シドニー雑記帳

アロマ物語

〜 アロマセラピーにハマるまで 〜



    本ホームページのアロマセラピー紹介コーナーをご覧いただければ分かるように、私(福島)はこのところすっかりアロマセラピーに凝ったおしております。すでに自宅のアロマオイルのコレクションは40本を越えてしまったし、今度はクレイセラピーに手を出しはじめて、身体を張って人体実験を繰り返しております。まったく収入もロクにないのに、こんなことに熱中していてよいのだろうか?という気もするが、あまり深く悩んでません。やはり好きなことをやってる時は人間こころもおおらかになるものですね(ちがうか)。

    今日はこうなってしまったイキサツをお話してみたいと思います。聞いても何かタメになるものではありませんが、暇つぶしに軽いトークでも聞きたい気分の方はどうぞ。


    最初におことわりしておきますが、私は「美容・健康おたく」でも「おしゃれな人」でもありません。化粧品にもファッションにもこだわりません。朝から晩まで寝巻ですごしてることもあるし、毎日同じセーターとスカートでもぜんぜん気になりません。アクセサリー類にしても、「イチイチ取り替える手間が省けるから」という理由で万年同じピアスをしているだけで、指輪もネックレスもしません。ブラジャーの紐がハミ出ていたり、ストッキングがデンセンしてたりする女性が平気な顔して闊歩しているシドニーは、私にとってはホッとできるmy homeのような街です。そんなズボラな私でも、ハマッてしまうほど、アロマセラピー探求は面白かったわけです。




    ★アロマ探求のはじまり

    私がアロマセラピーに興味をもちだしたのは、「アロマセラピー実験記録」にも書いたように「猫のノミ対策」がキッカケでした。隣のサムおじさんに「ユーカリオイルをつけるとノミが逃げていく」という話を聞いて、「ふーん、そんなものがオーストラリアにはあるんだあ」と知ったわけで、その頃はよもや日本でアロマセラピーがブームになっているなんて知りませんでした。

    それから私のアロマ探検は始まりました。まずはユーカリオイルが売っているというスーパーの医薬品コーナーをチェック。その安さにビックリしました。また、よくよく見ると、ユーカリオイルのお隣にはティートリーオイルなどという珍しい名前のオイルも売ってました。取り扱い説明を読めば、外傷に効くとのこと。さっそく試してみました。どちらもかなりキツイ香りですが、ノミの刺され後には効果を発揮してくれるみたい。

    さらにスーパーの売り場を注意深く見ていると、ラベンダーゼラニウムローズマリージャニパーといった聞いたことあるよなないよなアロマオイルも売っています。値段はユーカリオイルよりも高めなので、購入する決意はできませんでしたが、「いろいろあるんだあ」と気がつきました。さらに、よくよく町をみていると、ナチュラルセラピー屋さんとか、ヘルシーフード屋さんとか結構そこここにあるもので、そういう店もチェックしました。けっこう値段は張るけれど、100%ピュアのエッセンシャルオイルがいろんなメーカーから出ていることもわかりました。

    同時に本屋でアロマセラピーの入門書を買ってきて辞書を片手に読破しました(こういう時だけは英語も苦にならない)。エッセンシャルオイルにはいろーんな種類があって、それぞれ異なる香りがあって、異なる効能があることがわかりました。



    ★アロマオイル通信販売に踏み切るまで

    実はこのころ、メールを通じて読者の方から「いつも鼻炎用にユーカリオイルを使っているが、日本では高くてかないません」というお話を伺いました。聞けば日本でのユーカリオイルの価格はオーストラリアの4〜5倍するではありませんか!! 「それなら!」ということで、さっそくエッセンシャルオイルの通信販売に挑戦してみることにしました。

    そこで、ユーカリオイルだけでなく、多種多様のエッセンシャルオイルを安く入手できるよう、仕入れルートの確立を目指して動きだしました。まずはお店で見かけたエッセンシャルオイルは一通り購入し、瓶のラベルに書いてある会社から商品リストを取り寄せようと逐一電話しまくりました。プラス、電話帳をチェックしてアロマオイルを扱っていそうな会社にもアタックしました。

