このコンテンツは、1990年代に中高生留学を調べていた時に作成したものです。以後、全く更新しておりませんので10年以上古いコンテンツです。今後も更新する予定はありません。

したがって、リアルタイムにこのとおりである保証はないし、それどころかまず「違う」と思ってください。

「古文書」的な意味しかないので、バッサリ全部削除しようとしましたが、敢えて残しておきます。
かなり詳しく調べましたので、現在においても尚も「参考」としての資料価値があるからです。
 いわゆるハウツーマニュアルとしては無価値ですが、ものの考え方、システムの成り立ち方という原理部分、あるいは日本人的に盲点になるような部分などは、そう変わるわけもないし、今でも十分通用します。ご自身であれこれ考えたり、調べたりする参考にはなると思います。




APLAC/STUDY IN AUSTRALIA 2-1
第2章 オーストラリア留学制度

2−1.なぜ「オーストラリア」か?

〜中・高校生留学に適した環境を備えた国


    留学するとしたら、どこの国がいいのか? 治安に不安がつきまとうアメリカ、経済的・社会的発展を終えようとしているヨーロッパ、寒さの厳しいカナダ等と比較すると、様々な条件を客観的に鑑みた場合、オーストラリアはかなり有力な候補となるのではないでしょうか。以下、オーストラリアが留学先として適していると思われる裏付けを挙げてみます。

●治安がよい

    留学先を決定する際に、もっとも気になるのは、「安全な環境かどうか」という点でしょう。オーストラリアは世界でも治安のよい国と言われています。近年では人口が急増している都会を中心に、犯罪発生率も高まってはいるものの、そのほとんどが引ったくりや空き巣などのコソ泥の類であり、銃を使った凶悪犯などはほとんどありません。(日本と同様一般人の銃の所持は禁止されており、射撃免許取得者など特別に認可された人だけが所持できます。先日、タスマニアの片田舎で銃を乱射する無差別殺人が起こりましたが、これをきっかけに全州がこぞって、更に厳しい銃規制に乗り出しました。)もちろん、夜間の一人歩きや、引ったくり等には十分注意する必要がありますが、日本と匹敵する安全性の高い環境であることは確かです。

