点取ろうが8点取ろうがポイント的には同じだったのが、7点だったらもっとポイントを上げるとか、6点以下のポイントを下げるとか、そういう具体的な措置になろうかと思われます。そして、そのあたりの具体的な話は、記事には載ってませんでした。

 移民局のサイトを調べてたら、今回の改正について細かく解説しているページを発見しました。簡単な概要を記したChanges to the General Skilled Migration Programme 、それと個々の内容を細かく説明したGeneral Skilled Migration Changes Frequently Asked Questions の箇所です。ご興味のある人はご参照ください。

 ただ、僕もパラパラと読みましたが、途中で何が何だか分からなくなって混乱してきてしまった。全ての技術移住の場合にIELTS6点以上を要求しながら、でも、trade occupationを持ってたら従前どおり5点でいいとか、7点とったら加点事由とか、英語学校にお金払い込んでたら5.5点でいいとか。当然ながらかなり細かいし、具体的にこの事例に該当するのがどんな場合なのか今ひとつよくわからないから結局意味なかったり。また、MODLポイントも12ヶ月以上の実務経験がないと認められないようになったり、しかしMODLとともに Australian work experienceなんてのが同時に認められたり。「えーと、あー、もー、分からん!」てな感じです。

 このあたりの最新&技術情報になってくると、ビザ代行の専門家に任せた方がいいと思います。素人が勝手な思いこみでやらない方がいいですよ。よくメールで永住権の相談を受けたりしますが、「専門家に相談しなはれ」と振っています。なぜなら自分の職歴がMODLに該当するのかしないのか、該当するためにはどのような実質要件がいるのか、それをどうやって証明するのか、そのあたりになってくると一般公開情報くらいでは分からないし、日常的に現場に接しているプロの感覚が必要だからです。一番大事な部分がプロフェッショナルなブラックボックスになってる以上、最終的にイケるのかイケないのか分からない。そこを素人の希望的観測でことを進めていて、最後にはダメだったといったら目も当てられない。そして、興味があったら早く動け、今日にでも動けってことです。永住権は時間との戦いです。英語は勉強すればまだポイントがUPするけど、年齢点だけはタイムマシンを発明しない限り絶対無理ですから。特に今回みたいに9月1日改正だったら、8月31日までに申請をしてしまえば滑り込みセーフなわけです。でも申請といっても、無犯罪証明を取ったり、戸籍を翻訳したり、スキル査定を受けたりなにかと時間がかかります。書類が揃うまでの、ほんの数日の差で「はい、それまで」ってなったら泣いても泣ききれないでしょ。だから思い立ったら吉日です。今日にでも動け、今動けと。





 さて、ここからはお気楽な雑感です。
 僕としましては、一人でも多くの日本人に永住権を取っていただきたいなと思ってます。愛国心とか同胞愛という抽象的なレベルの話ではなく、もっと身近&卑近な理由で。なにかというと、日本食にうるさい日本人がもっと増えて、美味しい日本料理を食べたいからです。いま日本食レストランで(観光客をメインターゲットとするのではない店で)、顧客が全員日本人なんて店は一軒もないと思います(あったら教えて欲しい)。かなり本格的な懐石料理を出す店でも、客の半分以上が日本人という場合はマレです。ときには日本人は自分達だけってケースも珍しくない。

 それは別にいいのです。日本人だけの環境でゴハンが食べたいとかそんな排他的なことを言うつもりもないし、多くの国の人に日本食を楽しんでもらいたいです。しかし、そうなると店の方針としては、純粋和食テイストだけではやっていけなくなります。どうしても世界の人の舌に合うような分かりやすい味にしていく必要があります。「日本人にしか分からない」ような料理を作っていても売れない。

