海外対応型の人材の養成
日本人留学生も「売り手市場」 就職イベント、出展社5割増(
2011年06月28日 SankeiBiz)
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就職情報会社のディスコは27日、海外の大学に留学している日本人大学生などを対象にした就職イベント「東京サマーキャリアフォーラム2011」を、東京ビッグサイト(国際展示場)で開催した。海外事業の強化に向けて日本企業では、留学経験や海外での職務経験のある人材の採用ニーズが高まっており、前年比約5割増の184社が出展した。イベントは28日まで。
大手企業を中心に、日本の大学に留学する外国人を採用する動きが加速しているが、語学の堪能な日本人大学生も同様に「売り手市場」になっている。 会場では「海外売上比率が5割を超え、英語のできる人材がほしい」(電機メーカー)、「将来は現地法人の幹部候補になってもらいたい」(住宅メーカー)など、各社とも参加した学生への期待感を示した。
ディスコが実施した国内企業へのアンケートによると、12年度に海外の大学などに正規留学した日本人留学生を「採用する見込み」と答えた企業は21.7%で、11年度に比べて約5割も増えた。従業員規模別にみると、1000人以上の大手企業では37.3%に達しており、日本人留学生の採用枠を3割程度持つ企業もある。
ディスコの担当者は「震災で学生の地元志向が強まる中、企業は海外経験で培ったバイタリティーのある学生を求めているのでは」と分析している。
日本人留学生の求人活況 中堅・中小も海外展開に備え(2011年07月27日 日本経済新聞)
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2012年春の新卒採用で、海外にいる日本人留学生の求人を増やす動きが広がってきた。就職情報サービス会社が合同説明会を6〜7月に開催したところ、参加企業は前年に比べて5割程度増えた。海外展開に備え、留学経験者を採用する企業が大手から中堅・中小にも広がっている。
就職情報サービス会社は留学生が帰国する夏休み時期に説明会を開くことが多い。毎日コミュニケーションズ(東京・千代田)が6〜7月に開いた説明会の参加企業は188社と前年比46%増え、08年の144社を上回った。今年初めて開催した大阪と名古屋では「地元の中堅・中小企業の参加が目立った」。
ディスコ(東京・文京)が6月末に東京で開いた説明会には大手や外資系を含め、前年比48%多い184社が参加した。
紹介会社を通じて留学生を採用する動きもある。紹介大手のリクルートエージェント(東京・千代田)に寄せられた求人は6月末時点で52人と前年同期比13%増えた。
海外留学生は就職活動に出遅れやすく、減少傾向が続いてきた。だが新興国の経済成長や円高に伴い、製造業だけでなくサービス・小売業も海外事業を強化。語学力や海外経験を備えた人材を求めている。知名度などが乏しい中堅・中小企業は外国人採用が難しいため、海外留学生の採用を重視する傾向にある。
グローバル人材育成へ留学促進 政府が中間まとめ (2011年06月23日 日本経済新聞)
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政府は22日、グローバル人材育成推進会議を開き、国際感覚を持った人材の育成に向けた政策の中間まとめを決定した。英語教育の強化や留学の推進を通じ、今後10年間で18歳人口の約10%にあたる11万人程度が、20歳代前半までに1年間以上の留学や在外経験を持つことを目指す。
高校では英語のコミュニケーション能力の強化などに力を入れる。大学では在外経験を重視する入試方法を取り入れる。
学生や若手研究者の留学を支援する産学連携の奨学金制度の創設も目指す。
海外留学離れストップへ 経団連、大学生に奨学金 (2011年06月14日 日本経済新聞)
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経団連は13日、海外の大学に留学する日本人学生を対象とした奨学金制度を創設すると発表した。国際的な事業に携わる意欲のある大学生が対象。2012年度から年30人を募集し、1人あたり100万円を支給する。帰国後の就職も支援する。就職活動の過熱などを背景にした大学生の“留学離れ”に歯止めをかけるのが狙いだ。
新制度の名称は「経団連グローバル人材育成スカラーシップ」。制度を8年継続するのに必要な資金は2億4千万円程度となる。経団連の傘下にある財団の積立資産からの拠出に加え、会員企業にも協力を求める。
現在は大学3年生で留学し、4年夏に帰国するケースが多い。就活日程に間に合わないため、経団連は帰国後の学生を対象とした合同就職説明会にも協力する方針だ。
海外留学を考えていますが、就職に不利になりますか?
(
2011年07月06日読売新聞)
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欧米の大学などに留学していた学生が帰国し、この秋の採用試験に向けて就職活動に励んでいます。先日、海外からの帰国生を集めた企業合同説明会に参加しました。学生からいろいろな質問がたくさん出て、こちらも説明に熱がこもりました。前向きで熱意があり、自分の考えをはっきり伝えられる。「元気がない」と言われるイマドキの若者像を吹き飛ばすような姿に、「なかなかやるじゃないか」とうれしくなりました。
2004年以降、海外へ留学する日本人学生の数は減っています。一方、経済成長が著しい中国やインドは海外留学生の数を大きく増やし、人口規模が日本の半分ほどの韓国も海外留学者の実数で日本を上回っています。閉そく感が漂う日本の「衰退」を感じさせる動きです。さらに、海外勤務を希望しない新入社員が増えているとの報告もあります。
こうした若者の「内向き志向」について、学生の皆さん自身はどう感じているのでしょうか。グローバル化が加速する国際社会にあって、「このままでいいのか」と思う人も多いのではないでしょうか。
先月、政府の「グローバル人材育成推進会議」が、国際的に活躍できる若者を育てる政策の中間報告をまとめました。高校生や大学生らの留学を促し、「若い世代では、同一年齢者のうち約10%が20歳代前半までに1年間以上の留学か在外経験を有することを目指す」という目標を打ち出しました。しかし、海外留学が、就職活動に「不利」になる面があることも事実です。欧米諸国の大学では9月入学が主流なため、卒業、学期を終業して帰国したときには、4月の採用試験が終わってしまっている企業が大半だからです。長期の海外留学をする際には、こうしたリスクがあることも踏まえ、帰国後、どの企業が採用に門戸を開いているのか、しっかり情報収集する必要があるでしょう。
読売新聞社では、海外留学生などにも就職の機会を広げるため、春だけでなく、秋にも採用試験を行っています。グローバル人材育成推進会議の中間報告でも、企業に「通年採用」の普及を呼びかけています。今月、東京大学が海外の大学と時期を合わせて「秋入学」の導入を検討していることも報じられました。今後は、国際化に対応して、日本の企業の採用や大学受験の慣行が変わっていく可能性があります。
20数年前になりますが、私も高校時代、1年間米国に留学しました。異文化の中で1人、困難を乗り越える体験を積み、それまでの「日本人としての常識」を疑う思考を身に着けたことが、その後、新聞記者になった自分の人生に大きな影響を与えたと思っています。
海外留学をして「失うもの」と「得るもの」があります。私自身は、得るものの方が大きかったと考えています。しかし、海外留学をするかどうかは、自分自身で決断するしかありません。ただ、失敗をおそれず、「リスクをとり、前に出る」人こそ、大きく成長できる人だと信じます。これから留学するという皆さんには、エールを送りたいと思います。
回答者 小林月照 読売新聞人事部採用担当。
東大、世界競争に危機感 春入学見直しには課題 (
2011年07月01日 日本経済新聞)
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東京大学が入学時期見直しを検討する背景には、秋入学というグローバルスタンダードに合わせないと世界の大学間競争に後れを取るという強い危機感がある。ただ、日本人の生活様式に定着している春入学を一気に切り替えるには課題も多い。
東大によると、2010年5月時点で、外国人留学生は2872人いるのに対し、外国へ留学中の東大生は301人。外国人留学生は01年から約800人増えたが、外国への留学生は一進一退状態が続く。特に外国へ留学する学部学生はわずか48人で、「タフな東大生の養成」や「グローバルキャンパスの形成」を行動シナリオに盛り込む東大の悩みのタネだ。
一見、順調な外国人留学生の受け入れでも、全学生の7.6%(09年)にすぎず、シンガポール国立大学(30%)、オックスフォード大学(29%)、ケンブリッジ大学(27%)、マサチューセッツ工科大学(27%)など世界の有力大学に比べ明らかに見劣りする。
国際化の遅れの一因が、世界の潮流に反する春入学・春卒業だという指摘は以前から根強い。例えば一学期の短期留学をしたくても学期の開始・終了時期が異なるため、無駄な時間が必要になる。留学生が増えないのは、若者の“内向き志向”だけが要因ではない。
秋入学のもう一つの狙いは合格(高校卒業)から入学までに生じる“空き時間”を、日本版ギャップイヤーとして活用できることだ。英国では高校を卒業後、翌年の大学入学までの16カ月間を社会見聞を広げる猶予期間として活用するギャップイヤーが定着している。ギャップイヤーを経験すると進学目的が明確になり、学習に対する意欲が高まり中退率なども下がるとされる。
ただ、「入学式は桜が満開の時期」という季節感は日本社会に深く定着しており、これまでも秋入学の必要性が指摘されながら、定着しなかった一因となっている。企業・官庁の採用や国家試験も春入学・春卒業を前提に日程が組まれており、東大だけでは対応しきれない課題も多い。