●恵まれた自然環境と温暖な気候
    全体的に天候がおだやかで、自然に恵まれている点も、オーストラリアの魅力といえます。オーストラリアは国土が広いので、熱帯に属し年間通して暑い北部地方から、北海道の緯度にあたるタスマニアまで様々な地域がありますが、特にシドニー近郊のニューサウスウェールズ州、サウスオーストラリア(州都:アデレード)、ウェストオーストラリア(州都:パース)などは一年を通して過ごしやすく、非常に暮らしやすい環境にあります。たとえばシドニーでは夏でも蒸し暑くないのでカラッとした心地よさがありますし、夜になっても気温が下がらず熱帯夜になることはまずありません。また、冬でも最低気温10度を下回る程度で、天気さえよければ昼間など暑いくらいですから、コートも必要ありません。日本のように明確な四季の区別のある国と比べると、温帯気候とはいえ、1年じゅう秋と春が続いているような感じといえます。
    また、シドニーのような都会でも、市内から車で20分も走れば、青々と広がる美しい海や緑豊かな草原が臨めるという、自然に恵まれた環境にあります。街からちょっと郊外に出れば、野生のカンガルーやコアラにも出会える・・・そんな環境でのびのびと落ち着いて学習することができます。
●教育を受ける側に権利がある
    オーストラリアの教育制度では、教育を受ける側に強い権利が確立しており、転校・留年も親の判断で自由に行うことができます。たとえ一度選択した学校が合わなくとも、何度でも試行錯誤しながら自分に合った教育環境を探すことができるのです。
●個性を伸ばすゆとりの教育
    オーストラリアに留学する最大のメリットは、その教育の幅の広さと質の高さではないでしょうか。日本では理念はあってもなかなか実現できない「個性重視」の教育が実際になされています。単に学業成績だけで学生に序列をつけるのではなく、各人の特技、興味、将来の方向性に合った学習内容、学習方法を学生側が自由に選択できるシステムになっています。多種多様な学習科目が用意されているだけでなく、校外活動やグループワーク等を通して自らが問題意識を持ち、自分で考え、自分で調べる態度を身につけていきます。
    また、学校の種類も豊富で、学校ごとに明確な教育方針を打ち出しており、音楽、演劇、美術、ダンス、スポーツ、専門技術等、さまざまな特技を伸ばしていくための、さまざまな選択肢が用意されています。最近では受験熱も高まってはいるものの、日本に比べればずっとゆとりある、個性重視の教育環境といえます。
●英語圏である
    御存知とは思いますが、オーストラリアの公用語は英語です。世界各国からの移民たちは、家族間などでは母国語も使いますが、公的には皆英語を使ってコミュニケーションします。英語は今や世界の公用語となっていますから(世界を舞台に情報革命を起こしつつある話題のインターネットも、世界共通言語は英語ですね)、これからの国際化時代、英語力くらいは自由に操れるようにしておきたいものです。実際、広い世界を見渡せば、バイリンガルだけでなく、トリリンガル(3ヶ国語を使う人)、クォータリンガル(4カ国語を使う人)も決して珍しくはありません。若いうちに習得した言語は身体で覚えることができるので、覚えも早く、忘れにくいと言います。(もちろん、語学の習得は生易しいものではなく、意欲と努力が不可欠ですが) また、オーストラリアで英語を学ぶ魅力のひとつに、「外国人に対する英語教育が発達していること」という特徴があります。長い移民受け入れの歴史の中から、国を挙げて実践的な英語教育に腐心してきたため、英語を母国語としない人々のための英語教育という観点から、様々な研究がなされているのです。
    よく、「オージーイングリッシュは訛っている」などと言いますが、これは全くの誤解です。確かに日本の英語教育で耳慣れたアメリカンイグリッシュとは発音、語彙などに違いがあります。また、アメリカ人やイギリス人が「オーストラリアは田舎だから」と揶揄しているのを聞いたことがあるかもしれません。しかし、言葉は文化を反映したものですから、たとえば日本でも「京都弁と東京弁のどちらが正しい日本語か?」という議論を京都の人と東京の人とでさせたら、大論争になってしまうのと同じように、「現地で使われている言葉が正しい言葉」としか言いようがないのです。実際、オーストラリア人は「アメリカ英語は下品、イギリス英語は気取ってる」などと逆に揶揄しているようです。
    オージーイングリッシュを覚えたからといって、国際舞台に出て恥をかくということはありません。個人的には、日本人が最初に学ぶ英語としては、オージーイングリッシュは発音が聞き取りやすい分、比較的易しいのではないかとすら思います。いずれにしてもオージーイングリッシュが留学を決める際のマイナス点になるとは考えにくいと思います。

■参考■
オーストラリアの国家プロジェクトとしての外国語学習の基本原理8箇条

下記はオーストラリア国家が、外国語学習の考え方をまとめたもので、この基本原則が日本語をはじめとする外国語教育、そして留学生に対する英語教育の骨格となっています。よって、「読み書きや文法は知っていても日常会話も満足にできない」状況を作っている日本の英語教育とは対照的に、コミュニカティヴ・アプローチ(ゲームやアクティビティを多用し、実際のコミュニケーションの中で言語を使っていく直接法的な指導方法)を活用した教育方法をとっており、英語を学習する留学生も効率的に英語力向上できるような配慮がなされています。

◆ ◆ ◆

    もっとも効果的に言語を学ぶ時はどんな時だろうか?
    1.学習者側のニーズや関心が尊重され、学習者が個人として扱われるとき
    2.多種のアクティビティーの中で目標となっていることばをコミュニカティブに使って表現する機会が与えられるとき
    3.学習者のニーズや関心に関係のある、わかりやすいコミュニカティブな資料や実習を見る機会が与えられるとき
    4.言語取得の過程をより確実なものにしていくために、学習者が様々な文型、聞いて話す技術、もっとスムーズにコミュニケーションをとるのに必要とされる表現方法、さらに効果的な学習方法を意識しているとき
    5.学習目標としていることばの中に浸透している社会人文学的な資料や実物を見たり、文化を直接体験するとき
    6.学習者が言語の果たす役割と性質を認識し、その国の文化を理解するとき
    7.学習者の言語の発達段階を適切に示唆するフィードバックが与えられるとき
    8.学習者が自ら意欲的に学習する機会を与えられるとき

