このコンテンツは、1990年代に中高生留学を調べていた時に作成したものです。以後、全く更新しておりませんので10年以上古いコンテンツです。今後も更新する予定はありません。

したがって、リアルタイムにこのとおりである保証はないし、それどころかまず「違う」と思ってください。

「古文書」的な意味しかないので、バッサリ全部削除しようとしましたが、敢えて残しておきます。
かなり詳しく調べましたので、現在においても尚も「参考」としての資料価値があるからです。
 いわゆるハウツーマニュアルとしては無価値ですが、ものの考え方、システムの成り立ち方という原理部分、あるいは日本人的に盲点になるような部分などは、そう変わるわけもないし、今でも十分通用します。ご自身であれこれ考えたり、調べたりする参考にはなると思います。




APLAC/STUDY IN AUSRALIA 3-1C

第3章 オーストラリア留学生活の実態(1-C)

3−1.学校生活の実態(2)

〜日本との違いを把握する


    【B】日常生活編

    一日のスケジュール

    学校は朝9時頃からはじまります。Roll Callと呼ばれる「出席確認」のあと、授業に入ります。授業は1時限が40〜50分間で、あいだに5〜10分程度の休憩をはさみます。また、午前中に「 Recess 」と呼ばれる休憩時間があります。

    【8年生のモデル・タイムテーブル】

    学生側が教室を移動する

     授業の合間に5〜10分程度の休み時間がありますが、実際には教室の移動でその時間は潰れてしまうようです。というのは、オーストラリアの学校の場合には科目ごとに教室が決まっており、学生側が自分の選択した科目に沿って教室を移動するシステムになっているからです。たとえば、音楽の教室には音楽の先生が常駐しており、その部屋に楽器・楽譜なども準備されていて、音楽の授業を受ける学生がその時間になると、その教室に行くわけです。

    1クラスの人数も選択した科目によってまちまちですが、多くても30人くらいまで、少ない科目だと数人ということもあり、概して先生の指導が行き渡った小規模のクラス運営となります。

    空き時間の過ごし方

     上記のように選択科目ごとに教室を移動するスタイルなので、自分の選択方法によっては「空き時間(Free Period)」ができてしまう場合があります。こういった時間を利用するのも各自の裁量。実際には図書館で自習をしたり、友達とおしゃべりしたりして過ごすようです。

    自由度の高い課外活動

     日本の学校では通常、1つのクラブ(部活動)にしか参加できませんが、オーストラリアでは様々な複数のクラブに同時に参加することができます。学校にもよりますが、週に1回、午後をフルに活用して各自好きなスポーツが楽しめるスポーツデイを設けているところもあります。通常、クラブの練習は週に1〜2回程度ですので、「昨日はテニス、今日は陶芸、明日は水泳」といった選択も可能なのです。また、日本の部活動のように先輩・後輩の序列もなく、実力本位で対等に運営されていることも、大きな違いといえるでしょう。

    ランチは教室の外で

     「給食」はありませんので、ランチは家で作るなり、校内にある食堂、売店(タックショップ−Tuckshop)購入するなりして各自が持参します。また教室内でランチを食べることは安全性の問題(人口の少ないオーストラリアならではですが、教室に一人で残っていると、侵入者に襲われる危険性があるからだとか)から禁止されている学校が多く、学校内の庭などでランチをとります。
    また、寮生は学校敷地内の寮からランチを持ってきて、皆と食べます。

    掃除は専門業者の仕事

     各学校には掃除の専門業者が入っており、生徒が校内を掃除することはありません。

    土日はおやすみ

     日本の公立校も隔週ごとに土曜日は休みですが、オーストラリアの学校はすべて土日はお休みです。ホストファミリーや寮内の友だちとウィークエンドをゆったり楽しめます。但し、ネイティブ・ジャパニーズなどの特殊科目を受講する学生は、土曜学校に通うこともありますし、日曜日の礼拝への参加が義務となっている学校もあります。

