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今週の1枚(03.04.28)






   ESSAY/Perth特集(その6)




 写真は、バッセルトンのジェティ(桟橋)



パース特集の第六回です。長々やっておりますが、あとしばらくの辛抱でございます。次回最終回でシメる予定です。

PART 6  鍾乳洞/Cave, Busselton, Yalgorup〜Mandurah編




Cave/鍾乳洞  


 AugustaにあるCape Leeuwin灯台を見たあと、この付近に点在している、ケイブ(cave)を見ました。ケイブ=鍾乳洞は、別にここだけではなく、オーストラリアの至るところにあります。シドニーの近郊にも、ブルーマウンテンの先にあるジェノランケイブがありますし、タスマニアのキングソロモンケイブなんかも行ったことがあります。

 個人的には、もう何度も見てますので、「はいはい、ケイブね」ってな感じがしないでもないのですが、カミさんは初めてですし、そこはそれ、旅は道連れですから。また、所変われば印象も違うのではと思って行ってみました。

 でも、結果的には面白かったです。考えてみれば、オーストラリアって「それもう見た」とか言い出したら、そんなに見るものないのですね。オーストラリアって、一言でいえば「バカでかくて、人が少なくて、古くて孤立した大陸に新しい移民国家が作られたもの」です。オーストラリアの観光は全てそこから派生しているといってもいいです。

 「古い」というのが結構キーワードです。古いから、山が雨や風やにどんどん削られて平べったくなってます。削られまくって最後に骨だけ残ったエアーズロックなどは良い例ですし、何も残っていない砂漠が広がったりしています。日本列島のように”若い”土地は、造山運動からまだ間が無いし、未だに造山運動は続いているともいえます(だから地震も多いし、摩擦で地熱が発し、温泉になる)。日本は、急峻な山々に恵まれ、深山渓谷に恵まれ、秘湯にも恵まれてます。このようにニョキニョキ大地から山が隆起してる日本では、山々でランドスケープ(風景)が遮られますし、風や雲の動きも遮られます。だから、ちょっと移動しただけでガラッと風景も変わるし、気候風土も変わる。これだけ気候風土が違うところに2000年の文化的蓄積があるから、バラエティに富んだ郷土色が出てくる。伊豆と新潟なんか全然別国といっていいくらい気候風土が違いますが、距離にして大したことないでしょ?たかだか300キロとか500キロとかそんなもんでしょ。今回の旅行でいえば、エスペランスとアルバニーほども離れてないでしょ。オーストラリアの感覚では、車で数時間ぶっとばしたらすぐ着く距離です。そんな短い距離なのにもう全然違う。

 その点オーストラリアは、何十時間走ろうがあんまり風景が変わりません。シドニーとパースという、距離にして日本とベトナムくらい離れてみても、別に何が違うというほど違わないです。この古くて、起伏に乏しくて、山岳系の観光資源に乏しくて、地平線が広がっていて見通しは良いけど、変わり映えしない風景が、バカでかい国土に延々広がってるのがオーストラリアですね。

 でもって、古いから岩もモロくなっていて、あちこちでグランドキャニオンのように崩落陥没系の風景が見られ(ブルーマウンテンも基本的にはコレ)、これが海岸線にいくと大地がガクンと崩落して断崖絶壁になってるところが至るところにあり(グレートオーシャンロードの”十二使徒”とか)、またスケールが小さい場合は、超長期の侵食によって偶然にも奇怪な形に侵食された奇岩系が多いです。一方、古いということは、長い年月をかけて形成されるものが多いということで、鍾乳洞のほかに、例えば、日本列島がすっぽり収まるくらい超巨大な珊瑚礁群(グレートバリアリーフ)というものがあったりするわけですね。。

 一方、「人が少なく」「孤立した大陸」というのは、見渡す限り地平線の大地が広がっていて、そこに人の姿はなく、代わりに閉鎖的な生態系で独自の進化を遂げた”変な動物”が歩きまわってるこということになります。カンガルーとか、コアラとか。白人が移民してきてまだ200年の新しい国ですから、いくら古い町といっても知れてます。日本やヨーロッパの底知れぬほど深い古さと伝統はないです。その新しい国に、どんどん世界から移民が来ますから、移民が集中する都市部においては、マルチカルチャルの花が咲く、と。あと「バカでかい」という点でいえば、デカいから見て廻るのに異様に時間がかかることです。

