第2章:準備と出国

2.4. 入 国

2.4.1. 降機から入国ゲートを抜けるまで

鬱陶しくも緊張してしまう入国手続ですが、一般に出るよりも入る方が難しく、基本的に3つの関門があります。
何をそんなにチェックするのか、受入れ国の立場に即して簡単に言うと、
  1. 変な人が入ってきたら治安が乱れる(身元と入国目的のチェック→入国審査/Immigration)
  2. 変な物(麻薬、武器、病原菌)を持ち込まれると治安や環境が破壊される(検疫/Quarantine)
  3. 安い物を持ってこられたら国内の経済・税務秩序が乱れる(関税の徴収→税関/Custom)
ということなのでしょう。


入国審査/Immigration



 まずは「人物審査」、入国手続から始まります。

 シドニー空港に到着し、飛行機を降りたら、人の波に従って歩いて行きます。自然と入国審査(IMMIGRATION)のゲートにつきます。ここでは機内で記入した「入国カード」とともにパスポートを提示します。

 記入内容が間違っていないかチェックするために担当官が「どのくらい滞在する予定ですか」などと簡単な質問する場合もありますが、「ごく普通の日本の観光客」然としていれば、殆ど聞かれることもないでしょう。正確な数字は忘れましたが、オーストラリアに来る観光客の4分の1は日本人ということで、おそらく彼らにしてみれば「一番ありふれて、一番安全な人々」に映っているようにも思いますので。聞かれたとしても、おそらくお手持ちの旅行英会話本に載っている程度のやり取りでしょう。

※しかし、旅行英会話本で勉強しても、実戦になると頭が真っ白になってしまうパターンが多いと思います。実戦英語については後々の箇所で述べますが、一番つまづくのが「相手が何を言ってるか聞き取れない」ということです。教材用のテープのようには現場で喋ってくれないからです。そこで、この本では、「どんな場合にどんなことを聞かれるか」ということを中心にして考えていきたいと思います。

入国カウンターで聞かれるべきことは、全てカードに書かれているので、聞くとしても確認程度か、記載に矛盾があるような場合でしょう(国籍の欄にシドニーと書いてしまった等)でしょう。「ハウロング......(どうせ全部聞き取れない)」と聞かれたら滞在期間、「わっとパーパス........」ときたら滞在目的、「この記載で間違いないですね?(......オーライ?)」「全部で何人ですか(ハウメニピープル..........?)」(一人づつやる場合もあるが、家族など一行まとめてチェックする場合もあるので)の類だろうと思われます。そんなに突拍子のないことを聞かれることはないでしょう。大体向こうも毎日英語が不得手な外人を相手にしているので、妙な質問をして手間取りたくないだろうし、別にわからなくてもそれはあなた一人ではなく、担当官にとっては「よくあること」ですので、そんなに焦ることはありません。


あとは担当官が入国スタンプを押したパスポートを返してくれます。

荷物の受取り


 入国ゲートを出たところに、「LUGGAGE CLAIM」と表示されたターンテーブルがありますが、ここで日本の空港で預けておいた荷物を受け取ります。ベルトコンベアに乗せられたスーツケースはどれも似通っているので、間違いなく自分の荷物であることを確認してください。


 もし、最後まで待っても自分の荷物が出てこない場合は、日本の空港のチェックインカウンターで受け取った半券を係員に提示してください。荷物が紛失することはあまりありませんが、たとえば経由便の場合、経由地で荷物を別の飛行機に間違って乗せられてしまったケース、経由地への到着が遅れて乗り換える筈だった便が先に出発してしまった場合に、自分が乗った便ではない飛行機に荷物が積まれているケース等、希ではありますが、起こり得ます。だいたい次の便でやってくるパターンが多いようですが、とにかく自分の荷物にはしっかり氏名・住所(国名も入れて)を明記し、荷物を預けた際の半券(通常、航空券に貼付してくれる)をしっかり保管しておくことです。



税関/Cunstomと検疫/Quarantine

無事荷物を受け取ったら、いよいよ第二関門関税(CUSTOM)に進みます。といってもシドニー空港の場合、申告書にきちんと必要事項が記載されていれば、拍子抜けするほど、すんなりと通過してしまいます。と言うよりも、こっちに行けと指示された方向に進むとそのまま外に出てしまったといった具合に、関門自体がなかったりします。それでも、向こうの方では税関審査を受けてる人もいるわけですし、つい先日日本から来た人が審査を受けさせられたと言っていたので、一体どういう基準で選別しているのか謎です。

さて、もう一つの関門、検疫はどこでやるのかというと、これも実際上ありません。実は最初の入国審査の前の段階に予定されているのですが、飛行機の出発地・経由地で判断して「問題なし」と当局が判断したらフリーパス状態なってるので、気付かず通過してしまうのだという話もあります。僕はソウル経由、サイパン、グアム経由で来ましたが、幾ら思い出そうとしても検疫の記憶はないです。飛行機の出発地で100%判断出来るのか?誰がどの飛行機で来たなど本当に判別つくのか?よく考えると謎ではあります。後述するバスや電車の検札システム(一般にフリーパス状態でランダムにチェックする)の類推からすると、検疫にせよ、税関審査にせよ、大雑把に判別してあとはランダムチェックをかけているのかなという気もします。
いずれにせよ、あって当然の関門が少ないのは、来る人にとっては手間が省けていいことでしょうし、検査があったところで、変な物を持込んでない限り恐れることはないでしょう。

注:2001年後半頃から検疫が厳しくなってます。世界で狂牛病などがやかましくなり、また日本でも狂牛病が発見されてますので、食べ物チェックは厳しくなってるようです。荷物を全部開けて調べられるのも珍しいことではなくなりました。というわけで、あまり食べ物関係は持ってこない方がいいでしょうし、かならず申告した方がいいでしょう(お説教やら罰金を食った人もいます)。これも何がダメで何がOKなのか難しいところですが、生モノはダメです。あと卵製品(マヨネーズ)はまず絶対ダメです。しかし、意外と関空で売ってる明太子は良かったりするのでよう分からなくなるのですが。申告に際して、英語で説明できるように準備しておかれるといいと思います。センベイだったらライス・クラッカーとか。


2.4.2. 空港にて

市街に向かう前に空港でしておくことが、いくつかあります。

●両替(EXCHANGE)

現地のお金についてさらに知りたい人はここをクリックして下さい。

●宿の予約(BOOKING)


●情報(パンフレット/地図など)の入手