第3章:シドニーの基礎知識

    3.1.土地カンをつけよう

    Last update:19th.May.97
    →どこからどこまでが「シドニー」?

       さて、東京の中にも新宿や渋谷など最低限地名や位置関係を知っておかないと電車にも乗れないという重要ポイントがあるのと同じように、シドニーにも押さえておくべき地域やランドマークがあります。かいつまんで見ていくことにしましょう。

    ★3.1.1. 都心部(CBD/SYDNEY CITY)


       シドニーは港町です。
       まず太平洋に面する大きな湾があります。この湾は、複雑な入江を描きながら、奥(西)に向って深く切り込んでいき、さらに川になって内陸に続きます。地図でいえば右から左に横一直線に海が入り込んでいる格好になります。この東西に延びる湾(入江)が、シドニーを北部と南部に大きく二分する、「ヨコ軸」だと考えて下さい。では「タテ軸」はというと、湾をまたいで南北間を結ぶ大きな橋(ハーバーブリッジ(Harbour Bridge))のラインになるでしょう。シドニーで「北」といえばハーバーブリッジを渡って以北を指し、「東部」「西部」もこのハーバーブリッジのラインを基準に考えれば良いでしょう。

       このハーバーブリッジの南端部分(日本式に言えば「港大橋南詰」)が、シドニー最大の観光地であり、絵葉書その他観光写真に必ず出てくるオペラハウス(Opera House)、サーキュラー・キー(Circular Quay=円形の波止場という意味)、ロックス(The Rocks)になります。ここから市民の日常の足であるフェリーボートが発着していますし、「シドニーハーバークルーズ」という観光遊覧コースも出ています。都心に隣接して実用性と観光を兼ね備えた地域という意味では、横浜の山下公園/神戸のメリケン波止場のような存在とも言えます。



      ○ 都 心 北 部 ○


      ハーバーブリッジ/サーキュラー・キーから南側一帯が、摩天楼(それほど高くないが)が密集している都心部です。都心部のことを地元ではCBD(Central Business Destrict)あるいは単にシティと言います。南北に細長いこの一帯に高級ホテルや官庁、企業が立ち並んでいます。

      その都心部のなかでも中心となるのが、マーティンプレイス(Martin Place)、タウンホール(Town Hall)で、このあたりがシドニーの「ど真ん中」と言っていいでしょう。マーティンプレイスとタウンホールの丁度中間あたりにシドニタワーがありますが、地元ではシドニータワーのことをセンターポイント(文字どおり「中心点」)と呼んでいます。

       マーティンプレイスは、東西にのびる石畳の広場で歩行者天国になっており、中央郵便局(GPO)や銀行本店が立ち並ぶ商業の中心地です。タウンホールは、マーティンプレイスの2〜300メートルほど南にあり、文字どおりタウンホール(市民会館)もあるのですが、「タウンホール地区」という決まった区画があるわけではなく、この市民会館のある大きな交差点付近を漠然と指します。交差点の下には地下鉄の駅もあります。この交差点の北西角に古めかしい建物がありますが、これがクィーンビクトリアビルディング(Queen Victoria Building、通称QVB)です。観光ガイドブックに必ず登場するビルで、中はブランド品などの専門小売店になっています。建物南端広場にはヴィクトリア女王の彫像があり、ちょっとした待ち合わせのメッカにもなってます。要するにこの交差点は「銀座四丁目の和光の交差点」のようなものでしょう(見た目は案外ガランとしてますが)。

       このタウンホールの交差点を縦断し、北のロックスから南のセントラル駅までシドニー市街を南北に走る大通りを、ジョージストリート(George Street)といい、この通りが一番の目抜き通りになるでしょう。大阪でいえば御堂筋のようなものです(但し片道2車線の狭くてパッとしない道ですが)。このジョージストリートの東側を平行して走るピットストリート(Pitt Street)、さらに東側に一本(カースルリーストリート/Castlreagh St.)隔ててエリザベスストリート(Elizabeth Street)があり、これらも著名な通りですので地図で確認して頭に入れておくと良いでしょう。