 以上を総合すると、”延々時間をかけて、そう変わり映えのしないものを見に行く”というのが、オーストラリア国内観光だったりします。ミもフタもない言い方ですけど(笑)。ですのでシドニーからパースに行ったからといって、そんなに思いっきり目新しいものがあるわけでもないです。ケイブの話に戻りますが、どこにでもあるケイブがここにもあった、てなもんですね。

 それでも見たら見たで面白かったですよ。このトシになって段々分かってきたのですが、別に物珍しいものを見ればいいってもんじゃないんだよな、と。海なんか毎日見てても見飽きないです。はたまた温泉は何回入っても気持ちいいです。それと同じで、「いい感じのモノに触れて、いい感じになりにいく」のがポイントなのだと。珍しいかどうかではなく、気持ちイイかどうかだと。鍾乳洞も、何度も入ったとかいっても、しばらくしたらすぐに忘れちゃうのですよね。あの空気のひんやりした感じ、閉所恐怖症的な息苦しさと、地球のハラワタのような神秘的に奇怪な岩々、気の遠くなるような地球規模の時間感覚、、、、入ったみたら、「ああ、そうだった、そうだった」と思い出すのですね。そして、また新たに感動するという。海なんかもう数え切れないくらい見てるくせに、見たらまた新たに感動するのと同じです。





 さて、前フリが長くなりましたが、CAVEです。

 オーストラリアの左下隅あたり、前回レポートしたマーガレットリバーやオーガスタのあたりには、ケイブがたくさん散在しています。右上に掲げたケイブの入場チケットにも印刷されていますように、僕らが行ったジュエルケイブやレイクケイブのほかにも、マンモスケイブが有名です。この3つのケイブの共通割引入場券というのも売られてましたから、やはりこの3ケイブがメジャーなところなのでしょう。ちなみに一つのケイブに入るのに20ドルくらいで、3つまとめて割引券だと50ドルくらいだったと記憶してます。

 これらのケイブは、Augustaから北上する、その名もCaves Rdという道路の左右に散らばっています。このエリアを南北に貫く幹線道路であるBussel Highwayの一本西側(海側)を平行して走るのがCaves Rdです。まあ、実際に行けば、付近の観光マップはいくらでも手に入りますから、迷うことはないでしょう。

 今回訪れたのは、ジュエル”宝石”ケイブと、レイク”湖”ケイブです。さすがに3つ行くのは大変なので、マンモスケイブには悪いけどカットしました。似たような鍾乳洞を連続して入ったので、今となってはどっちがどっちだったかいな?と記憶も混同しがちですが、ジュエルの方がより本格派というか、いろいろな種類の鍾乳石があり、博物館的に面白いです。レイクケイブは、地底に水溜りが”湖”のような風景になっていて(山水を模した日本庭園みたいに)、そこにライティングの妙味で幻想的な世界になります。要するにこっちの方が”わあ、きれい”というポップな感じがしますね。

 ケイブは、どこもそうだと思いますが、勝手にトコトコは言っていくことは出来ず、チケットを買って(入口に事務所がある)、決められた時間からはじめるツアーに参加することになります。ツアーは大体1時間に一回くらい。地底にもぐってる時間は、そうですね30分から1時間くらいでしょうか。パッと見て、「はい終わり」ってことはないです。

 ケイブの解説・資料は、サーチエンジンで"cave WA"あたりを入力して探せば沢山出てきますが、例えばWestern Australian Caves などは、教育用に易しいケイブ解説のページのようで、プレーンでいいかもしれません。あと定番でいえば、CALM - The WA Department of Conservation and Land Managment=WA州の国土保護&林野庁みたいな役所もあります。どちらも観光臭のない、ソリッドなサイトです。




 写真上左から二枚はレイクケイブの入口(ツアー集合場所)。事務所から下の方まで階段でおりていきます。ここはもともと巨大な空洞になっていたのが昔々に崩落して、火山の噴火口のようなすり鉢型になっています。そのスリバチの底から、さらに地底に続く階段があり(写真中央)、ここからケイブツアーの始まりです。
 写真上右は、ジュエルケイブのツアー中のスナップ。総勢20-30名くらいでゾロゾロ移動します。



