今週の1枚(05.02.14)





ESSAY 195/英語の学習方法(その12)−リスニング(1)


リスニングが難しい理由/原音に忠実に
写真は、Bankstwonのショッピングセンター




 延々続いているこのシリーズですが、こんなの幾らでも書けますよね。僕などは、本当にちょっとカジったという程度に過ぎないのですが、それでも過去の経験で方法論はどんどん蓄積していきます。そして僕だけではなく、ある程度英語を勉強してきた人だったら、この程度のことは誰でも考えておられると思います。こうやって文章化するかどうは別として、頭の中には入っているでしょう。もちろん内容は人によって違うでしょうし、それぞれに「私のやり方」というのはあるでしょう。しかし、ある程度やってきた人だったら、僕がこれまで書いてきた程度の内容量は、なんだかんだで試行錯誤されてきたでしょう。

 さて、今回からリスニングに入ります。
 リンスニングは苦手という人は多いです。なにを隠そう僕も苦手ですし、今も苦手です。だから苦労しましたし、今も苦労してます。

 思うにリスニングが難しいのは、それが”一発勝負”だからでしょう。
 リーディングは、立ち止まって何度も何度も読み返すことが出来ます。時間が止まってます。しかし、リスニングは一瞬にして勝負がついてしまい、一発で聞き取れなかったらもう終わりという恐さがあります。もちろんテープに録音して聞きなおすことは可能ですが、実際の現場でいつもいつも録音なんか出来るものではないです。また、Sorry? で聞き返すことも可能ですが、そうそう10回も20回も、10分も20分も同じことを聞き返せるわけでもないです。

 課題は一瞬提示されるだけ、しかも制限時間が極端に短くリアルタイムに処理しなければならないという、リーディングに比べるとかなり厳しい条件になってます。これがリスニングの難しさの要因でしょう。





 また、リスニングは、それが現場になればなるほど、正しい英語、正しい発音であるとは限らないという難点があります。
 リーディングの場合は90%以上活字になってるでしょうから、「何が書いてあるか読めない」ということはマレです。時折、ハンドライティング(手書き)のものを読んだりするのですが、これがクセがあって中々判読できないです。字の崩し方、乱れ方というのは英語にもあって、日本人には思いつかないネィティブ独特の乱れ方をするから、殆ど暗号解読の世界になって、かなり考え込んだりします。「なるほど、この人は小文字の"r"をこう書くクセがあるのか」と分析したりしてね。でも、多くの場合は活字ですから、情報のゲットそれ自体はあまり問題がないです。

 しかしリスニングの場合は、英語の先生やアナウンサーのように特に訓練された人以外(つまり事実上ほとんど全員)、自分のクセのついた発音と喋り方をします。これはリーディングにおける「手書き」を意味します。ほとんど全部手書き。だから、もう、人によって全然違ったりします。発音だけでも、そもそも声質としてクリアで聞き取りやすい人(女性に多い)もいれば、口の中で音がこもってしまってモゴモゴして聞き取りにくい人(男性に多い)もいます。また、キチンと口を動かしてハキハキ的確に発音する人もいれば、発音自体がいい加減というか、そんなに四角四面に発声しようと思ってない人もいます。その他、その人の身体等の状況によっても違います。酔っ払って呂律が怪しいとか=「そうなんだけどさ」が「そーなんらけろあ」になるとかね。おっそろしく早口のオバちゃんもいるし、ゆっくり喋るおじいちゃんもいます。


 さらに、恐ろしいことに「訛り」というものがあります。訛りは、なにも良く言われるオーストラリア訛り( "ei"が"ai"になるという)だけに限りません。スコットランド訛り、アイルランド訛り、ニュージーランド訛りなんてのもあるそうです。これはニュージーランド人に直接聞いたのですが(英語学校に勤めている人だからかなり言語的には正確だと思うけど)、"i" が "o"になると。例として挙げてくれたのが、フィッシュ・アンド・チップスがフォッシュ・アンド・チップスになるという。英語圏の連中の意識においては、同じ英語圏内だったら国境なんかほとんど無いも同じ、僕ら日本人の考える県境に毛が生えた程度しか思ってないキライもあり、オーストラリアにいるからオーストラリア人と決まったものでもないです。