    電話すると大抵「どこの会社かね?」と聞かれます。「いや、個人的にほしいんだけど」と正直に答えると、「OK、すぐ送るよ」と言うものの、決して商品リストは送られて来ない。で、今度はファックス番号を確認してから、「日本への輸出品としてお宅の商品を候補にしている」とビジネスライクな手紙を書いて送りました。それでもキチンと回答くれたのは、50%くらいでしょうか。ここらへんがオーストラリアなんだわね。悔し紛れに「こんなふうにビジネスチャンス逃してるから、経済発展しないのよ」などと独り言こぼしてましたが、結果から見ればたいしたビジネスチャンスでもなかったわけで、私をマトモに相手にしなかった会社の方が選球眼があるってことかもしれません。

    そんなこんなで、試行錯誤しているうちに、安くて種類も豊富なエッセンシャルオイルを扱っている店を発見しました。また、同じ商品が毎週日曜日にチャイナタウンで催されるフリーマーケットに出店しているのも発見しました。店番しているおばちゃんに聞いてみると、「この商品は一般大衆にアロマセラピーを気軽に楽しんでもらうことを目的に開発されたものだ。だから、100%ピュアオイルではないが、安い値段で提供できるよう工夫してレシピを決めている」とのこと。うーん、たしかにわれわれ一般庶民がアロマセラピーを楽しむのに、なにも高価な100%ピュアオイルである必要はないわな、と納得すると同時に「一般庶民に気軽に楽しんでもらうための商品」というコンセプトが気に入りました。

    翌日あらためてこの店に電話して、商品&価格リストをもらえないか?と聞いてみると、「そういうことなら問屋を紹介してあげる」と機嫌よく答えたかと思うと、「あ、お客さんきたからちょっと待って」とホールドされたまま、10分以上電話口で待たされました。

    これまたオーストラリアなんだな。オーストラリアでは電話口でよく人を待たせるんです。当初は「なんて失礼なの!電話代がもったいないじゃない!」と苛立っていましたが、そういや市内通話料は1回20セントで何時間長電話しても同じなのでありました。だから、待ち時間に自分の仕事でもしてりゃいいわけで、何時間待たされても、再度電話しなおすよりお得なんです。それにしても10分間はヒドイと思うけど。で、「本気で紹介するつもりなのかな?」と不安になりかけた頃、電話口に戻ってきたおばさんは、「ごめんねー、ちょっとお客さん立て込んじゃって」と一言エクスキューズした後、約束どおり問屋の電話番号を教えてくれました。

    さっそく、問屋さんに電話して、商品リストを請求しました。「OK、すぐ送るよ」と言われたけど、数日たっても来ない。催促の電話をすると「おお、そうだった忘れてた」。こうしてようやく、目的のブツを入手できたのでありました。この問屋はシドニーから車で2時間ほどの地方にあり、毎週日曜日だけ、シドニーのフリーマーケットに出店していることも分かりました。問屋のおじさん、ジョージに「日本向けに通信販売したいんだけど」と相談すると、「その都度送っていたら送料がかかるから、毎週日曜日に希望の商品をもっていってあげるよ。前日までに発注して、フリーマーケットまで取りにおいで」とのこと。「できれば、各商品のレシピも教えてほしい」と頼みましたが、「そいつは企業秘密」とけんもほろろに断られました。とりあえず、こんな形でAPLaCのアロマオイル通信販売はスタートしたのでした。



    ★アロマおやじ、ジョージとの親交??

    ホームページを通じたアロマオイルの発注は、そう頻繁にはありませんでしたが、それでもほぼ毎週のようにフリーマーケットに通っていました(自分用のオイルの買い出しもあるし)。ジョージともすっかり顔なじみになり、1回行かないと「先週はシックリーブ(病欠)だったのかい?」とかジョークを言われるようになりました。

    フリーマーケットは昼頃からは非常に混雑するので、朝まだジョージたちが商品をならべている時間に行って、依頼しておいた商品をもらって、商品に不備がないかその場でチェックして(時々蓋がひしゃげたのとか、ラベルの印刷が薄くなったのとかある)、その場でキャッシュで仕入れます。

    ジョージは、40代後半のヒゲ+メガネ面に似合わず、アロマオイル以外にもインドのお線香とかきれいなキャンドルとか、女の子ウケしそうな商品ばかりを扱っていて、母の日なんかにはポプリとソープのかわいいセットなんかを小粋にパッケージして店に並べてたりします。ほんとに、この人のどこに、こんなセンスがあるのか?と思ってしまう。いや、人間外見だけで判断するもんじゃないっすね。