 Mosmanというサバーブに「美濃」という日本料理屋さんがあります。オーナーシェフが頑張って本格的な日本料理を、しかもクオリティに比して呆れるくらいの安価で提供している良店です。僕も数年前から贔屓にしているのですが、シェフの努力が実ったのか、またモスマンという高級住宅地エリアの立地がよいのか、比較的味のわかったオージーやチャイニーズが常連客になってくれて繁盛しています。僕もそれがうれしい。しかし、昔、懐石コースのメニューが毎月変わっていたのが、あるときから変わらなくなってしまいました。僕はこの月替わりのメニューが大好きでした。特にコースの中盤に出てくる八寸。真面目に日本料理の技巧を尽くした4種ほどの料理が毎月ちょっとづつ変わるので、それは楽しみでありました。しかし、変わらなくなってしまった。なんで?と思うに、そんな凝り倒した努力を払っても日本人でなければ分からんのでしょう。お店の大多数を占めるオージーやチャイニーズ系の方々からは、むしろ「あれをもう一回食べたかったのにメニューが変わってしまって詰まらない」という苦情すらあるかもしれません(想像だけど)。だから、シェフとしては幾ら頑張っても、マーケット的にはひとりよがり的な空しさとして跳ね返ってくるわけで、これはツライだろうなって思います。

 こういう事態を避けるには、もっと日本人常連客が増やす必要がある。だから、多くの日本人に永住権を取って貰いたいわけです。それも、味のわかった日本人ね。別にグルメぶるつもりはないけど、きちんと作った日本食は本当に美味しいこと、でもきちんと作るにはどれだけ膨大な努力とコストを払わねばならないかを知ってる人。だから、一人40ドルとか50ドルレベルでも、はたまた100ドルであったとしても、そのクオリティと努力を考えれば「安い」と思える人。好きなバンドのライブに行くこと考えたら安いもんです。同じくらいの快感度はあるんだから。



 ですので、半分本気で半分冗談ですけど、永住権システムを改正するなら、いっそのこと「味覚移住」みたいなカテゴリーを設けるとか、英語テストの成績は悪くても味覚テストの成績が良ければOKにするとかしてですね、世界各国の料理についてちゃんとした味覚をもってる人を移住させて欲しいです。シドニーのレストラン全体で言えば、一昔前よりも味がかなり落ちてると思います。理由はおそらくこういことでしょう。世界的に見れば味覚音痴であるアングロ・サクソン系民族=イギリスやアメリカや英語喋ってる民族=つまりはオーストラリア人のマジョリティが、年来のバブルで懐が温かいから、下らない料理に大金はらって喜んでるからではないかと。店がつけあがるんだわ。一般にアングロ・サクソン系の連中の味覚レベルは低いと言われてます。その証拠に、日本でもアメリカ料理屋とかイギリス料理屋なんか無いでしょう。逆にラテン民族の味覚レベルは高い。だからイタリア料理屋やフランス料理屋は世界にあまねく存在します。

 いや、まあオージーも努力してるとは思いますよ。それは認めますよ。ちょっと前まで「生魚を食べる」「米を食べる」というだけで、「虫を食べる」のと同じくらいの拒否反応を示す人も珍しくなかった。"Yuk!"とか吐き捨てるように言ったりして。それに比べれば、君たちも随分精進したねということで、結構生魚もOK、凝った日本料理をそれなりに評価する人も増えてます。それと誤解のないように言っておくと、平均的なシドニーの住民の味覚レベルは、こと世界の料理に関する造詣という点では日本人の比じゃないです。マルチカルチャルの社会で育ってきた連中は、世界各国の料理についてとんでもなくよく知ってたりします。ファラフェルなんかシドニーっ子だったら知ってて当然のトルコ・レバノン料理のアイテムですが、日本人で知ってる人は少ないでしょう。だから、味覚に関するカルチュラル・ダイバーシティ(文化的な広がり)は素晴らしいと思います。ただ、「外延が広がれば内包は薄まる」という原則のとおり、個別料理に関する造詣はやっぱり本場の民族にはかなわないってことです。

 各国料理のスタンダードを高く維持するためには、やっぱりその国の民族のサポートがいるのでしょう。それも味のわかった本場人が必要。イタリア人の街、ライカードなんか、バブルに浮かれたオージー達の「お洒落でトレンディなスポット」という十数年前の日本のノリで浸食されているから、その昔のような硬派な感じじゃなくなっています。その昔は、お洒落でもなんでもない、むしろうらびれたサバーブで、ガランとした倉庫の中に雑然とモノが並んでいるイタリアンマーケットがあったりして、イタリア系住人がメインに買いに来ていて、それがもう「秘密の場所」みたいですごく楽しかったです。でも、今は町全体がピカピカになっちゃったもんね。値段も高くなるわ、そのくせ味はどうかすると「?」というのもあるわ、で。僕の住んでるLane Cove、ひいてはノースエリアはアングロサクソン系オージー住人が多いから、アジア系で納得できる店は非常に少ないです。

