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伊藤友生さん SA州自転車の旅、出会いの旅




 島根県出身の伊藤友生さんのラウンド後(途中?)のクリップです。  体験談は体験談(333頁以降)にあります。


 個々の旅の内容は上の体験談にも書かれていますので、要旨だけ。伊藤さんは、自転車でラウンド(シドニー〜SA州)をされたのですが、意外にも来た当初はそんなつもりは無かったそうです。しかし、こちらに着いてから自転車屋を見てガゼン昔の火がついてしまったという。シドニーでの語学学校時代に既に自転車をゲットし、近郊を乗り回し、ラウンド遠征用の装備を少しづつ調えていったという。

 500ドルしか持たずにシドニーを出たので、途中でお金がヤバくなり、一ヶ月半ファームで働き、とりあえず2000ドル貯め、そこからのんびりメルボルンからアデレードに向います。以下のクリップはそのあたりのお話です。

 オーストラリア全図を前に、「ここで〜」と指さしながらの解説クリップです。聴きながら撮ってるので、画面が揺れたりピンボケになったりするのはご容赦を。

 もの凄いスペクタクルが展開するわけでもないのですが、自転車で旅をしてて、思わぬところで野生動物に出会ったり、期待したけど出会えなかったり、わけもなく気分が落ち込んだり、でも救われたりという、小さな、だけど大切なエピソード集みたいなものです。リアルな感覚が伝われば幸いです。

 なかでも、二組の老夫婦と出会えたのは、彼のラウンドの白眉部分になるでしょう。ほんと、「ああ、良い出会いをしたねえ」って感じで、体験談に書かれているように、ただの思い出に留まらず、「なあんだ、そうだったのか」みたいな生き方のヒントみたいなものも掴みます。例えば「年を取っても楽しいんだ」とか。

 面白い一口ネタだけ切り取って、サクッと一本のShort Clipにしようと思ったのですが、微妙にカットしきれず、長くなってしまったのでこちらに掲載します。かといって、インタビューの全てをカッチリ編集しているわけでもなく、帯に短し状態なのですが、まあ、それはまた追加でやればいいやということで、とりあえずは3本だけ。

 ちなみに普通の自転車のことを「プッシュバイク」というそうです。自転車に乗ってる人はプッシュバイカー。サイクリストとかも言うのでしょうが、伊藤君の旅においては、ほとんどプッシュバイクと言われていたそうです。「バイク」というと日本語的には、自動二輪を想像しますが、それは「モーターサイクル」。単に「バイク」というと自転車のことです。

 撮影日:2011年07月13日



自転車の旅あれこれ〜動物に会ったり、落ち込んだり、救われたり

 幾つかの話がありますので書きだしておきます。

 @、最初の試験運転のプチラウンドでの自転車山道体験。トラックがビュンビュン走り抜けているクネクネ道を、ヒーコラ押しながら4時間。「もう行きたくない」とか言いながらも、後日スノーイーマウンテンで同じ事を

 A、コアラ目撃。道端で雨宿りをしているとき、ふと見ると木の上に。「あ、いる」

 B、ペンギンで有名なところに期待していったけど、ペンギン不在。海鳥だけ。

 C、カンガルーアイランドでの、わけもなく落ち込み体験。何があったわけでもないけど、一人でいることに疲れてしまって。でも、テント張りに苦労している台湾人4人の連中を助けてあげたのを機会に、夕食を一緒に食べ、ポッサムやコアラまでやってきて、救われるという。

 D、リマーカブルロックで、お約束のアザラシを見る

 E、帰りがけのキャラバンパークで朝起きると周囲はカンガルーだらけという、一番良いキャラパーだった。

ジェフじいちゃんとの出会い

 道中、1930年代のMG(タイヤ一本1000ドル)の乗り回しているカッコいいおじいちゃん(ジェフじいちゃん&エリノアおばあちゃん)に出会います。こういうじーちゃん、こっちに多いです。

 「アデレードに来たら泊まりにおいで〜」と言われて、後日泊まりに行きます。もと鍛治屋(ブラックスミス)のジェフじいさんの工房のようなところで手ほどきを受け、「入門編」というフックを自分でも打たせてもらいます。じいちゃんの「見本」1本と自分の「習作」3本現物。

 工程説明。まず鉄棒を切断し、先端を尖らす。やや外に向けるのがコツ。片側をコークスに突っ込み、真っ赤になったら折り曲げ、しかるのちに反対側も同じく。言うのは簡単だけど、難しそうです。

 後日、またアデレードに戻ってきたときにジェフじいちゃんちに行くと、ご夫妻はちょっと出てて、代りに跡継ぎ息子のアランさんが泊めてくれる。それどころか猟に連れていってくれ、実際にライフルを撃たせて貰う体験をする。


自転車野郎の大先輩リズ&スコット夫妻などとの出会い

 カンガルーアイランドを出る頃、地元で自転車愛好家のサークルをやっているリズとスコットという老夫婦と出会います。彼らは白髪になってからも二人でナラボー平原(アデレードとパースの間の、日本一個分くらいの長さで延々と直線がつづく不毛なエリア)を超えたという豪傑。

 伊藤さんの体験記に書かれている「ウォームシャワードットコムをやってる」云々をもとにネットで調べてみたら、確かにWarmshowers.comという組織はあり、それも世界組織です。自転車で旅する人達の互助会みたいなもので、その土地土地の自転車愛好家が、同じ自転車ツーリストに「温かいシャワー(に象徴されるあれこれのもてなしとサポート)」を提供するという。

 そういう筋金入りのリズさんだったら、100キロ走破後でヘロヘロになってる伊藤氏を見たら、強引なくらいに「泊まっていけ!」と言うのも頷けます。

 また、リズ&スコットとは別の実年自転車カップルにも出会います。写真を見せてもらいましたが、見た目50歳以上のご夫婦がタンデムバイク(動画にも映っているので見たら分る)でツーリングをしているという。

 ここから先は余談ですが、僕もこちらに住み始めて痛感したけど、西欧圏の連中というのは豊かな時代が長かったせいか、人生を楽しむやり方に長けている。かなり本気で(場合によっては仕事以上に)、人生を楽しむためのシステムやら取り組みをしています。もう「豊かさの年季が違うな」と感じたのですが、ほんと、その場限りの「遊興」にしないで、やることがいちいち建設的&持続可能で巧み。義務感や悲壮感にかられることもなく、組織独特のうざったさが出てこないように、熱心にやるんだけど、感情過多でのめりこまないにようするとか、そのあたりのカンドコロが上手。義務は果すがベトベトしないという。

 このあたり日本はまだまだ学ぶべき点があると思います。それは悲しむべきことではなく飛び上がって喜ぶべきことです。だって、それだけ「のびしろ」が大きいということで、もっともっと「生きてて楽しい日本」になるだけのポテンシャルがあるということなんだから。困ったときに助け合うのは当たり前なんだけど、困ってないとき、遊んでいるときにも同じくらいの熱心さで助け合うこと。かといって人よりも組織が大事になったり、あるいはベタベタしないこと。会ったこともない人、それも世界中の人を気軽に自宅に招き入れて泊めるくらいのオープンさがあること。そしてそれを可能にするのは、一人一人の戦闘能力の高さでしょう。人物洞察力もそうですし、いざというときのトラブル処理能力が高いことです。結局、一人ひとりが変わらなかったら社会は変わらないってことなんだろうけど、逆に言えば変わればいいんだよね。それだけのこと。



 ★→伊藤さんのワーホリ体験談(333頁以降)


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