第6章:交通機関




    6.3. バス(Bus)

    29th.Oct.96
    22/05/2005補綴




    バスは市バス(公営バス)がメインで、郊外に補助的に私バスが多少走ってるそうですが、一般にバスといえばこの公営バスのことを意味します。

    ★外観

      バスの外観は日本と同じ、色は白地に下半分がブルーです(但し広告などでハデに別塗装されてる場合もありますが)。日本と同じく、前上面と左側面に系統番号と行き先が表示されています。





    ★乗降方法
      前から乗って、料金は先払い方式。
      日本と違うのは、昇降口が広くて2列になっていることです。この2列は、片方を降車客が使ったり両方乗車客が使うなど柔軟に使われています(本当は後部ドアから降りるべきとどこかで読んだ記憶もありますが、皆さんぞろぞろ前からも降りています)。

       降りるときは、日本と同じく近くにあるボタンを押して知らせます。またボタンを押すと前方天井付近で「次とまります」(NEXT STOP)のランプが点灯するのも日本と同じです。前述のように、下車は、前方の出(入)口、後(中)出口、どちらからでも降りることができます。




    ★バス停
      バス停は、バスストップといいますが、黄色のスタンドが路上に立っていて、黄色をバックにバスに人が乗り込むシルエットが図示されてます。なお、ニュースエージェンシーなどの店先でこのデザインの旗が掲げてあるところでは、後述のトラベルテンなどの回数券を買うことができます。

      何番系統のバスなのか、行き先はどうか、あるいは時刻表もついている(あまりアテにならないのは日本と同じ)バス停もあります。全てのバス停にあるわけではなく、中には、そもそもバス停なのかどうかすら疑わしいのもありますが、概ね見れば分かるでしょう。






    ★バスの停め方
      バス停で待っているだけでは停まってくれないこともあります。
      待ってる客の誰かがヒッチハイクのように手を上げて合図をすると止まるのが基本で、当然停まってくれるものだと思っていると呆然と過ぎ行くバスを見送る羽目になることもあります(もっとも市街など大きな停留所では誰かが降りますし、また一人ぐらいは乗る筈だとして停まるようですが)。

        なお都心部は続々と次のバスが到着して3〜4台ダンゴ状態になって停留所に停まる場合があります。そうすると、待ってた人は後ろに停まってるバスを見てさっさとそこまで歩いて行って乗りにいきます。日頃ゆったりしているオーストラリアの人もこの時ばかりは俊敏に動きます。またバスの方も、前がつかえていてそこが正式の停留地点でなかったとしても、どんどんドアを開けて乗降させますし、乗降が済んだと判断したら前にまだ別のバスが停まっていても追い抜いて発進していってしまいます。つまり停留所の地点に待っていれば必ず停まるというものでもないので、注意してください。だいたい3台後方のバスくらいまでこの調子でいく場合がありますが、4台目くらいになると、さすがに停留所からはバスの行き先表示も見えないため待っているようですが。

        また、停留所で乗客が合図してるのに無視して通過していくケースもあります。これは車内が混んでいる場合で、立っている客が多くなると運転手の視界が遮られるため危険との判断で、立ち客が15人以上になると、乗車を拒否するようです(その旨車内に掲示してある)。ラッシュアワーにはいくらバスが来てもちっとも乗せてもらえないというハメになりがちですが、一旦乗ってしまえば、日本のバスのように寿司詰め状態にはならないのでさほど不快ではありませんし、また、バンバン停留所をパスしていくので、意外と目的地にも早く到着します。






    ★バス停に名前がついていないこと
      これは車窓から過ぎ行くバス停の名前を見て現在位置を確認することができないということを意味します。頼りになるのは、手元の地図と窓から見える各通りの表示です。分からない人は運転手さんに「○○に行きたいのだが、その付近になったら教えて下さい」と頼んだり、隣の人に尋ねたりするようです。

        一般に、他人に話し掛けることに抵抗がないようで、バスに限らず「わからなかったら誰かに聞くものだ」という発想が根底にあるようです。それはそれでフレンドリーでいいのですが、英語が出来ないとこのシステムを恨めしく思ったりもします)。


