このコンテンツは、1990年代に中高生留学を調べていた時に作成したものです。以後、全く更新しておりませんので10年以上古いコンテンツです。今後も更新する予定はありません。

したがって、リアルタイムにこのとおりである保証はないし、それどころかまず「違う」と思ってください。

「古文書」的な意味しかないので、バッサリ全部削除しようとしましたが、敢えて残しておきます。
かなり詳しく調べましたので、現在においても尚も「参考」としての資料価値があるからです。
 いわゆるハウツーマニュアルとしては無価値ですが、ものの考え方、システムの成り立ち方という原理部分、あるいは日本人的に盲点になるような部分などは、そう変わるわけもないし、今でも十分通用します。ご自身であれこれ考えたり、調べたりする参考にはなると思います。




APLAC/STUDY IN AUSTRALIA 5

第5章 編入学手続き


    留学を決定してから、実際に現地入りするまでの編入学手続き方法について、手順を追って説明しましょう。


1.留学希望校への編入意思表示

    留学斡旋業者を通して手続きを行う場合には、留学希望の意思を表明すると、まずは必要書類を提出するよう指示されます。自力で編入手続きを行う場合には、まず学校案内や留学生受入条件・費用が掲載された資料を取り寄せるところから始まります。この資料に手続き方法が書かれているはずですので、指示に従って申込手続きを行います。
    必要書類は基本的には学校指定の申込用紙(Application Form)、日本の在学校での成績証明書(過去2年間)、既に高校を卒業していれば卒業証明書です。他に留学目的を英語で書いた小論文、在学校の学校長からの推薦状、英語力を証明するもの(TOEFL、IELTS、AEASなど英語テストの結果)、健康診断書、保護者からの留学同意書、写真等の提出を求める学校もあります。尚、この時点で「申込金」を請求される学校もあります。

    これらの必要書類を受けて、今度は学校側から授業料(デポジット、入学金、留学生用健康保険料も含めて)の請求書が送られてきます。授業料はオーストラリア・ドルでの支払いとなりますので、日本からは外国為替を扱っている銀行から送金すればよいでしょう。授業料の振り込みが確認されると、学校側から入学許可証(Confirmation of Enrollment)が発行されます。これをもって学生ビザの申請をするわけです。
    万一、授業料を支払ったのに入学許可書が届かない場合には、まずは送金に手違いがなかったか銀行に確認し、問題なければ学校側に催促してみましょう。(留学斡旋業者がこういった業務を代行してくれます。)
    尚、学校によっては、申込後、現地にて面接を行い、その結果で受入を決定、入学許可書を発行する場合もあります。

2.パスポート、ビザの申請方法

    編入学する学校を決定し、入学許可書が手元に届いたら、いよいよ渡航準備に入ります。まずはパスポートとビザの準備に取り掛かってください。

    【パスポート】

       「パスポート」は外国で日本国民であることを証明するもので、これがなければ日本を出国できません。留学することが決まった時点でパスポート取得準備をはじめてください。(取得に必要な書類等は最寄りの申請窓口にお問い合わせください。申請書類提出後2週間前後で発給されます。)

      尚、留学期間中にパスポートが切れてしまった場合には、現地でもパスポートの更新はできますが、最寄りの領事館まで出頭しなければならず、経費的にも手間的にも面倒なことになります。既にパスポートをお持ちの方も、留学予定期間をすべて有効期限がカバーしているかを確認し、有効期限を過ぎる場合には出国前に再申請しておいた方がよいでしょう。

    「個人でやる留学手続き方法」をご覧になりたい方は、こちら

    【ビザ(査証)】

     
      ビザは受け入れ先の国での入国許可を意味する書類です。留学の際に必要となる「学生ビザ」は日本では東京のオーストラリア大使館及び大阪総領事館で申請できます。取得方法は下記のとおりです。