 ツアー中、ガイドの人があれこれ説明してくれるのですが、当然のことながら全部英語です。昔はこれが全然聞き取れなくて悲しい思いをしたものです。今はバッチリ!かというと、それでも半分くらいしか分からんですよね、冷静に考えてみて。

 もしある程度頑張って解説を聞きたいとお考えの方は、多少なりとも予習しておかれるといいですよ。つまり、キーワードになりそうな単語を先に覚えておくことです。例えば、鍾乳石 (stalactite、上からぶら下がっているもの)、石筍(stalagmite、下からタケノコみたいに生えているもの)、石灰岩(limestone)、ホールのように広い空間(chamber)、その天井・天蓋(canopy)などです。あとはこれは日本語でいいですから、鍾乳洞はどういうプロセスで出来るか、などですね。大雑把に知ってると、英語の理解度が断然違います。

 大体ツアー中の説明されることとしては、一般的な地学的な鍾乳洞の説明、当該鍾乳洞がいつごろ発見されたのか(意外と最近のものが多いです)、それと個々の鍾乳石の形状と、どうしてそういう形になったのかの理由などです。

 下に何枚か写真を貼っておきますが、鍾乳石といってもバラエティに富んでいて、珊瑚礁のようにツブツブがついてるのもあれば、スーッと糸のように細く真っ直ぐ降りてくるものもあれば、紙や布みたいに薄い石板状になってるものもあります。また途中でボキンと折れてるのもあります。それぞれに説明してくれてたのですが、忘れてしまいました(^^*)。



 それでは以下ギャラリー的に、ケイブの中の写真をごらんください。


 写真上左は、フラッシュを使わないで撮影したものです。なんせ暗いですから、シャッタースピードも2分の1秒とか、1秒の世界ですから、もし本当にちゃんと撮ろうと思ったら三脚必須です。しかしアップダウンの激しいケイブで三脚なんか持っていきにくいでしょうね。この写真はフラッシュも三脚も使わない割には写ってますが、おそらくガンガンにライトアップしてくれたときの一枚だと思います。  右の二枚はフラッシュを使ったものです。


 自然のイタズラで、偶然なにかの形に非常によく似ることがあります。それぞれにニックネームがついてたりして面白いのですが、写真上中央は、たしか”魔法使い”とか言ってたかな。「なるほどー」って感じでした。そういえば、シドニー近郊のジェノランケイブにいったときも、ステージの上でロックバンドが演奏しているような岩があり、”ローリングストーンズ”という仇名だった記憶があります。あれも 「なるほどー」 でしたね。


 写真上左は、紙のように非常に薄い板状のもの、中央は珊瑚のようにブツブツと突起が出来ているものです。
 写真上右は、神殿の円柱のようにデコレーションのあるもので、雰囲気が堂々として壮麗なので、形がよく大きなものが、よくガイド写真なんかに使われるように思います。


 レイクケイブの、”レイク=湖”です。
 すごいのは、上から降りてきた鍾乳石が水面までいかず、徐々に横に結合して陸地のようになってるところですね。なんであんな具合に発展していくのか、説明を受けたはずなんですけど、いまひとつ理解できてないです。ただ、観光客としては、まるで浮遊大陸のような不思議に美しい現象を、「まあ、きれい!」と賞嘆してればいいのかもしれません。


 レイクケイブの”ライティングショー”です。どこのケイブツアーでもやると思いますが、一回全ての電灯を消して、100%漆黒の闇を体験させてくれます。レイクケイブの場合、それに加えて”湖”の向こうにある”石柱と夢の浮遊大陸”を段階的にライティングで照らして、”幻想的な空間”を見せてくれました。

 写真上中央と右とで見比べてもらうと分かると思いますが、右の方がライティングが増えて美しい石柱が浮かんでいます。なお、実物はもっと綺麗です。ライティングの色ももっと綺麗でした。写真にしちゃうとどうしても色調が貧しくなってしまうのですが。


 ケイブは面白いけど、結構歩きますよ。特にレイクケイブは、洞窟内を歩く距離は大したことはないですが、集合場所から事務所までの登り階段が結構キツいです。ヒーハーいって息が切れてる人がそこそこいましたから。