 シドニーの食文化を豊かにしようと思ったら、シェフを増強するのも大事だけど、シェフに思う存分腕を振るってもらえる環境作りの方が大事だと思うわけですよ。つまりは消費者のレベルをあげることです。大阪人みたいに、「不味い店は潰すのが正義!」くらいに皆が思っていれば、レベルもあがるし、本格派を指向するシェフだって本来の腕を発揮できようというもの。そもそも、調理師の学校にいったからといって名シェフが生まれるわけではないのだ。長年の修行時代ってのがあってだね、味音痴の君らにはわからんかもしらんけどやね、って文句の一つも言いたい気分です。今回のビザ規制の改正法案を立案しているオージー達には「そもそもキミらが悪い!」と説教したいですね(^_^)。大体「シェフが足りない」という状況自体がよく分からんのだが、おおかた味音痴のオージーをだまくらかして儲けましょうという、頭のいい商人達の要求ではないのか?それに、本物のシェフに語学力なんか要らん。英語が堪能な料理人なんか信用できるか(暴言)。英語勉強してるヒマがあったら修行して欲しいもんです。美味しいモノを食べたいという自然な欲求を、どうしてもっと掘り下げて考えないのか、まったく、もう!ってな感じです。



 この種の話をしだすとキリがないのですが(^_^)、日本食云々は置いておいても、日本人永住者には増えて貰いたいです。人口バランス考えても、日本人少な過ぎ。観光系日本人は掃いて捨てるほどいるけど、永住している日本人は本当に少ない。ワーホリ&留学&駐在などのテンポラリー滞在を加えてもまだ少ない。今の10倍くらい居てもいいと思います。別に日本人同士つるんで社会を作らなくてもいいのですが、他の移民などの数からしたらやっぱり少ない。2001年のセンサス(国勢調査)統計では、シドニーにおける海外出生者は31%もおり、15歳以上で家で英語以外の言語を喋ってる人も27.3%います。海外生まれ、英語ネィティブ以外の連中が4分の1から3分の1もいます。全然珍しくない。しかし、日本人は少ない。びっくりするくらい少ないですよ。

 例えば、2001 Census Tables : Language Spoken at Home by Sex - Sydney(センサスの生データをエクセルファイルで無料でダウンロードできる)によると、シドニー全域の住人(観光客など一時滞在を除く)で、家で喋っている言語は、一位は英語で当たり前にしても(66%)、以下アラビア語、中国語、ギリシャ語、イタリア語、ベトナム語、スペイン語、タガログ語(フィリピン)、韓国語、ヒンディ語(インド)、クロアチア語、マケドニア語、セルビア語、トルコ語、インドネシア語、マルタ語、ドイツ語、ポーランド語、ロシア語、フランス語、ペルシャ語、タミル語(インド、スリランカ)、ポルトガル語、サモア語ときて、ようやく日本語になります。シドニー全域で家で日本語を喋ってる人は1万61人、全体数396万人中の0.25%に過ぎません。日本語以下は、あとはもう僅差ですがクメール語(カンボジア)、ハンガリー語、オランダ語、シンハラ語(スリランカ)、南スラブ語と続きます。北東アジアの日韓中で比べてみても、韓国系は日本人の3倍居ますし、中国系は20倍近くいます。

 ※2006年統計が出ていますので、新たにご紹介します。リンクも時間がたつと外れるようなので、ダウンロードしたエクセルデーターを僕の方でここにUPLOADしておきます。最終改訂は2008年2月です。なおこの種の情報は、ABS(オーストラリア統計局)にいけばフリーでダウンロード出来ます。この統計によれば日本語26位でほぼ変わらずです。


