Applied Scholasticsは、APLaCのホームページで掲載している多数の語学学校のうち、わりと人気が高い学校のひとつです。当方としては意図的によく書いているわけではないのですが、なぜかよく問い合わせを戴きます。
おそらくは、訪問記を読んでいて「特徴が分かりやすい」というのが、興味をもたれる一因ではないかと思います。大規模校になると申し分のない設備、環境にも関わらず、こうしてレポートしようとすると特徴がないので表現しにくいのですが、この学校のような小規模経営の学校は個性がハッキリしているのでレポートしやすいんですね。
今回投稿していただいた大野さんは、APLaC経由でApplied Scholasticsに入学された第一号の学生さんです。が、残念ながら、期待に反してあまり満足のいく学生生活は送れなかったそうです。その原因は「学校・寮への不満」と、「学生・先生への不満」とに分けられるようです。
前者については、外部者からのレポートでは窺い知れない学校の様子が「5ヶ月間勉強した一学生」の目を通して語られていますので、語学学校選びをされている皆さんの参考になることでしょう(但し、この学校は99年1月より移転していますので、ロケーション・校舎・寮に関しては直接の参考にはなりません)。
後者に関しては、結局は「人の運」であり、どこの学校でも似たようなケースは出てきます(クラスメートと先生は自分の意志では選べませんから)。従って、この学校の選択基準としては参考にならないかもしれませんが、「どの学校に行ってもこういうケースは起こりうるのだ」という意味で参考になろうかと思います。
<通った期間 >
1998/8/31〜1999/1/31の5ヶ月間。
<滞在先>
始めの4ヶ月は学校併設の寮。(学校へ通う面倒がなく、週A$65と格安な滞在費だったので)
その後、ファミリーとハウスシェア。
<アプライドを選んだ理由>
- 授業料、滞在費が他校と比べて安いこと
- 陶芸ができること
- 午後はセルフスタディが選択出来るとのことだったので、自分のペースで勉強できると思ったこと
APLaCのホームページ「訪問記」を読んで、ユニークなロケーション、ゆったりした学校の雰囲気を感じたので、自分のペースでゆったりと時間を過せそうだと思って選びました。
<コース>
私が通ったのは、Upper Intermediate。クラス分けテストの結果は Intermediateだったのですが、そのクラスの人数が多かったので人数の少ない Upper Intermediate に行ってみるかということになりました。
その他には、発音レッスン、ビギナー、英語教師コースがごちゃまぜになったクラスがあり、全部で3クラス。生徒は100%アジア系です。8〜9割が日本人、次いで韓国人、中国人です。もっとも、私が到着する4〜5ヶ月前まではヨーロッパ系が8割だったらしい。先生も違う人だったようで、時期によって学校の雰囲気はかなり変わるようです。
先生は、バックグランドがELICOSの先生が一人(Upper intermediate担当)、Adult schoolの先生が一人(Intermediate担当)、もう一人の方は尋ねたことがないので判りませんが「ごちゃまぜコース」の担当です。
全体的に言って、私はあまり満足した語学学校生活を送れませんでした。理由は、学校や寮への不満もありますが、たまたま一緒のクラスになった学生の中に相性のよくない人がいたこと、先生との相性が合わなかったこと、といった「人の運」が大きな要因だと思います。
この学校はAPLaCのホームページに書いたあったとおり、かなり個性的でした。その個性的な部分が魅力に感じられてここに決めたのですが、実際来てみると逆にその個性から反映されるデメリットが気になりました。
「生徒数の少ないこじんまりした学校」と聞けば、「アットホームで落ち着いた雰囲気」を想像しがちですが、私にとっては「小さくても落ち着かない環境」でしたし、小さいなりのデメリットもありました。
たとえば、生徒数が少ないために細かいレベル分けをするわけにはいかず、同じクラス内にも英語力のバラツキが相当あり、先生も生徒もやりにくそうでした。英語力だけならまだいいのですが、中国から留学してきている高校生も何人か混じっていて、人格形成がまだ出来ていない10代の子と一緒のクラスというのは、ちょっと無理があるな、と思うことがありました。まあ、高校生でもしっかりしている子もいるのでしょうが、たまたま同じクラスになった高校生の中には、お金持ちのお坊ちゃま、お嬢ちゃま風で、家では好き放題で甘やかされて育ったんだろうなあと思われる子がいました。具体的には、ペアワークに当たった時に気分次第でコミュニケートしなかったりとか、先生に対して失礼なほど授業に非協力的だったりとか。