ギャップイヤーも、社会体験やボランティア活動、短期海外留学の受け皿が確保されなければ、“無為の時間”を生むだけで終わりかねない。
具体化までに検討すべき課題は山積してはいるが、この問題が日本の大学の国際化のために避けて通れない課題であることは間違いない。他大学とも連携しながら実のある議論を期待したい。(編集委員 横山晋一郎)
「大学の秋入学に賛成」79%〜東大が「国際標準」に合わせることを検討(
2011年07月13日 日経ビジネスON LINE)
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世界を見渡すと、大学に限らず、学校への入学時期は秋のところが多いようです。そこで、東京大学が「国際化」を目指し、入学時期を春から秋に移行する検討を始めました。この動きに賛成か、反対か、うかがいました。
何と、78.5%もの方が「賛成」。反対は11.8%にとどまりました。
賛成の理由は、「海外の留学生が来やすくなる」(62.8%)、「日本の学生が留学しやすくなる」(59.9%)という上位2つが留学関係でした。そして、「通年採用など、企業の採用形態が多様化する」の54.5%が続きます。若者に、海外を目指さない内向き志向が強くなったと言われますが、回答者は日本の課題としての国際化を強く認識しているようです。
一方、反対の理由では、やはり、春から始まる現状の学校制度との不整合を問題視する声が多いようです。仮に小中高の制度が今までのままで大学だけ秋入学になれば、その間に半年間の「空白期間」も生まれます。この時間を有意義と見るか、無駄と見るかで判断が分かれるようです。
(有効回答数493)
海外留学:268名の奨学生決定 さいたまで壮行式 /「埼玉発世界行き」(
2011年8月6日 毎日新聞 )
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埼玉県が今年度に初めて実施する留学生向けの奨学金制度「埼玉発世界行き」で、留学費用の補助を受ける奨学生268人が決まった。壮行式が5日にさいたま市で開かれ、上田清司知事は「現地でいろんなものを身につけて、日本と埼玉の文化を広げていただきたい」と激励した。
年間最大100万円を給付する「学位取得コース」には23人の応募があり、11人が選ばれた。半年以上留学する大学生に20万円を支給する「協定留学コース」には304人が応募し、226人が決まった。3カ月以上の留学に年間最大60万円を支給する「高校生留学コース」は希望した31人全員に支給される。渡航先は、米国が124人で最多、ドイツ23人▽カナダ22人▽イギリス19人の順。
壮行式では奨学生の代表4人があいさつをし、台湾に留学する東京国際大の渡辺由梨さん(2年)は「台湾の文化を学び、台湾の視点から日本文化も考えたい」と語った。
短期留学 広大が支援(
2011年8月12日 読売新聞 )
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1年生5万円で豪・ベトナムへ
海外への留学生が全国的に減っている中、学生の負担額5万円で約2週間の留学ができる広島大の支援制度が、成果を上げ始めている。就職活動もまだ先で、時間にゆとりのある1年生を対象に昨年度からスタート。残りの必要な費用(10万〜20万円)を大学側が出し、返済は不要という手厚さも奏功し、募集枠の4倍近い希望が寄せられるなど好評だ。(島田喜行)
文部科学省によると、海外の大学などに留学した日本人学生は、2004年の約8万3000人をピークに減り、08年は約6万7000人になった。不況で危機感を強めて就職活動を早く始め、留学に充てる時間を惜しむ学生が増えたのも要因とみられている。
広島大でも留学する学生はここ数年、120人前後で推移。海外から受け入れている留学生が1000人を超すのに比べ、かなり少ない。海外の大学との提携など国際化が進む反面、学生が積極的になりにくい現状を変えようと、1年生を対象に14〜16日間の短期留学支援制度を設けた。
留学先は、短期留学生の受け入れ実績がある豪州のラ・トローブ大や、交流協定を結んでいるベトナム国家大ホーチミン市校。希望者を募ったところ、昨夏の初回(定員20人)は54人、3月の2回目(24人)は41人が応募。帰国後に長期留学を計画したり、国際協力を考えるサークルを作ったりするなど、学生の意識の変化も見られるという。
23日からの3回目(同)にも91人が応募。広島大は14年度までの5年で500人の学生を留学させたい考えで、「留学経験は視野を広げて成長の糧になり、就職する際のアピールにもなるはず」としている。
海外留学に再び脚光 採用枠拡充・円高で脱「内向き」〜登録・相談2〜3割増 大学も後押し(
2011年8月19日 日本経済新聞)
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低迷が続いた大学生の海外留学が回復しつつある。
留学あっせん会社への申し込みや相談は前年に比べ2〜3割増えた。最近は就職活動の開始が早まり、出遅れを懸念した学生の間で留学離れが続いていた。しかし、企業が語学力や国際性を備えた人材を積極的に採用する姿勢を強めたことや、円高で費用負担が軽くなったことで学生が再び留学に目を向け始めた。
人材サービス大手、テンプグループで留学あっせんを手掛けるテンプ総合研究所(東京・渋谷)では、来春以降に米国や英国の大学で学ぶコースへの申込者数が1年前と比べ3割増のペースだ。英語力が重要になるとの判断のほか、円が2007年に比べ対ドルで約3割、対英ポンドで5割上昇したのも追い風になった。留学あっせん大手、留学ジャーナル(東京・新宿)の1〜6月の大学生の相談者は前年同期比約2割増えた。1〜3年生が短期留学を希望する例が多い。
就職情報のディスコ(東京・文京)は留学支援のニーズが高いと判断し昨年参入した。留学ジャーナルの推計では10年の留学生(語学留学を含む)は約18万3000人で前年に比べ18%増加。今年はさらに伸びるとみている。00年のピークの19万4000人から09年には15万人台まで減少していた。文部科学省の調査でも留学生は08年まで4年連続で減少。就職活動の早期化や、学生が内向きになり挑戦意欲が低下したことなどが指摘された。日本企業はグローバルな視点から採用活動を見直している。
KDDIは12年春の新卒採用で「グローバル(新興国開拓)コース」を新設。
留学経験者などを積極評価し、入社後は海外事業関連部門に優先配置する。採用予定数の約1割にあたる20人程度を同コースで選ぶ。イオンは11年度からの3年間で日本のほか中国などアジア中心に1万人超を採用する計画。留学生や外国語の話せる人材を優先して採る。ユニクロを展開するファーストリテイリングやソニーなども社員の国際経験や語学能力を人事面で重視する方針だ。
大学も学生の海外留学を後押しする。
早稲田大学は交換留学プログラムを拡充。10年度の海外派遣留学生数は長期・短期合わせて1686人と前年度(1489人)を大幅に上回った。東京大学も15年までに全学生が海外留学や派遣を体験できる体制を整えるのが目標だ。今年5月時点では留学中の学部生は53人と全体の約0.4%にとどまる。留学プログラムや留学情報説明会を拡充して目標の達成を目指す。
留学費用は、就活で取り戻せるか〜大手企業4割が「海外留学経験者採用したい」(
2011年08月21日 MONEYzine)
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海外への留学を希望する学生は少なくない。リクルートが今年3月に高校を卒業した日本全国の8万544人の男女を対象に実施したアンケート調査によれば、「大学生活中に海外留学をしてみたい」との回答者が、大学進学者全体の32.8%を占めた。女子学生に限ってみれば、38.9%と約4割となる。
留学希望理由のトップに挙がったのは「自分の視野や考え方を広げたい」で、僅差で2位に「英語や外国語の上達」が入った。「外国の価値観や文化などへの理解を深められる」や「就職の時に有利になる」といった希望理由も目立っている。
一方で海外留学を思いとどまる理由としては、「留学にかかる費用が高いから」が男女ともにトップ。留学のメリットは認めるものの、金銭面での要因から手が出ない大学生も少なくないようだ。
しかし、実際にコスト面で多少の犠牲を払ったとしても、海外留学から得られる恩恵は大きいようだ。ディスコが6月に全国の主要企業1万6718社を対象に実施した、2012年3月卒業予定者の採用活動に関する調査結果によると、「海外の大学で学んでいる日本人留学生を採用していきたい」との意向を示した企業が全体の23.7%に上った。
従業員規模別に見れば、1000人以上の大手企業の約4割が「ぜひ海外留学経験者を採用したい」との積極的な姿勢を前面に打ち出している。また、過去に実施された同様の調査と比較して、とりわけ留学経験者の採用を望む企業は増加の一途をたどっているという。
海外留学はもちろん容易ではないが、かかるコストに十分に見合うだけのメリットは期待できそうだ。
若者に留学志向が再燃 語学力+異文化体験で強み(
2011年09月01日 MSN産経ニュース)
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海外への留学を希望する学生は少なくない。リクルートが今年3月に高校を卒業した日本全国の8万544人の男女を対象に実施 減少が続いている日本人の海外留学が回復の兆しを見せている。学生や新入社員らが留学や海外勤務に消極的として「若者の内向き志向」が指摘されてきたが、今年に入り海外留学の説明会参加者や斡旋(あっせん)業者への相談者が増加。語学力やビジネススキルに磨きをかけようとする若者が増えてきた。就職難に加え、企業のグローバル化が加速していることで学生らの意識が高まっているようだ。(豊田真由美)
相談者2、3割増
