業者を選択する際、判断に基準となるチェックポイントを、この冊子のはじめに「オーストラリア中・高校留学についての”まことしやかな”情報」として列挙しました。正解については、関連する各章の本文中で説明したつもりですが、再度確認の意味をこめて、どこがどのように事実と異なるのか、まとめて説明しましょう。
オーストラリア中・高校留学についての |
では、本来の命題「英語力がないと編入学を許可されない」についてですが、実際のところ、学校によって事情は異なります。確かに十分な英語力があってはじめて入学許可(=入学許可書発行)する学校もありますし、英語力がつくまで学校提携の英語学校で勉強することを条件とした上で入学許可を出す学校もあります。また、英語力が全くなくとも「本校内に設置された英語力養成のためのコースで勉強すればよい」ということで、最初から受け入れる学校もあります。簡単に言えば、「英語力があれば、学校の選択肢は多くなるが、英語力がなくても受け入れる学校はある」ということです。ですから、英語力の不足を理由に留学を諦める理由はどこにもないわけです。
■親権者代理人(カウンセラー)責任範囲チェックポイント■
*父兄面談への代理出席 *成績票や学校側からのコメント・連絡の翻訳と、保護者への通知 *問題が起きた際の緊急対処と、保護者・学校との連絡の仲介 *予防接種や修学旅行等の許可連絡の仲介 *日本の教科書配布(義務教育期間内)や日本語学習についてのアドバイス *パスポート、ビザ、健康保険等の更新手続き *学校への授業料等の支払い手続き(滞納すると退学の対象となる) *環境に合わなかった場合の、転校やホームステイ変更手続き *学期間休暇中の滞在先手配 |
確かに、日本の学校では思うように成績が伸びなかった学生が、オーストラリアに来てからめきめきと成長したケースはありますし、不登校で悩んでいた学生も楽しく通学しているケースもあります。しかし、それは「日本では駄目だったけど、オーストラリアでならうまくいく理由」があったからこそなのです。人間、異常が生じるのは何がしか問題があるからで、その問題には原因があるからで、その原因から逃げてもなんら問題解決にはならないのです。例えば、家庭環境に問題があって不登校になっている学生の場合、オーストラリアに来たからといって不登校癖が治るというわけにはいきません。家族と離れることで余計に精神的に不安定になり、学校を欠席すると寮長にバレるからと寮は出るものの一日じゅう町をふらついていた、といったケースもあります。コミュニケーションの不自由な異文化の中で、日本で抱えていた問題・傷口を更に大きくして途中帰国せざるをえなかった学生もかなりいます。「環境さえ変えれば問題が解決する」ということは決してないのです。
オーストラリアの教育制度は日本に比べれば寛容ですし、選択肢の幅も広く、個性を尊重した教育がなされているとは思います。日本でうまくいかなくても、その原因が単純に日本の教育環境に馴染めなかったことだけなのであれば、オーストラリア留学を契機に挽回のチャンスはいくらでもあると思ってよいでしょう。
成績の悪さや不登校を理由に留学を諦める必要は全くありません。しかし、「オーストラリア留学は万能だ」とは決して思わないでください。日本でうまくいっていない原因をよく把握し、本当にオーストラリア留学が最善の道なのかどうかをよく検討した上で、留学を決めてください。「どんな問題のある子もオーストラリアでは受け入れる」というわけではありません。信頼できる業者のカウンセラーに現在抱えている問題を開示すれば、ぴったり合った環境探しを手伝ってくれるなり、留学そのものを延期するなど、的確なアドバイスをしてくれるでしょう。
最初に留学斡旋業者選びを誤ると、学校選びの段階で大きなミスを犯す可能性が高くなります。通常、留学斡旋業者は学校に対して留学生を紹介すると同時に、紹介料として授業料の10〜15%にあたるリベートを受け取っています。リベートを紹介者に支払わない方針の学校もありますが、業者側としてはどうしてもリベートを支払ってくれる学校を紹介したくなるものです。依頼した業者から1校しか候補となる受入校の名前が挙がってこない場合には、「他にはどんな学校があるのか」「どうしてその学校が私にぴったりなのか」を説明してもらいましょう。
何についてでも「現地のことはよくわからないから」と諦めてしまわないことが大切です。疑問に思うこと、納得できないことは、問題意識をもって突っ込んだ質問をしてみましょう。あなたの質問に対して、正直に、正確に、分かりやすく答えてくれていると感じられたなら、その業者は信頼に値することと思います。