 余談ですが、オーストラリア国内にそんなに訛り(方言)はありません。シドニー訛りとかパース訛りとか、無いことはないようですし、聞く人が聞けばわかるみたいですけど、それほど顕著ではない。これは国土の広さからしたら、言語学上異例に属するくらい訛りが少ないそうです。そりゃそうですよね、オーストラリアの22分の1しか面積のない日本の方言の多様さを考えたら、嘘みたいに訛りが少ないです。だって東京と大阪なんかたかだか500キロ、東京名古屋350キロ、これってシドニー=キャンベラ程度です。片道300-400キロなんかオーストラリア人の感覚でいえば頑張れば日帰りできる距離だし、事実キャンベラ日帰りツアーが普通にあります(考えてみれば、東京発の名古屋日帰りバスツアーやってるようなもんでそれはそれで凄いですな)。だもんで、そうそう方言なんか生じようもない距離なのでしょう。しかし、日本で同じ距離を進むと、東京弁と名古屋弁、あるいは大阪弁という具合に異なってきて、その差はかなり顕著です。オーストラリア人からしたら、なんでそんな近距離でこうも言葉が違うのか?ってなもんでしょう。余談でした。

 訛りの話に戻りますが、英語圏内のネィティブの訛りだけではなく、今度は外国語訛りがあります。早い話、僕やあなたの喋る英語は激しく日本訛りだろうし、お隣の韓国訛りがまた地獄のようにわかりにくかったりします。韓国語って、良くは知らないけど日本語と発音体系が似通っていて、アクセントのつけかたやメロディ&リズム感が日本語に似てますから、ぼけーっときいてたら韓国語も日本語に聞こえたりするくらい近しい言語なんですけど、こと英語になったらガラッと違う。濁音がなくPとBが曖昧だから、プルコギって発音してるけどレストランの表記をみるとBで始まってたりするし、イフが「イプ」になるとか、ディス、ゼアが、ティス、テアになりがち。「あいとんらいた」と言われて、I don't like that なんだなとピンとくるには修行が必要です。まあ、日本人の「あいどんとらいくざっと」も同じくらい発音的にはペケなんですけどね。

 そしてシドニーには200以上の民族がひしめきあってますから、さあ大変。一回、ユーゴスラビア訛りのおじさんと電話で会話して、えらい苦労したのを覚えてます。中国訛りのひどいのにあたると、本当に中国語喋ってるようにしか聞こえないしね。そんでもって、また言語体系も発声も似ているヨーロピアンだったらいいかというと、今度は似てるだけに、英語のなかにドイツ語やイタリア語がガンガン混じってたりするという。一般にいうと、濁音のない言語というのは多いみたいですね。日本人は発音的にはかなりハンデがあるのですが、濁音や破裂音(P)があるというのは大きなアドバンテージですよ。あと、これもよく聞きますが、Rを「る」と発音する国が多いです。normalがノルマルになる。markは英語ではマークですが、ドイツ語ではマルクですもんね。イタリアに長いこと住んでおられた方が、うちの近所のArtarmon(アーターモン)の駅名を「アルタルモン」と普通に読んでましたし。

 ちなみに、これも余談ですが、日本語が外来語を受け入れる際に、ヨーロッパ言語の場合は結構原音に忠実に受け入れてます。しかしより近い中国語になると勝手に日本読みをして、原音なんか無視してたりします。逆に、英語の場合は、近しいヨーロピアン言語はなんでもかんでも英語読みをして、逆に遠い中国語などは原音に忠実だったりします。毛沢東はマオ・ツートンで英語でもそういいますが、日本人だけ「もうたくとう」と読んでるでしょ。逆にヨーロッパ系の地名人名は、なんでも英語読みに直さないといけないので面倒くさいです。例えば、ドイツのミュンヘンはミューニクになったり。作曲家のバッハはバック、F1のシューマッハはシューマック。よくあるのが"burg"で城塞都市のことを意味しますが、ドイツ語などでは「ブルグ」になるのが、英語では全部「バーグ」になります。だから、ハンブルグはハンバーグ(Hamburg)になります。しかし都市名がそのまま世界で最もポピュラーな料理名になってるのも面白いですね。日本の巻寿司が「センダイ」とか「オカヤマ」とかいう名前で世界的に流通してるようなもなんでしょうかね。同じく、ロシアのセント・ぺテルスブルグ(St. Petersburg=ソ連時代はレニングラード)はセイント・ピータースバーグ、南アフリカのヨハネスブルグ(Johannesburg)はジョハネスバーグになります。