海外留学のコンサルティング事業を手がける留学ジャーナル(東京都新宿区)では、今年1〜3月の長期・短期留学の相談者数が大学生・社会人ともに昨年より2、3割増えた。相談者数は例年5月にピークを迎えるが、今年は東日本大震災の影響で1カ月ずれこみ、6月は昨年比26%増。ピークを逃した3〜5月もほぼ前年並みで推移した。
ウィッシュインターナショナル(新宿区)でも、5月下旬に東京・六本木で開催した「留学フェア2011春」が盛況。「当日は悪天候だったにもかかわらず、来場者が昨年より2割程度多かった」(同社)。4〜9月出国の顧客も昨年同時期の約110%に伸びるなど好調だ。長期留学を希望する学生の間では、海外の大学で取得した単位を在籍中の大学の単位として振り替えられる認定留学制度を利用し、3年次の1年間、休学して英語圏へ行くケースが増えているという。
埼玉県越谷市の大学2年、牧田桂一郎さん(19)は来年2月から1年間、カナダに留学する。語学学校で数カ月間、英語を集中的に勉強した後、英語での電話応対などを学ぶ「ビジネスコミュニケーション」を受講。その後、貿易業のインターンシップなどを通じ、物流に関する知識を深めるつもりだ。ただ、「帰国後の就職活動では希望職種を貿易業に限定しない」と視野は広い。
同社によると、牧田さんのように現地でのインターンシップやボランティア活動を希望する留学生が圧倒的に多い。「インターンシップは就業体験として就職活動でアピールポイントにもなる。今後はボランティアの経験も評価されるのではないか」(同社)
企業のニーズに対応
日本人の留学者数は平成16年をピークに減少が続いている。文部科学省の集計によると、20年に海外の大学などに留学した日本人は前年より11%少ない6万6833人。学生の「内向き志向」、不況、就職活動の早期化などの影響が指摘されていた。
一方、企業側には、英語を社内公用語にしたり、特定の役職以上への昇進にTOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)で一定の点数を取得することを必要条件とするなど、社員に対し明確に語学力を求める動きが出てきた。
留学ジャーナルの調査でも、相談に訪れた大学生の8割が「企業のグローバル化の流れが自身の留学に影響を与えている」と回答。海外の教育機関もこうした流れをくみ、ウィッシュ社が10月に東京・大阪・名古屋で開催する留学フェアへの参加希望校が43校から52校に増えた。同社は「ビジネスの場では異文化体験が語学以上に重要になってくる。自己主張の激しい社会に身を置いた経験は(外国人を交えた)ビジネス会議の運営などでも生かされるだろう」と話す。
◇
■大学生の8割「企業のグローバル化が留学に影響」
留学ジャーナルが6月に同社のカウンセリングセンターを訪れた相談者140人に実施したアンケートによると、「企業のグローバル化の流れはあなたの留学に影響を与えていますか」との質問に、大学生の80%、社会人の67%が「そう思う」「ややそう思う」と答えた。「留学で身につけたいもの」(複数回答)としては「語学力」「コミュニケーション能力」「海外経験」の順に回答が多かった。
海外留学支援で大学に100億円 交渉力育成、文科省(
2011/09/29 共同通信)
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文部科学省は28日、国際社会で活躍する人材を育成するため、海外留学への環境づくりを積極的に進める大学に大幅な財政支援をすることを決めた。補助金の創設に向け、来年度予算の概算要求に100億円超を盛り込む方針。
海外留学で多くの人と交流し、高い語学力と交渉力を備えた学生を育成することが将来の国際競争力に直結すると判断した。各大学から計画を募り、50〜60校を対象に1校当たり年間2億〜4億円を補助する。支援の対象を高校生に広げることも検討している。
文科省が想定しているのは、留学した大学の授業で困らない程度の英語や中国語などの会話力を付ける講座開設など。
若者よ、世界の舞台へ 東京都が留学支援の新組織 (
2011/12/23 日本経済新聞)
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東京都は2012年度から、若者の海外留学支援を強化する。次世代のリーダー育成を目的とする新組織を立ち上げ、20年度までに延べ3千人の都立高校生を海外の大学に派遣。海外留学する日本人の減少に歯止めをかけ、国際感覚豊かで優秀な人材を増やす。
12〜20年度の都政に関する新たな長期計画「2020年の東京」に盛り込んだ。来年度に都立高生向けの受け皿として「次世代リーダー育成道場(仮称)」を設け、相談から留学、帰国後の成果報告まで一貫して支援する体制を整える。留学時の単位は認定し、3年間で高校を卒業できるようにする。初年度は150人の派遣を目指す。
また、家具や服飾、製菓、料理など若手職人の技能向上も支援。海外でレベルの高い研修を受けられるような仕組みをつくるほか、大学生の留学も増やし、都立高も含めて延べ1万人を海外に送り出す。
大学からの海外留学2%どまり 小規模校は熱心(
2011/12/23 朝日新聞)
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昨年度1年間、全国の大学が単位認定する「留学・研修プログラム」で海外に送り出した学生は全体の2%であることが、朝日新聞社と河合塾の「ひらく 日本の大学」調査でわかった。大規模校で低率なのが顕著だ。一方、高率なのは小規模校で、「国際化」に熱心な様子がみてとれる。
調査は、全国の国公私立大学759校を対象に今年秋実施し、585大学から回答があった(回収率77%)。企業などから国際的に活躍できる人材育成を求められ、国際化への対応は大学の大きな課題となっている。調査では、単位認定する留学プログラム(留学、研修、短期も含む)で2010年度に海外に送り出した学生数をきいた。合計は4万2500人だった。海外への送り出し数を大学のデータをもとに把握したのは今回が初めて。
留学者の率は、国立が1.1%、公立が2.6%、私立が2.3%で、国立で進んでいない。1学年あたりの学生数でみる規模別では、3千人以上が1.7%、1千〜3千未満が1.9%、300〜1千未満2.4%、300未満が4.4%となり、大規模大学ほど低かった。回答を寄せていない東京大を除く旧帝国6大学は平均で1.2%にとどまった。
これのやや詳しい関連記事で、
大学生の海外留学、2%と低調(
2012/01/02 全国私塾情報センター)があり、これによると、
朝日新聞(12月23日付)は、2010年度の1年間、全国の大学が単位認定する「留学・研修プログラム」で海外に送り出した学生は全体の2%であることが、朝日新聞社と河合塾の「ひらく日本の大学」調査でわかったと報じた。
大規模校で低率なのが顕著だ。一方、高率は小規模校で、「国際化」に熱心な様子がみてとれる。
調査は、全国の国公私立大学759校を対象に今年秋実施。585大学から回答があった(回収率77%)。調査では、単位認定する留学プログラム(留学、研修、短期も含む)で2010年度に海外に送り出した学生数をきいた。合計は4万2,500人だった。海外への送り出し数を大学のデータをもとに把握したのは今回が初めて。
留学者の率は、国立が1.1%、公立が2.6%、私立が2.3%で、国立が少ない。1学年あたりの学生数でみる規模別では、3千人以上が1.7%、1千〜3千未満が1.9%、300〜1千未満2.4%、300未満が4.4%となり、大規模大学ほど低かった。回答を寄せていない東京大を除く旧帝国6大学は平均で1.2%にとどまった。
高率なのは、個別には国際教養大(秋田県、公立)が99%と際だつほか、宮崎国際大(私立)31%、東邦音楽大(埼玉県、私立)26%、群馬パース大(私立)24%、天理大(奈良県、私立)20%。1割を超えている大学には、地方の小規模大や音楽大、福祉系大、外国語系大が目立つ。
今回の朝日新聞社・河合塾調査では、日本の大学が把握していない高校から海外の大学に留学した例などは含まない。
東大、秋入学に全面移行 5年後めど 春入試は維持(
2011/01/18 msn産経ニュース)
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入学時期の見直しを検討している東京大学(浜田純一総長)の懇談会が学部の春入学を廃止し、秋入学への全面移行を求める中間報告をまとめたことが18日、分かった。世界各国の大学の7割が実施している秋入学を実現することで、国際化の推進と入学前の学生に半年間、多様な経験を積ませることなどが狙い。
今後、学内で合意形成が得られれば、経済界などへの説明と告知期間を経て早ければ5年後の導入を目指す。ただ学内には異論もあり、実現には曲折も予想される。
文部科学省では「海外への人材流出を防ぎ、国際競争力が向上する」と歓迎の声が出ているが、実現すれば企業や官公庁の採用活動や他大学の入学時期にも影響を与える可能性がある。
中間報告では、秋入学が一般的な世界各国の大学とのずれが「学生や教員の国際交流を制約している」と指摘。世界の有力大学が繰り広げている優秀な学生や教員の獲得競争に危機感を示し、実現へ向けた早期検討の必要性を訴えている。
入試自体は現行通り春に行うとした上で、高校卒業から秋入学までの半年間に、ボランティアなどを積ませることで、受験競争で染みついた偏差値重視の価値観をリセットし、大学で学ぶ目的意識を明確化できると指摘。就学期間中も留学や体験活動などを入れて卒業までに4年半〜5年かけるとした。
具体的には、現行と同じ2学期制で、1学期と2学期をそれぞれ(1)9〜12月、3〜6月(2)9〜12月、2〜5月(3)10〜1月、4〜7月(4)10〜1月、3〜6月−の4パターンを想定した。
東大の懇談会の中間報告を受けて、京都大と大阪大も今後、秋入学について慎重に検討することを表明しており、他大学に波及する可能性が出始めた。
大学秋入学、企業が評価 東大全面移行へ提言(2012年1月19日 日本経済新聞 )