      ともあれ、基本的には自己責任。但し、そんなにゴチャゴチャ右左折しませんし、道も単純ですので地図で追いかけていくのはそれほど難しくないでしょう。

      バス停に名前がない以上、「次は○○です」という車内アナウンスは一切ありません(仮にアナウンスがあったところで、知らない地名をボソッと英語で言われても分からないのですが)。なお、バス停の間隔は短く、市内近辺では殆ど100メートル毎に設置されているようですので、停留所の一つや二つ乗り過ごしても大事には至らないので安心してください。





    ★料金システム


       最初に言っておきますが、バブル崩壊以後、十数年にわたり預金金利も事実上ゼロのまま推移しているデフレ日本とは違ってオーストラリアは健康すぎるくらいにインフレ経済です。なんでもかんでも値上がりします。バスや電車などの公共料金も、生活実感でいえば、「え、また?年に2-3回値上げしてるんじゃないの?」というくらいガンガン上がってます。したがって、ここに書いてある料金も、どんどん上がるでしょうから、それを含んでお読みください。

       なお、正確な料金を知りたい場合は、NSW州交通局のバスのサイトでお調べください。Sydney Busesの”Ticket & Fares"にいけばわかります。
        「全線均一料金」ではなく、距離に応じて料金が上がる変動制です。最低料金(初乗運賃)は、2005年5月現在で1ドル60。
       この場合、日本では乗車時に整理券を取って、降車時に整理券と共に料金を払うというシステムが一般です。ところが、ここでは全線前払。どうやっているかというと、話は簡単で、乗った時に運転手に「○○まで」と行き先を告げると、料金を教えてくれてそこで払うというシステムになっています。しかしここで、タクシーと同じ問題が生じます。すなわち、発音が悪いので聞き取って貰えず立往生する(しました)などです。

       しかしタクシーのように一回一回地図を示したりするのも大袈裟ですし、カンの鋭い方はそろそろ疑問になられているでしょうが、そんなに一人一人いちいち行き先を聞いていたら乗降の手間が掛かって仕方がないではないか?と。そうです、いつも乗ってそうな現地の人は誰も運転手さんと会話などをしておらず、大体料金を払っているのは観光客が多いようです。


      トラベルテン・チケット=回数券


       地元の人はどうやっているのかというと、定期券や回数券カードを買っているのです。色々な種類がありますが、一般的なのはバスだけに使えるトラベルテンという回数券です。この回数券を乗車時に、運転手の横にある緑色の箱に、タイムカードのように上から(印刷してある面を手前にして)入れると、乗った時刻や系統などが裏面に打刻されて出てきます。これで一件終了です。この緑色のボックスは、先ほど乗車口は2列あると書きましたが、両方の列に設置されていて、もっぱら運転手に直接お金を払う人は運転手寄りの列を、カードで済む人は他方の列を進み(両方カードの人だけという場合もあるがそこは臨機応変に)、同時に2列の乗車客を捌けるシステムになっています。

      トラベルテンの回数券チケットは、利用区間によってブルー(1〜2セクション、12ドル70)、ブラウン(3〜5セクション、21ドル30)、赤(3〜9セクション、27ドル90)、以下緑、オレンジ、紫と種類があり、自分の用途に応じて買います。当然のことながら、この料金もコンスタントに上がります。前回更新したときは、ブルーが9ドル50だったですもんね。今は12ドル70。つい先月まで12ドル60だったと思うのですが、、、

       さてここで「セクション」という言葉が出てきましたが、市街中心部を「01」として、そこから距離が離れるに従って全部で27段階の区分けがなされていて、この区分けのことをセクションと言います。そしてこのセクション番号が大概のバス停に表示されています。例えば、番号「07」のバス停から「06」までならば、2セクションですので最低基本料金($1.60、ブルーチケット1回分)ですが、「07」から「03」までならば5セクションで赤いチケット1回分となるわけです。

      この場合、便利なのは、ブルーチケットを2回打刻すればOKになるということです(いちいち多くの種類のチケットを用意しなくてもいい)。ですので、実戦的には、ブルーチケットを一枚買っておいて、料金がわからなかったら行き先を言って「何回?」と聞けば教えてくれるということになります。

