★語学学校体験談
読者投稿−−武末さんの場合
NSW大学セント・ジョージキャンパスでの体験
The Insitute of Language, University of New South Wales
St. George Campus
この語学学校はニューサウスウェールズ大学の付属機関で、シドニー市内に3つのキャンパスを持っています。それぞれのキャンパスによってコースの目的が違い、そのせいか雰囲気も違います。
ケンジントンキャンパス
は大学進学を目的とするアカデミックパーパスコース、
ランドウィックキャンパス
はジェネラルコース、私が5週間通った
セントジョージキャンパス
は午前中はジェネラルですが、午後の授業はそれぞれ興味のある授業を選択でき、テストプレパレーションからツーリズム、コンピュータ、ビジネスなどバラエティに富んだ授業が受けられます(もちろんすべて英語で学びます)。
私の一週間の時間割は、午前中はジェネラルのアドバンスクラス(2人の先生が月、水、金と火、木を担当)、午後は月:写真、火:オーストラリア社会、水:時事問題、木:ダンス、金:スポーツ。すべて違う先生でした。
午前の授業が9:00〜10:45, 15分の休憩のあと11:00〜12:00、ランチタイムが1時間、午後の授業は13:00〜15:00というスケジュールです。
ケンジントン、ランドウィックはシティに近い(バスで15分くらい)のですが、セントジョージはシティから電車で30分ほど南にあるオータリーという閑静な住宅地にあります。駅の近くに小さな商店街があってパブもありますが、本当にのんびりと時間が過ぎていく郊外の街といったところです。授業が終わるのが午後3時なので、放課後をシティで過ごそうという人には不向きかもしれません。もちろん住む場所をシティ寄りにするなどの手はありますが、学校にホームステイを依頼すると、たいがい学校から歩いていけるところかさらに電車で郊外に行ったところに住むことになります。
他の2つのキャンパスは大学と建物が離れていますが、セントジョージは建物の規模は小さいものの大学構内に語学学校の教室があり、図書館、カフェテリア、コンピュータルーム等は共有です(いずれも英語ですが、インターネットにアクセスでき電子メールを送ることもできます)。昼休みなど大学の学生たちと隣り合ってランチを食べてました。中には学生と友達になったり、好きな人ができたりする人も...。オーストラリアの大学の雰囲気を味わいたい人にはおすすめです。
ケンジントン、ランドウィックは生徒数が多く同じレベルに何クラスもありますが、セントジョージは小規模で、私がいたタームは、3段階のレベルにそれぞれ1クラス+高校生1クラスしかありませんでした。しかも1クラスは10人以下。
そういう意味でとてもアットホームで、授業も和やかに楽しく行われていました。1クラス10人以下だと話す機会も多いし先生とのコミュニケーションも密になって、英語に慣れるという点ではかなりメリットになると思います。
また午後の授業はレベルは関係ないので、勉強というよりは遊び的要素が強く、楽しく学べます。ただでさえ人数が少ないのに午後の授業で別のクラスの人同士が一緒になるので、あっという間に先生・生徒全員が仲良くなります。
8人ほどの先生の質(こんな言い方は少々失礼ですが)も他より高いという評判ですし、実際授業を受けた印象はかなりいいです。
アドバンスクラスはけっこう内容が充実していて手応えあります。日によってリーディング、リスニング、ライティング、文法、ボキャブラリーなど盛りだくさん。2〜3人のグループで討論することが多くスピーキングも鍛えられます。私はこのおかげで英語を話すときの声が大きくなりました。言いたいことを言うにはまず聞いてもらわなければならないので、声を大きくしないと、良く喋る人が一人で話し続けることになってしまいます。ほかに、一人ずつ好きなテーマで30分ほどプレゼンテーションする機会もありました。トピックの選び方からプレゼンテーションの仕方まで人それぞれ個性が出るので、なかなか面白かったです。私は途中から入ったので受けなかったのですが、タームの始めのクラス分けのテストはそれほど難しくないそうなので、ある程度英語ができる人はここでアドバンスクラスに入って鍛えるのも手かもしれません。
