第3章:シドニーの基礎知識


    3.3.1. 買物(その1)/価格と品質ほか
    update:18.Oct.96

    「買物」と言っても、店に入って商品を選んでお金を払えばいいだけのことで、細かな会話は「旅の英会話」を参照すればよさそうですが、生活体験者の場合、観光客相手の土産物屋だけではなく、地元の人に混じって生活用品を買い求めることになります。そして買物においても「地元の人ならみんな知ってる」常識なりシキタリなりが多少ありますので、ご紹介します。

    ★店の種類

      どこの店もショーウィンドウがありますから、何を売っている店かは外観でおおよその見当はつくでしょうが、日本ではちょっと見かけない店もあります。

      まずNews Agency(ニュース・エージェンシー)と呼ばれる店があります。基本的には新聞の小売店なのですが、新聞だけでなく雑誌もズラリと並び、文房具やカード、レジの周辺にはお菓子や煙草も置いてあります。またバスの回数券も買えますし(第6章:交通機関で詳述予定)、宝くじの販売所でもあります。規模も大小さまざまですが、どこの町にも必ず存在します。

        余談ですが、こちらでは日本ほど新聞の宅配システムが流行っていないので、皆さんニュースエージェンシーで買ってるようです。もちろん、依頼すれば宅配もしてくれます。毎日いちいち新聞を買うということは、日によって違う新聞を買えるということでもあります(日本のスポーツ新聞のような感覚か)。詰まらない内容の日は売り上げが落ちるのでしょうか、いろいろと盛り上げるための工夫が見られます。例えば曜日ごとにテーマの違う分冊を付けたり、土曜日の週末版ともなると、日本の新聞の正月版くらいの厚さ(2〜300頁ある)になります。出先で下手に新聞買うと、それだけでカバンが満杯になって往生しますので注意。


      その他呼び名が耳慣れないのは、薬屋さんのChemist(ケミスト)、煙草屋さんのTobacconist(タバーコニスト)、肉屋さんのButcher(ブッチャー)、眼鏡コンタクトレンズ店のOptometrist(オプトメトリスト)、不動産屋さんのReal Estate Agency(リアル・エステイト・エージェンシー)、花屋さんのFlorist(フローリスト)などがあります。
      職業を示す英語は沢山ありますが、詳しく知りたい人は現地の職業別電話帳(イエローページ)を見ると早いです。


    ★シビアに問われる消費者の選択
      この国では、「いつ、どこで、どのように、何を買うか」によって大きく価格・品質が違ってきます。日本もそうではあるのですが、日本以上に消費者の選択の余地は大きく、したがってよりシビアな選球眼が問われることになります。

      ★値段
      まず値段ですが、店によって値段が違います。当たり前のようですが、バスの回数券やテレホンカード、切手などを除けば、煙草も、酒も、ほぼ全ての商品の値段が違うといって良いでしょう。しかも値段の開きがかなり大きい。例えば煙草ですが、禁煙運動の盛んなこの国では日本の2倍以上の値段ですが、同じ物が店によって5ドルであったり7ドルであったりします。しかも特売をするので、同じ店でも日によって値段が違うことよくあります。煙草に限らず何であれ店によって同じ商品の値段が2倍前後違うこともあります。一般に安いのは、郊外の大規模店やディスカウントスーパーなどで、一番高いのは、おそらく観光地でしょうか。まあ一ヶ月程度の滞在ならそれほど目くじらを立てることもありませんが、意識して違いを見て歩くと面白いでしょう。

        また、各スーパーごとにいわゆるノーブランド商品が多種多様に開発されているのですが、これが半値ほどに安い。例えばコーラ1缶(375ml)でいえば、本家のコカコーラは77セントなのに、ノーブランドだと33セントになっていたりします。日本の場合、ノーブランドと言っても、OEM生産等で単にブランドネームの有無の差というケースが多いですが、当地では、それなりに質も比例している傾向がある点でしょう。「うーん、なるほど安いだけのことはある」と妙に納得することもあります。特に気にしないならば安い方を、質にこだわりがある場合はブランド品を買うという選択になるでしょう。但し、ブランド品だったら必ず良いかというとそんなこともないし、ノーブランドでも良質な品もありますので、結局のところ個別に買って(失敗して)覚えるしかないというのが実際でしょう。


      このような状態なので、内外価格差や物価平均と言っても、「どこで、いつ買うか」でかなり違ってきます。例えば、先日スーパーでジャガイモ5Kgパック(米10kg程度の容量がある)を特売価格$1.95(約170円)で買ってきましたが、同じ店内のすぐ隣の売場では2.5Kgで$3でした。その差、実に3倍。