        1)オーストラリア大使館、あるいは大阪領事館より中・高校留学用学生ビザの申請用紙一式を取り寄せてください。英語学校からの入学許可書(Confirmation of Enrollment)を添付する場合には、「カテゴリーB」、中・高校からの入学許可書を添付する場合には「カテゴリーA」で申請します。カテゴリーBでは最長1年までしか申請できませんが、カテゴリーAでは学校側が在学許可した期間分を申請することができます。
        2)申請用紙一式の中に含まれる「健康診断用紙」を持参して、指定病院へ行き健康診断を受けます。(健康診断結果は指定病院から大使館・領事館に直接送付される。)
        尚、指定病院が近所にない場合には、英語の分かる医師なら問題ありません。その場合には、医師が記入方法に不慣れなことからミスが起こり得ますので、注意してください。また、指定病院以外の医師の場合、直接大使館・領事館に健康診断用紙を送付してくれないかもしれないので、その場合には申請用紙とともに本人から大使館・領事館に提出することになります。
        3)入学許可書が到着次第、申請用紙に必要事項を記入して、パスポートとともにオーストラリア大使館あるいは大阪領事館に申請します。(ビザはパスポート中の1ページに添付されます。)時期にもよりますが、通常2週間〜1ヶ月ほどで発給されるでしょう。
       ※万一、ビザの発給が遅い場合には、大使館・領事館に問い合わせてみましょう。

      オーストラリア大使館のサイト

    ●ビザ有効期限と延長手続きについて

      ビザの有効期限は学校側が発行する入学証明書に記載された「留学予定期間」と同じ期間分を申請することができます。現地の移民局でもビザ延長手続きはできますが、できれば最初から留学予定期間をカバーするビザを取得しておいた方が安心でしょう。通常、学校は最初に1年分の授業料を請求しますが、入学証明書には支払い済みの期間だけでなく、留学生の希望する留学予定期間を記入してくれます。
      現地で転校する場合には、転校先となる新しい受け入れ校が移民局に受け入れ校変更届けを提出しますので、ビザの有効期限がカバーされていれば留学生側のビザはそのまま有効です。但し、転校と同じタイミングでビザの有効期限が切れる場合には、転校先校から新しい入学証明書を発行してもらい、再度現地の移民局に出向いてビザ延長手続きをしなければなりません。

      最終受入先校が入学許可書を発行してくれず、他の教育機関(英語学校等)の入学許可書で学生ビザ申請しなければならないケースもありますが、その場合は、英語学校の受け入れ期間分しかビザを確保できませんので、最終受入先校に転校する時点でビザ延長手続きをする必要があります。最終受入先校から直接入学許可書を発行してもらえば、長期間のビザが申請できるので、できるだけ英語学校からの入学許可書で最初にビザ申請することは避けた方がよいでしょう。
      尚、ビザの有効期限とパスポートの有効期限がズレているために、有効期限の切れたパスポートに有効期限内のビザが添付されている状態になることがあります。その場合には、新しいパスポートと古いパスポート(有効期限内のビザが添付されている)を2冊持ち歩くことになります。

3.外貨取得と送金方法

     海外で一番安全なお金の持ち方はトラベラーズチェックです。日本円のトラベラーズチェックでも現地の主要銀行でオーストラリア・ドルに換金できますが、望ましいのはどこでも換金できるオーストラリア・ドルのトラベラーズチェックです。しかし、オーストラリア・ドルのトラベラーズチェックを扱っている銀行は日本では限られています。以下にリストを掲載しますが、各自お調べください。

    【オーストラリアドルのトラベラーズチェックを扱っている銀行】
      オーストラリア・ニュージーランド(ANZ)銀行 東京支店/大阪支店
      ウエストパック銀行 東京支店
      ナショナル・オーストラリア銀行 東京支店
      さくら銀行
      三菱・東京銀行 本店/支店
   
     また、現地に到着してから、留学生が銀行口座を開き、そこに日本から送金することも可能です。安全性、利便性、手数料などの経済性を考慮すると、現地で銀行口座を開いて後日そこに送金する方法が望ましいと思われます。送金は外国為替取り扱い銀行でなら、どこでもできます。手数料は銀行により異なりますが、文書扱いで2500円程度、電信扱いで4000円〜5000円程度です。(1996年7月現在では、東京三菱銀行の手数料が比較的安いようです。)文書扱いにすると送金に1〜2週間かかりますので、支払い締め切り日とのタイミングを考慮にいれてどちらにするか決めてください。

     渡航に当たっては、まずは当面必要となりそうな額(300ドルくらい)だけをオーストラリア・ドルのトラベラーズチェックを作って持参し、落ち着いてから現地で口座を開くという方法をお勧めします。
     尚、留学生が「家族用クレジットカード」を携帯することもできます。アメリカンエキスプレスカード、VISAカード、マスターカード、ダイナースカード、JCB等、クレジットカード会社にお問い合わせください。(観光地シドニー都心はともかく、郊外ではVISAカード、マスターカードが通用しやすい)