また事務の職員もフレンドリーで、生徒数が少ないせいかすぐ顔を覚えてもらえ、事務的なこともスムーズに話ができます。(多少ルーズなオーストラリアン気質はしょうがないですが...)総合的に言って、このキャンパスは、英語を学ぶ最大の目的を「コミュニケーション」という点に置いていて、しかもいろいろなことに興味があって英語「を」学ぶだけでなく、英語「で」何かを学びたい、さらに楽しく毎日を過ごしたいという人にはうってつけのコースだと思います。
いろいろメリットを挙げましたが、メリットは裏を返せばデメリットということで、アットホームということは世間が狭いということでもあります(噂話はあっという間に全員に広がります)。また、「楽しめる」ということは、本人が努力しなければ英語能力はある程度は向上しても、適当に「流せて」しまうということになります。
何しろ日本人の割合は驚くほど高く(私のいたタームがいつもに増して高かったらしいのですが)、それがまた居心地の良さの理由の一つであったりもします。英語で通じなくても日本語で助け船を出してもらえるという安心感があるのとないのとでは、生活や勉強をしていくうえで精神的にかなり違います。また英語で言いたいことが言えないフラストレーションを日本語の会話で発散するということも、外国生活においてはかなり重要なことです。
ただし気をつけていないと日本人コミュニティをがっちり作ってしまって、何のために外国まで来たのかわからなくなってしまいます。せっかくの外国人の友達を作るチャンスを逃したり、日本人ではない少数派の人の存在を忘れがちになって傷つけたりしてしまいます。私のいたクラスは8人中6人が日本人(!)で、韓国人と台湾人が一人ずつでしたが、韓国人の子は日本語がペラペラなので、休憩時間などともすると日本語で盛り上がってしまい、台湾人の子に嫌な思いをさせていたのではないかと思います。みんな英語を勉強しに来たのだから、本来なら一人でも日本語を話せない人がいたら英語で会話すべきだと思うのです。これはなかなか難しいのですけどね。(それでも台湾人の彼女はメゲることなく積極的にクラスメイトと交流を図っていて、こういう姿勢は見習うべきところ大だと思いました。)
ジェネラルコースの生徒は18歳から50歳近くの人までいてさまざまですが、日本人はやはりワーホリの人が多いので平均年齢は21〜2歳くらいでしょうか。皆それぞれに個性的で、日本にいたらおよそ話しもしなかっただろう人達に会えたことは不思議かつ貴重なことでした。興味深いのは、キャラクターはさまざまでも皆ピュアだということ。すれたところやちゃらんぽらんなところがなく、オーストラリア生活を誠実に生きているという印象でした。こちらに来ている人がみなそうだと言う気はは全くありませんが、このキャンパスで会った人はおしなべて気持ちのいい人達でした。
私は10月半ばからケンジントンに移りますが、セントジョージで楽しみすぎたので少々辛いかもしれません...。またキャンパスの雰囲気の違いなどリポートしたいと思います。
ではみなさん、GOOD LUCK!
(武末明子さん記
武末さんは、97年8月から9月にかけて5週間、NSW大学セントジョージキャンパスにおられました。)
注:この原稿のあと、武末さんから以下のようなメールをいただきましたので付記しておきます。
「(前略)例の語学学校体験記なのですが、今日友人に聞いたところによると、私のいたセントジョージキャンパスは、なんと今年いっぱいでなくなってしまうそうなのです。それらしいことは確かに聞いていたのですが、生徒がほかの学校に移ってしまうのを恐れて、学校側がひた隠しにしていたらしく、今ごろになって明らかになったらしいのです。
来年以降まで申し込んでいる生徒はランドウィックキャンパスに移るそうですが、コース内容はどうも変わってしまうとか。せっかく楽しいコースだったのに...。」
とのことです。
真実、学校側が「ひた隠し」にしていたかどうかは、部外者である我々にはわからないのですが、現在も通われている学生としては(少なくとも一人は)、直感的にそう感じたということなのでしょう。
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