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    【C】校則・風紀編

    自由な校風、でも規則はある

    よくオーストラリアの学校は日本に比べて自由な校風だと聞きます。が、実際には日本でいう「自由な校風」という感覚とは若干違っているように思います。日本のように「靴下の色は白で、ワンポイントは禁止」だの「前髪は眉毛の上」だの「スカート丈はひざ下5センチ」だの、表面上自由を規制するような規則はありませんし、あっても先生が小うるさく注意することはありません。
    しかし、「何でも自由」というわけではなく、厳しい部分はかなり厳しいのです。たとえば、他の学生を「やーい、ニグロ(黒人に対する差別用語)」とやじった学生は、即刻注意を受けます。注意されても態度を改めなければ、警告を受け、教室以外の場所で自習させられたり(detention)、それでもダメなら停学処分(suspension)、更には退学処分(expel)にもなります。ただ差別用語を使ったというだけで、ここまで徹底した処分を受けます。
    この日豪の差異はどこから発生しているのか?と考えると、オーストラリアの欧米的価値観が、規則で縛る以前の民主主義原理から派生しているのではないかと思われます。また、ミッション系の学校では、キリスト教の精神、倫理に基づいて校則が定められています。
    尚、NSW州では、人種差別、性差別、HIV(エイズ)感染による差別は、法律に禁じられており、これを侵せば立派な犯罪とみなされますので、注意してください。

    ある公立学校の校則を参照したい方は、ここをクリックしてください。

    家庭のしつけには先生は口を挟まない

     オーストラリアの学校の先生は日本の先生のように事細かに校則違反のチェックや風紀指導などはしません。授業中の態度を注意するのは各教科の先生の責任ですが、それは自分が担当する授業を無事済ませるためであり、一旦授業が終われば先生は生徒の風紀、素行等には一切口を挟めません。極端な話、放課後に先生の目の前で生徒が煙草を吸っていても先生は何も言わないでしょう。これは「日常のしつけは家庭の責任」という社会全体のコンセンサスがあるためです。生徒の日常生活態度にまで口を出せば、教師の職務範囲を越えた余計なお世話とみなされるのです。

    また、体罰もありえません。子供の人権擁護が徹底している社会背景もあって、先生が生徒の身体に触れることすら許されていないからです。そもそも先生と生徒が1対1で教室に残っているだけで、「子供の人権侵害」として訴えられかねないのです。

    授業中の罰則

    そうはいっても、授業中の態度については先生は厳しく取り締まります。通常は、新学期の最初にクラス全員と先生でクラスのルール作りをします。たとえば、「授業中、先生に3回注意されたら、特別席へ移動」「4回注意されたら、退室」「それでも問題があれば校長室行き」といったルールです。ルール違反があったら、先生はこのルールに従って学生に指示します。ルール違反が頻繁で態度が改められない学生は、保護者面談に呼び出されます。学校によって素行に問題のある学生についてレベル規定があり、たとえばAからEまでのレベルを規定している学校ではBレベルの学生には図書室や職員室で自習させるなどのDetentionを与え、Eレベルの学生がどうしても態度を改めなければ、校長の判断で停学処分(Suspension)、更には退学処分(Expel)となります。懲罰にも様々なレベルがあり、日本でいう停学のように「登校禁止」もありますが、登校して職員室や図書室で自習する(授業はもちろん課外活動や遠足にも参加できない)といった形(Detention)が頻繁に行われているようです。

    留学生も例外ではなく、このルールに従わねばなりません。授業態度だけでなく、宿題の提出を何度も忘れるなど、学習態度も評価の対象になります。怠けていると退学を通告されてしまうので、注意を要します。

    学校のニュースレターについて

    学校からのニュースレターや保護者宛て手紙には、保護者が目を通したことを示すサインが必要です。このサインを忘れると、学生が「居残り」など懲罰の対象となってしまいます。留学生の場合には、この保護者サインは寮長かホストファミリーが担当することになりますが、保護者呼び出しなどの大切な事項の場合には、保護者代理人が学校に出向くべきでしょう。(保護者代理人が留学斡旋業者となっている場合には、業者がここまでケアしてくれるかどうか最初に確認しておくべきです。)