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東京大学(浜田純一学長)の懇談会は18日、秋入学への全面移行を求める中間報告(まとめ)を経営の重要事項を審議する経営協議会に提出した。実現に向けては学内の合意形成とともに他大学の協調がカギだが、九州大が同日、検討組織の発足を表明するなど呼応する動きも表面化した。波紋は産業界にも広がり、グローバル展開する大手企業などからは積極的に評価する声が聞かれた。
通年採用や留学生の採用を積極化している企業や産業界からは中間報告を評価する声が聞かれた。商社でつくる日本貿易会(槍田松瑩会長)は「海外留学などを通じて学生が学業に一層専念できる環境づくりが大学側で検討されていることを歓迎する」とコメントした。
経団連の米倉弘昌会長は18日、「歓迎する」と評価したうえで、企業側の対応として「実施されれば採用活動も変わらざるを得ない。(高校卒業から入学までの)6カ月の間に留学やボランティア活動をすれば、それを選考に反映させる必要もある」と述べた。
銀行や保険会社は「ほかの大学も追随する可能性があり、まずは動向を見極めたい」との立場だ。メガバンクは「現在も秋に卒業する海外留学生などは通年採用枠で選考している。そうした制度を活用するかもしれない」。日本生命保険は卒業から入社までの半年間のギャップについて「インターンシップなどを通じて企業や職業理解を促す機会にできればいい」と前向きに受け止める。
「労働人口減る」
一方、全国地方銀行協会の中西勝則会長(静岡銀行頭取)は18日の記者会見で「卒業まで4年半、5年となると1年間労働人口が減る。そういうことが起きなければいいなと思う」と懸念を示した。
電機、自動車など大手メーカーや流通大手はすでに海外大学卒業者を対象に秋採用を行っており、採用活動への影響について心配はないという。
日本自動車工業会(自工会)幹部は「東大の国際競争力を高めるための動きとみている。自動車大手各社はこれまでも秋卒業の海外大学出身者を採用するなど、優秀な人材の獲得には積極的だ。一括採用の時期から外れても学生の就職に不利に働くことはないのではないか」との見方を示した。
楽天は2010年10月から秋採用を行っており、東大が秋入学に全面移行しても採用活動への大きな影響はないとしている。ソニーも「通年で社員を柔軟に採用できる体制を整えている」という。
イオンは11年から、国内外で通年での採用活動を始めた。日本人を含め国境を越えて仕事をするグローバル人材を3年で2500人採用する計画。ファーストリテイリングは毎年、1500人のうち1200人を海外で採用する方針で、国内の新卒以外の人はいつでも入社できる体制にしている。
「競争力を強化」
「海外の優秀な留学生を国内で幅広く募集でき、産業界の競争力強化にもつながる」(リコー)との指摘もある。キリンビールは「留学などの様々な活動にチャレンジする機会が増えることで、学生の国際化や多様化が進むきっかけになる」。花王の採用担当者は「日本の学生だけでなく、海外留学生を含めると卒業の時期は多様化している。卒業時期に合わせた採用選考にシフトするきっかけになりそうだ」と受け止めている。
人材大手のリクルートは「留学生の受け入れや送り出しの機動性が高まることは、新卒採用をする企業の立場からは良いこと」と分析している。
海外留学6万人割れ、2009年5年連続減 「不況や内向き志向」で (2012年1月21日 日本経済新聞 )
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2009年に海外留学した日本人は前年より6910人少ない5万9923人だったことが20日、文部科学省の集計で分かった。5年連続の減少で、ピークの04年と比べると約2万3千人(28%)減っている。文科省は「長引く不況と、就職活動の早期化から日本の学生の内向き志向が続いている」と分析している。
一方、日本学生支援機構は、日本の大学などに11年5月時点で在籍する外国人留学生が前年より3699人減の13万8075人と発表した。5年ぶりに減少に転じており、東日本大震災の影響とみられる。
日本人の留学先で最多は米国の2万4842人。次いで中国1万5409人、英国3871人、オーストラリア2701人など。
日本に来ている外国人留学生の出身国・地域別では中国の8万7533人がトップで、韓国1万7640人、台湾4571人と続いた。アジアが占める割合は前年比1.1ポイント増の93.5%。
外国人留学生が多い都道府県は東京の4万3188人、福岡1万635人、大阪1万325人、愛知6706人の順。
受け入れ大学別では、早稲田大が3393人で最多。日本経済大3378人、東大2877人と続いた。〔共同〕
注:この記事は「別の意味」で注目に値します。
2012年現在に、なぜ2009年の集計が出てくるのか?です。この
2012年 世界経済の動向とオーストラリアへの留学、ワーホリについて (その2)で紹介した統計でもわかるように、オーストラリアでは既に2011年6月までの統計が出てます(それも2011年内に)。それほど難しい集計でもあるまいに、どうして日本の官庁はこんなに仕事が遅いのか?この事実の方がよっぽど「ニュース」だと思います。
第二に、統計の内容が不正確です。2009年頃の日本人のオーストラリア留学生数は6836人ないし6374人です。オーストラリアの会計年度は7月〜翌年6月なので集計時期が違いますが、それにしてもこの記事でいう「2701人」とはまるで違います。「語学留学(ELICOS)だけ」というのなら大体その位の数字ですが、留学には大学・院・専門学校・小中高校など多様なものがあり、合算すれば同時期に6500人前後はいます。数それ自体は、国家として学生ビザを発行しているオーストラリアの方がより正確と思われ、記事の数字と説明だけだったら「デタラメな数字」と酷評できなくもないです。
もっといえば、どうやって集計したのか書いてません。そもそも集計可能なのか?各国大使館から学生ビザ発行数を聞いたのか、各大学から集計したのか?入国と違って出国の際には「出国の目的」を問われませんし、問われたところで正確に皆が答えるとも限らない。さらに、学生ビザを取らなくても観光ビザで留学できる場合も多々あり、ビザだけでは確定できない。旅行代理店や留学業者から集計するのも迂遠だし、利用しない人だっている。だから日本に限らず国民の留学生数というのは最終的には不明な筈です。その意味では、不正確というよりも「不明確」だというべきでしょうか。
また、その解説も「就活の早期化」や「長引く不況」と書かれており、現時点で読むと納得できちゃいそうですが、ちょっと待って。2009年段階においてはリーマンショックが起きた直後であり不況はまだ「長引く」というほどでもなかった筈です。また就活についても、全留学生が日本の大学生であるわけもなく、また僕らのオーストラリア留学現場の感覚で言えば、留学生のうち大学在学生の比率はそれほど高くないです(半数にも到底及ばない)。
以上のことから、文科省の発表ないし報道機関の要約どちらのせいだか分からないが、「デタラメとも思える数字を、不適当な解説とともに、2年遅れで今頃発表している」ことになります。
これを合理的に説明しようとするならば、もしかしたら「各大学から留学目的で休学した学生数を集計して出した数字」なのかもしれません。
しかし、仮にそうだとすれば、「大学生の留学だけを”海外留学”と呼ぶ」という不文律でもあるのでしょうか?でも、なぜそう思うのか?「大学→新卒採用→定年以外に人生の選択肢はない!」という固い信念があるのか、単に世間が狭いだけなのか。20年以上前から転職を機に留学を志す人(社会人留学)も多いし、割からいえばそっちの方がずっと多いです。18年前の僕自身そうだったし、僕が通っていた当時の語学学校の日本人達も殆どがそうでした。にも関わらず「大学からの海外留学」だけを議論の俎上に乗せようというのであれば、時代の変化にぜーんぜん対応できてないのではなかろか?それとも社会に出てからは文科省ではなく厚労省の所管だから関係ないと思ってるのかしらん。
日本のお役所情報はあまりアテにならないと常々思っていたのですが(昨今の原発関係で特にそう感じる人も増えたかもしれないが)、「それにしてもすごいな〜」と感心してしまいました。このことから逆に学ぶべきは、今更ながらデーター吟味の重要性です。将来を考えねばならないのに、2年前の腐った情報(事実間違ってるし)をもとにしてたら覚束ない。ちなみに、その後の統計、10年、11年とさらに逓減してますから、オーストラリアに関する限り「5年連続」は「7年連続」に確定です。2年後のニュースが今分かるという(^_^)。
もう一つ言えば、日本に来ている外国人留学生数については「11年5月時点」という「速報値」が出てるわけですが、外国人留学生14万弱VS日本人留学生6万弱ということで、来ている外国人の方が2倍以上多いのですね。もうそこまで時代は進んでいるのかと、そこは興味深かったですね。日本で「留学業者」といえばアウトバウンド(出国)業者だったのですが、純粋経済的に言えばインバウンドの方が主流になっているきているのか、と。このトレンド変化の方が大事だと思いますし、ビジネスチャンスのヒントにもなるでしょう。つまり外に出て行く日本人を世話をするよりも、日本に来ている外国人の世話をする方がお金になりやすいのでは?ということです。
ところで、「速報値」といいましたが、11年5月ですから半年以上遅れているわけで、それですら仕事が遅い。あのレイジーなオーストラリアに日本が事務処理速度で負けてどうするんだ?という気がします。税金使って何やってるんだ?とちょっとムっとしました。速報値は文科省ではなく日本学生支援機構の発表ですが、この機構も文部科学省所管の独立行政法人だからおなじようなものでしょう。
一方、マスコミも右から左に垂れ流すのではなく、なぜ僕ですら思いつくような複数の視点から報道しないのでしょうか。2009年の数字が足かけ3年遅れで出てくるなんて、普通に考えたら遅くないですか?まあ、「囲み記事」の狭い紙面にそこまで書きこむスペースがないということでしょうか?でも、WEB版だったら「紙面」というスペース上の制約はないしょう?