Busselton

 朝から、灯台を見て、ケイブツアーを二つこなしてたら、もう日も大分傾いてしまいました。距離的に大したことないとは言え、そろそろ今日の宿に向かわねばなりません。本当はマーガレットリバーの北には、YallingupとかDunsboroughなどの観光エリアもあるのですが(ワイナリー、海、また岬=Cape Naturaliste がウリでしょう)、もう素通りです。あ、そういえば道路脇のチーズ工場が目に入ったので、チーズ買って帰りました。田舎の街道を走るとき、注意して看板を見てると、いろいろ面白い工場、農場、クラフトショップなんぞがあります。このチーズ工場も、結構人が入ってました。さて、チーズを買ってから、進路を一路北に向けて上がっていきました。

 さて、Busseltonの町です。ここも地元には人気のあるリゾートエリアだそうですが、ここまで走ってくると「ああ、町に戻ってきちゃったな」という気がします。なにかというと、ちょっと走ったら信号があるからですね。これまでは信号なんか、よほど町の中心でもないと無かったですから。調べてみると、バッセルトンの人口は1万人を超えます。マーガレットリバーの人口が3000人足らずですから、もう結構普通に”町”になったという感じです。それだけ馴染みのある風景にはなるのですが、「ああ、もう旅も終わりなのね」と多少淋しい気分もしました。

 この町は、2キロもある木製のJetty(桟橋)が有名ですが、別にそんなに深い興味があったわけではなく、もっぱらインフォメーションセンターに探すために立ち寄りました。今晩の宿は、Yalgorupという比較的マイナーなところなので、ちゃんとした地図が欲しかったのですね。結局、「行けば分かるよ、簡単よ」という、力強いといえば力強い、何の役にもたたないといえば立たないアドバイス一つをもらっただけでした。でもって、行ってみたけど全然わからなかったぞ(^^*)。ほんと、インフォメーションセンターといっても、すごくヘルプフルなところと、大して役に立たないところとがあります。その差はシステムとか運営とかいう高尚な話ではなく、単にそのとき窓口にいた人がどういう性格の人かという、情けない個人的な偶然事情で決まります。

 これはオーストラリアの法則のようなもので、こういったしょーもない個人的な偶然で、例えばあなたのビザがすんなり楽に発行されるか、グデグデ文句言われた挙句、嘘を押し付けられるかどうかが決まったりします。「やってらんねーよな」って気もしますが、そこはそれ「やり方」というものもありますし、それでこっちが不当に得をすることもあるわけですから、まあ”受け技”を洗練させておきつつ、慣れるしかないよねということですね。

 インフォメーションセンターを探して車を流しているとに、海辺に出て、気づいてみたら、2キロ桟橋でした。「おや、ここか」という感じでしたが、折角来たのだからということで、車を停めて海と桟橋を見物しました。大して期待もしてなかったのですが、結果的に言えば、このときに撮った海の写真が一番綺麗だったです。ちょうど天候もきれいに晴れてましたし。



 写真上は有名な桟橋(jetty)。桟橋には遊園地の電車みたいなかわいい電車が走ってます。この駅舎らしき建物が、なかなか周囲の海や空の青とマッチして、きれいなデザインです。写真上左なんて、普通に僕が撮っても絵葉書みたいにきれいにおさまりますよね。


 写真上は、桟橋付近の海の様子。全体にきれいなビーチだったです。海もですが、陸側の公園の雰囲気といい(写真はないですけど)、なかなかくつろげるところでした。観光名所で世界中から人が来ているというよりは、地元の住人に愛されているビーチという感じでありました。



Mandurah 〜 Yalgarup


 さて、バッセルトンを後にしてさらに北上します。Busseltonから50キロほどいったところに、Buburyという大きな町があります。人口2万5000人ですから、さらに大きいです。ここは、午前中にイルカが湾内に遊びに来るというのが観光的にはウリだったりするそうです。Koombara ビーチに、Dolphin Discovery Centre(イルカセンター)という建物があり、その真正面あたりの海に、"dolphin interaction zone"という半円形の仕切りがあり、ここの中に限り、やってきたイルカたちと一緒に泳げる、と。