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    【D】スタッフ編
     学校のスタッフは様々な役割に分かれており、一人の先生は専門科目を教える仕事以外にも、学生の世話をする役割を分担しています。日本の学校における「担任」と同じ役割を担う先生はいません。学校によっても違いますが、「担任」の役割はほぼ3人の先生に分担されています。

       School Counselor・・生徒の一般的な相談にのってくれるカウンセラー役。1校に1〜2人。
       Year Co-ordinator・・学年主任。学年ごとに1人。
       Roll call Teacher ・・登校後・下校前の出席確認担当。

    留学生の相談に個別に応じている専門の留学生カウンセラー役の先生がいる学校も増えています。また、事務手続き等を行うのはAdministrator、 編入手続きの担当は、Registrarと呼ばれています。

    校長(Principal、私立校では Headmaster / Head mistressと呼ばれることもある)はかなり仕事の範囲が広く、学校全般のマネージメント業務だけでなく、各学生の選択科目の承認から問題ある学生の更正まで幅広く責任を負っており、特別に留学生担当スタッフがいない限り、留学生の世話をするのも校長先生の役割です。

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    【E】学校行事編
    学校の行事は日本の学校と同様に、運動会系のものと、遠足系のもの、それに文化祭系のものに分けることができます。遠足等はいわゆる「社会科見学」のような学習目的のものもありますが、通常は遠足にかかる経費(交通費、入場料等)をその都度支払う必要があります。保護者が遠足に参加させたくない場合には、その旨事前に申し出れば許可されます。また、【C】校則・風紀でも触れたように、校則違反などで謹 慎処分にあうとその期間はこういった行事に参加できなくなります。

    オープンデイと呼ばれる学校行事は、日本の「文化祭」のようなもので、一般にも公開され、学生だけでなく地域の人や保護者も参加します。こういった行事は学校の雰囲気を知るのに適した機会ですので、できれば保護者も一度は覗いておきたいものです。他に1年に二度くらいは父兄が面談に訪れ、学習経過、進路などについて各科目の先生と相談します。この父兄面談の際には保護者代理人が出向くべきでしょう。

    【年間行事モデルスケジュール】

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    ◆検討◆ 各学校の特徴

      オーストラリアの中・高校といっても各学校によって特色もありますし、雰囲気も生活実態もかなり異なってきます。そこで、より具体的に学校生活実態を把握するために、いくつかの種類に分けて、より具体的な描写をしてみます。

      英語力が十分つくまでの過程の3ステージ

          @シドニー市内のインテンシブ・スクール
          A英語学校の高校編入学準備コース
          Bシドニー近郊中・高校のESL
      そして本格的に編入学してからの学校6種類
          Cシドニー市内の名門女子高校
          Dシドニー市内の私立カソリック高校
          Eシドニー近郊の公立共学高校
          Fシドニー市内の留学生対象の私立進学校
          Gシドニー郊外の留学生対象の私立共学校
          Hシドニー市内の私立アングリカン系共学校
      について詳しく述べます。


      @シドニー市内のインテンシブ・スクール

      通常の授業についていける英語力を効率的に養うことを目的にした授業が行われており、その授業内容は本当に効果があると評判。しかし、日本ではこういった学校の情報がほとんどないため、日本人留学生は最終受入校(通常の中・高校)からの紹介で入学している留学生が若干いるのみである。インテンシブスクールはカソリック教団が、州政府からの依頼を受けて、英語力の不十分な移民(難民)の師弟を対象に設立させた教育機関だが、カソリック系の学校から留学生を全体の20%ほど受け入れている。シドニー近郊には3つのカソリック教区にそれぞれ1校ずつある(ノースシドニー教区の学校は1996年11月オープン予定)。学生は各地からの留学生のみならず、家族移民でオーストラリアに来て間もない学生がメインで、その国籍は香港チャイニーズ、ベトナム、韓国が多い。