      ★品質
      次に品質ですが、当地に暮らして改めて気づいた点ですが、日本の場合、いくら価格破壊と言いながらも、大勢においては、どの商品も高品質で高値に揃えている傾向があります。こちらでは、玉石混交と言いますか、値段のみならず一般に品質の幅も広いです。生鮮食料品も、単品バラ買いが基本なのですが、新鮮な物から萎びかけてるものまであるので一個一個選ぶように。また「高ければ良い品」という幻想は通用しません。特に魚類は、新鮮な物も多いのですが、魚の生食を習慣とする日本人の目からすれば鮮度に問題があるものも混じってます。日本を出る前にもう一度、目利きを復習されるのも一方でしょう(僕も、「えーと、鯵は眼が濁ってるかどうかで見るんだったかな?」などうろ覚えで難儀しました)。

      「新品信仰」が殆どないので、中古品市場も大きく、大抵の物は中古(second handあるいはusedという)で買えます。自動車も2年程度の中古だったら新車と殆ど値段が変わらなかったりもします(ステレオがついてる分高くなったりもする)。シドニーに走ってる自動車の平均年齢は10年以上という記事を読んだことがありますが、ヘッドライトの片目のない車、トランクが留金が壊れて紐で固定している車の横に最新型のポルシェが走っているなどありふれた光景です。不動産に関しても、中古だからといって特に値が下がりませんし、新築と値段の差も顕著ではないです(そもそも一般に新築物件など少ない)。

      あくまでも実質指向で、コストパフォーマンスを納得しないと買わないという傾向にあるのかなとも思います。したがって消費者の選択の余地は非常に大きく、賢くシビアに選ぶかボケっとしてるかで、下手したら(宿泊費以外の)滞在費も2倍ほど変わってくるかもしれません。ただ全般に物価が安いので頑張って探す気力が湧いてこなかったり、ドルで付けられてる値札をみて「安い/高い」を瞬時に感覚的に理解するまでには数ヶ月の生活経験が必要でしょう。僕も来た当時「安い」と感動していた同じ物が、最近では「高いな」と腹立ちを覚えるようになってますし。

      物価の相場ですが、全般に安く、特に生鮮食料品は安いと言えますが、反面、煙草、車、家電製品、文房具などはムッとするほど高いです。これらの物品には、関税の他に高率の物品税が課せられているらしく、「内外価格差」というよりもむしろ「国内税制」の問題と見た方が正確かもしれません。

      ★衣料品/靴
      衣料品/靴に関しては日本の方がずっとマシでしょう。こちらでは、総じて皆さん服装に無頓着なのに加えて(ストッキングに穴が開いてても気にしない)、ブランド信仰も少ない。CBD(都心部)を除けばスーツ姿の人などほとんど見掛けません。もちろん頑張ってキメてる人もいるのですが、それ以上にそのキメ方が非常に個性的で「その人にしかわからないセンス」でやってる場合が多い。さらに各民族が入り乱れてますので、「これがオシャレ」という統一の基準がなく、他人の目を気にしていても虚しくなります。

      それよりも困るのがサイズ探しでしょう。総じてサイズが大きめなので、サイズさえ合えば色形など二の次になりかねないです(全体のサイズは合っていても今度はウエストや袖/裾がダブダブなど)。もっとも身長190cm、靴28センチなど日本でサイズ探しに苦労している人にはよいでしょうが。

      サイズ表記は各国それぞれ違うようですが、オーストラリアと日本の比較は以下のとおりと言われています。但し、センチとインチなど単位の違いから100%対応する筈もなく、あくまで目安程度ですが。

      婦人用品
      靴
      日本2222.52323.52424.525
      オーストラリア551/2661/2771/28
      シャツ
      日本79111315−−
      オーストラリア10121416182022
      ブラウス
      日本79111315−−
      オーストラリア681012141618

      紳士用品
      靴
      日本24.52525.52626.52727.5
      オーストラリア661/2−771/2881/2
      ジャケットなど
      日本SM−L−LL−
      オーストラリア9297102107112117122
      ワイシャツなど
      →これは同じ(日本の37はオーストラリアでも37)


      品質は、これもピンキリですが、皮革/羽毛/羊毛製品はこちらの方がずっと安いでしょう。

      なお、試着は「try on(トライオン)」と言います。ジーパンの裾直しなどは簡単に「fix(フィックス)」と言うようです。


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