英語雑記帳


新・単語の覚え方 (Part03)

英単語の覚え方 INDEX

 Part 01 : 効率の良い勉強方法、連想とデーターリンク
 Part 02 : 偉大なる「こじつけ」パワー、部分的でもまず定着させる
 Part 03 : 用途と対象を明確に、読めない単語は覚えられない
 Part 04 : スペルの記憶術
 Part 05 : テスト用記憶術
 Part 06 : 実生活での記憶術

 単語の覚え方初版
 

用途と対象を明確にすること 一度にたくさんは覚えられない

 記憶というのは、対象が明確であればあるほど残りやすいです。
 英単語の場合、語義が3つも4つもある場合は珍しくありません。あまりに意味が多すぎる場合、どういう意味なのか曖昧になって結局覚えられないということがあります。また、発音の場合、どういう読み方をすれば良いのかが曖昧な単語は覚えにくいです。このように記憶対象をピカピカにクリアにしておくことが効率の良い記憶の前提条件になります。

 また、記憶の「用途」も問題になります。試験対策に覚えるのか、日常生活に覚えるのかによっても違います。試験であっても、もっぱらリーディングなどのペーパーテストで、発音などのオーラル試験がない場合は、ひたすら「意味」を覚えることになりますし、ライティングがメインになる場合には「スペル」を覚える必要があります。逆に、日常生活などオーラル中心の場合は、スペルよりも「どう発音するか」「実際にどう聞こえるか」が大事になります。

 もちろんその全てが出来て初めて「覚えた」と言えるのでしょうが、「はじめまして」の単語を、意味(しかも複数ある)から、発音から、スペルから、その全てを一発で覚え込むのは難しいです。

 このように同じ覚えるにしても、その用途を考え、その対象を明確にすることが望まれます。
 以下、用途と対象別に論じます。

用途と対象を明確にする(1)読み方〜読めない単語は覚えられない

 発音は現地の日常生活で重要です。いたるところで力説していますが、通じないときは本当に通じない、もう涙が出るくらい通じない。ということは、何を言っているのか聞き取れないということでもあります。これまた本当に聞き取れない。「それって、英語?」ってくらい突拍子のないものに聞こえたりもします。しかし、これが部分的にも出来なければ現地で生きていけません。

 というわけで発音、頑張ってください、でも発音の勉強方法は別の箇所に譲ります。
 ここでは単語の覚え方です。単語の読み方の覚え方です。

 "dangerous"という単語があります。デンジャラスと読み、「危ない」という意味ですね。これを「だんごろす」とか「だんげろうす」とか覚えていたら、まず実戦で使い物になりません。それで通じたら奇跡か、相手が神のようにカンがいい場合だけです。どのくらい神かといえば、外人さんに日本語で「ここでは、エンソウ、禁止ですね?」と言われて、普通は「演奏」って思うところを、「ああ、禁煙エリアのことね」とピンとくるくらいの神度です。「煙草」を「えんそう」と誤読してるわけですね。

 せっかく貴重な時間と脳細胞を使って勉強しているのですから、こういう「煙草→えんそう」みたいな無駄な覚え方をすべきではないです。
 ちなみにGoogleMapでオーストラリアの地図を調べると、地名が日本語で出てきますが、あれは止めて欲しいですね。なぜならかなり読み方が間違ってるからです。「間違ってるのもたまにある」とかいう可愛いレベルではなく、かなり間違ってますね。

 発音の勉強という見地からすればカタカナ英語を止めるのが第一歩になりますが、ここでは単語の覚え方ですので、そこまで厳格にならず(それはあとで研磨すればいい)、少なくとも「全く見当違いな覚え方だけはしない」という点だけは抑えておきましょう。「ひぐれさと(日暮里)」、「しぶたに(渋谷)」みたいな覚え方はするな、と。これが第一。