 近しい言語になればなるほど原音をシカトする法則というのは、心情的にも理解できるような気がします。英語スピーカーにとって、イタリア語だろうがドイツ語だろうが、文字的にはAはAですからね。どうしても「エイ」って読みたくなるでしょう。それを「アー」と読めといわれてもしんどいでしょう。母国語で読めちゃうものは面倒だから母国語でやっちゃうという。毛沢東だって、日本人だったら、「もうたくとう」とどうしようもなく日本語で読めちゃうから、どうしてもそっちに馴染むという。それではマズイよ、勝手に自分らなりの発音でやってたら通用せんよということで、最近では日本語でも韓国名・中国名を出来るだけ原音どおり読むようになってますよね。金正日はキムジョンイルだし。ただ、それもケ(←表示されてますか、登におおざとがつく漢字)小平は、トンシャオピンで、英語では”Deng Xiao Ping ”になってますが、日本語で喋りながらいきなり「とんしゃおぴん」というのはツライ部分もありますよね。「とうしょうへい」と言いたくなります。まあ、慣れの問題でしょうけど。





 さて、さらに(まだまだある)、リスニングがしんどいのは、それが現場になればなるほど、ちゃんと喋ってない点にあります。発音的にいい加減というのは上に述べましたが、発音にとどまらず文法的にもいい加減だったりします。要するにですね、言語というのは、それが母国語だろうがネィティブだろうが、けっこういい加減にやってるということですね。

 あなたが日常喋っている日本語、文法的に常に正確ですか?「コーヒーふたつor二個(正しくは二杯)」とか言ってませんか?日本語の助数詞は鬼のように難しいですよね。蝶が「頭」とかいうのはよく知られてますが、船の数え方で、大型艦船だと「隻(せき)」、小型の帆掛け舟などは「艘(そう)」、小型の競漕用ボート、ヨットなどは「艇(てい)」、はたまた特殊な船、例えばかつお船、伝馬船などは「杯(はい)」というのだということは、僕も知らんかったです。興味のある人は、福島中央テレビ、ちょっと便利帳がよくまとまっていましたので、どうぞ。

 助数詞なんて高尚なレベルではなく、もっと低次元に、「てにをは」がメチャクチャだとか、そもそも文章として完成していないとかいうケースはザラにあります。「だってさー、それってさー、ちょっと、アレっていうか、、、うーん、そう思うけどなー」みたいに、オノレは何が言いたいんじゃ?みたいなレベルで終わってたりします。だいたい会話なんか一人が喋り終わるのを全員が清聴し、次の発言者に移るという具合に粛々と進んでいきません。盛り上がれば同時に皆が口々に喋ってたりしますし、最後まで喋らせてもらえなかったりします。

 また面倒なことに、日常的によく使う言葉ほどいい加減に、というかカスタマイズして喋ったりする傾向があります。たとえば「おはようございます」にしたって、「おはよーっす」「うーっす」「おはようさん」とか言いますよね。「いらっしゃいませ」も、「へい、らっしゃーあーい」とか言ったりします。日常的に頻繁に使われる言葉というのは、もうその言葉自体の意味なんかどうでもよくて、一種の記号というか、儀式的に使われます。もうお互いに十分分かりきっているから、いちいち聞き取りやすく正確に喋ろうなんて思ってないのですね。英語にもこの傾向はあって、もっとも一般的な挨拶言葉である"How are you going?"も、"Ha'ya goin?"に省略され、しまいにはボソボソと「は、ご、」しか聞き取れなかったりします。最も頻繁に日常接する言葉こそ、最も正確に聞き取りやすく喋って欲しいのですが、実際はその正反対だったりして、そこが難儀なところです。

 あと、ネィティブでもボキャブラリが足りない、知っていてもタイムリーに思い出せないという場合も沢山あります。例えば、「ほら、よく高級料亭とか旅館とかいくと、廊下の先にトイレがあって、その扉の手前の庭あたりに、石で作った、臼みたいな物があって、そこで手とか洗うとか思うんだけど、ほら、あるじゃん?見たことない?」とかいうでしょう。「それは”つくばい(蹲)”っちゅーんじゃ!」みたいな。「鹿おどし」なんかも知らんでしょうね。「ほら、日本の庭とかで、豪邸とか旅館とかで、竹を斜めに切って、水がチョロチョロと落ちてきて、カーンとか渋い音がするのが、あるじゃん?」とかいう言い方になるでしょう。

 ほかにも途中で考えが変わっていきなり違うことを喋りはじめるとか、自分では喋ってるつもりなんだろうけど全然発音されてない場合とか。映画や小説の場合、そこまでリアルに会話を再現したら、なにがなんだから分からないし無駄も多いので、それなりに刈り込んで整理しているのでしょう。でも、現場ではもうメチャクチャだったりしますし、それでいいんだとも思います。人はハッピーになるために生きてるのであって、正しく言葉を使うために生きてるわけではないので、別にそれで本人がハッピーだったらそれでいいです。