●ラッキーカントリー故の経済的・社会的安定
    治安のよさにも繋がりますが、オーストラリアの経済・社会は非常に安定しています。欧米のように既に発展し尽くして経済の雲行きが怪しくなってきたために超右翼や国粋主義者が息を吹き返すなど社会不安材料を抱えていたり、貧富の二極分化が激しくなりつつある国々とは異なり、オーストラリアに経済的・社会的危機が訪れるとは考えにくいです。今後、大局的には欧米と似たような路線を歩んでゆくものと思われますが、その速度はかなりスローテンポであろうかと思われます。理由はいろいろありますが、ラッキーカントリーと言われるように、広い国土に少ない人口(1800万人)、そして豊富な資源(農産物、水産物、地下鉱物)に恵まれていることが大きな一因といえるでしょう。近年では、第一次産品のみに頼っていてはいけないと、第二次産業の活性化にも力を入れていますが、先進国の中では経済が崩壊して急激に社会不安が起こるといった可能性は、非常に低い国といえます。

●国際感覚が自然と身につく「マルチカルチャル(複合文化)社会」

    本当の国際感覚とは何でしょうか? 単に英語が上手に喋れることだけではありませんし、一流大学で国際論などを専攻して学位を取ることだけでもありません。本当の国際化とは、両者が対等な立場にたって相手の文化をありのまま自然に受け取ると同時に、自分の文化もありのままに提示できることではないでしょうか? 今、日本で一番必要とされているのは、こういった国際感覚だと思うのですが、日本国内にいるとなかなか「相手と対等な立場にたって物を見る」ことすら難しいように感じられます。

    オーストラリアは今、文化的に大きな変革のうねりの時期にあります。20数年前に白豪主義を捨てて複合文化主義(マルチカルチャリズム)を選択してから、ヨーロッパ以外の国々からの移民が増えたことにより、母国の文化をそのまま持込んだ移民たちが混在し共存する、新しい社会が出来つつあります。このため、単一民族・単一国家のわれわれ日本人にとっては、目の覚めるような実態がそこここにあります。たとえば、一日街を歩けば英語以外に数々の外国語を耳にするでしょうし、世界各国からの移民が腕によりをかけたお国自慢の料理も味わえます。政府関係の一般向け文書は、10カ国以上もの言語に翻訳され、無料で配布されていますし、無料の通訳サービスも充実しています。

    学校でもクラスメイトの文化背景は多種多彩となるでしょう。オーストラリア、特にシドニー近郊には移民1世、2世が集中していますので、1都市にいながらにして世界じゅうの文化に触れられる、よい機会となります。また、「これからはアジアの時代」などと日本でも盛んに言われていますが、特に近年増えているアジア系の文化背景を持つ友達と交流することで、生の感覚としてアジアの国々を理解することに役立つでしょう。こういったマルチカルチャル社会で学習することで、本当の国際感覚が養われることと思います。

●共和制への移行
    現在の政治制度はイギリス女王を元首とする立憲君主国ですが、2000年を目標に共和制への移行が叫ばれています。2000年といえば、シドニーで夏季オリンピックが開催される年ですが、世界のトップスポーツ選手ばかりでなく、立憲君主制から共和制へと政治社会が変革する瞬間をこの目で見られるわけです。もちろん、すべての国民が共和制への移行を望んでいるわけではなく、議論は尽きないのですが、老若男女がこぞって国の制度について議論する姿というのは、まさしく「生の教材」といえるでしょう。

●日本語教育が盛ん

    留学の大きなデメリットとして、日本語を忘れてしまうという不安があるかと思います。通常、言語は使用しないと錆付くものですが、母語に関しては全く忘れてしまうことはありません。とはいえ、国語能力もまだ完全とはいえない中・高校生の段階で海外留学してしまうと、やはり日本語の発達という意味においては、やや不安が残ります。
    オーストラリアは世界でも日本語教育に熱心な国であり、ほとんどの中・高校で外国語教育(LOTE-Language Other Than English)の一環として日本語が取り上げられており、特にニューサウスウェールズ州では卒業時の一斉試験科目に選択する学生が最も多い人気外国語科目となっています。もちろん、日本人留学生も日本語授業に参加することができますので、授業レベルは適当でないにしても、日本語の忘却防止には役立つことでしょう。また、ネイティヴの日本人を対象とした日本語科目(Native Japanese)もあり、土曜学校(Saturday School)や通信教育(Satellite Study)などで履修することができます。
    日本語教育が盛んになった結果、日本語を話すオーストラリア人や日本に興味を持つ人も珍しくありません。日本語に興味ある友達と、英語と日本語を教え合う(ランゲージ・エクスチェンジという)など、日本語を活用するチャンスには恵まれるでしょう。