 もう日本人の絶対数少なすぎ。この数字だって、ワーホリさんや駐在員さんなどの短期滞在を入れてのものです。純粋の永住者でいえば、もっともっと少なくなる筈です。それの何が悪いかというと、ひとつは日本語経済圏が成り立ちにくいことです。せっかく永住権をとってこっちにやってきても、ざっと最初の10年くらいは英語が未熟だからどうしても日本語関係の仕事を探しますが、こんな1万人やそこらの村落レベルの住人数では話になりにくいし、やったとしても数少ない日本人顧客を巡って争奪戦になる。僕は最初は日本の弁護士資格を生かして、日本法のカウンセラーなんかもいいかなと思ったこともありましたが、この数字を知って速攻であきらめました。弁護士業が成り立つ人口じゃないです。そんなにしょちゅうニーズのある職種じゃないから、最低でも10万人、もっといえば2-30万人の母体人口が欲しいですもん。だから、やっとの思いで永住権を取ったはいいけど、そこから先話が進まず、帰国する人も多いです。

 日本人同士固まる必要は毛頭無いし、しない方がいいとは思うけど、ある程度のボリュームで存在していれば、社会に対する存在感もある。それが逆に社会全体と日本人との交流も円滑にするとも思うのですね。たとえば、僕の知る限り日系の議員はまだいません。連邦議員はもちろん、州議会やローカルカウンシルレベルでもいないんじゃないかな?やっぱ、州議会や地方議会にコンスタントに出てくると、それが接点になって交流もより滑らかになるようにも思います。あるいは、カルチャーでもまとまったボリュームで存在した方が伝わりやすい。オーストラリア人も今ではワインを楽しみ、カプチーノを楽しんでるけど、あんなの殆どイタリア系移民の影響でしょう。イギリス系だけだったら紅茶とギネス飲んでるだけだもん。

 日本のいいところは沢山あると思うし、それらがもっともっと外の世界に自然に伝わっていったらいいと思います。日本人のためにも、世界の人のためにも。日本人がいいと思うことは、他の国の人でもいいと思ったりすることが結構あります。ZENブームも一過性の流行に終わらず定着しているし(内容如何はともかく)、どこのフリマにいっても盆栽(らしきもの)を売ってる出店があったり、庭や玄関にチョロチョロ水が流れるアイテム(鹿威し的な)もこちらでは流行ってます。だからもっと、檜風呂とか、畳や、襖があってもいいとは思うし、出会ってしまったら意外と気に入る人だって多いでしょう。民族というのは混血を重ねれば重ねるほど容貌が美しくなるといいますが、文化も同じで、沢山の文化が重なり合いつつ、しかも妥協せずに本質をキープしつつ重畳的に存在することで、より豊かなライフスタイルになっていくものだと僕は思う。

 また、日本民族&日本国にとって、世界のどの国にいっても現地に根を下ろした日本人が住んでいる、それもまとまった数住んでいるという状況はあってもいいと思うのです。名前を言えば誰もが知ってる程度の国だったら、インドだろうが、ロシアだろうが、遠い親戚や「知り合いの知り合い」を辿っていくと、一人くらいは現地在住のコネがあるくらい。そうすれば、日本人が世界に出て行った場合、なにかとやりやすいでしょうし、出て行こうかなとも思うでしょう。オージーやイギリス系の連中の話を聞いてると、まさにそういう感じで、世界中に親類縁者知人が散らばってるから気軽に世界中を往来できるという。「ちくしょー」とか思いましたもんね。絶対有利じゃんって。中国人の華僑なんかもそうかもしれない。だから、和僑というか、日本人だってあっちゃこっちゃにもっともっと居てて欲しいです。





 さて、ビザの話に戻しますが、これら一連のビザの改正を見てて、「ふむ?」と疑問に思うことがあります。それは、なんで英語英語ってやかましく言うのかな?ということです。オーストラリアの人手不足の職業リストを見ていると、シェフや美容師の他に、自動車の塗装工とか、レンガ積み職人とか、その種の実業系、ガテン系が多いんです。そして、こういった仕事に、本当に英語力が必要なの?って気がするのですよ。

