今週の1枚(05.03.14)






ESSAY 198/英語の学習方法(その15)−リスニング(4)


聴こえない音を聴くための精読的リスニングほか

写真は、City


 更新が遅れてしまい、失礼いたしました。
 いやー、思いっきり風邪をひいてしまいました。風邪はよくひくのですが、今回のは別格的にヘビーでした。おそらくは今日本で流行ってると言われているインフルエンザが、こちらにやって来られた人経由で感染したのではないかと思われるのですが、発病したかと思ったらいきなり9度近い高熱になり、これがひかない。4日間くらい8度台で推移していて、あまりにも熱が下がらないから、しまいには「ええ加減にせんかい」と腹立ってきましたもんね。医者に行ったのですが、結局は抗生物質を処方されるくらいで、そしてまた抗生物質丸三日飲み続けてもなんも改善しないという。

 そういえば歯医者や外傷ではなく、いわゆる病気で医者に行ったのは、10年以上こちらに住んでて実はこれが初めてだったりします。が、あんまり行った甲斐なかったですね(^^*)。まあ、風邪で行っても仕方がないというか、風邪以外のなにかの重病ではないことの確認に行くようなものですので、それはそれでいいのかもしれないのですが。かかりつけのGP(一般開業医)なんかないので(なんせ医者行かないので)、夜でもやってるいわゆる町のメディカルセンターに行ったのですが、実にあっさりしたもんです。ちょこっと問診して、「あーん」させて喉を見て、”Um,,,Red"とか呟いて、背中に聴診器当ててそんで終わり。インフルエンザの可能性も聞いたのですが、なんせ南半球だから「まあ、7月からだよねー」と殆ど取り合おうともせず、一応抗生物質の処方だけしてくれて、そんで終わり。薬もそれ一種類ですし、それも「飲みたかったら飲めば」くらいの感じです。

 このあたりの素っ気なさは、ガソリンスタンドの日豪の差を連想させるものがあります。日本のスタンドは、最近はセルフが増えたようですが、それでも店員さんが走って出てきてくれますし、ガソリンを入れてくれるだけでなく、窓を拭いてくれたり、オイルチェックまでやってくれたりします。日本のスタンドにはいった外人さん(どこの国の人だったか忘れた)が、「王様になったみたいだったよ」って喜んでたそうだけど、そんな感じですよね。こっちはセルフが普通だから(田舎にいくとまた違うけど)、勝手に給油して、屋内のレジまで歩いていって支払いをするだけです。風邪ひいて日本のお医者さんにいくと、まあこれだけ8度台後半くらいをさまよってたりすると、注射の一本も打ってくれたり、点滴やってくれたり、あれこれ検査されたりもするし、薬も山ほど処方してくれたりします。でも、まあ、普通の風邪、あるいは生命に支障があるようなインフルエンザでない限り、本当は別に医者がやることなんかないのでしょうねー。熱は、身体が病原体と戦ってるという”健康な”兆候ですから出来れば下げない方がいいし、栄養失調や体力低下が甚だしくない限り点滴もいらんし、薬も特効薬的ワクチンでもない限り本質的に効くものもないし。だから「まあ、数日、苦しむっきゃないよねー」とポンと突き放されるのは、それはそれで正しいっちゃ正しいです。



 さて、こんなに長引くとは思わず3−4日したら回復してエッセイも仕上げてしまえるだろうとタカと括っていたのですが、結局一週間過ぎても完全に復調って感じにならないです。僕は新陳代謝が早いのか、風邪ひいて倒れるのも早いけど、治るのも普通早いです。1−2日で大抵復調しますし、復調したときも「おっしゃあ、治ったあ!」という自覚があります。目が醒めたときに力が戻ってるのが分かる。でも、今回のはヘロヘロのまま、ゆっくり回復するという感じですね。