 あなたは笑ってるかもしれないけど、結構やるんですよ、これ。
 例えば黙字。読まない字。"night"「ナイト」を「ニグフト」と読む人はいないでしょうが、"aisle"を「あいする」と読む人はいると思います。正しくは「あいる」。飛行機のチェックインのときの座席指定(通路側を「あいる・さいど」という)や、スーパーマーケットで売り場を聞いたとき「隣の列にあるよ(ねくすと・あいる)」など結構使う単語。

 第二に、「どう読めばいいのか分からない段階で覚えるな」です。読みに自信がなく、ムニャムニャな単語は覚えられません。洋楽の歌詞みたいなことになってしまいます。ビートルズのYesterdayを、出だしの「イエスタデ〜」は歌えるけど、その次からいきなり鼻歌になるという。

 ここに、「染色体」を意味する"chromosome"という単語があります。このままでは、まず覚えられないですよね。「ちょろもさむ?」ってどう読めばいいのかもわからないという。

 そこで正確な読み方を明瞭に確定する必要があります。標本のようにクリアにする。発音記号に徹底的に忠実に、あるいは発音付き辞書がある場合には何度も何度も再生します。

 このとき大事なのは「聞こえたまんま覚える」ことです。あくまでも原音に忠実に。スペルに引っ張られないこと。幕末に黒船が来た頃、当時の人はアメリカのことを「めりけん」と呼びましたが、その方が「あめりか」よりも原音に忠実だから通じやすいです。スペルを見て、それをローマ字読みして発音すると、まず大抵の場合は通じません。日本でも「モバイル」なんてありえない英語がありますが、実際に聞こえるのは"mobile phone"は「むーばるふぉーん」です。

 シドニーシティにある"Castlereagh St"も、「きゃっするりー」なんて実際には発音していません。特にオーストラリアは米語ではなくイギリス系発音をするから「きゃ」と潰れず「かあ」と言う。can'tも「きゃあんと」ではなく「かあんと」と発音します。だから「城」を意味するキャッスル(castle)も「かーする」と言います。名古屋キャッスルホテルも「かーする」。僕も最初に聞いたときは、パソコンの「カーソル」と勘違いしたくらいです。ということは「きゃっする・りー」ではなく「かーする・りー」であり、さらに聞こえたまんま原音に忠実にすれば「かーすりー」になります。絣(かすり)の着物です。ストリートも「すりー」くらいにしか聞こえないから、Castlereagh Stで「かすりすり」に聞こえます。「絣スリ」でも「かースリスリ」でもいいですが、そう聞こえますし、そう言った方が通じます。

 このあたり言い出すと長くなるし、後で「実生活編」で述べると思いますが、英語圏でも権威のある辞書の発音記号どおりに、現場のネィティブが発音してないということはママあります。また、オーストラリア弁やアメリカ弁、アイリッシュ弁、さらに社会的な階層によっても、時代によっても発音というのは変わります。めっちゃ奥が深いというか、言語って生き物ですから、これはどーしよーもないです。日本語だって、ここ10年くらい(かな)で、「彼氏」の発音がブレてるでしょ。昔は「レシ」と頭にアクセントがきたけど、それが等音に言う人が増えてるし。

 ここではそこまで深く考究せず、まずは「聞こえたまんま」を心がけてください。タクシーに乗って"I get off"(降ります)といっても通じず、大きな声で「揚げ豆腐!」と言った方が通じるように。マイケル・ジャクソンも「まいこう」だもんね。舞妓さんみたいに聞こえます。インターネットも「いなね」で「稲根」みたいだし、シドニーは「すぃんにー」。

 "chromosome"は「くろうまそうむ」と発音します。「ろ」にアクセントがきます。
 さて、読みはわかったとして、これをどう覚えましょうか?