3.航空券の手配

      もし留学生が一度日本を出国したきり、留学予定期間をおえるまで帰国せず、ご家族も一度も留学先を訪れないのであれば、オーストラリア−日本間の1往復で済みます。しかし、おそらくは途中でどうしても帰国したくなったり、帰国しなければならない事情になったり、あるいはご家族が現地を訪問したくなることもあるでしょう。結局、3年間の留学を終わってみたら、家族含めてオーストラリア−日本間を10往復もしていた、というケースも珍しくありません。

      これからお世話になる航空券について、ある程度の知識は持っておいた方がよいでしょう。というのは、航空券は買い方ひとつで費用が大きく異なるからです。たとえば、同じシドニー−成田往復チケットでも、50万円以上するのもあれば、わずか6万円前後のものまであります。

      航空券のシステムについて詳しく知りたい方は、ここをクリックしてください。

      留学生の場合、1年に一度くらいの里帰りを見込んでいるのなら、1年オープンチケットがお得ですし、「行ったら最後、留学予定期間を終えるまでは帰国しないぞ」という覚悟があるのなら、片道チケットでよいでしょう。(オーストラリア現地でも日本行き航空券は正規も格安も購入できます。価格は条件によって異なりますが、日本で購入するのと大差ありません。)また、トランジットは保護者同伴なら構いませんが、留学生一人で見知らぬ国の空港を移動するのも心もとないでしょうから、直行便を手配されることをお勧めします。

    5.持ち物 〜手荷物と郵送物

       あれもこれもと、つい多くなりがちな荷物ですが、できるだけ「軽く」「小さく」「安く」することが大切です。多くの生活用品は現地でも調達できますし、どうしても必要なものがあれば、後日日本から郵送することもできます。
       次に、「絶対忘れてはならないもの」から「あってもなくてもよいもの」まで、重要度別に挙げておきますので、参考にしてください。

    携 帯 品 リ ス ト

    【持参すべきもの】・パスポート/ビザ(査証)
    航空券・・前述のとおり
    ・受入校からの入学許可書(Confirmation of Enrollment)の控え
    ・トラベラーズチェック
    ・海外傷害保険の証書
    ・連絡先カード数枚(日豪両国における自宅・学校の住所と電話番号を明記したもの)
    ・パスポートサイズの写真数枚(パスポート紛失時などに利用) 
    【持参した方がよいもの】・制服代りになる地味な服(制服がない場合・準備できるまでに着用)
    ・水着(現地でも買えるがサイズ探しには苦労するかも)
    ・運動靴(スニーカー1足あれば学生生活には充分です)
    ・体操服(ジャージ、Tシャツ等)
    ・フォーマルな服(パーティー等特別な機会に備えて)
    ・下着/着替え
    ・洗面用具(乾燥しているので、リップクリーム・手荒防止クリーム等便利)
    ・辞書、書籍、文房具
    ・常備薬
    ・クレジットカード
    【任意で持参するもの】・日本からのおみやげ(お互い気持ちの負担にならない程度の小物)例:おりがみ、扇子、くす玉、しおり...等
    ・「浴衣」など日本のもの
    ・趣味のもの(楽器や書籍など)
    ・日本食(都市部では現地購入できます)
      ※食品類の持ち込みは加工品は問題ありませんが、生もの及び未加工の農水産物は持ち込めません。(例:パックされた調理済「ごはん」はOKだが、「米」は不可。)
      ※日本の電化製品を使用したいのであれば、変圧機(Transformer)と差し込みプラグ(ハ型)が必要です。日本の電圧100Vに対し、オーストラリアの電圧は220〜240Vです。
      ※洗面用具は現地でも調達できますが、歯ブラシ、シャンプー、生理用品などは日本のものと多少違い、一般に日本製品の方が質がいいようです。お気に入りの銘柄品があれば持参したほうがよいでしょう。 ※生理用下着では購入しにくいので、日本から持参した方がよいでしょう。
      ※コンタクトレンズ用品などもドラッグストア等で入手できますが、使用メーカーのものはないかもしれません。

    荷物の持ち込みについて

       荷物の運び方ですが、もっとも経済的なのは渡航する際に手荷物として持ち込むことです。通常、国際航空便の手荷物は20キロまでが無料で、それ以上は超過料金を請求されます。また手荷物が重いと空港までの持ち運びが大変でしょう。(空港まで運んでくれる宅急便サービスもあります。スーツケース1個で2500〜3000円くらい。)生活に必要なものは現地で調達できますので、全体の荷物をできるだけ少なくするに越したことはありません。
       また、渡航とは別に日本から郵送する手だてもあります。