       後にも述べますが、シドニー市街地は、一見碁盤の目のように整然としてるようですが、実は斜めに走っていたり曲がっている通りも多く、実際に歩いていると混乱しがちです。また太陽が北の空にあるというのも、方向感覚の混乱を招きます。もし迷った場合、路上に表示されている通りの名前が手がかりになりますが、上記の縦(南北)の三筋の通りが一つの目安になるでしょう。都心といってもそんなに範囲が広くないので(銀座から日比谷程度か)、迷ったらとにかくバスを探してみて下さい。バスの走っている通りの名前を見ていけば上記4本の通りのいずれかである確率が高いです。逆に言えば、若干の例外を除いて、都心のバスは南北に走っていますので、これで大体の方向感覚と位置感覚はつかめるでしょう。

      ○ 都 心 南 部 ○

       さてタウンホールを通り過ぎ、ジョージストリートをさらに南に下っていくと(ちなみにこのあたりから下り坂になる)、道の両脇に漢字で書かれた看板が目立つようになります。この周辺一帯がチャイナタウン(China Town)です。

       さらに南に進むと、一本東のピットストリートと合流する大きな交差点になり、正面に市バスの大きなターミナルがあります(レイルウェイ・スクェア/Railway Squareといいます)。この左手(東側)が、セントラルステーション/Central Stationになります。このあたりが感覚的には都心部の南端で、高層ビルも少なくなり、やや殺風景になります。またこのレールウェイスクエア付近からジョージストリートはブロードウェイと名前を変えます(さらに1キロほど進むとパラマッタ・ロード/Parramatta Rd.とまた名前が変わる)。


      ○ 都 心 東 部 ○

       次に都心の東西部分を見てみましょう。都心東側一帯にはほぼ全面にわたって緑の公園が広がっています。中心部にはハイドパーク(Hyde Park)、その北側には野外コンサートなどが行われるドメイン(Domain)と呼ばれる広場(この東側一角に美術館−Art Galleryがあります)。さらにその北側に広大なロイヤルボタニックガーデン(Royal Botanic Garden)という植物園があり、この植物園を北に突っ切って進んでいくと最後には海に突き出しているオペラハウスの背後に出ます。

       ではここで先ほどの「銀座四丁目角」(QVB南端、タウンホールの交差点)まで戻ってください。この交差点を南北に走る通りがジョージストリートでした。では東西に走る通りはというと、交差点から東に向かう通りをパークストリート(Park Street)と言います。パークストリートは、ハイドパークの丁度真中を分断して走っています。ところがパークストリート(公園通り)というだけあって、公園を通りすぎると名前が変わってウィリアムストリート(William Street)になります。このウィリアムストリートからそのまま東に臨むと、1キロほど遠方に巨大な赤いコカコーラの看板が見えますが、そこがシドニー随一の歓楽街キングスクロス(Kings Cross)になります。

       ハイドパークの中心を東西に横切る通りがパークストリートだとしたら、ハイドパークの南端部分を走る通りをリバプールストリート(Liverpool Street)と言います。この通りを東進すると、ハイドパークの南東角で大きな五叉路になり、その中でももっとも大きな南東に向かう通りをオックスフォードストリート(Oxford Street)と言います(実際にはこの交差点からリバプールストリートが細くなるため、リバプールストリートとオックスフォードストリートが、殆ど一直線に繋がっているかのような印象を受けます)。このオックスフォードストリートを東に進むとパディントン(Paddington)という地域に通じています。

    ○ 都 心 西 部 ○

       ジョージストリートよりも西に向かう横の通りはいずれも100〜200メートルほどで終わってしまいます。というのは都心西部には海が入り込んでいて波止場になっているからです(もっともいきなり湾に出るのではなく、波止場周辺の高速道路や公園施設にぶつかります)。この波止場をダーリングハーバー(Darling Harbour)といい、波止場といってもそれほど船が発着しているわけでもなく、水族館、博物館、ショッピングセンター、博覧会場、遊園地、公園などが並んでいる一大観光アミューズメントセンターとなっています。

       以上が都心部(CBD)の概要です。このあたりはどの観光ガイドブックにも載ってますので、詳しくはそちらを御参照戴くとして、ここではあくまで「土地カン」を養うことを中心に進めていきます。


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