      TからWの4つのレベル(学校によってはT〜Vまでのところもある)が設けられており、学生の英語力に見合ったレベルを選択して勉強できる。入学当初は校長先生との親子面接及び英語のテスト(約2時間)の結果で、レベルを判定され、最適なクラスに編入する。1学期ごとに上のレベルに進級するチャンスがあるが、今のレベルでまだ英語力が不十分と判断すれば同じレベルを繰り返してもよい。たとえば、レベルTでは全く英語を知らない学生をも対象にしているが、ゼロからスタートした学生はこのレベルTを2回繰り返すことで、実力をつけていく。但し、受入期間は最長で5学期間(15ヶ月間)なので、それまでにレベルWを卒業できるよう努力しなくてはならない。

      授業時間は55分で、9時から3時まで。クラス人数は5〜30人。制服はない。校舎は質素だが、いい教師陣を集めるために多額の費用を投下している。授業は英語だけでなく、あらゆる科目を履修し、その中でその科目に頻出する単語や言い回しを身につけていく形式。たとえば数学では、基本的な用語から始まり、実際の問題説明や演習をこなしていく。授業方法はコミュニカティブ・アプローチが取り入れられており、授業そのものは学生にとって楽しくなるよう工夫されている。但し、どのレベルでも宿題は多く、先生によっては頻繁にテストがある。また、二週間に一冊ほどサイドリーダー用の本を与えられ、読後レポートが課される。

      Tレベルでは全く英語を知らないところから始めるが、レベルWでは小論文を書いたり、新聞を読みこなす程度にまでもっていく。かなり効率的に実践的な英語力を身につけられるようである。
      Wレベルを修了すると卒業となり、いよいよ一般の中・高校への正式編入が可能となる。卒業までにかかる時間は個人差もあるが、中学卒業程度の英語力からはじめたとすると、半年〜1年くらい。
      但し、インテンシブスクールそのものには寮はない。ホームステイが手配できればよいが、シドニー近郊では家庭の質、価格が揃ったいい条件の家庭は見つかりにくい。ノースシドニー教区のインテンシブスクールではホームステイの手配も学校が請け負ってくれるが、それ以外の2校については寮付設の受入校に入学許可書を発行してもらう形をとれば、そこの寮で生活しながらインテンシブスクールに通うこともできる。

      尚、 インテンシブスクールは直接入学許可書を発行しないので、カソリック系の学校へ入学手続きをしなければならない。つまり、カソリック系スクールの本校生としてインテンシブスクールに派遣される形をとるので、インテンシブスクール卒業後にはカソリック系の学校へ正式編入学することになる。

      A英語学校の中・高校編入学準備コース

      民間の語学学校に設けられた、中・高校編入学を目指す留学生を対象とした準備コース。オーストラリア各都市の英語学校で見受けられる。が、都会の英語学校は意欲の中途半端なワーキングホリデーメーカーや年上の日本人学生等が出入りしているため、よくない刺激を受けるなど問題が発生しやすい。先生の質は学校によりかなりバラツキがあるが、授業内容はよくても他の学生に影響されて校内の雰囲気がだらけがちとの声もある。

      また、英語学校から留学生活をスタートする場合には、学生ビザを取得する時点では最終受入校が確定しておらず、英語学校から入学許可書を発行してもらうことになるので、英語力がついてから現地で学校探しをしなければならない。(ESLを付設していない中・高校が入学許可すると同時に提携している英語学校を紹介する場合もある。)
      滞在先は希望すれば英語学校がホームステイを手配してくれる。

      Bシドニー近郊中・高校のESL

      人口の46%がオーストラリア国内で生まれていない人(つまり他国からの移民)で占められているシドニー。留学生受入に熱心な私立校のみならず、留学生を特に受け入れていない公立校でも家族移民の学生たちのためにESL教育に力を入れている。しかし、移民を対象としたESLの場合は日本人留学生のニーズと若干ズレを生ずることもある。たとえば、日本人の場合、学校で読み・書き・文法は習っているが、オーラル(話す・聞く)が苦手な傾向があるが、移民の子供たちはその逆。日常生活上、絶対必要な聞くこと、話すことはかなり出来ているが、文法や文章に弱い傾向がある。このため、授業は読み・書き・文法に力を入れることになり、日本人留学生のニーズとはかなり違ったものになってしまう。