 しかし、よく調べてみると、行けば必ずイルカが見えるというものでもなく、もっぱら早朝から午前がメインで(どうも湾内に朝ゴハンを食べに来るらしい)、それも「見えるときもある」という程度だそうです。まあ、自然の生き物相手に「絶対」「必ず」なんてことはまずありえませんから、リーズナブルなところだと思います。ホエールウォッチングなどもそうですが、「見られたらもうけもの」くらいの気分でいいと思います。近所に野良犬や野良猫がいて、普段よく見かけていたとして、「今から30分以内に絶対に見ることができるか」というと、そんな保証はできないですもんね。探すとなったら意外と見当たらないものでしょう。

 というわけで”イルカと泳げるかもしれない”バンバリーの町は、イルカを待ってるヒマもないのでそのまま素通りし、さらに100キロほど北上して、ヤルガロップ/Yalgrupというところにある、Yalgorup Eco Park というところにチェックインしました。http://www.ecopark.com.au/default.htm にホームページがあります。そこまでの道は、非常によく整備された高速道路で走りやすかったです。なんせ、それまでがセンターラインもろくすっぽないような道を爆走してきただけに、中央分離帯があるだけで格段に楽です。


 ここから数キロ北上したところに、マンジュラー/Mandurah という大きな町がありますが、いずれにしてもそれほど著名なところではないと思います。本当は翌日のロットネスト島行きに備えて、フェリーの出るフリーマントルに宿を取るつもりだったのですが、あいにく土曜日ということもあり、なかなかこれといった宿が取れないでいました。いや、泊まるだけなら別にいくらでもあったのですが、B&Bや高級リゾートホテルと泊まり歩いてきて、それなりに”tastefullな”(味のある)所に泊まりたいな、リーズナブルな値段で、、と思ってたら意外と難航してしまいました。

 フリーマントルはかなり大きな町ですし、メジャーな観光地ということもあって、相場も若干高めでしたし、週末は最低二泊からという所も多かったです。古い建物が有名なB&Bもあったのですが、ここも予約はいっぱいでした。「そういうことなら」ということで、マンジュラーだったら約60キロ程度しか離れてないし、このくらいだったら車で小一時間で着くから、そこまで離れるか、ついては浜辺のすぐ傍のYalgrupまでいくかということで、ここにしました。

 あらかじめゲットしてあったマンジュラーの観光パンフレットに載ってる地図(右)で行ってみたのですが、確かに地図上で見ると一本小道が走ってるだけで簡単そうです。地図もなかなか詳細にできているようです。でも、縮尺をよく考えてみると、フリーマントルとマンジュラーの間で京都と大阪くらい離れているのですね。本当はこんなにシンプルな道ではないです。実際、行ってみたら開発された郊外住宅地になっていて、道も入り組んでるし、「おいおい、これじゃどこだかわからんぜよ、なにが行けば分かるだよ」と思いながら徐行気味に車を走らせていたら、、、

 
   あ、カンガルーだっ!
 

 郊外の住宅地に親子カンガルーが、ピョンピョン通過していったのでありました。
 いまさらカンガルーは珍しくないとはいえ、こんな住宅地に野良犬のようにヒョコヒョコ出てこられたら、ちょっとびっくりしますね。「カメラ、カメラ、、」で、慌てて撮ったのが上記の二枚です。



 さて、ここの宿は、浜辺近くの閑静な新興住宅街の中にあります。まさか、こんな民家の中に混じってあるとは思わず、最初は戸惑ったのですが。

 この宿、Yalgrup Eco Parkですが、ホームページをごらんになったらよく分かると思いますが、いろいろなタイプの宿があります。すなわち、
Beachcomber Spa Villas $ 185.00
Hawaiian Eco Suites     $ 110.00
Economy Family Chalets $ 110.00
Caravan & Motorhome sites $ 20.00
Camping Sites $ 17.00
Extra person (aged over 5 years)  $10.00
 となってまして、豪華スパつき一戸建てロッジから、キャラバンパーク(キャンピングカーを停めて泊まる、電気も水道も共同場所にある)、さらにキャンプを張る場所なんかもあります。