    何度かフリーマーケット通いを続けたある日、ついにジョージから商品レシピについて多少ながらも聞き出すことに成功しました。
    「もちろんエッセンシャルオイルは原料によって値段がぜんぜん違うんだ。この商品はどのオイルも同じ値段にしているから、各オイルによってピュアオイルの含有率が違う。たとえばユーカリオイル、ペパーミントオイルは原料が安いから100%ピュアだけど、ローズとかサンダルウッドのような高価なオイルはほんのちょっとしか入ってない。でもね、ピュアじゃないといっても、別に化学薬品とか入れてるわけじゃないんだ。混合しているのは、他のキャリアオイルとか、似た香りの植物とか皆自然のもの。え? ティートリーオイルは100%ピュアかって? そりゃティートリーは原料は安いが、ありゃすごいキツイオイルだからピュアじゃ素人には危なくてしょうがない。80%程度に薄めてるよ。とにかく素人にも安心して使えるように仕上げてるからね。」

    なるほど、そういうカラクリだったわけだ。たしかにピュアオイルの価格は種類によってぜんぜん違うから、全種類がこの価格で提供できるなんてすごいと思っていたのだ。ふむふむ、聞き出せてよかった。



    ★人体実験は続く

    この期間も身体を張った人体実験は日夜繰り広げられていました。アロマセラピー関連本も数冊は読破し、そこに載ってるレシピでいろいろ試してみました。たしかに効くものと、効いたような気がするものと、効いたような気がしないものとがあります。しかし、いろいろ実験していると、やっぱりピュアオイルに手を出してみたくなるものです。

    で、薬局やナチュラルショップに売っているピュアオイルも少しずつ買い揃えるようになりました。ピュアオイルは値段は張るけど、濃厚なお薬的な匂いがするので、バリバリ効きそうな気がします。でも、いろいろやってみると、やっぱり、たしかに効くものと、効いたような気がするものと、あんまり効いてないじゃないかと思われるものとがありました。

    なんかもう、毎日実験するのが楽しくて、生理痛だろうが頭痛だろうが、アロマセラピーの実験対象になるものなら大歓迎!という気になってきました。われながら自分のハマリぶりには呆れるばかりですが、それでもいろいろレシピや使用法を工夫して、効果があらわれた時は超うれしいですもんね。



    ★アロマセラピー講座に出席!!

    本を読んで自己流でトライ&エラーを繰り返すうちに、「やっぱり一度はプロの知識も仕入れておきたいな」と思うようになりました。

    当ホームページにも紹介しているように、アロマセラピー講座の情報も仕入れていました。シドニーには自然療法に関する専門学校が2校あります。そのうち1校で週末2日だけの速習コースがあるというので、思い切って参加してみることにしました。何を「思い切った」かというと、費用もそうですが(3万円弱)、「英語がわかるかどうか自信がない云々」という不安ですね。3万円もかけて、せっかく出席したレクチャーの内容がぜんぜんわからなかったら悲しいじゃないですか、ねえ。特にアロマセラピーの場合、病気や○○作用といった医学的、科学的専門用語が頻出するので、本読んでいても辞書がイチイチ必要なくらいなんです。で、ドーシヨーカナーと1週間くらいウジウジ悩んでましたが、何の因果か「よっしゃ、いっちょやってみるべ」という気になりました。

    講座は朝10時から午後4時まで×2日間で、8週間分のパートタイムコースと同じ内容を網羅するものです。シドニー市内にあるこぎれいなビルにその学校はありました。教室に入ると、20〜40代くらいの女性が十数人きていました。

    先生はスッピンですが、お肌はゆでたまごちゃんのようにツルッツルです。「すごいなあ、やっぱりアロマセラピーやってると、ああなるんだ・・」と、思わず見入ってしまう。そう、お肌はキレイなんだけど、なんだか大きな身体を重たそうにひきづってたりして、「アロマセラピーやっててもデブは解消しないのかな?」と怪訝な気がしましたが、あとで妊娠中であることがわかって、なんだかホッとしました。

    最初に先生が「この学校の他コースをとっている人は?」と聞くと、私以外全員挙手しました。「げ、タダでも英語のハンディがあるのに、知識的にもハンディがあるわけ?」とひるみ、3万円をこの講座に投資したことを一瞬悔やみました。しかし、それまでの自習の成果があってか、講義に入ってからは予備知識に助けられて、先生の言ってることはほとんど理解できました。でもやっぱり思ったけど、こういう講座は英語力がしっかりついてから出るべきだわ。というのは、先生のレクチャーはわかっても、生徒からの矢のような質問(こっちの学生はレクチャーの最中にも間髪を入れず早口で質問が飛び交う)や、世間話ノリの体験談がなかなか聞き取れない。半分くらいはわかりましたが、本チャンのレクチャー内容より、こっちの方が面白い話が多いんだわ。