      日本人留学生のニーズに合うESL授業を提供している学校もあり、留学生の上達レベルを注意深く考慮して徐々に通常授業に参加させていく形をとる場合もある。が、学校付設のESLの限界は何と言っても専任教師が1〜2人に限られてしまうこと。一人の先生がすべての科目で頻出する必須単語や表現を網羅できるのか?という疑問も残る。
      但し、ESL付設の学校に編入する場合には、渡航前に最終受入先である学校から入学許可証をもらえる(つまり、留学先が確定した上で渡航できる)というメリットが大きい。

      Cシドニー市内の名門高校

      シドニー市内には裕福な家庭出身の優秀な学生が通う名門校がいくつかある。特にHSC高得点者を大量に輩出する学校は授業料も高いが学生の質も先生の質も高いため、人気も高く、ウェイティングリストが2000人を超えるところもある。

      英語力さえあれば、日本からの留学生も受け入れられるが、かなり金銭的に余裕のある家庭の師弟、しかも学業面でも優秀な学生を除いて、成功しているとは言い難いようだ。名門校に通うのはほとんどがイギリス系の貴族社会を反映したような高貴な家庭のお嬢さん、お坊ちゃんだから、まず周囲の貴族的雰囲気に庶民の子供は排他的なムードを感じてしまう。しかも、彼らはデキる。ただでも英語力のハンディがあるのに、能力的にも差をつけられ、劣等感にさいなまれる。その結果、自信をなくし、やる気もなくし・・・というパターンもある。確かに、名門校に入って友達をたくさん作れば、将来同窓生が社会の要所で活躍するようになり、このコネを利用することができるというメリットはあるが、「名門」への憧れだけで選択してしまうと、辛い目にあうかもしれない。

      Dシドニー市内の私立カソリック高校

      私立校は各学校とも鮮明な特色を持っているので、カソリック系・アングリカン(イギリス国教)系ということで一括りにはできない。が、どちらかというと上記Cのような名門校はアングリカン系の学校に多いようである。私立校に関して概していえるのは、宗教信仰が背景にあることと、高めの授業料を反映してか、礼儀正しい、まじめな学生が集まってくる傾向がある。宗教にこだわる学校では留学生でも、同じ宗教を信仰する学生でないと受け入れないところもある。受入時には宗教にこだわらない学校でも、日曜日の礼拝への出席は義務となっていたり、授業の一環として宗教の時間が決められていたりする。

      カソリックにしてもアングリカンにしても、経済的なバックに宗教団体がついているため、学校の設備は公立校に比べれば充実している傾向があり、寮を付設した学校もある。共学校もあるが、男女別学が圧倒的に多いのも特徴。但し、あまりに宗教色の強い学校に入ってしまうと、雰囲気についていけずに疎外感を抱いてしまう場合もあるので、編入学の際には宗教色の強さを事前に調べておくことが大切。

      Eシドニー近郊の公立共学高校

      公立高校は一般的に言って庶民的で馴染みやすく、学校によってはバンカラな独特のムードを持つところもある。留学生にとっては私立も公立も授業料はほぼ同じだが、地元の学生の授業料は公立と私立では数倍〜十倍もの開きがあるから、公立校に通う学生の家庭は収入が少ない傾向がでてくる。特にシドニーの場合、海外からの家族移民の師弟が多く、移民の多くは英語力の点などで社会的に不利なため、平均収入はオーストラリア生まれの人に比べると少ない。結果として、シドニー近郊の公立校は国際色豊かなマルチカルチャル(複合文化)スクールとなる。

      家庭が裕福でない分、学習意欲も高くなく、素行(煙草、喧嘩、ドラッグ等)に問題がある場合もあるが、せっかくオーストラリアという移民国家に留学するのだから、本当のマルチカルチャリズムの現場を体験するのも非常に価値があることと思う。が、学校の設備は私立に比べれば劣るし、ESLも移民の師弟を対象としているため、日本人留学生のニーズには合いにくい。公立校を目指すなら、英語力を十分つけてから編入すべきである。