 一週間近くぶっ倒れていると起きたら起きたで仕事山積み、メールたまりまくり。そして、案の定カミさんにも感染してしまい、これからは看護週間になります。どうも共通する特徴などから、この風邪のキャラクターを推測するに、

 @感染力が強い。同じ家に住んでたカミさんがうつるのは当たり前のようですが、ウチは結構家は広いですし、寝る部屋も居場所も完全隔離してました。できるだけ気をつけて、最低限の接触しかしないようにしてたのですが、それでも感染したことから、かなり感染力が強い感じがします。

 A潜伏期間が長い。1週間くらいあるんじゃなかろか。「よっしゃ、感染せずに逃げ切ったぞ」と思った頃に足をすくわれます。僕もそう思ってから発病したし、カミさんも「なんとか切り抜けたかな」といってたのですがダメでした。

 B高熱がくる。僕は平熱が6度を切るくらいの低温系で、今回みたいに8度9分とか高いのはもう何年ぶりか覚えてないくらいです。カミさんも僕に輪をかけて熱が出にくい体質で、8度台なんかものすごい久しぶりだと言ってました。いきなり高熱と書きましたが、その前駆症状みたいなのが前日、前々日くらいにきます。普通の風邪みたいに、多少熱は出るけど、ケアしてればすぐに下がるし、これで切り抜けたように思うのですな。で、「やれやれ」と思ってたところで足元救われるように夕方くらいから一気に高熱になります。

 C熱がなかなか下がらない、なかなか回復しない。要するにこのウィルスだかなんだかは、シブトイ。なかなか死んでくれない。「お前、もう、諦めろよ」と言いたくなるくらい、「最後の一兵になるまで徹底抗戦!」と叫んでいるんじゃないかと思われるくらい、頑張ってくれます。この「なにがなんでも生き延びようとする」のはウィルスの正しいありかたなのでしょうし、生命の本質なんでしょうが、ここまで”正しいウィルス道”を進んでこられると、敵ながらあっぱれという気分にもなります。

 あと、これは僕だけの特徴なのかもしれないですが、熱以外これといった症状はないです。最初と最後に多少咳が出ますし、喉が詰まったりはしますが、それほど顕著ではないです。また、頭痛持ちの僕は、体調が悪くなると必ず頭が痛くなるのですが、今回は(いっときの例外を除いて)頭はそんなに痛くなりませんでした。珍しいです。食欲も衰えず、「なんで8度6分もありながら、こんなにメシが食えるんだろう」と自分でも不思議なくらい食欲はあるし、腹痛もない。吐き気もない。これは体力をつけるにはいいことですけど。要するにただひたすら熱が出るだけなんですね。だからこの風邪のしんどさは、熱ゆえのしんどさ、そして寝たきりになることに基づくしんどさ(身体が痛くなるとか)です。割れるような頭を抱えてのた打ち回ったり、ゼーゼーいいながら吐きつづけたりという苦痛は無いです。その意味では、しのぎやすいっちゃしのぎやすいですが、「熱しにくく醒めにくい」粘着体質の人のように、進展がトロいのがつらいところです。特に僕のようなイラチ(せっかち)な人間には、全体のテンポの遅さにイライラします。

 というわけで、一週間使い物にならずにスクラップ状態でおりました。
 このエッセイが遅れたり、あるいはメールの返事が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
 

 じゃ、本文、いきます。




 

 この連載も15回目を迎えました。いい加減キリがないので、そろそろおひらきにしなきゃなーと思ってます。
 まずはリスニングの補足部分を。


リスニングの練習サイト

 リスニングの練習ですが、現場で聞いたり、ネイティブに納得いくまで何度でも同じ単語、同じ表現を発音してもらうのがベストだとは思いますが、そんなに恵まれた環境に常に居られるわけでもないでしょう。多くは自力学習になるのですが、前回述べた英語字幕のDVDはじめ、現在は色々な教材が出回っています。インターネットを探せば、無料の教材がゴロゴロ落ちています。Google検索で、英語、リスニング、教材などのキーワードで検索すればゾロゾロ出てくると思います。