    ●日本からの荷物の郵送方法・・・郵便局から郵送する方法は3通り。
      *航空便(AIR MAIL) − 1週間程度で着きますが、郵送料も高くつきます。
      *SAL便(ECONOMY AIR) − 国家間のみ航空便を利用するもので、2週間程度で届き、重量によりますが、エアメールの3分の2ほどの料金で済みます。
      *船便(SEA MAIL) − 通常2ヶ月かかりますが、料金は航空便の半額以下です。

      ※他にも国際宅急便(通常2〜3日で届く)などありますので、荷物の必要度・緊急度を考慮して、どの方法をとるかを決めてください。

    6.気候と服装について

       オーストラリアは南半球にあるため、日本とは常に逆の季節となります。つまり、日本が夏の時はオーストラリアは冬にあたります。また、広大な大陸ですので、地域によって気候もまったく違います。
       通学の際は制服(もしくは地味な私服)を着用しますが、特別な機会(パーティー等)に備えて正装となる服(男子はスーツ&タイ、女子はスーツ、ワンピース等)も1〜2着持参した方がよいでしょう。また普段着に関してはTシャツ、トレーナー、ジーパンなどカジュアルなもので充分でしょう。
       参考までに各州の気候について簡単にコメントしておきます。

    ◆ニューサウスウェールズ州(NSW)◆
    州都:シドニー

    四季はありますが、日本の四季のように明瞭なものではなく、年間を通じて温暖です。夏の直射日光は強烈ですが、湿度が比較的低いので、日本の夏のようにじめじめしませんし、夜になると涼しくなります。冬の最も寒いシーズンでも海岸地帯は最低気温は10度を下回る程度で、内陸部では霜も降りますが雪はめったに降りません。また、日本に比べると一日のあいだの気温の変化が大きく、また、同じ季節でも日によってかなり格差があるのも特徴のひとつです。

    ◆首都特別地域(ACT)◆
    首都:キャンベラ

    気候はほぼニューサウスウェールズ州と同様ですが、標高が比較的高く内陸部なので、シドニーよりも気温は低く、昼夜の温度差は更に大きいでしょう。

    ◆クィーンズランド州(QLD)◆
    州都:ブリスベーン

    亜熱帯に属する温暖な地域です。11月から3月頃までは雨季にあたり、湿度も高く日中は40度を越えることもありますが、昼夜の温度差が激しく、夜はわりに冷えこむこともあるでしょう。5月から9月頃は乾季にあたり、コートも必要ないほど温暖で過ごしやすいシーズンです。但し、ノーストップと呼ばれるケアンズ以北は、亜熱帯から熱帯にかかる地域ですので、特に真夏の湿気と暑さは身体が慣れるまではこたえるでしょう。

    ◆ビクトリア州(VIC)◆
    州都:メルボルン
    ◆サウスオーストラリア州(SA)◆
    州都:アデレード

    両州とも四季のある温帯に位置します。冬はかなり冷え込みますが、夏は比較的過ごしやすいでしょう。

    ◆ウェストオーストラリア州(WA)◆
    州都:パース

    ニューサウスウェールズ州と同様に、年間を通じて比較的温暖な地域です。特徴は降雨量が少ないこと、そしてインド洋からの強い風に見舞われることがあることです。

    ◆タスマニア州(TAS)◆
    州都:ホバート

    タスマニアは日本の北海道にあたる緯度にあります。冬は気温が氷点下になることもあり、海岸部を除き積雪があります。夏はさわやかな季節ですが、夜間や山間部はかなり冷えこみます。年間を通して降雨の多い地域でもあります。

    ◆ノーザンテリトリー準州(NT)◆
    州都:ダーウィン

    赤道と南回帰線の間の地域。北部海岸地区は熱帯で冬でも30度を越えます。内陸部は砂漠か草原に囲まれた乾燥地帯で、昼夜の気温差が大きく、常に乾燥しています。
       尚、各州とも季節によらず紫外線が強いため、日中外出する際には帽子をかぶることをお勧めします。(オーストラリアの上空ではオゾン層が破壊されているといわれ、実際、オーストラリアでは皮膚癌の発生率が世界一高いのです。)


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