 ただ、まあ、言葉は難しいですよね。結婚されている方とか、長い恋人関係にある方とかはお分かりでしょうが、「そういうつもりで言ったんじゃないのに」っていう行き違いは沢山あるでしょう?このあたりのパターンを分析すると面白くて、それだけで一本エッセイがかけそうなのですが、脱線もこのくらいにしておきます。いや、言葉は難しいですよね(^_^)。

 もう一つは、ギャグセンスなどが文化によって違いますし、言い方なんかも違うので、そこで戸惑うというのがあります。英語では、敢えて明らかに正反対の表現をしたりしますが、これが日本人にはなかなか分からんときもあります。雨ばっかり降って鬱陶しい天気のときに、"very lovely weather"なんてボソッと言うのですが、本当にその人はそう思ってるのかもしれず、「え?」というときもあります。また、いかにも冗談を言うぞという雰囲気ではなく、真面目な顔して言うもんだから尚更です。そういえば真面目くさってボソッというというのは、アイルランド人の "Dead pan"と呼ばれるクセらしいのですが、ニコリともせず、さも詰まらなさそうに、ギャグや辛辣なことを言う。それとはまた別に、これはアメリカ的なのかもしれないけど、いかにも気が利いた風のジョークや言い回しを言おうとする。ハリウッドの映画なんか見てると、セリフがいちいちひねっていて疲れます。






 以上の諸点が、リスニングを難しくしている諸要因だと思います。
 つまり、一発勝負で聞き取らないとならないという極めてハードな条件のことろに、やってくるボールはバリバリの変化球ばっかりだという。やれ手書きのように個々人のクセが多すぎるとか、訛りがあるとか、そもそもちゃんと発音してないとか、ちゃんと意味の通ったことを喋ってないとか、、、、。リーディングは、それが作家とか記者とかプロによって書かれている以上、そうそう言語としてストライクゾーンを外れてないでしょうけど、一般人のスピーキング=リスニングの場合、ストライクゾーンに入ることもあれば、ボールも多い。とんでもない変化球、ほとんどワンバウンドするフォークボールみたいなのがくるかと思えば、大暴投なんてのもあるのでしょう。

 どの方向に飛んでくるのか分からないクセ球を、バシバシフォローしないとならないのですから、リスニングが難しいのも当然という気がしますね。リスニングは、僕自身が苦手だから、難しい理由だったら幾らでも言えますわ。自分が出来ない言い訳言ってるようなもんですからね。

 ただ、これらの難しい要因ですけど、あなたがTOEICなどの英語のリスニング試験を受けるだけだったらそう問題ではないでしょう。訓練されたアナウンサーが、正しい発音で、正しい英語を読み上げてくれますからね。まずはそこから練習されるといいでしょう。ただ、そこである程度できたとしても、現場との間には深くて暗い川があるということです。あと、ネィティブと会話するときでも、洗練されたビジネストーク、アカデミックな学会など、ある程度教育程度の高いネィティブと、一定のレベルの話をする分には楽だと思います。内容のあることをキチンと喋ってくれますから。これが、下町の工場に車を修理に持っていったり、パブで馬鹿話してたりすると、いきなり難易度はあがります。

 ともあれ、千里の道は一歩からということで、淡々とやっていきましょう。





 リスニング能力の内容ですが、これも他の領域と同じで、基本的な英語力がどれだけあるかで殆ど決まってしまいます。つまり、知らない単語は絶対に聞き取れないし、知らない文法構文で喋られたら混乱するだけです。ですので豊富なボキャブラリーの構築、幅広い文法知識が必須であり、「聞き取れない」という事態の原因の80%以上はこれだと思います。

 しかし、同じことでも書いてくれれば容易に理解できるのに喋られると分からない、というのはリスニングプロパーの問題であり、そこにはそれなりの傾向と対策があるように思います。


 一番大きいのは「音声情報としてのデーターベースの構築が不十分」ということだと思います。
 ある英単語を知ってるし、書いてあるのを読めば理解できるし、自分で使える。しかし、発音されたら聞き取れないというのであれば、それはその単語をどう発音するかを正確に知らないから、あるいはその単語が発音されたとき「どう自分の耳に聞こえるのか」をマスターしてないからだと思います。

 dog は犬、cat は猫という具合に、あなたの頭の中には多くの英単語が知識として詰まっているでしょう。それがデータベースを構築しているでしょう。でもその個々の情報が、ともすれば活字情報だけになってたりするのですね。「音声情報」としては入っていない。パソコンの比喩でいえば、テキストファイルとして保存されているだけで、MP3とかWAVファイルとしては保存されていない。