 いいなと思ったサイトでは、例えばインターネット英語学習の広場 というサイトがあります。ここのリスニングサイトの紹介ページには、BBCやCNNだけではなく、世界中のリスニング(に役に立つ)サイトが集まってます。

 ちなみに、NHKのラジオのサイトでは、日本のニュースが日本語だけではなく、英語ほかスワヒリ語、ベンガル語など22言語で聞けます。ご興味のある方は、http://www.nhk.or.jp/rj/index_j.htmlをどうぞ。

 こういったサイトは、探せばいくらでも出てくると思います。
 それほどたくさんの教材は要りません。次に述べるように「精読的聴取」を練習するんだったら、10分分くらいの長さがあったら十分かもしれません。いかに広くやるかではなく、いかに深くやるかの方が大事だと思うからです。






リスニングの練習/精読的聴取


 次に聴き方ですが、これは基本的にリーディングの時に述べた「精読と濫読」の構造があてはまると思います。
 つまり、一つ一つしっかり聞いていき、行き詰まったらそこで徹底的に訓練する精読的聴取(精聴とでもいうのか)と、多少聞き取れなくても構わないからとにかく量をこなし、英語のリズム感を大きく身体で捉えていくという濫読的聞き方です。


 ただ、リスニングをより強化したいのでしたら、精読的に、つまり徹底的に繰り返し聴いた方がいいんじゃないかって気がします。ほんの1秒足らずのリスニングを、聞き取れるようになるまで何百回でも繰り返し聴くというやり方ですね。こういうことをしないと中々耳が慣れていかないと思われるからです。
 このあたりのことを、もう少し詳しく述べます。


 英語の音声は、日本語の音声よりもダイナミックレンジが広く、つまりドレミファでいえば、日本語にはないくらい高い周波数の音が多く含まれていたりするそうです。日本語の耳で聞いていると、これらの音声情報は、耳に入ってきたとしても無意識的に雑音とか意味のない音ととして、まるでドルビーシステムのようにカットしてしまうこともあるらしく、それゆえに聞き取れないとか。

 英語の発音表を良く見ればわかるように、英語の子音には、破裂音、鼻音、側音、摩擦音、破擦音があります。摩擦音とか破擦音とか、要するに「こすり合わせる音」であり、あるいは笛のように非常に細い「隙間風が通り抜けていく音」なのですが、有名なth音は歯と舌とが高速で擦れあうときの音ですし、FとかVは下唇を噛んでその間から息を出して発音します。意外と知られていないのですが、R音なんかも摩擦音です。発音の教科書などによれば、Rとは、「舌の先を上の歯茎の奥の方にそりかえるようにして近づけ、声をその間から出して発音。唇を丸めるようにして発音すると良い」となってます。

 これらの「擦れあう音」「すきま風の音」は、カタカナで書くと、シュッ、ヒュッ、チュッのような音でして、これらの音は概して周波数が高いのでしょう。音楽で周波数が高い音というのは、シンバルなどのシャンシャン系ですから=よく電車の中の他人のウォークマンの音が漏れてきますが、あのシャンシャン音です。ああいう場合には高周波の音が伝わりやすいですから。余談ですが、屋内など家屋全体が共振して伝わる場合は、低音の方が伝わります。だからマンションの隣のステレオがうるさいとき聞こえてくるのはベースやバスドラの音です。知り合いのベーシストは、ベースラインを耳でコピーする場合、二階でステレオを鳴らして一階で音を取ってたくらいです。

 さて、日本語の場合は、全ての子音に母音がくっつきます。母音がくっつくと、母音は、なんといえばいいのか、母なる大地のようにというか、モモモ〜とした音で概して周波数が低い。だから周波数の高いシンバルのようなチ、シ系の音でも、「ちい」「しい」と周波数が引き下げられ聞き取りやすくなります。ところが、英語は、子音だけ独立で発音するケースが非常に多い。母音にくっつく子音よりもくっつかない子音の方が多いでしょう。ですので、シュ、チュという音がそれだけで発せられるわけで、これらは日本人の予想している音域から外れるので、ついつい無意識的に無視してしまうのでしょう。