 ここで第三段階になります。覚え方、ですね。
 ここで、「無理矢理日本語をあてはめる」「何でも漢字にする」というテがあります。暴走族が「よろしく」を「夜露死苦」と書くようなアレです。これは初版本でも福島が紹介してくれてましたが、意外と役に立ちます。「くろうまそうむ」だったら「黒馬双無」とかするとか。同じ字合わせでもインパクトのある、麻雀の役みたいな、三国志に出てきそうなカッコいい字面にしたりします。漢字というのはデザインであり、絵であり、つまりは一つの映像イメージですから、カタカナよりも覚えやすいです。

 慣れたら何でもできるようになります。こちらに来てから知った世界の食べ物で、東南アジアの「ラクサ(LAKSA)」という麺がありますが、最初、「ラーサ?あれ?ラスカ?」とか中々覚えられなかったので、業を煮やし「おし!本気で覚えるべ」と「落差」という漢字をあてはめて記憶しました。ギリシャ料理の「ムサカ」も、「ムカサ?え、ミカサ?」と曖昧だったので、「無坂」あるいは「霧坂」にするなど。

 別に全部漢字にならなくたって、途中で仮名が交じっても構いません。ネーミングに意味があるのではなく、あくまで記憶できたらいいのですから。「鯖(サバ)」のことを"mackerel"(マカレル)と言いますが、これはもう「長いものに巻かれる」と覚えましたし、シェア探しで一発目に出てくる"avilable"(アヴェイラブル)がうまく覚えられない人には、「あ米(べい)ら棒」と大書して、「うまか棒」みたいなものだよと言ってます。

 あ、言うまでもないけど、別に常に漢字に当てはめろ、とか駄洒落を使えと言ってるわけではないですよ。うまいこと当てはまらないものもあるし。ただ、モヤヤンとした読み方の単語も、漢字をはめ込むとクリアになることが多いのでいいよと。それに当て字やシャレを考えることが、すなわち記憶につながっていくわけですから。

 以上、整理すると、

 @、間違った読み方を覚えない
 A、聞こえたまんまの音で覚える=原音に忠実に
 B、漢字の当て字でも何でも、記憶のために印象的なイメージを作る

 ということです。

 そして、最後にC「正しい発音で覚える」というのが来るのですが、@からCまで一気に進むのはツラいものがあるし、ある程度発音が分かってないとCは難しいです。とりあえずここでは@〜Bまでを実践し、「これで終わりじゃないのよ」「あとでCの研磨工程がくるのだ」ということだけ頭に入れておいてください。出来る人は勿論やっていいですけど。

 Cは発音論になるので深く立ち入りませんが、ポイントだけ指摘しておくと、

 (1)カタカナ発音、ローマ字式発音、日本語になってる外来語は取りあえず全て疑ってかかることです。厳密にいえば、日本語と英語とでは子音も母音も発生メカが違うので、全部間違ってるといってもいいのですけど、とりあえずは鵜呑みにしない、と。reward(報酬)は、「りわーど」と読みがちだけど「リウォード」。フィッシャーマンズワーフは「ウォーフ」。ランドリーは「ろーんどろりぃ」。母音については、短母音、長母音と二重母音の差を意識すること(オンリーではなくオウンリー)、子音については母音を除去すること。

 (2)アクセント(ストレス)と音節(シラブル)は、絶対間違えるな!ってくらい大事にしてください。発音やスピーキングの世界はサウンド一発勝負です。音しかない。歌や音楽みたいなものです。そして、アクセントと音節は、それぞれメロディとリズムに相当します。リズムとメロディが違ったら全然別の曲に聞こえるように、ここが間違ったらまず通じないので。逆にメロディとリズムがあってたら、他がダメダメでも勢いで通じてしまったりもします。

 (3)発音能力が向上したら、すかさず自分の知ってる英単語をチェックして、相互フィードバックをしておくこと。「S」の発音に二種類(「すぃ」と「し!」、sit と shit )あるんだということを知ったら、systemのSはどうか、shareのSは?と確認する。逆に言えば、後のこの作業を軽減したかったら、可能な限り発音に留意して覚えること。でないと、発音において「そうか、そうだったのかあ!」と目からウロコが落ちて喜んだ後、「あ、、、今まで覚えた単語、そんなこと気にせずに覚えてた、、、もしかしてやりなおし?」となって呆然とします。僕はその経験、何度もあります(泣)。


 読みはこのくらいにしておきます。
 次は「スペルを覚える」です。
 

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