●時差がない

    オーストラリアは地球儀で見た場合、日本からまっすぐ南に降りた位置にあるため、日本との時差はほとんどありません(地域・時期により異なるが2時間〜30分)。日本との時差がないことは、留学に際して2つのメリットがあります。
    ひとつは日本との行き来の際、時差による疲労がないこと。地球の裏側にあるヨーロッパやアメリカなどに旅行された経験がある方なら納得していただけると思いますが、長時間のフライトによる疲労は移動距離、飛行時間だけではなく、時差によって大きく異なるものです。また、時差による疲労は通常の疲労よりも格別に回復しにくいものです。留学といっても、何度かは帰国する機会もあるでしょうし、ご家族が現地に行くこともありましょう。その際、時差による疲労を感ずることなく、渡航先の生活に無理なく馴染んでいけるというメリットがあります。

    もうひとつは、留学中の連絡が便利だということです。時差のある国に留学した場合には、常に双方がお互いの国の現地時間を気にしながら、連絡を取り合わねばなりません。たとえば、時差が17時間あるヨーロッパですと、日本の夜8時は現地の明け方3時ですから、とても電話はできません。あるいは時差9時間のアメリカの場合ですと、日本の夜8時は現地時間の午前11時ですので、留学生は登校中ということになります。ところが、時差の少ないオーストラリアの場合ですと、相手の現地時間を心配せずに、お互いが都合のよい時間(大抵は夜でしょう)に電話連絡をとることができるのです。


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《オーストラリア留学の問題点》

    上記のように恵まれた教育環境にあるオーストラリアは近年急激に留学先として脚光を浴び、アジア諸国をはじめとする世界各地から多くの学生が留学するようになりました。こうした留学ブームの流れの中で、新たな問題点が浮上してきました。オーストラリア留学を志す方は、多くの長所とともに欠点も知っておくべきと思います。

▼十分とはいえない留学生受入体制
    フルフィーペイシステムによる留学生受入が広まりつつはあるものの、受け入れる学校側の体制については、まだまだ過渡期と言えます。年々増加するアジアの留学生の受入経験を通して、学校側も今必死に学んでいる最中です。英語を習得するのに予想以上の時間がかかるアジアからの留学生(特に日本人、韓国人は習得が遅いと言われている)にどう対処すればよいのか、ホームシックやカルチャーショックで精神的にさいなまれている留学生をどうカウンセリングすればよいのか、ホームステイでのトラブルをどう処理したらよいのか・・・こういった数々の問題にオーストラリアの先生方は直面し、格闘しています。
    以前から留学生受入に力を注いでいる学校では、経験から得た受入ノウハウを既に確立しており、問題発生の予防方法を考慮しながら、留学生にとって最もよい独自の教育方法を打ち出しているところもあります。が、一方では留学生を受け入れることがどんなに大変なことかを理解せずに、気軽に受け入れるだけ受け入れている経験不足の学校もありますので、学校選びの際には注意してください。
▼滞在先不足
    中・高校生だけでなく英語学校、大学、大学院、TAFE(専門技術学校)など様々なオーストラリアの教育機関への留学生が年々うなぎ上りに増えています。オーストラリアは都会を除けば極端に人口密度が低い国ですので、どうしても留学先はシドニー等都会近郊に集中してしまいます。その結果、留学生を受け入れる学校はあっても、長期滞在用の部屋不足が近年深刻な問題になっています。
    留学生用の滞在先は通常、ホームステイ、寮となりますが、寮を付設した学校はそれほど多くはない上に、寮があっても部屋が空いていないケースもあります。ホームステイに関しても、
      @都会の住宅事情は日本ほどではないにせよ需要が追いつかない傾向にあるため、スペアルームのある家はもともと多くないこと
      A英語学校の学生用のホームステイが一般化したため、ホームステイをビジネスとして捉える家庭が増えていること
    ・・・等の理由で、供給量が不足し、滞在費は高くなる傾向にあります。