それと、全部で3クラスしかないのですが、先生も3人だけ。で、1クラスにつき1人の先生が担任することになっていて、これもちょっと問題かなと思いました。というのは、先生にはやはりタイプがあって、得意分野やクセ、性格もいろいろですから、生徒との相性もあるんですね。私がたまたま当たった先生は、わりと計画どおりにキチンとした授業を進行させたいタイプらしく、性格的にもやや強引だなあと感じさせるところがあって(質問すると「話を聞け!」と言い、しないと「なぜ質問しなかったんだ」と言ったりとか)、いい人なんですが、授業についてはあまり好きになれませんでした。
そういう問題を学校側も認識しているのか、途中から Intermediateの先生が長期休暇に入って臨時の先生が来た折、Upper Intermediate と Intermediate の先生を入れ替えていました。
授業方法は先生の話を聞いて、時折質問に答えたり、テープを聞いたり、ビデオを見てプリントや先生の質問に答える、ペアを組んで英会話のレッスンをする、といった内容を午前中に行います。午後はグラマーの日、リーディングの日、会話の日とあって各々のトピックに沿った内容の授業を行います。
新聞からトピックを抜粋しての授業はボキャブラリーと今のオーストラリアの話題の両方を知るのにとても有効でした。リーディングも「こうだ。こうやって速読するんだ。前にも言っただろう」という先生の叱咤激励?のおかげで、読み馴れてきました。覚える気持ちが薄いので文法は最後まで「違う、違う、もう一回いってみろ。まだ違う、もう一回。」とやってましたけど。
先生が下手に生徒に併せてスピーキングのスピードをダウンしないおかげで、ヒアリングには役立ったと感じています(一般の人の日常会話なんてもっと早いもの)。
ただ、問題は生徒側に意欲がないこと。カリキュラムも悪くはなさそうだし(いまひとつピンと来なかったけど)、先生も頑張っているのですが、どうもシラけたムードになりがちでした。先生も授業に変化をつけようとして詩やゲームや歌を取り込んだり、いろいろ努力はしているのですが、あんまり生徒たちが非協力的だと授業の進め方が講義式になりがち。時には、シビレ切らした先生が「私はエンターテイナーじゃないんだから、君達からどんどん参加してきなさい!」などと言って険悪なムードになることもありました。
あと、文法に関しては先生の曖昧な説明に不満を持っている生徒もいました。「日常はこう使うから、これでいい」と言われても、「では文法書の説明はどう捉えればいいのか?」という疑問は残ってしまうものです。
APLaC注:文法に対する先生の説明に対する疑問は、この学校に限らずよく耳にするところです。ネイティブの感覚では「こういうもの」で終わりなんでしょうけど、勉強する側としてはきちんと法則に沿って説明して欲しいと思うもので、そこらへんにギャップが出てきてしまうのでしょう。
それと、期待していたセルフスタディが突然なくなってしまったのはショックでした。私にとっては、専門学校へ行くための準備期間でもあったので、午後のセルフスタディを専門用語の自主学習にあてるつもりいたのです。が、何時の間にか、午後の授業は4週間単位で選択式になり、と思ったらセルフスタディは、陶芸の時間帯のみオプショナルとなって、水曜から金曜までは文法、リーディング、会話のクラスに必ず出席しなければならなくなりました。
ビザ関連の規制が厳しくなって視察が入るようになったなどの背景があるようですし(学生ビザの場合、最低週20時間はface to faceの授業が必要)、教えてもらえる時間が増えたという意味ではサービスがプラスになったとも言えるわけですが、「マイペースでゆっくり」という私のもくろみには反していたわけです。
APLaC注:こういったスケジュールや制度の変更は語学学校では珍しいことではありません。生徒の入れ替わりが激しいので、人数調整や生徒のニーズに対応する意味もあって、特に午後の選択授業は変更されることがあります。