      色々な割引チケットが出ていますが(後述)、全ての市バスに使えて+割引率も大きく+また期間無制限ということから、おススメするとしたらこのチケットです。バスのオフィスで売ってるのですが、大抵のニュースエージェンシーには置いてありますし(バス停と同じデザインの黄色地の旗が掲げてある)、「トラベルテン、ブルー、プリーズ」で通じます。

      大体の区間感覚で言いますと、1区間(2セクション)というのは案外と短いですが、2区間目(3〜9セクション)というのはかなり長く、小一時間バスに揺られていてもまだ2区間目ですので、よほど遠くに行かない限り2回打刻しておけば大丈夫でしょう。

        以下は余談ですが、このようなシステムがわかっても、さらに鋭い人はそれでも釈然としないものが残っているのではないでしょうか?
        というのは、乗るときに1回打刻しておいて、そのまま長距離を乗っても、降りるときのチェックが特にない以上、そしてまた運転手は誰がどこから乗ったなどと覚えていられないだろうから、キセルのやり放題ではないか?という疑問です。

        一体どういう防止システムがあるのか、これは長い間疑問だったのですが、どうも結論的には「やっぱり、結構皆さんキセルをしているのではないか」ということに落ち着きそうです。もっとも始発から終点まで一回打刻で通すのはさすがに大変でしょうからやる人も少ないでしょうし、実際現地の人も自分が日常利用する系統以外は正確なセクションをあまり知らないようですし(それでいて聞いてる人も少ない)、「ちょっとそこまで行くなら一回」という大雑把な感覚で、多少の誤差は許容の範囲内なのかもしれません。

        とは言っても「ちょっとカードの裏を見せて」と運転手にチェックされた経験もありますし、途中の停留所から検札官が乗り込んできて「乗車券拝見」とやりはじめたこともままあります。この抜打ち検査がチェックになるのでしょう。しかし、観光地シドニーで、土地不案内な観光客にこのややこしいセクションシステムを完璧に理解しろというのも無理な話だとは思うのですが。


    ★バスの系統・路線図

      バスの路線図もあるにはありますが、路線数が130と言われているので、パッと見てもよく分からなでしょう。地元の人でも普段自分が乗ってるバス以外はよくわからない(日本でも同じでしょうが)。

      そこでどうすべきか?ですが、まずあなたがバスを利用しようという場合には何らかの目的地がある筈です。そして、一般にシドニーの著名観光地は市街地周辺に集中してますし、郊外の観光地ならばガイドブックその他に行き方が示されている筈です(タロンガ動物園ならフェリー、ブルーマウンテンなら電車など)。したって、実際にあなたが「バスを利用したいが行き方が分からない」という場合というのは、宿泊先のホテルや知人の家などに行く等の場合等に自ずと限られてくるでしょう。ですので予約などの段階で予め「何番系統のバス」か聞いておくという方法が、最も原始的ですが確実な方法です。一回その路線に乗ってしまえば、あとは「この系統のバス」と覚えますので問題は少ないでしょう。

      バス路線の原則でいうと、殆どのバスが、@都心部(CBD)から東西南北放射状に伸びるか、あるいはA郊外の鉄道主要駅を起点にして出ています。おそらく一番迷うのは都心部でどのバスに乗れば良いかでしょうが、都心部のバス停は、比較的親切にバス路線図や行き先が表示されています。

      また市バス系統の番号の原則は、
      • 100番台系統がマンリー地域、
      • 200番台系統が北部海岸線地域、
      • 300番台系統が東部・東南部、
      • 400番台系統が西部・南西部、
      • 500番台が北東部

      ということになっています。西部と東部、北部と西部を結んでいる路線もありますので明確に区分けはできませんが、一応の目安にはなるでしょう。

      都心部で主要なバスターミナルは、サーキュラーキー、ウィンヤード、タウンホール、マーティンプレイス、セントラルステーション(レイルウェイスクエア)で、要するに都心部に乗り入れてる鉄道(都心部では地下にもぐります)の駅付近ということです。

      市内中心部から乗って20〜30分で着くような近郊郊外の場合(セクション番号3、4程度)は、その付近までなら路線が共通する場合が多く(もっと先に行ってから分岐する)、複数の系統を利用できます。また逆に、その付近から都心に向かう場合は大体どれに乗っても都心に着くと思われます。

