第6章:交通機関

第6章:交通機関




6.4. 電車(City Rail)

30th.Oct.96



◆切符の買い方

○切符の自動販売機○



電車(City Rail)のシンボルカラーである紺とオレンジ色にペイントされた自動販売機は、通例改札付近に設置され、また洋服ダンスのように大きいのですぐに分かるでしょう。

正面には、目的地の駅名がアルファベット順にズラーっと並んでいますので、まず自分の目的地とする駅名のボタンを押します。するとコイン投入口の横にある電光掲示板に料金が表示される仕組みになってます。RETURN(往復切符)のボタンを押すと往復運賃が表示されます。

慣れればいちいち路線図で料金を確認するより便利なのですが、ともあれ目的地の駅のスペルだけは押さえておく必要があります。完璧に暗記しなくても見れば分かりますが、最初の文字(頭文字)を間違えると混乱します。例えば「オーバーン」という駅がありますがこれはOBANではなくAUBURNであり、頭文字"O"の欄を必死に探しても見つからないということになるので注意。

販売機はコインだけでなく小額紙幣(5、10、20ドル札)もいけますが、あまり性能が良くなく何度入れても戻ってくることが多いので、コインを切らしている場合、皆さん窓口で買ってるようです。

買い方や投入金額の表示も日本と逆で、まず最初に行先のボタンを(往復だったら往復ボタンも)押し、その後にお金を入れます。金額表示も、自分が幾ら投入したかではなく、「あと幾ら必要か」という表示になっていて、お金を投入するほど表示金額は少なくなっていきます。例えば、2.60(2ドル60セント)と表示されているところに、20セント投入すると2.40なり、さらに1ドル入れると1.40になり、規定金額に達したら切符が出てきます。知らないと「え?」「この機械壊れてる!」と混乱しがちですので注意。

切符は、自動販売機で買うと薄いカードサイズのものが出てきます。窓口で買っても同じようにカードサイズの切符をくれる場合もありますが、単にレシートのような紙切れだけを渡されることもあります。往復切符の場合も出てくるのは1枚だけで表面にRETURNと書いてあるだけです。往復割引率が非常に大きいので、行って帰って来ることがはっきりしてるなら往復の方がお得です。

◆改札と検札
ルーズな運行

さておおらかなのはいいのですが、運行ダイヤになると、おおらか過ぎる面もあります。それでも比較的真面目に時刻通り(2〜3分遅れ以内に)やってくる場合が多いのですが、時折待てど暮らせどやって来ないという場合があります。

「ちょっとトラブルがあって(よく起きる)遅れます」と何気なくアナウンスがあったと思ったら50分遅れたり、どこかの駅についたら信号待ちか何かで「30分程待ちます」と放送したり、気の持ちようとしては「冬場に新幹線に乗るようなもの」程度に考えておいた方がいいかもしれません。その心は、まず時間どおりいくだろうが、場合によっては(雪などで)遅れることもあり、それもまた珍しくないという程度です。

さらに「この区間は工事のため一ヶ月朝晩は閉鎖しますので、代行バスを御利用下さい」ということもあります(毎年のことらしい)。この類の「いい加減さ」でいえば、『プラットホームの「次の電車」の表示が間違ってました』と車内アナウンスがあったこともありますし、扉が故障していて開かない車両を連結させてそのまま走っていたりします。きちんとホームに停車するのに失敗し端の車両はドアが開かない(開けてもホームがない)ということもあります。

列車に限らず、そういえばバスの運転手が運転していて道に迷って、乗客が皆で道を教えて事無きを得たとか、空港の時計が間違っていることもあるとか話に聞きますし、TVの番組も平気で数分程度前後して始まります。頼りになるのは自分だけということですし、あまり細かいことにカリカリしてたらやっていけないということなのでしょう。

この程度ならご愛敬ですが、銀行(銀行もお金の計算を平気で間違える)、郵便(郵便物が行方不明になることもある)、電話などの生活諸手続もすべてこの調子なので(観光関係はわりとしっかりしてるようですが)、笑ってられない場合もあります。もっとも、その代り交渉すると融通がききやすいという面もありますが。

余談ついでに言うと、知人のオーストラリア人の意見によると、国民全員がほぼ電車を利用する日本と違って、ここでは生まれて一度も電車に乗ったことがないという人も珍しくない車社会であると。つまり、電車は、必ずしも日本と同じように、重要な交通機関として位置づけられているわけではなく、そのため(公害防止などの理念から電車を利用しようという掛け声は高いのですが)いま一つインフラ整備に予算が廻されないという問題もあるそうです。言われてみればシドニーには私鉄もありませんし、単に国民性の違いで全てが説明できるものでもなさそうです。それに、本当に「いい加減な国民性」なら、カンタス航空の無事故記録なんか達成できるわけないようにも思いますし。


◆路線の選択

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