    また、ホームステイの場合には、人間関係にまつわるトラブルが尽きないのも不足の一因で、特に中・高校生の場合、預かった家庭がかなりの責任と精神的負担を強いられることになるため、「いい受入家庭」を探すことは非常に難しくなっています。

    そこで、親子ともども留学し、賃貸アパート生活をする人、友達同士で部屋を借りて共同生活する人などもいます。(オーストラリアでは18才以上であれば不動産の賃借契約が可能です。)2〜4ベッドルームの広めの部屋を借りて共同生活すれば、生活コストはホームステイよりも安上がりなので、高校生でもしっかりしている学生ならば、18才以上の学生に代表契約させて自分たちで生活している例も珍しくないのです。

▼費用が高い
    オーストラリアは生活費は比較的安くあがるのですが、学校に支払う授業料となると、一般に他国に比べて高い傾向があります。これはフル・フィー・ペイ・システムをとっているためです。(詳細は第2章 2−3を参照のこと
    通常は私立校でも学生一人に対して州政府から援助金が出るのですが、留学生の場合、一般の学生が支払う授業料に更に追加して政府からの援助金分を足したものが「フルフィー(全額)」となります。しかし、学校によっては援助金分のみならず、留学生には更に高い授業料を請求していることもあります。もっとも留学生には特別のケアが必要なので、特別料金の請求も不当なわけではありません。しかし、金額のわりに留学生のケアが不十分な学校もありますので、質と費用とを鑑みて学校を選択すればよいでしょう。
▼玉石混交の留学斡旋業者
    この冊子の中でも「よい留学斡旋業者の選び方」について触れていますが、業者が提供するサービスの質には大きな差があるようです。非常に質の高い業者がいる一方で、オーストラリア留学産業を食い物にするかのような利益優先の業者もあります。自国では現地情報が入手しにくいことを逆手にとって、正しい情報を提供しないままに、その学生に全く合わない学校を勧めたり、現地でのコンサルティング等のケアをきちんと行わないなど、問題が頻発しています。留学生側が被害を被っているばかりでなく、そういう業者を通して留学生を受け入れた学校側からも多くのクレームが挙がっています。「もう業者は信用できない」といって留学生受入そのものを中止した学校、エージェントを通した留学手続きには一切応じないという学校、中には留学担当の先生自らが外国に飛んでリクルートし面接している学校もあるほどです。

    もちろん良心的な費用で質の高いサービスを提供している業者もありますが、無責任な業者にすべてを任せてしまう前に、各自が情報を集め、信頼に値する業者かどうかを判断する目を持ちたいものです。

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■検証■ 都会 VS 田舎

よく「留学先には田舎がいい」などといいますが、本当にそうでしょうか?確かに田舎には留学生を誘惑するものは少ないかもしれませんし、治安も都会に比べればよいかもしれません。しかし、こと治安のよいオーストラリアに限って考えてみると、都会のメリットを考えると、どちらが絶対いいとは一概に言えないように思います。そこで、都会と田舎のメリット、デメリットを検証してみました。留学目的や本人の性格によって、どちらが適しているかを選択してはいかがでしょうか?

メリットデメリット
都会・マルチカルチャリズムの恩恵に与れる(世界各国からの友達ができやすい)
・日本語情報が容易に入手できる
・近くに日本語を話すカウンセラー役を見つけやすい
・社会環境が異文化に対して寛容である
・公共交通機関を利用して、自力で移動できる
・田舎に比較すれば治安はよくない
・遊びなどの誘惑がある
・滞在費が高くつく(寮付設の学校は少なく、いいホストファミリーが見つかりにくい)
田舎・治安がよい
・遊びなどの誘惑が少ない
・自然環境を堪能できる・滞在費が比較的安価
・典型的イギリス系オーストラリア人のみとの付き合いとなる
・日本語情報が入手しにくい
・近所に日本語を話すカウンセラー役は見つけにくい
・場所によっては対日感情の強いところ、人種差別のあるところもある
・交通手段がないので、自力で移動できない

■コラム:オーストラリア豆知識


《第2章つづき》
2−2.オーストラリアの教育 〜個性を伸ばすゆとりの教育システム
2−3.留学生受入制度と受入実態 〜留学生受入に熱心なその背景
2−4.高校卒業後の進路 〜広がる未来と選択肢

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