 上の写真左は、僕らが泊まったハワイアンスィートという一戸建てロッジから眺めた風景ですが、子供用の児童公園の周囲にテントを設営するサイトがあるという寸法ですね。写真には載ってませんが、裏手にはキャンピングカーを停めるキャラバンパークがありました。本当に海のすぐ近く、というか、キャラバンパークのあたりなんかそこが既に半分浜辺みたいなものでした。ここにキャンピングカーを停めて、何日も海のソバでゆっくり過ごすのもいいんでしょうねえ。一泊20ドルですもんね。アウトドアに慣れてるオージーたちは、携帯用のBBQセットを出して、隣近所の人たちといっしょにのんびり楽しんだりしています。

 僕等の泊まったロッジですが、もう少し広いかと思ったら、それほどのこともなかったです。真ん前に車が停められて、玄関先に大きなポーチがあるのはイイですし、またキッチンもバストイレも最低限のものは揃っているのですが、もっと一軒家的に広いかと思ったら、基本的にはシンプルな部屋だけって感じでした。ホームページにあった360度ヴァーチャルビューで見る限り広そうだったんですけどね。ま、また広角レンズに騙されたって感じもしますな。





 晩御飯は、マンジュラーの町まで出て行きました。車でほんの10分くらいで行きます。

 マンジュラーはどうも河口付近の町らしく、大きな河口(Mandurah Estuary)=実際には川のように見える=の両サイドに芝生の公園が広がっていて、なかなか水の都っぽかったです。マンジュラーの町に着いときは既に夕刻で、なにかのフェスティバルらしきものをやってました。夕暮れ時に地元の人々がさんざめいて歩き、屋台が出てたり、遠くでイベントらしくものが開催されるようで、賑やかでいい感じでした。

 バンバリーもそうですが、このあたりはカニが名物のようです。屋台でも出てましたし、ぶらっと入ったイタリア料理屋さんでもカニ料理を勧めてましたし。このイタリアンレストランですが、遣り手婆あ風のチャキチャキしたおカミさんと、気の弱そうな要領の悪そうなでも人は良さそうなオジサンのコントラストが妙に印象深かったです。味はどうかというと、うーん、それほど記憶に残ってないです。あんまり「さすがイタリアン」という感じではなく、「オーストラリア風イタリアン」みたいな。ティラミスも、ただのチョコレートスポンジケーキじゃん?って話もあります。

 マンジュラーですが、なかなか若くて元気な印象を受ける町でした。河口付近の古い町の周辺に、「水の都」をコンセプトとして意識した新興高級住宅地プロジェクトがガンガン進行しているようです。「おいおい、こんなに開発して住む人おるんか?」と思うくらいですが、いるんでしょうね。ここからフリーマントルやパースまで60-70キロかそこらですから、道路事情の快適さを考えたら、十分通勤距離といえなくもないのでしょう。そういえば、このあたりをバッセルトンからフリーマントルあたりまで車で走っていてやたら目についたのは、”Land Sale"という標識です。交通標識のようにバーンと道路に掲げられており、最初は「変わった地名もあるもんだ」とか思ったくらいです。パースの南方面というのは、鬼のように土地の売却が行われているのでしょうか?そんなに人口増を見込んでいるのかしら、単なるバブルの空騒ぎなのかしら、よく分かりませんでした。詳しいひと、教えてください。


 そうそう、マンジュラーでもドルフィンスイム(イルカと泳ぐ)が出来るようです。勝手に一緒に泳いではダメ(違法)で、ライセンスを取得したツアー会社に頼むそうですが、出来るそうです。ちなみにすぐ北のロッキンガムでも出来るそうです。これだけ近くで出来たら、頑張ってモンキーマイアまで行かなくても済むのか、それともモンキーマイアは別格なのか、そのあたりはよくわかりませんが。マンジュラーのドルフィンスイムに興味のある人は、ツアーをやっている会社のサイトをみつけましたのでどうぞ。なんと日本語版もあり、ホームページもセンスよく凝り倒してます。


 今回は頑張ってロットネスト島まで行くつもりでした。実際写真のレタッチも終わってたのですが、あまりに長くなるので次回に廻します。


 なお、同行したカミさんの方も自分のホームページで旅行記を書いてます。同じモノを見てても別の人が書くとまた意見も感想も違うし、併せて読むと立体的に、ステレオになって面白いと思います。
今回の該当個所はここです。





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