 実際、最初の頃はかなり注意して聞いてないと、「く」「しゅ」のような音は無視してしまいがちです。聞こえてきません。あまりにも存在が微かというか、独立の意味を持つ音のように思えないんです。かなり上達した人でも、HとFの聞き分けを常に的確にやれといったら苦しいと思いますよ。僕自身まだまだです。

 ですので、そのあたりを最初は重点的に訓練するといいと思います。
 つまり、「聞こえなかった音を、死ぬほど繰り返して聴きつづけることによって聴こえるようになる訓練」です。



 具体的には、題材教材はなんでもいいのですが、とにかく聴いて何言ってるのかさっぱりわからん、部分的にぜんぜん分からんというやつにトライします。ただ、このとき大事なのは、出来るだけ知らない単語が入ってないものが好ましいということです。知らない単語が入ってたら、そりゃあ聞き取れないですよ。だからそれはリスニングが悪いというよりは、ボキャブラリの問題になってしまって、リスニングそのものの訓練になりません。正解を聞いたら全部知ってる英文なんだけど、発音されるとさっぱり聞き取れない、というのが理想ですね。それを、もう、全神経を集中して聴く。数回聴いたくらいでは歯が立たないくらいのものがいいですね。「げー、もう、何言ってるのかさっぱり、、、」と打ちのめされるようなもの。

 それをメゲずに聞いているうちに、「ああー、こう言ってるのか!」とあるとき稲妻のように閃くことがあると思います。「やおんびあぶるぅがぁざぁ」という、ほとんど「夜音美、、、がどうしたって?」みたいな感じだったのが、あるとき"You won't be able to go there"なのだというのに気付くとか。実際、不定詞のtoや前置詞なんか何回聴いても聴こえてきません。いわゆる「脱落」現象で実際に言ってないときもありますが、ネィティブが聴くと明らかに聴こえるのに、僕らが聞くと聞き取れないというのもよくありあます。「うそー、本当に言ってる?言ってる気がするとかそんなんじゃないくて?本当に?」と信じられないですよ。


 知覚の盲点に入ってしまうと人間はそれを認識できません。
 話はころっと変わりますが、以前、野生のコアラを見に行ったことがあります。コアラというのは木のてっぺん近く、非常に高いところにいるので、下から見てるとお尻くらいしか見えず、良く分からないです。最初はガイドの人に、「ほら、あそこ、ほらこの木の上の方、ちょっと右に大きな枝があって、、」と細かく指示されて初めて、「あ、あれ?あれ、コアラ?あ、ほんとだ」と分かります。それまでは目に入っていても、それがコアラだとは認識できないでいるわけですね。それが一旦「コアラというのはこういう感じに見えるもの」というコツみたいなものが分かると、そこから先は「あ、ここにも、あ、あそこにも」と自分で探せるようになります。この種の経験、日常では良くあるでしょう。

 知覚情報というのは脳が認識して始めて意味があるのですが、どの信号を意味ある情報として認識するかどうかは、ひとえに脳の判断であり、この脳の判断が全然万能ではない。ものすごく差別的というか、意味ないと思ったら、見えない、聞こえない、気付かない状態にしちゃいます。子供の頃、自分の部屋などで自分の歌とかギターとかなにか録音しててあとで聴くと、周囲のノイズ、つまり遠くの電車の音とか、クラクションとか、カラスの鳴き声とかがやたら目立つという。それが自分で録音してるときは全然気付かない。もう脳が選択的にシャットアウトしてるからです。でも選択しない録音機械は、そのままストレートにレコーディングしますから、ものすごいノイズだらけだという。