話が逸れて恐縮ですが、常々、なんで新聞のサイトは、ネットという新しい媒体がありながらも、紙印刷と同じ発想で編集しているのか不思議に思ってました。紙印刷では確かにスペース制約はあるけど、WEBには無い。だからもっと詳細に書き込むことが出来るし、リンクやタック(このページのようにクリックすると続きがでてくるJavaScript)など幾らでも面白く展開できるでしょうに、と。これは余談でした。
若者が海外留学をしたがらない原因は、
日本企業の内向き体質にある (
2012年01月31日 ダイヤモンド・オンライン - )
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わが国の最近の傾向として、海外留学を志望する学生が減っており、2004年に比べると2008年では全体で2割に減少したという。常時、わが国の海外留学生の3分の1以上を占めている米国への留学生に限って見ると(2010年度)、米国への留学生が多い国は、中国がトップで15万7000人(対前年23.5%増)、以下、インド、韓国、カナダ、台湾、サウジアラビアと続き、日本は第7位、2万1000人(対前年14.3%減)でしかない。これは、学生数で見ると、中国の約7分の1、わが国のピーク時(1997年度)のわずか45%の水準でしかない(以上の計数は、朝日新聞2012年1月29日朝刊による)。
留学生の減少で困ることは何か
ところで、このような海外留学生の減少傾向は、わが国の将来にどのような影響を及ぼすのだろうか。私見では、長期的に考えると、外交や安全保障面での影響が最も大きくなるのではないかと懸念する。外交の巧拙や一国の安全保障は、つまるところ、他国に仲の良い頼りになる友人がどれだけいるかということによって、大きく左右される。
有名な事例を一つ挙げてみよう。明治政府の国運を賭けた日露戦争が、比較的上手く終結に持ち込めたのは、伊藤博文の使命を受けた金子堅太郎の米国におけるさまざまな活動が預かって力があったからである。そして、金子堅太郎の活動を支えたのは、当時のアメリカの大統領、セオドア・ルーズベルトとの友情であった。この二人が友情を育んだのは、金子堅太郎がハーバード大学に留学していた時代であったことは言うまでもない。
わが国では、隣国中国の国力の増大に対抗する観点から、「アメリカと共同して中国に当たろう」という戦略(?)を、喧伝する人が後を絶たないが、留学生が中国の7分の1のレベルで、どうして日米連携が米中連携に勝てると考えられるのか、摩訶不思議でならない。
ペリー提督の来航目的が、中国との新航路開設を狙ったものであったように、歴史的に見ても米国は中国への関心が高い国であることを忘れてはならない。確かにわが国は米国と軍事同盟を結んでいる。しかし、いかなる同盟であれ、同盟の内実を強固にするものは、両国の人間関係(人的交渉)を置いて他にはないということは、数多くの歴史が教える通りである。
以上に述べて来たことは、何も外交や安全保障に限った問題ではない。ビジネスでも結局は同じことではないか。
日米の金融機関の収益力格差はかなり大きいものがあるが、実は経費率ではそれほど違わない。差は利鞘の大きさにある。一般には、米国の金融機関はリスクを取っているので利鞘が大きくなると説明されているが、実は米国の金融機関は、収益力の高い超優良企業(たとえば、フォーチュン500社)を顧客に抱えているから、結果として利鞘が大きく取れる(≒収益力の劣る企業はそもそも高い手数料は支払えない)と説明する人もいる。
そうであれば、利鞘を高めるためにはフォーチュン500社と取引を始めることが最も手っ取り早いということになる。もちろん、そのきっかけはフォーチュン500社の経営陣に多くの友人を持つことが一番有効であろう。
とりわけビジネスがグローバル化している現在にあっては、世界中に友人を持つことの重要性は、以前とは比較にならないほど高まってきていることは想像に難くない。
要するに、外交・安全保障にとどまらず、ビジネスにおいても他国との人間関係(人的交流)が極めて重要なのである。外交や経済が上手く回っている間はまだいい。まずくなり始めた時こそ、人的交流に意を用いなければならないのである。
英国は大英帝国に陰りが差し始めた頃から、世界との人的交流をさらに積極化させたという人もいる。以って他山の石とすべきではないか。このように考えると、海外留学生の減少は、長期的にはわが国の国益を大きく左右する由々しき問題であると断言せざるを得ないのではないか。
海外留学生を増やすためにはどうしたらいいか
こうした日本人学生の内向きの傾向に対して、国や自治体は海外留学の後押しに力を入れようとしている。朝日新聞(2010年1月29日)によると、文部科学省は新年度予算で海外留学する大学生に支給する奨学金の総額を、今年度の1.6倍となる約31億円に増やし、対象人数も1.2倍にした。また、高校生300人の留学経費を支援するため、約1億2千万円を計上。対象人数を今年度の6倍に増やした。この他、東京都教育委員会も都立高校の生徒150人を留学させるため、新年度予算案に約1億9千万円を計上した、という。
これらの取り組みはいずれも有意義であって、水を差すつもりは毛頭ないが、物事の本質は、決して奨学金の拡充などではないと考える。
そもそも海外留学の目的は何か?国費留学の目的は官僚に海外経験を積ませることにあるが、海外留学生の大多数を占める私費留学は、留学が人生設計上、有利に働くのではないかというインセンティブが留学目的の根底に横たわっていると思う。そうであれば、そういったインセンティブのレバレッジを嵩上げすることが海外留学生を増やす一番の近道ではないか。
具体的に述べれば、わが国企業の採用システムを根本的に見直すことである。筆者は、現在のわが国企業の新卒採用の大宗をなす「青田買い」は税金泥棒のようなものだと、以前のコラムでも断じたが、たとえば申し合わせを行って、経団連傘下の全企業が、「卒業証明書と成績証明書を持参しなければ、採用面接には一切応じない。かつ、採用に当たっては外国の大学の卒業生を優先する」と宣言すれば、一気に海外留学に対する大学生の意識はコペルニクス的転回を遂げるのではないか。
そして、企業にとっても、グローバル展開を図る上で、新卒採用において海外留学生の比率が上昇することは決してマイナスにはならないはずである。新卒採用において、現在のわが国のように年齢制限がある上に「(学部の)青田買い」が何よりも優先される社会では、ともすれば勉学とは無関係な部活経験やバイト経験が優先され、海外留学に二の足を踏む学生が増加することは理の当然である。このことを企業は肝に銘じるべきである。
海外勤務希望者を増やす仕組み作りを
さらにこの問題を深堀りすれば、採用慣行にとどまらないと考える。「最近の若者はだらしがない。海外勤務を嫌がる若者が多い」と嘆く経営者をよく見かける。なぜ、そうなったのか。理由は明白だと思われる。新聞に掲載される企業の新しい役員の経歴を見ると、企画・経理や人事・労務など、本社勤務が長くて経営トップに接する機会の多い人が、主に登用されている事実に気がつく。このような事実を目にした若者の多くが、海外勤務を喜んで志願するはずがないではないか。そして優秀な若者ほど、その傾向は強くなるだろう。
若者(の意識)は大人(の行動)を映す鏡である、要するに若者がだらしがないとすれば、それは大人がだらしがないからである。
海外勤務希望者を増やそうとすれば、たとえばグローバルに展開している企業であれば、社長が一言「当社では3ヵ所以上延べ15年以上の海外経験を積まなければ、一切、部長にも役員にも登用しない」と宣言すればいい。もちろん、これは一つの極論だが、少なくとも新しい役員の一定割合を海外勤務経験者から選ぶような「仕組み」を積極的に企業の中につくっていかない限り、若者の海外勤務希望者が増えることはないだろう。
そして、海外勤務希望者が増えなければ(≒海外勤務そのものにインセンティブを付与することが出来ないのであれば)、結局のところ、(海外勤務時に有利に働く)海外留学生が増えることはあり得ないのである。このように考えてみると、問題の根本はわが国企業の内向き体質にあることが看て取れる。
筆者は、1992年から1995年までの3年間、ロンドンの拠点長として勤務した経験があるが、拠点長同士の会合の話題の大半が「自分はいつ、東京に呼び戻されるか」であったことを今更ながら思い出すこと頻りである。
要するに、わが国企業の内向き体質はこの20年間、少しも変わることがなかったのである。このようなわが国企業の内向き体質が、世界経済のグローバル化に乗り遅れ、株価が20年にわたって低迷を続けている根本原因でなければ幸いである。
最後に、明るいエピソードを紹介して筆を置きたい。一昨日(1月29日)共に議論をしていた大学生から次のようなメールが昨日の朝(1月30日)に届いた。
「今日から、また教育支援プロジェクトを運営しているバングラデッシュに戻ります。4月から休学3年目。バングラデッシュを経由して、ヨルダンでパレスチナ難民の現状視察後、ナイロビからルワンダにバスで入り、コンゴ難民の教育支援をJICAとやってきます」
若者こそが、私たちの未来であり、希望である。
コラム「出口治明の提言:日本の優先順位」
世界各国、広がるシニア留学 リタイア、子育て一段落… (
2012年02月06日 msn産経ニュース)
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50代以上のシニア層の海外留学熱が高まっている。定年退職や子供の独立などを機に、若い頃からのあこがれに挑戦。留学先は若者に人気の欧米にとどまらず、「食べ物や生活習慣などがなじみやすい」と、中国やフィリピン、ベトナムなどアジアにも広がっている。(横山由紀子)
◇
大阪府富田林市の元小学校教諭、中嶋弘子さん(60)は54歳のときに1年間、ベトナム・ハノイに留学した。教師を対象にした長期自主研修制度を利用して休職し一般家庭にホームステイ。ハノイ師範大学で語学や教育、文化などを学んだ。
亡き次男の影響で
「若い頃は仕事と子育ての両立に精いっぱいで、趣味や旅行を考える時間も精神的な余裕もなかった。子育てが一段落し、人生の折り返し地点を意識する年齢になり、思い切ってベトナムへ。日本にいては得られない貴重な出会いがあり、大いに自信がつきました」
ベトナムを選んだのは、約10年前に不慮の事故で亡くなった次男=当時(18)=の影響だった。次男は高校時代に研修旅行でベトナムを訪れ、その魅力を何度も語っていたという。興味を持ち始めた中嶋さんは50歳で語学学校に通ってベトナム語を学び、留学を真剣に考えるようになった。
ただ、「主婦が長期に家を空けるわけですから、留学準備は念入りに行いました。家族の理解や根回し、下準備は大切です」。ゴミの出し方や掃除の仕方、税金などの支払い方法、冠婚葬祭の段取りなど、家事に関するマニュアルを事細かに書き出して1冊のファイルにまとめ、留守を預かる夫に託した。
1年間の留学を実現させた中嶋さんは昨秋、その体験を『おばさんベトナム留学記』(春風社、1575円)として出版。今後、日本語教師の資格を取得してベトナムで日本語を教える夢を描いている。
円高も拍車
平成7年からシニア留学を扱うJTB(東京都品川区)によると「留学を希望するのは女性が多く、リピーターが増えている」(広報室)という。
留学斡旋(あっせん)会社「グローバルパートナーズ・留学サポートセンター」(新宿区)では、45歳以上を対象としたクラスを持つ現地の語学学校と契約し、シニア層の留学をバックアップ。欧米やオセアニアなどのほか、英語を公用語とする地中海のマルタ共和国や、安価で学べるフィリピンのセブ島なども人気だという。同センター大阪支社(大阪市北区)の堀江康照マネジャーは「最近の円高傾向も拍車をかけているのでしょうか。みなさん『若い頃、海外留学にあこがれていた』と熱く語られます」。
海外での学びに第二の人生を模索するシニア層が世界各地に羽ばたいている。
8月に留学者限定就職説明会 経団連、グローバル人材確保を支援(
2012年02月17日 Sankei Biz)
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経団連は16日、8月4日に都内の経団連会館で海外留学経験者を対象にした就職説明会を開催する方針を明らかにした。海外で通用する優秀な人材の獲得につなげる狙い。海外の大学卒または大学院修了の学生や、海外での留学経験を持つ学部4年生や修士課程2年生を集め、経団連会員企業の人事担当者が面談して業務内容などを説明し、希望者には就職の道を開く。
経団連は2012年度から海外奨学生制度「グローバル人材育成スカラーシップ」を導入。政府が国際化の拠点として認定した13大学から選抜した学生に1年間、奨学金を支給し、今後3年間、欧米やアジアなど海外の大学に送り込む。初年度の合格者は59人だが、新たな就職説明会はこうした学生の受け皿になる見通しだ。
東京大学は大学の秋入学を提唱し経済界に採用面での協力を求めている。就職説明会の8月実施は、6月に卒業を迎える秋入学生を側面支援することにもつながる。留学生限定説明会の成果が挙がれば、内向きと指摘される日本人学生の目を海外に向けさせるきっかけにもなりそうだ。
留学経験者向け就職説明会のモデルは、ディスコ(東京)が主催し、毎年秋に米ボストンで開かれている就職説明会「ボストンキャリアフォーラム」。昨年は延べ1万人の留学生と100社を超す内外企業が参加するなど年々規模を拡大している。
超円高の定着で海外に軸足を移した日本企業は、激化する中国や韓国企業との競争に対抗できるグローバル人材の確保が急務で、担当者は「経団連版キャリアフォーラムを創設したい」と意気込んでいる。
東大9月入学論議はコップの中の嵐
問われるべきは教育の密度だ (
2012年02月22日 DIAMOND IT&BUSINESS)
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前回の『データが示す「鎖国へ向かう国・ニッポン」』では教育、経済、外交などの分野における日本の国際的ステータスが低下していることを述べました。今回は海外に目を転じ、それらの分野における諸外国のグローバル人材戦略を見てみたいと思います。
米大学院入学希望者の国別比率が中国45%、インド20%、韓国8%、日本は?