そんなわけで、3ヶ月を過ぎた頃から次第に授業がつまらなくなってきました。常に同じメンツというのも、落ち着くという意味ではプラスですが、次第に飽きてきます。相変わらず聞けないし、話せないんだけど、なんかつまらない、という。「これが大きな学校だったらクラス替えも頻繁にあったりして、もうちょっと変化に富んだ留学生活になったかも」と思うこともありました。
一点気になったのですが、無断で欠席をする生徒(日本人)が目立ちました。この学校にやってくる日本人学生の99%が日本の特定エージェント経由なのですが、どうやらこのエージェントと生徒との間に誤解があるようです。詳しいことはわかりませんが、どうも現地情報にあまり詳しくない在日スタッフがこの学校を薦めているらしく、3クラスしかないのに「6クラスある」と聞いてきたとか、空港出迎えの連絡が行き届いていなかったといったトラブルを耳にしました。
で、このエージェント経由で来た日本人は、ほぼ全員が来てみて現実にガッカリし、腹を立てたり、不満を言っていました。中には次第に学校に来なくなる人もいました。まあ、それでも逞しくやっている人もいますから、人次第なんでしょうけど、現実とのギャップに学習意欲が急降下してしまうのも分からないではありません。いずれにせよ、このトラブルがこの学校全体的に漂っている「なんとなくやる気に欠けた雰囲気」の一因になっていたことは確かだろうと思います。
それと、月一回行われる筈のエクスカーション(遠足)は、私が居た5ヶ月の間には1回きりでした(ハンターバレー $32)。また、毎週金曜日に行われる筈のバーベキューもありませんでした。引越し先のビルの屋上にバーベキュー施設があるのですが、今後復活するかどうか・・・。いわゆるレクレーションもありませんでした。これからはビルの屋上にテニスコートやバスケットのリンクがあるから、そうした機会があるかもしれませんが。
<寮生活について>
99年1月、アルティモへの学校移転に伴って、校舎附属の寮はなくなってしまいましたが(今は賃貸フラットを寮代わりに利用している)、参考までに。
とにかく安いのが魅力!で決めた寮滞在ですが、不満も結構ありました。大部屋で汚いのは次第に慣れますが(ホームページの写真は奇麗に写ってましたけど)、勉強できる環境ではなかったのには困りました。隣が小学校なので自習室は常に子供の遊び場と化しており、自習室で勉強したかったら夜10時以降でなければ落着いて勉強できません。学校寮の部屋には机がないので皆、ベッドの上でバインダーを机代りに宿題をしたものです。
また、居るはずの屈強なガードマンは居ないし、部屋に鍵はないし、盗難話はよく聞くし、12時の消灯時間すぎても夜中まで酒飲んで騒いでる人はいるし、管理人も来たり来なかったりだし。管理人の中国人は普段は注意する側でいて、中国人が寮に滞在した間はこの人がメインで夜中中騒いでいたし、「自由なのはいいけど、マナーはないんかい?」と思うこともありました。やがて、私も酒飲んで騒いでましたけど(その後、近所からクレームがついて、アルコール禁止になったのでした)。
この寮は学生だけの筈なのに、フラット代りに住んでる地元の人もいるし、バックパッカーもいたりで、なにかと落ち着かないのでした。こんな環境でしたので、勉強はしませんでしたが、いいも悪いも土産話はたくさんできました。
以上、大野恵美子さんからのレポートでした。どうもありがとうございました。
大野さんいわく「語学だけを目的に来られる方にはこの学校は向かないと思います」とのこと。
一般論で言えば、語学学校というものは人の出入りが激しいですから、たまたまそこにいる生徒・先生次第で学校の雰囲気はかなり変わります。特に、規模の小さい学校の場合、概してそこにいる人々の資質に大きく左右されがちという傾向はあるかと思います。ですから、「いつ行ってもそこそこの水準はクリアしている」という意味では、大規模校の方が落ち着いて勉強するには適しているかもしれません。
運悪く「人」に恵まれなかった時は、「これも経験!」と現実に対処していく鍛練と捉えるといいと思います。大野さんは「疑問も不満も自分の口で話して、自分の足で行動する、そういう度胸と技術が不可欠だと実感しています」とおっしゃっています。
大野さんはこれから専門学校に入学し、ビューティーセラピーを勉強されるそうです。今後のご活躍を期待します!
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