      滞在先に関しては、エージェントを通じてホームステイの手配を手伝ってくれる学校もあるが、学校付設の寮はない。また、公立校の先生たちは給料が安いため、昇給を要求してよくストライキを起こすので、休校になる頻度も高い。

      ※NSW州内の公立校の留学生受入基準、申込方法については、第2章 2−3を参照のこと

      Fシドニー市内の留学生用私立進学高校

      オーストラリアの大学入学を目指す留学生を対象に設立された私立校。大学入試にあたるHSCで高得点を獲得できるよう、10年生以上のカリキュラムを教えている。卒業生の90%が大学に進学しており、3分の1の学生がTER(HSCと内申を総合した最終得点。100点満点。)で90点以上という優秀な成績をあげ、ニューサウスウェールズ大学、シドニー大学といった難関大学に入学している。在校生の国籍は90%が香港、インドネシア、中国、韓国、マレーシア、タイ等のアジア諸国。オーストラリア人学生も数名いるが、非常に国際色豊かな構成となっている。全校生徒300名のうち日本人は20名弱。ネイティブの日本語教師もおり、「Native Japanese」の授業も受講できる。

      受入基準は、@在学校で5科目以上の主要教科を修了しており、成績評定3.0以上、ATOEFL500点以上、もしくはIELTS5.0以上。英語力が及ばない編入学希望者には提携する英語学校を紹介するが、入学許可書は英語学校によって発行される。年齢は問わず、現在は17才から25才までの学生が学んでいる。学校というより進学塾のような雰囲気で、学生たちは授業中も真剣そのものだし、宿題も多く出される。みな学業に忙しく、素行上問題を起こす暇もないので、厳しくする必要がないという。
      日本の高校を卒業してから、更に海外の有名大学の受入ラインであるTOEFL600点を取得するのは大変なことなので、オーストラリアの大学入学を目指すなら、高校からこの学校に編入し、HSC高得点取得を目指した方が近道といえるかもしれない。

      Gシドニー郊外の留学生対象の共学私立校

      シドニー市内から車で30分〜1時間ほど郊外に出たあたりには、留学生を対象とした私立校が点在している。もちろん地元のオーストラリア人学生もいるが、他の学校に比して留学生の受入比率が高く、受入後の対応も留学につきまとう問題をすべて研究しつくした上で考え抜かれたシステムを構築している。
      受入対象は幼稚園児から高校生まで。受入の際には成績、英語力で判断し、十分な英語力がつくまで付設の英語学校で勉強させるが、「席の予約料」を支払えば十分な英語力がつくまで編入を待ってくれる。正式編入後も通常授業の他に英語力サポートのための授業や個人レッスンを受けることができる。
      また、オーストラリアや海外の大学進学を目指す学生のために、大学準備コース(University Foundation Course)を設けており、高校に居ながらにして大学での学習内容に合わせた準備学習ができ、コースを修了すれば、オーストラリア内14大学にHSCやIELTSを受験することなく、進学できる仕組になっている。その外、音楽の個人レッスンや、スポーツ、アクティビティなどにも参加できるよう、設備が整えられている。寮も完備、ホームステイについても学校が責任をもって手配してくれる。

      Hシドニー市内の私立アングリカン系名門共学校

      ミッション系ではめずらしい共学。全学生数の10%にあたる150名の留学生を受け入れている。良家の師弟が集まっている雰囲気で、学習レベルも高い。留学生については、主にAEASテスト(英語、数学、知能テスト)の結果で受入判断し、テスト結果に基づいて、付設の英語学校(ELICOS)かESLでの英語学習を義務付けるシステム。HSCの日本人用日本語科目(Native Japanese)の授業も受講可。尚、海外への大学進学を目指す学生のために、IBディプロマコースも提供しており、主に日本で大学受験する日本人駐在員の師弟が受講している。敷地内に寮も完備している他、ホームステイの手配も学校が行っている。


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