 英語の音も、雑音の一種として脳が勝手にカットしてることは良くあるでしょう。それを発掘するには、コアラの見え方のように、「こういう風に聞こえるはず」「こういう風に聞こえる音は意味があるのだ、雑音じゃないのだ、カットしてはダメだ」と脳に教え込まないとなりません。そのための精読的リスニングです。何度も何度も聴いて聞き取れるようにする。

 もちろん、そんなに全てが最初から上手くいくわけないです。いくらやってもまだこの段階だったら聞き取れないということも大いにあるでしょう。それはそれでいいです。とりあえず聞き取れたところまで、紙に書くといいですよ。ディクテーションですよね。知らない単語が入っていても(知らない単語のようにしか思えなくても)、最大限自分が聞き取れる範囲で英語に直してみるといいです。このときカタカナにしないで、スペルはメチャクチャでいいから英語で。というのは、HなのかFなのか、RなのかLなのかは英語で書き取らないと区別がつかないからです。

 本当は、ちゃんと正解がわかっているのが理想です。最後まで謎のままだったら、無意味ってことはないですが、「結局なんだったんだろう」で後味悪いですし、「げー、そう言ってたんだ、そう聞こえるんだ」と学ぶ部分が少ないです。でも、あんまり簡単に正解を見ないほうがいいですよ。ギリギリまで考えるといいです。そうやって、「かー、畜生、何言ってるんだ、、くそー、もう一回」とやってるまさにそのときにリスニング能力は上がりつつあるのですから。

 余談っぽい話ですが、僕の場合一番リスニングの練習になったのは、実は留守番電話に吹き込まれた英語のメッセージです。これは聞き取れないですし、正解(スクリプト)なんか無い。しかし、大事な仕事なメッセージだったりして、もう何が何でも聞き取らないとならない。10秒足らずの伝言をもう1時間以上繰り返し繰り返し聴いたこともあります。あれも不思議なもので、あるとき閃くのですね。正解を見ずに(見られずに)、無理でも聞き取らないとならないという現実の必要性に迫られたとき、一番必死にやりますから、伸びるのは当たり前ではありますが。






 その他、幾つかリスニング練習のTIPSのようなものを思いつくままに。


人名や固有名詞に惑わされない 

 注意深く「ふんふん」聴いていてフォローできてたとしても、耳慣れない発音、知らない単語が混じってくると、「あー、分からん!どうしよ!」と焦ります。焦るだけならまだしも、そこで思考が乱れてしまったり、止まってしまったりして、それ以降全滅という悲惨な事態に陥いることもあります。

 その単語を聞き取れなかったことが、自分のボキャブラリ能力の未熟さに基づく場合はまだ我慢も出来ますが、問題はそうではない場合もあるということです。つまり、人の名前とか、地名や商品名などの固有名詞である場合です。まあ、人名も地名もボキャブラリのうちといえばそうですけど、地球上の全ての人名や固有名詞を知っておけというのは土台無理な話です。また固有名詞も、ジョンとかピーターとかだったらまだ馴染みがありますが、ユダヤ系の名前、イスラム系、インドネシア系、中国系、プエルトリコ系、アボリジニ系、ロシア系、、、耳慣れない名前は無限にあります。「グリノジジンスキー」「アハレンハッダリキリレ」とか長ったらしい名前になると、さすがに聴いててそこだけボコッと違和感の塊みたいになりますから、「あ、人の名前か、これ」と気付きやすいのですが、「イリイチ」とか「ポレ」とか短い名前だと一般文章の中に埋没しちゃって良く分からないことも多々あります。

 聴いていて、「あー、くそ、わからん」と混乱しかけたら、「待てよ、これは固有名詞じゃないのか?」と疑ってみるといいと思います。

 同時に、できるだけ固有名詞にも覚えておくといいでしょう。英語系の名前や、よく出てきそうな名前は、この機会にスペルと発音を一致させたり、読み方を覚えたりするといいです。日本語でも「高橋」は「コウキョウ」ではなく「タカハシ」と読みますよね。日本人だったら常識ですけど、僕らは英語名に関する限りその常識がないのです。だからSEANと書かれてたら「シーン」とか読んでしまうのですね(「ショーン」と読む。ショーン・コネリーのショーン)。