 いや、もちろん全然喋れなかったら問題でしょうけど、そんなIELTSの5点〜7点という、地球の温暖化に関する英語論文を20分くらいでサラサラと書けるような英語力って必要なの?と。思うのですが、その職業が専門的であればあるほど、そして現場系であればあるほど、専門用語と専門論理とあと現物で話が通じると思うのですよ。優秀な塗装工だったら、設備と車をみれば、段取なんか一目瞭然だろうし、わかってる者同士だったら、カタコトの英語でも十分実務をこなしていけると思います。もちろん、自分で独立して工場を持つとか、自分の顧客を増やすということになれば、営業能力だの銀行との交渉だの英語力が必要だけど、いずれにせよいきなり独立って事はないはずだし、現場で5年とか10年とかやってたら、自然と英語もできるようになるでしょう。

 政府もマスコミも、あたかも英語力が不足しているから、優秀な人材が職に就けないかのように言ってます。そういう側面も確かにあるとは思いますが、英語力を要求することが、果たして社会の人手不足、技術不足解消に役に立つのか、その特効薬になるのか?というと、「そうかあ?」と思うのですよ。現に、僕の知り合いの優秀な自動車メカニックは、現地の修理工場で働き、オージーの修理工連中とも仲良くなり、個人で仕事も沢山引き受けて、仕事面では全然問題ないにも関わらず、ついにIELTS5点が取れなくて帰国しました。もう、ほんと、シドニーの日本人の車関係においては惜しい人材だったんです。IELTS5点なんか堅苦しいこと言わなかったら、彼は今でも居てくれた筈だしね。他にも職人芸を持ってる人が皆困ってるのは英語試験ですよ。これさえなければ居続けられるし、仕事もバンバンやっていけるという現状があるのです。

 だから、もし本気で優秀な職人さんを招きたいのだったら、英語の要求水準を上げるのではなく、むしろ下げるべきだと僕は思います。職種によってはIELTS5点ですら高すぎる。連邦政府も何を考えているのか?って、結構不思議なんですよ。



 ここから先はうがった推測を書きます。政権やビジネスの中枢にいるような保守本流のオーストラリア人は、エスニック・ゲットーが出来るのを恐がってるんじゃないかな?という気がします。現地の文化にとけ込まない外人集落があって、そこだけ治外法権みたいな異様なエリアになっていくことをエスニックゲットーとか言いますが、その種の不安が背景心理に流れているような気もしないでもない。オーストラリア人にとって「英語が通じない」というのは「言葉が通じない」ということで、理解しあうキッカケも乏しいし、また彼らが英語が出来ないがゆえにタコツボ化していくんじゃないかみたいな。だから、ある程度英語の通じる人=話の通じる人が欲しいという発想の流れになっていくのかと。実際問題、英語力と現地適応力&交渉頻度がある程度正比例のカーブを描くのは、なにもワーホリさんに限った話ではないです。

 それはそれで分かります。日本だって、日本のある町にいったら全然日本語が通じないし、何考えてるのか分からない連中がウヨウヨしてられたら恐いでしょう。そういったゼノフォウビア/xenophobia=外人恐怖症は日本人の方がはるかに高い。だから幾ら多文化寛容性の高いオージーだって、そりゃ限界はあるだろうってのはよく分かります。批判するつもりはないし、日本国内における外国人の人権状況を考えたら何も言う資格は無いです、はい。



 だけど、それにしても「杞憂じゃない?」って気がするのは、例の911テロ以降、世界のカレント(潮流)が、キリスト教世界(西欧)VSイスラム教世界という図式に振り回されすぎてるように思うのですね。冷戦時代の東西対立基軸のように、キリスト教VSイスラム教という対立基軸になっているという。中東系のルックスをしてるだけで、アメリカ国内でいきなり殴られたり差別されたり。また、そういう差別意識が出れば、差別された方は身を守るために、防衛的、そして攻撃的にもなりますよ。そういった神経ピリピリ的な心情傾向があり、それがちょっと前の、白人オージーVSレバニーズギャングのクラヌラ暴動の底流に流れているのだと思います。