    レクチャー内容は、アロマセラピーの歴史にはじまって、エッセンシャルオイルの品質、抽出方法、保存方法、エッセンシャルオイルとキャリアオイルの使用方法、キャリアオイルとの混合方法、各オイルの効能、危険なオイルと障害、マッサージ法(フェイシャルマッサージで実践)、参考文献まで多彩で、実に充実した内容でした。今まで疑問に思っていたことも解消したし、勘違いしていた知識も修正することができました。おまけに講義内容をタイプした資料も配布してくれました。これなら3万円の価値はあるわ。



    ★ピュアオイルの仕入れ先開発

    ここで、学生からのリクエストに答えて、先生が「良質のエッセンシャルオイルをプロと学生のために安価で提供してくれるサプライヤー」をいくつか教えてくれました。先生の話では、オーストラリアに入ってくるエッセンシャルオイルのほとんどは1つの大手商社がロットで持ち込んだものを各社が自分とこのラベルを貼った瓶に詰め替えるだけなのだそうです。が、先生ご推薦の各社は自社なりの仕入れルートで世界中から集められた質のよいものを扱っているそうです。

    さっそく、紹介してもらったサプライヤーに電話して商品&価格リストを取り寄せました。が、必ず電話口で「あなたはプロか、それとも学生か?」と聞かれました。講座を受けた学校名と先生の名前を言うとOKというところと、「学生証のコピーを送らない限り、商品リストは渡さない」という厳密なところとがありました。取り寄せたリストを検討した結果、商品のバラエティも豊富で値段も比較的安いサプライヤーを選び、さっそく自分用のオイルを発注しました。

    ちなみに、このサプライヤーの価格は、シドニーの薬局やナチュラル屋さんの店頭で見るピュアオイルと比較しても相当安いです。これなら日本への郵送料を加味しても、日本市場価格よりはずっと安く提供できるぞ!と見込みが立ちました。

    送られてきたオイルを使ってみると、なんか今まで使っていたピュアオイルよりもさらに濃厚で薬クサイ感じがします。いかにも効きそう。強力すぎてかえってコワイくらいです。確かにこりゃ、アロマセラピーの知識のある人でないと使いこなせないだろうなあと思いました。

    さて、わがAPLaCのホームページでこのピュアオイルを紹介したもんかどうか、悩みました。たしかに今までの商品はビギナー向けにはうってつけだけど、ある程度経験するとやっぱりピュアオイルがほしくなるだろうし。かといって、こんな強力なものを素人にホイホイ売ってしまってよいものだろうか?と。でもでも、日本のピュアオイルのビックリするよな値段を聞くにつけ、黙ってられない気もしてきます。

    で、とりあえず、今までの商品と平行して「プロ&経験者用」としてピュアオイルを紹介することにしました。しばらくはこの形で様子を見てみようと思います。売れる/売れないというより、不必要なイメージマーケティングで、消費者に割高な商品を売りつけようとする日本市場に「一発食らわしてやりたい」だけのことです(もっとも日本市場はAPLaCの通信販売ごときでひるむほどヤワじゃないけど)。

    さて、ピュアオイルでの実験と平行して、最近は粉末粘土「クレイ」を使ったクレイセラピーにも凝りだし、失敗にもめげずしつこく人体実験を繰り返しています。二度のクレイフェイシャルパックで「因幡の白うさぎ」状態になりヒリヒリ&ムズムズさせながらも、懲りずに第三次実験のメニューを思案している今日この頃です。



    ★はて、アロマの魅力とは??

    今あらためて「なにをそんなにムキになってしまうのか?」と考えてみると、香りの魅力もさることながら、自然の力が人間に及ぼす影響に興味があって、思わず実験してみたくなるのでしょう。効いたの効かないのとやってるのが、なんだかとても楽しい。
    こんなことなら、理系に進めばいい科学者になれたかもしれない・・などと少し後悔しているのでした。


    (1997年5月28日 福島)


    ▲ピュアオイルを扱っている、本格ムードのお店
    (ここでAPLaCのピュアオイルを仕入れています)





    【関連ページ】

    雑記帳/「続 アロマ物語(98.1.14)」も読んでみる
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