ラジオ 

 リスニング的にいえば、TV番組よりもラジオの方が向いていると思います。ラジオの方が聞き取りやすい。なぜかというと、TVが画面がありますから、画面を主にして音声は従という部分がありますが、ラジオは音しかない、音で全てを伝えなければならないので、アナウンサーやパーソナリティーの喋りというのはTV以上に重要です。ですので、TVよりも音量レベルが高く、かつはっきりと発音してくれるような気がします。まあ、これはあくまで僕が「気がする」と思ってるだけのことかもしれませんが、初期の頃の記憶でいえば、ラジオはまだ断片的に聞き取れる部分もあったけど、TVはかなり壊滅的でしたね。

 あと、同じラジオでも、高音質の方が聞き取りやすいです。AMよりはFM、安いラジオよりは高いラジオの方が聞き取りやすいかったですねー。日本語だったらそんなに思わないのでしょうが、なにせアップアップしている英語の場合、ほんのちょっとの差でも随分違って感じられたものです。



 もうひとつオーストラリアで勉強されている方は、ラジオのトークバック番組=視聴者参加番組をお聞きになるといい練習になると思います。トークバックラジオは、ラジオの番組に視聴者がどんどん電話をかけてきて、番組の司会者やゲストとお話をする形式で進められていくものですが、すごくたくさんあります。平日の午前中などは、各局それぞれ人気パーソナリティーを雇っているのですが、そのなかに有名な(といっても日本人は知らないけど、オーストラリア人だったら誰でも知ってる)アラン・ジョーンズとかジョン・ルースなども居ます。

 話は逸れますけど、彼らの影響力は、ヘタな陣笠代議士以上ですし、彼らの収入は、ヘタなCEOや映画スター以上だったりします。アランジョーンズ、僕は大嫌いですけどね。大体この種のおっさんはガチガチの保守が多いのですね。オーストラリアでガチガチの保守っていうと、イラク戦争絶対支持!だったりするし、ちょっと前は「ポーリンハンソンはガッツがある」とか、「アジア人はオーストラリアから出て行け」とまでは言わないけど、それに近いくらいのニュアンスはありますな。僕は昔から保守とか右傾化した人間が嫌いだけど=正確にいえば”自分勝手なエセ保守”ってことで”真の保守”とは違うのだけど、エセ保守的な人間の嫌らしさを味わいたかったら本国ではなく外国にいってそこの保守派を見るといいです。自分の母国での保守的な言説に触れても、結局のところ保守って自画自賛だから、イヤだなと思いつつも半分は自分も誉められてるわけだから矛先が鈍るってのはあります。「日本は他のアジア諸国よりもエライ」とか言われると、イヤらしいなとか思いながらも、そういう姿勢がイヤなだけで、真っ向から自分を攻撃するものではないから感情的に思いっきりカチンとはこないんですな。でも、例えば西欧圏に住んで「白人は黄色人種よりも優れているんだ」と主張している奴がいたら、そこに真実があるとは1ミクロンも思えない。ただのアホとしか思えない。

 話を戻してトークバックラジオです。別にそんなガチガチなパーソナリティばっかりでもないし、そんな話題ばかりでもないですから、聞く分にはどんどん聴いてください。午前中のプログラムは、今朝の朝刊を広げて、「こんな事件がある」「こんな話題が出ている」と紹介し、「みんなの意見を聞きたい」とやるわけですね。そういった総合番組というか、パーソナリティ主体の番組だけではなく、「家庭の医学」「家庭の園芸」「投資相談」「不動産相談」なんかもやってますし(主として夜とか週末)、トリビアクイズなんかもあります。