先月シリコンバレーで、当地に拠点を持つ日本の大学の関係者が集まって、「国際化に向けた大学経営」と題する会合が開かれた。参加した日本の大学は20校(国公立大学と私立大学が半々)を超え、学長自らが参加した大学も3校あった。文部科学省審議官(高等教育局担当)、日本学術振興会の理事長も参加された。アメリカ側で参加したのはカリフォルニア大学とスタンフォード大学だった。
カリフォルニア大学総長室で経営企画を担当する副学長が、同大学の取り組みについて基調講演をした。学生一人ひとりの入学選考から、講座の履修履歴、成績、就職、更には実社会に出てからの成功・非成功を追跡調査した膨大なデータベースを作っていた。こうしたデータを元に、カリフォルニア大学が本当に社会に役立つ経営をしているのか、同大学が他の一流大学と比較して競争力を維持しているのかを検証している。こうした取り組みをInstitutional Research(IR)と呼んでいる。
これを受けて日本の大学がIRの実施状況について発表をしたが、総じて抽象的、理念的な説明が多く、数字の発表は年度末の在籍学生数とか教員数とかごく一部に限られていた。学生の実態を時系列で観察したデータに基づいてIRを実施しているところは皆無であった。これは日本とアメリカの文化の違いもあるように思う。この国ではEvidence(実態・証拠)を重視し、Evidence-basedで実証的に検証を行うのが通例のやり方だからだ。
この会議のなかで注目される発言が、スタンフォード大学工学部電気工学科の教授からあった。その教授が属される学科では現在、全世界から応募してきた大学院の入学願書約2000人分を審査する作業を行っているが、そのうち中国からの応募者の比率は45%、インドからの比率は20%、韓国からは8%であった。それに対し日本からは0.35%だった。人数で見るとこの3国とは桁が2桁違うのだ。入学許可が下りるのは150人程度なので、日本からの合格者はせいぜい一名でゼロの可能性もあるという。
この数字を聞いて一同ショックであった。筆者はその後カリフォルニア大学バークレー校工学部の教授から同校工学部大学院への願書動向について聴取したが、その教授が属される学科では日本からの応募者数は応募総数の約0.5%であるとのことだった。ただ、この数字には日本の大学から応募してくる韓国人・中国人留学生も含まれるので、日本人に限ると0.3%以下になるという。両大学で、大きな差はない。
中国人留学生は増加率No.1 日本人留学生は減少率No.1
全米の統計を見てみよう。米国で学ぶ外国人留学生の総数は72万人である。そのうち最大は中国で15万人を占め、2年続けてトップである。2位はインドの10万人、3位は韓国で7万人。日本人は2万1千人程度しかいない。
さらに気になるのは増加率だ。2010年から2011年の間に中国人留学生は23%増加しているのに対し、日本人留学生は14%減少している。中国の増加率はNo.1で日本の減少率もN0.1である。中国人留学生が多いのは米国だけではない。英国、カナダ、オーストラリア、日本でも最大の派遣国になっているし、フランス、ドイツでも第二位の派遣国である。中国の勢いは凄まじい。
一国の経済成長率は留学生の数にも表れているように思う。中国、インドは人口が多いので、これだけ多くの留学生を出しても人口に対する比率では高くない。立派なのは韓国である。人口は日本の半分以下なのに、米国だけで日本の3.5倍の留学生を出している。人口比で見ると9倍になる。これはSamsungの躍進とPanasonic、Sony、Sharpの赤字転落と無縁ではないように思う。日本は海外で活躍できる人材の育成に、大きなお金を使っていないのである。
70−90年代には日本企業は多くの留学生を派遣していた。だが、海外留学経験者・海外勤務経験者を「よそ者」のごとく扱い、社内人事は国内でしか通用しない人材を温存してきた企業があまりにも多かった。日本の市場は人口減少で収縮していく市場である。日本市場だけを当てにした戦略を取り続ければ、縮小均衡になることは分かっていたはずだ。それでも方向転換を図らなかった。失望した社員は外資へ逃げた。
昨年あたりから海外の市場に目を向けなければならないことが、反省点として言われるようになった。だが、かつて投資した人材はいまはいない。あわてて外国人を採用し始めているのだ。ガラパゴス化した人材育成政策が、いまそのツケを払わされている。
米国からの留学生受入数は中国の6分の1 はたして入学時期だけの問題なのか
日本の外国人留学生受け入れ状況はどうであろうか。グローバルに見ると日本は世界で8番目に多くの海外留学生を受け入れている。年間約14万人受け入れている。これは米、英、仏、中、豪、独、加に次ぐ第8位である。だが派遣国は中国、韓国、台湾に偏っている。中国からの留学生が8万6千人と全体の6割を占めている。二位の韓国(2万人)を加えると中韓両国で75%を占める。欧米からの留学生は米国からが一番多いがそれでも2300人(2%弱)である。
では中国の受け入れ状況はどうであろうか。中国の受け入れ規模は26万人で、最大の派遣国は韓国(派遣人数不詳)である。二番目は米国で1万3000人を超えている。そして増加中である。日本への留学生の約6倍のアメリカ人が中国に留学していることになる。この背景には米中ともに9月入学であることが影響しているのかも知れない。
東大は9月入学に変更することによって、どの国からの留学生が増えるだろうか。欧米の大学・高校は9月入学がほとんどであるから欧米の留学生は来やすくなる。中国、台湾も9月入学だから彼らも来やすくなる。逆に韓国は3月入学、オーストラリアは1月入学なので不便になる。では、入学時期の変更で海外からの留学生が飛躍的に増えるのだろうか?