 僕らが日常なにげに行っている「言葉を聞き取る」という作業はどういうことかというと、まず耳に入ってくる音声情報が電気信号に変換され、脳の音声を司る部分に伝達され、そこでおそらくは脳内の音声データーベースに超高速で検索をかけるのだと思います。そしてマッチする情報があれば、ピーンとその情報だけがはじき出され、それではじめて僕らは意味を理解するのでしょう。早い話が、イントロ当てクイズみたいなものですわ。あれも凄い話で、ほんのコンマ数秒イントロを流しただけで、「あ、あの曲だ」とすぐに検索ヒットするのですからね。音声情報、データーベース、検索というのは、そういうことです。なんとなくわかるでしょ。

 もちろん検索が常に正しくヒットするとは限りません。だから聞き間違えなんてこともおきますし、全然違った意味に聞こえてそこが面白い「空耳アワード」の世界になります。しかし、こと英語リスニングの現場にたったら、キャッキャ面白がってばかりはいられません。





 あなたが単語を覚えるとき、出来れば実際にその単語が使われている音声をちゃんと耳にして、何度も確認するといいです。いくら発音記号を忠実に再現しても、それでも実際に発音されるときのニュアンスというものがあります。このあたりが以前新聞リーディングの際に、最初に記事を読み、あとでTVやラジオなどで、覚えた単語がどう発音され、どう聞こえるかをマスターすると良いと書いた所以です。

 もちろん全てがそんなにリアルなライブを聞けるわけではないです。そのときは次善の策で出来るだけ発音記号に注目してください。このとき発音記号をどれだけ忠実に再現できるかがキーポイントです。最悪なのは、発音記号もろくに読まず、適当にローマ字読みしたりして覚えておくことですね。スペルを覚えるにはローマ字読みの方がいいのですけど、たとえば、"dangerous"(デンジャラス、危険な)を「ドンゴロス」とか「ダンゲロウス」とか覚えてたら、もうリスニングでの検索マッチ率は絶望的な低さになるでしょう。

 次によくないのは、カタカナにして覚えることです。
 音声情報は音声情報として、できるだけ原音に忠実に、勝手に改編を加えないで覚えるのがコツです。カタカナにした時点で、もう致命的に日本語音声になってしまいます。発音のところでも書きましたが、日本語は英語に比べてはるかに母音も子音も少ないですし、ひとつして同じ発音はありません。勝手に日本語発音にもとづくカタカナにしてしまう時点で、もう破滅的にもとの音声情報は崩れてしまいます。これがどのくらいヒドイことかというと、イントロ当てクイズの例でいえば、原曲を聞くときに、僕らは原曲をそのまままるまる覚えますが、これを「ジャジャジャーン」とかカタカナにして覚えているようなものです。ちなみにスペルや活字の形で(テキスト情報)で覚えるのは、原曲の譜面だけを覚えるようなものです。

 いずれにせよ、頭のなかのデーターベースに収録されている個々の情報が腐っているから、実際に検索&マッチさせようとしても、マッチしない、ヒットしない、だから聞き取れないってことになるのだと思います。

 ですので出来るだけ原音に忠実に忠実に、精巧なオーディオ機器のように音声情報をゲットし、記録してください。とにもかくにも「聞こえたまんま」覚えてください。カタカナ風にすると確かに覚えやすいのですが、そこはぐっとこらえて「そのまんま」で。スペルも気にしないで。その意味では明治時代の人の方が、Americanをアメリカンではなく「米利堅/メリケン」と言ってたのでより原音に忠実だったのでしょうね。



文責:田村

英語の勉強方法 INDEX

(その1)−前提段階  ”量の砂漠”を越える「確信力」
(その2)−波長同調
(その3)−教授法・学校・教師/スピーキングの練習=搾り出し
(その4)−スピーキング(2) コミュニケーションと封印解除
(その5)−スピーキング(3) スピーキングを支える基礎力
(その6)−スピーキング(4) とにかくいっぺん現場で困ってみなはれ〜二つの果実
(その7)−スピーキング(5) ソリッドなサバイバル英語とグルーピング
(その8)−リーディング(その1) 新聞
(その9)−リーディング(その2) 新聞(2)
(その10)−リーディング(その3) 小説
(その11)−リーディング(その4) 精読と濫読
(その12)−リスニング(その1) リスニングが難しい理由/原音に忠実に
(その13)−リスニング(その2) パターン化しやすい口語表現/口癖のようなボカした慣用表現、長文リスニングのフレームワーク
(その14)−リスニング(その3) リエゾンとスピード
(その15)−リスニング(その4) 聴こえない音を聴くための精読的リスニングほか
(その16)−ライティング 文才と英作文能力の違い/定型性とサンプリング


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