 これって、傍目八目というか、キリスト教でもイスラム教でもない、僕らアジア人の方がよく見えるのかもしれない。「君たち、気にしすぎ」という。ああ、だが、しかし、西欧世界とイスラム世界の相克というのは1000年以上の歴史がありますからねー。世界史のある時期までは、圧倒的にイスラム世界が文化・技術・政治的に優勢であり、ヨーロッパなんか片田舎の農村に過ぎなかったってこともあるでしょう。イスラム国家であるオスマントルコに東ローマ帝国をぶっ潰され、一時期は地中海の制海権まで握られてましたから。その後石油という化石燃料の産地ということで、欧米の利権の場になり、以後今日に至るまでゴタゴタが続いています。これにユダヤ教まで含めたら優に2000年に及ぶ彼らの長い葛藤の歴史からしたら、昨今のテロとかイラク戦争とかいうのも、歴史のほんの一局面に過ぎないのでしょう。僕らにはよく分からん世界です。

 まあ、そんなことまで穿って考えている僕こそが「気にしすぎ」なのかもしれませんが、なんか「英語、英語ってうるせえなあ」って気はしますね。英語が出来なければ仕事に就けないのならば、オマンマの食い上げだから、誰だって頑張って英語をやりまんがな。誰だって自分の得意技能で仕事をすれば一番儲かるんだから頑張りまんがな。ほんでもって、現場で仕事してれば英語も伸びまんがな。スタート時点でそんなにハードル高くされたら、優秀な職人さんが入ってこれなくなっちゃうよ。いったい政府は、「英語が出来る人」が欲しいのか、「優秀な職人さん」が欲しいのか。

 そもそも、あるエリアの職人さんの人手不足を解消しようと思ったら、世界中から経験豊富な職人さんを呼んでくればいいのであって、なんでそこで新卒者永住ビザみたいなルートを設ける必然性があるのか僕には分からん。学校をポッと出たばかりの新米職人なんかどれだけアテになるというのか。学校など利益団体のロビー活動でもあったのかしらと思っちゃうよ。そのあたりの脈絡がいい加減だから、ビザ取りの抜け穴に利用されたり、あわてて12ヶ月の労働経験を付加したりのパッチワークをしなきゃいけないのでしょう。しかし、それとて調理学校を出て1年現場で働いた程度じゃ、職人の世界ではまだまだヒヨコでしょ。だいたい新卒者永住ビザなんてのを設けたあたりから話がややこしくなってるような気がします。以前オーストラリアの大学について書いたけど、連邦政府の大学補助金大幅カットと歩調を合わせて、大学に留学生で儲けさせる道筋をひいてあげた(大学→永住権というエサで留学生を釣る)という政治的な思惑が、今回の話の根本的な部分にあるような気がしますね。だとしたらビザの抜け道として利用されるのは、自分らで撒いた種であり、そんなことは最初から分かってたでしょう。

 僕が永住権をゲットした十数年前のように、英語点+スキル点(=実務経験)というシンプルな構造でやってたら話は簡単だったと思います。本国でそれなりに鳴らしてないと最初からビザの土俵に登れなかったですから。それを、ポイントだけは100点から120点と異様に難しくしつつ、過疎地方の活性化のためにリージョナル永住権を作りましょう、学校経営のサポートのために新卒者永住権を作り、人手不足職人不足を解消しましょうと需要職業リストとボーナス点を作りって、本来のビザ以外の政治目的がゴチャゴチャに入り込んできたから、結果としてビザ状況もゴチャゴチャになり、年々分かりにくくなっているのでしょう。ビザとか永住権というものが、ちょっと政治の道具にされ過ぎてる嫌いがあるように思います。

 とは言うものの、こんなのは既に永住権をもってる人間のお気楽なゴタクに過ぎないわけで、永住権を狙う立場からしたら、これは純然たるゲームであると割り切って、徹底的にルールを理解し、専門家のアドバイスをもとに緻密で柔軟な戦略を立て、具体的に何時までに何が必要かをキッチリ把握し、あとは全力でゲット!ってことに変わりはないと思います。天使のごとく繊細に、悪魔のごとく大胆に。GOOD LUCK!です。




文責:田村



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