一例を挙げよう。昨年夏に知人の紹介でスウェーデン政府からの国費研修生を受け入れたことがある。シリコンバレーのベンチャー企業で実務研修を受けるために、スウェーデン政府が一ヵ月間の研修資金を出しているのだ。たまたま研修先のベンチャー企業が拙宅の近隣だったので受け入れることにした。
私のところに滞在した留学生は父親はスウェーデン人で母親は日本人のハーフだった。日本語はペラペラ。母親の強い勧めで、高校二年生から日本の高校に編入して日本語を猛烈に勉強した。そして東大の文科II類にめでたく合格。しかし彼は一学期在学しただけで退学してしまった。そしてスウェーデンに戻り難関の医学大学に9月入学し、いまは外科医になることを目指して勉学に励んでいる。
私は彼に、何故東大を中退したのかを訊ねた。彼は素直に言った「時間の無駄だった」。学生は勉強しないし、授業から学べるものも少なかった。こんな生活を送っていては世界水準に置いてきぼりにされるのではないかと、焦りを感じたと。この理由は良く分かる。
日本の大学とアメリカの大学、教育密度の圧倒的な差
筆者の経験から推しても、日本の大学とアメリカの大学とでは教育の密度が違う。MITでの大学院生活は高校生時代に逆戻りしたようなものだった。宿題と試験がある上に、予習が大変である。授業が終わると、次回授業までに読んでおかなければならない文献を山ほど渡される。文献は一冊の本であることは稀で、指定された章とかページとかであるが、これを読んでおかないと次回授業についていけない。次回授業は読んだことを前提に始まるからだ。
しかも、一学期の成績の平均点がB(日本の「良」に相当)を下回ると即時退学になる。Cを取ったらAを取って挽回しなければならない。息が抜けないのである。だから金曜日の夕方には一息入れるためにパーティーで発散する。土曜日には寝溜めをする。日曜日は次の週の準備に取り掛かる。図書館は、準備に追われる学生で一杯になる。図書館に寝袋を持ち込んで仮眠しながら24時間勉強している学生もいる。
先述のスタンフォード教授は、学力格差は大学からではなく高校から始まっていると指摘される。米国にはAP(Advanced Placement)と言う制度がある。高校が大学の教養課程レベルの授業(AP)クラスを設け、そこで優秀な成績を取れたら、大学入学後に大学の単位として認められる制度だ。各科目に4段階ぐらいのレベルがあり、理数系の得意な生徒は数学、物理、化学、生物の各レベルを集中して取り、最上級レベルのAPに挑戦する。
一流大学は受験生のAPの取得状況を見て合否を決める。進学率の高い高校ではAPを教える先生を置いている。昨年APを取った学生は全米で180万人に上るという。高校の一学年の就学生は約400万人だから相当な比率になる。伸びる子はどこまでも伸ばしていこうとする、実にアメリカ的な制度だ。この結果、日米の一流大学のトップクラス同士で入学時学力を比較すると、日本は米国に2年ぐらい遅れているのではないかと同教授は推測される。
日本の大学生は勉強しない。中央教育審議会の資料によると、日本の大学生の勉強時間はアメリカの大学生の半分と見ている。高校の格差の上に大学での密度の差が加わって、米国大学院への願書提出が少なくなっているとしたら由々しき問題である。若い世代の人材の乏しさが日本の国力を左右するのは間違いない。日本の将来を考えると背筋が寒くなる。
東大が入学を9月にずらすのに反対ではない。要は教育の中身である。東大は「グローバルに見て魅力のある大学」なのだろうか。外国人が「東大を卒業したことを誇れる大学」なのだろうか。「東大を卒業したらグローバルに就職に有利」なのだろうか。こうした検証なしに、9月入学にずらすのは「小手先」の演出でしかない。東大は中身をどのようにして充実させるのだろうか。
欧米の大学では授業のオープン化が進んでおり、インターネット上で授業内容を見られる。MITは2001年からインターネット上ですべての授業が見えるようにした。こうすれば新入生は入学前から、どのような授業を受けられるかが分かる。東大では授業の公開はごく僅かしか行われていない。英語だけで学位が取れるコースが9コース新設され、英語での授業も30コースあるようだが、この比重を上げていくことは欧米からの留学生を増やすには必須である。
世界中の大学が避けては通れない 履修単位の国際互換と授業レベルの問題
さらに大きな問題がある。それは単位の互換性である。外国人留学生が東大に留学してきたものの、何らかの事情で母国に帰らなくなった場合に、東大で取った単位を母国の大学に移行できるシステムになっているのか。これは留学生にとっては重大な関心事である。
そのためには東大の履修科目と海外の大学の履修科目が同等の単位で換算されなければならない。たとえば、東大の東洋史の講義は、ハーバード大学の東洋史の講義と互換性があるようにしなければならない。授業内容が極めて近く、同等の単位にとみなす作業をナンバリング(Numbering)と呼ぶ。アメリカ国内と欧州内ではナンバリングに熱心である。東大がこれを実施するには、授業内容をグローバルなレベルで摺り合わせなければならない。
アメリカの大学では単位の互換性が認められている。欧州でも欧州内の大学で履修した科目の単位の互換性を認めようとする動きがある。アメリカに対抗しての措置である。グローバルなナンバリングについては検討課題となっているものの、まだ実施されていない。これが大学の国際化の鍵を握ると見なされている。日本の大学の講義内容が諸外国の講義内容と遜色ないと証明できるのか。
アメリカも欧州も世界各国から優秀な学生を獲得したいのだ。何故か?優秀な学生が来て卒業後もその国に留まってくれれば、国力の増加に結びつくからだ。だから優秀な学生には喜んでビザを発給する。欧米諸国には明確な国の政策目標がある。
東大並びに日本国政府はこうした明確な政策目標を持っているのか?9月入学の報道を見ていると、4月に入社式をやる日本の大企業との調整が必要だとか、資格試験の日程との調整が必要だとか国内事情だけで判断しているように見える。そうではない。9月入学を「大学国際化」の出発点として位置づけ、東大をはじめ日本の大学が世界的レベルで魅力ある大学に変身して、海外から優秀な学生を集められることを目標にしなければならない。
喫緊の課題「大学の国際化」は企業の一斉採用も含めた見直しが必要
今の日本にとって「大学の国際化」は喫緊の課題である。日本の労働人口は急速に減少してGDPは確実に縮小する。しかし日本が抱える1000兆円の借金は減少しない。問題を解決するには世界から優秀な学生に来てもらって、日本経済に貢献してもらう必要がある。日本人と一緒になって働いてもらい、彼らに日本のGDP の減少を食い止めてもらうのだ。国民の合意形成が必要なのはまさにその視点でないだろうか。
企業の入社式と一斉採用はこれを機会に止めたほうが良い。日本の大企業はあれだけ仰々しい儀式をやって業績が上がったのか?むしろ逆の現象が起きているではないか。新卒を一斉採用して育て上げるのは、いまや時代遅れとなった。育て上げたときには時代が変わってしまったのを、90年代から嫌と言うほど経験してきたはずだ。「いま」必要とする人材を「いま」採用しないと国際競争に負けてしまうのが現実だからだ。
入社式の弊害はほかにもある。正社員と非正社員との格差を作ってしまったことだ。日本人の間でも問題化しているのに、外国人はそれ以上にこの制度を嫌がるだろう。これを機会に一斉採用を廃止・縮小して、日本人・外国人を問わず通年採用を基本にするべきと思う。
カジュアル衣料品大手の「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは来年春から一斉採用を止めて通年採用に移行することを決めた。さらに大学一年生でも採用するとした。在学中はアルバイトをしてもらい卒業と同時に店長になってもらうことも匂わせている。経団連は「学生の本分は勉強ではないか」と反発しているが、裏返してみれば、これは日本の大学教育への挑戦状でもあるように思う。
日本の大学には良いところがたくさんある。青春時代に「人生とは何か」を語り合い、天下国家を考え、日本のリーダーはどうあるべきかを論じ合う。多感な思春期の人格形成にどれほど役立ったかと、懐かしく振り返る人も多かろう。
だが時代は変わった。日本の大学は日本だけにしか通用しない制度を維持できなくなった。東大も最高学府として胡坐をかいている事は許されなくなった。グローバル時代には大学も国際競争に参加せざるを得ない。Evidence-basedである。「東大がそんなに立派な大学なら証明してみろ」。そうした挑戦状を、海外留学生と国内成長企業から突きつけられている。
東大の9月入学は大学国際化の第一歩に過ぎない。やらなければならないことは山ほどある。9月入学への制度変更に5年かかるとしているが、そんなに悠長なことを言っていられるのだろうか?4月から8月までの授業料収入がなくなるので、変更には金がかかるのだ。
国家予算の最大の「金食い虫大学」は東大である。5年の間に日本が破綻国家になったらどうする?東大は自ら必要と信じたことを、周囲の反対を顧みずに直ちに実施すべきである。東大が本気で変えようと思えば、他の大学も日本企業も真剣に変革を考えるだろう。シリコンバレーからの助言、それは「すぐやれ、国家が破綻する前にやれ」。
教育の国際化:世界から完全に取り残された日本
どうすればグローバル人材の育成ができるのか(2)(
2012年02月27日 JB Press)
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前回の『データが示す「鎖国へ向かう国・ニッポン」』では教育、経済、外交などの分野における日本の国際的ステータスが低下していることを述べました。今回は海外に目を転じ、それらの分野における諸外国のグローバル人材戦略を見てみたいと思います。
教育〜グローバル教育立国への熾烈な争い
教育のグローバル化を図った諸外国の取り組みについて、まず留学生の送り出しから見ていきます。
EUはエラスムス計画*1を通じて、学生の10人に1人は自国以外での留学経験を持たせ、「ヨーロッパ人」の育成をしようとしています。
*1 EU加盟国間の人物交流協力計画の1つであり、大学間交流協定等による共同教育プログラムを積み重ねることによって、「ヨーロッパ大学間ネットワーク」を構築し、EU加盟国間の学生流動を高めようする計画(参照:文部科学省ウェブサイト)
さらに、ヨーロッパの教育を国際化させるために同計画と並行してエラスムス・ムンドゥスというプログラムも施行されており、ヨーロッパ以外の学生にも広く交流の機会を提供しています。
韓国では「グローバルリーダー10万人養成プロジェクト」として、30歳以下の青年を対象に、2009年から2013年までの5年間で海外での就業者5万人、海外でのインターンシップ3万人、海外ボランティア2万人を実現させることを推進しています。
子供に英語圏の名門中高に通わせるため、英語圏に渡った妻と子に韓国から仕送りするお父さんがキロギアッパ(雁父さん)と呼ばれているのはよく知られています。
現在、韓国の大手企業に就職するにはTOEIC900点以上は当たり前で、最近の大企業はソウル大学のような国内の一流大学よりも、海外の大学出身者を好む傾向にもあるそうです。韓国式のつめ込み方式で型にはまった学生よりも、海外でたくましく自由に育った学生の方が創造力や、思考力に富んでいるとの判断のようです。