      これらのバスの正確な時刻表やルートマップが欲しい場合は州交通局の系統別サービスマップ&タイムテーブルのサイトにいって、プルダウンメニューからバス系統番号を選んでダウンロードしてください。PDFファイルになっています。


      ある程度英語の出来る方の場合は、13-1500に電話をかけて、出発地と目的地を言うと、バスだけでなく、鉄道、フェリーも含めて、また時刻表と照らして、最も早い行き方を教えてくれます。

       また、http://www.131500.com.au/の交通情報サイト(すごい分かりやすいサイトアドレス)にいき、Trip Planner を利用すると、「駅すぱあと」みたいに、A地点からB地点までの行き方を詳細に教えてくれます。

       ただし、使用実感でいうと、詳細すぎて役に立たないような気もしますね。誰が作ったのか知りませんがおっそろしくマニアックに詳細なんです。面白いからヒマだったらご覧になったらいいと思いますが、自分が今いるストリートから目的地のストリートまで入力でき、しかも自分の歩く速さが時速何キロかまで入力します。「バス停まで435メートルを○分で歩いて、○分後に○番のバスがきて、降りてまた465メートル歩いて、、」なんて異様に正確なんだけど、肝心のバスがそんなに正確に来るわけないから、意味ないんじゃないかという。もうちょっとアバウトな方が使いやすいと思いますね。



    ★行先表示
      バスの正面に表示される行き先ですが、ときどき「via」と書いてあるものがありますが、これは「経由で」という意味です。行先表示の番号冒頭に「X」「L」あるいは「Express」いう表示があるバスは「急行」「準急」に相当し、停車箇所も限られていますので注意。

    ★頻度
      バスの頻度ですが、土日になると(特に日曜)になるとかなり本数が落ちます。一番頻繁なのは平日の朝夕で、逆に日曜の夜などになるとそもそも運行してない場合もありますので注意が必要です。

      なお、時刻表のことをタイムテーブルといいます。



    その他の各種回数券/定期券

    なおガイドブックや地元のパンフレットに、色々と観光用の特別なバス路線やチケットが紹介されています。詳細はガイドブックに譲りますが、よく紹介されているチケットにトラベルパスがあります。前述のトラベルテンとトラベルパスを混同しないで下さい。トラベルテンは、「期間無制限、バスだけ、使用地域の限定なし、10回限り」のものです(テン=10=十回回数券)。トラベルパスは「バス、フェリー、電車共通(専用のもある)、その代わり期間制限あり(1週間、3ヶ月など)、使用地域指定あり、回数無制限」です(パス=定期券)。さらにややこしいのが、フェリーだけの10回回数券「フェリーテン」、バス鉄道フェリーのみならず定期クルーズ、各観光用バス(シドニーエクスプローラーなど)まで乗れる(しかしモノレールは乗れない)「シドニーパス」というのがあります。

    どれをお選びになるかは消費者の選択ですが、先程、トラベルテンだけお勧めしたのは、これを持っていると「バスに乗るとき、乗客全員注目の中でいちいち英語で行先を告げて料金精算するという煩わしさから解放される」という特殊なメリットがあったからです(このメリットは普通のガイドブックには当然のことながらあまり書いてないでしょうが。電車やフェリーは自動販売機で切符を買えますのでその心配はありません)。

     他に選択の基準としては、幾ら割引があっても使い残したら却って割高だということで、「本当にそんなに乗るのか?」という問題があります。シドニーパスは確かに全部使えて便利ですが、反面大人1人、3日限定で50ドルです。しかし市内のホテル泊まってオペラハウス行って土産物買うだけなら全部徒歩で間に合ったりします。また一般に「パス」チケットは乗り放題の「定期券」ですから、二人でいくなら2枚必要ですが、「テン」チケットは「回数券」ですので、数人で一枚買って、順々に手渡して使用することができるというメリットがあります。

     もうひとつ申し上げておくと、電車は近距離でも往復割引されますし、午前9時以降の日中及び週末ならば、オフピーク割引というのがあって無条件で40〜50%割引になるので、個別に買ってもそんなに高くありません。






     上にも書きましたが、シドニーのバスについての公式ホームページがあります。

     http://www.sta.nsw.gov.au/です。

    地点までのルートを検索してくれたりするので便利ですよ。





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