 さて、トークバックラジオの何がいいかというと、アナウンサーのように訓練されているわけではない普通の素人が電話で喋るからです。アナウンサーの英語は、それが訛ってようが訛ってまいが(親しみを出すためにオーストラリア弁バリバリで喋ったりもします)、発音としては結構ハッキリしてます。大阪ローカルの「ありがとう、浜村淳です」みたいなもんですな。大阪弁バリバリで訛ってるけど発音はクリアだという。あとマイクに向かって喋るから音も良好です。でも、素人は、かなりモゴモゴムニャムニャ喋るから聞き取りにくいし、さらに電話回線を通じて喋ってるから、音も良くない。だから、ほっとんど最初は聞き取れないと思いますよ。

 しかし、考えてみて欲しいのですが、僕たちが英語圏でリスニングをしなきゃいけないのは、まさしくこの素人達の英語なんです。そして、対面だけで喋るわけではなく、電話で喋ったりもするでしょう(シェア探しや仕事など)。携帯電話にかけて、バックに電車の爆音が鳴り響き、電波状況が良くないからブチブチ寸断される、、、そういう状況こそが、本当の「本番」なんです。ですので、最初の頃から、その本番の悲惨な状況に慣れておかれるといい、ということですね。



 こういったラジオの聴取は、精読というよりも濫読系の聞き方になると思います。最初は分からなくてもいいから、流れに身を浸すように身体の中に英語の音を通過させてやってください。長い時間を経ていくうちに身体に積もっていくものがあります。最初は、「相槌の打ちかた」「簡単な挨拶」みたいなものから始まるでしょうが、身に染み込んだリズム感というのはとても大事ですからね。

 でも、とりあえず何喋ってるか知りたいと思うのでしたら、ABCのような国営放送ではなく、民放のCMがいいです。15秒かそこらで終わるから。第一段階の課題は、「なんのコマーシャルか当てること」から始めるといいでしょう。ああ、これは化粧品のCMじゃないかな、これは車のCMかな?と。断片的に単語を拾い出す練習ですよね。まず拾いやすい単語を拾っていって確実にしていくことです。

 上級編になったら、トークバックラジオなどで色んな英語の発音や表現に慣れていくこと、経験範囲を広げていくこと。
 あるいは、「シャドーイング」と呼ばれるものも効果的だと思います。アナウンサーが喋るのを聴きつつ右から左に自分でも全く同じに真似して喋ることです。これは、単に聴いているよりもはるかにタメになります。なんせ自分で喋らなければならないから、「なんとなく分かる」ではダメなのであって、きちんと全部聞き取れないとならないし、きちんと全部聞き取ろうという訓練になりますからね。


 さて、今回で終わりにしようと思ったら、終われませんでした。
 次くらいで一応完結させたいと思います。




文責:田村

英語の勉強方法 INDEX

(その1)−前提段階  ”量の砂漠”を越える「確信力」
(その2)−波長同調
(その3)−教授法・学校・教師/スピーキングの練習=搾り出し
(その4)−スピーキング(2) コミュニケーションと封印解除
(その5)−スピーキング(3) スピーキングを支える基礎力
(その6)−スピーキング(4) とにかくいっぺん現場で困ってみなはれ〜二つの果実
(その7)−スピーキング(5) ソリッドなサバイバル英語とグルーピング
(その8)−リーディング(その1) 新聞
(その9)−リーディング(その2) 新聞(2)
(その10)−リーディング(その3) 小説
(その11)−リーディング(その4) 精読と濫読
(その12)−リスニング(その1) リスニングが難しい理由/原音に忠実に
(その13)−リスニング(その2) パターン化しやすい口語表現/口癖のようなボカした慣用表現、長文リスニングのフレームワーク
(その14)−リスニング(その3) リエゾンとスピード
(その15)−リスニング(その4) 聴こえない音を聴くための精読的リスニングほか
(その16)−ライティング 文才と英作文能力の違い/定型性とサンプリング


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