また、米国への留学生の送り出しという点では以下のグラフに示されているように、ここ最近サウジアラビアからの留学生が急速に増え、ついに日本を抜かしました。
その背景には、サウジアラビアでは米国への留学生を国費で援助しているという事実があります。
日本は、1995〜96年にはインド、中国、韓国、台湾という主要国の中で最大の留学生を米国に送り込んでいました。その数は年間4万人以上でしたが、今では半分近くにまで減っています。
ここへ来てようやく日本政府も海外留学への援助を積極的に推進する方針を打ち出してはいますが、まだまだ諸外国に比べると見劣りすることは否めません。
次に留学生の受け入れについて見てみましょう。
ヨーロッパでは、ドイツが2012年までに年間30万人の受け入れを表明しています。
また、英国は自国に1万人以上の留学生を送り出す相手国を2倍に増加させること、フランスは世界トップ20大学のうち2校、トップ100大学のうち10校を自国の大学で占めることを目指しています。
さらに中国では2020年までに留学生を年間50万人受け入れる目標を掲げ、他のアジア諸国も積極的に受け入れ施策を進めています。
フィナンシャル・タイムズ紙による2012年度の世界ビジネススクールランキングでは、以下の通り上位30位以内に中国(香港含む)が3校、インドが2校、シンガポールが1校入っています。
・Hong Kong UST Business School :10位(中国)
・Indian Institute of Management, Ahmedabad (IIMA) :11位(インド)
・Indian School of Business :20位(インド)
・National University of Singapore School of Business :23位(シンガポール)
・Ceibs :24位(中国)
・Chinese University of Hong Kong :28位(中国)
ちなみに、100位以内にはブラジル、南アフリカ、メキシコ、コスタリカ、韓国などのビジネススクールが入っていますが、日本のビジネススクールは1校も入っていません。
経済〜留学産業が国内経済を下支え
次に経済効果を狙った諸外国の取り組みについてですが、送り出しに関しては、韓国サムスンの「地域専門家制度」が有名です。これは、企業として現地社会に溶け込み共生する真の国際化を目指して1990年から導入が始められました。この制度は社員に海外の文化や習慣を習熟させて、その国の「プロ」となる人材を育てることを目的とし、毎年数百人を、アジア、欧米、中東、ロシアなど世界各国に派遣しています。現地の事情を熟知した地域専門家制度の経験者がいることで、国家間の相互理解が深まりビジネス交渉が円滑に進み、サムスンの海外進出を促進させる大きな要因にもなっています。
受け入れによる経済効果に関しては、シンガポールが成果を上げています。
2012年までに留学生受け入れを15万人に増やすことを掲げたシンガポールでは、政府の移民受け入れ政策をはじめ、産官学が共同で様々な研修や奨学金プログラムを提供し続けた結果、労働力は31年間連続で世界第1位*2となっています。
*2 米国BERI(Business Environment Risk Intelligence)労働力総合評価報告書による。ランキングはシンガポール経済開発庁(EDB Singapore)の「シンガポールのランキング」の労働力の項を参照
また、12カ所の研究所で多方面の技術分野をカバーすることで、欧米、東南アジア諸国連合(ASEAN)から世界トップクラスの研究者が集まり、技術革新と資本集約型の企業活動をサポートしています。
一方、現在60万人以上の留学生が滞在するとも言われるオーストラリアでは、留学生教育産業は同国最大のサービス輸出産業で、かつ国内3位の経済規模を誇り、2006〜07年度には自国経済に117億ドル(当時のレートで約1兆530億円)の貢献をしています。
カナダでも、2008年度における留学生受け入れによる経済効果は65億カナダドル(当時のレートで約5850億円)以上に達しています。
外交〜人材は武力に勝る最大の防御
最後に外交効果を図った送り出し留学の取り組みについてお伝えしたいと思います。
米国では、国家安全保障ならびに世界におけるリーダーシップと経済的競争力確保を目指し、一般市民の国際的対応能力と外国語運用能力を強化するため、今後10年間かけて学部学生の外国留学を年間100万人にするための法案が2007年に議会へ提出されました。明らかに2001年9月11日のテロからの教訓が背景にあり、外国語に堪能な人材の必要性を痛感したからでもあります。
どんな地域であろうと、どんなテーマであろうと、国際社会では「知らない」ということが国家に大きな損害を与える可能性がある中で、海外留学は国家安全保障の観点からも非常に重要な意味を持つというわけです。
また、外交上、受け入れ留学の恩恵を享受しているのがカナダで、国内に多様な民族がいることが国際支援等における重要な役割を担っています。日米に比べ軍事費、国連負担金も少ない中で、国連職員数は日本の8倍、米国の3倍を輩出していることが、多国間協調や国連外交の支えになっているとも言われています。
以上、ごく一部ではありますが諸外国ではしたたかにグローバル人材戦略を進めていることがわかります。
これらの国々に伍していくためにも、日本は官民一体となって本気でグローバル人材育成に取り組む時期にきているのではないでしょうか。
ここが違う日本と中国(19)―内向きと外向き (
2011年03月15日 サーチナニュース)
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昨今、中国の大学院は急速に膨張し、絶頂期を迎えつつある。その要因としては、大卒の就職難を挙げることができる。もちろん、就職戦線の厳しさだけで説明できるものではない。もう一つの背景は、社会全体に漲っている「上昇意欲」である。学歴が高ければ高いほど、いい職業、高い所得、高い地位、いい人生などを手に入れる可能性も高いからだ。
前回のコラム(18)で述べたように、ここはまさに今の日本とまったく異なる点である。言い換えれば、「学歴社会」崩壊の日本とは対照的に、中国は「学歴社会」、いや、「超学歴社会」の真っただ中を突き進んでいる。だから、修士号や博士号を欲しがる人がますます増える。その人たちは、大学を出たばかりの若者だけでなく、すでに教職や研究職に就いている人、あるいは官僚の道を歩んでいる人も、含まれている。
ところで、就職難という逆風のなか若者たちが採っている対策は実にさまざまである。大学院進学のみならず、海外留学もますます多くの若者にとって重要な選択肢になっている。
当然ながら、海外留学を促す要因も複合的で、就職難を回避するためだけではない。その底流にはやはり「上昇意欲」が強く働いていることがある。海外、とくに先進国で高い学歴を取得すれば、現地で就職してもよいし、本国に戻って新天地を切り拓くことも可能だ。
海外留学も決してバラ色の世界ではない。なかには想像以上の苦労と辛酸を嘗めさせられたり、大きく挫折した人もいる。しかし、全体的に見て、あえて今の流行語でいえば、海外留学経験者は基本的に「勝ち組」に属する。とくに1980年代、90年代の帰国者はいろいろな分野で活躍しており、大役を任せられた人も少なくない。
一般に、国や社会が上昇気流に差しかかっている段階においては、国民は外向きになり、ハングリー精神に溢れる。逆に、安定期に入ると、だんだん外向きから内向きに変わり、開拓よりもむしろ現状維持を重んずるようになる。
中国の海外留学にブームが訪れ始めたのは周知の通り1980年代だった。当時の様子は「海外大逃亡」という言葉が形容するほど、凄まじかった。そのブームはその後、浮沈と起伏もあるが、今日までずっと続いている。
統計によれば、1978年から09年末まで海外留学生は145万7381人に達した。2010年は28万4700人を記録し、09年に比べさらなる伸びをみせ5万5400人も増えた。また、2010年末現在、海外在住の中国人留学生は127万3200人、うち94万6400人は短大や四大、修士・博士課程などで学ぶ、あるいはポストドクターとして研究・学術訪問などに従事している。
これほどの人々が海外に出ているにもかかわらず、帰国者は少なく、全体の3割にも満たない。海外留学生の多くは中国国内で大学を卒業した者だから、「人材流失」を危惧する声も常に響く。
一方、戦後日本の歩みを見ると、中国のような海外留学ブームはほとんど起きていない。これは奇跡ともいうべきほどに戦後復興期が短く、高度経済成長期が早く訪れたことと無関係ではない。つまり、戦後の日本はいち早く欧米先進国に追いついたため、若者たちには欧米羨望から海外留学の実際行動に移るための必要性も生じなければ、時間もなかった。これは改革開放後の中国と大きく異なった点である。
中国は1978年頃から鎖国政策をやめた。先進国との大きな差を見せつけられた若者たちは海外留学を夢見るようになった。そして、あれから30年経っても、中国はさまざまな躍進を遂げてきたとはいえ、依然として発展途上国に留まり、先進国の仲間入りを果たすまでにはかなり長い道程を要する。この徹底的な格差が縮まらない限り、海外留学はむしろ常に「ブーム」の状態を保っていくだろう。また、経済成長による生活水準の向上や格差の拡大は、このブームにより一層の原動力を与えることになるとも考えられる。
戦後の日本では海外留学ブームがついに出現しなかった。高度成長期からバブル経済期へと数十年の歳月が流れていた。そして今の日本はすでに安定期を過ぎて衰退期に突入したとさえ言われるような状況にあるため、「閉塞感」が充満し、内向きな若者はどんどん増えている。
朝日新聞社と河合塾の「ひらく 日本の大学」調査によれば、2010年度1年間、全国の大学が単位認定する「留学・研修プログラム」で海外に送り出した学生は全体の2%だった。留学者の率は、国立が1.1%、公立が2.6%、私立が2.3%で、国立で進んでいない。回答を寄せていない東京大を除く旧帝国6大学は平均で1.2%にとどまった。一方、海外から日本の大学に受け入れた留学生の比率は2.1%。大学院生全体に占める比率は13.9%で、大学の学部での受け入れが進んでいない(「朝日新聞」朝刊2011年12月23日付)。
文部科学省の集計によると、日本から海外への留学生数は、2004年の8万2945人をピークに減少を続け、08年には7万人を割り込んだ。産業能率大学が2010年4月入社の新入社員を対象に実施したアンケートでは「海外では働きたくない」との回答がほぼ半数を占め、01年度の調査開始以来、過去最高を記録するなど、若者の海外志向は低下傾向となっている。
また、経済産業省によると、2010年度には約1万2500社だった日本企業の海外現地法人数は08年度には1万7000社を超え、うち約1万社をアジア地域が占めている。同省が2010年、国内企業5000社を対象に実施したアンケートで「海外拠点の設置・運営の際に直面する課題は何か」との問いに対し、約74%が「人材の確保・育成」と回答した。
日本政府は、民間企業や大学に連携を呼び掛け、急成長するアジアなど新興国で即戦力として働ける人材育成の取り組みを加速している。海外で活躍する人材へのニーズが高まる一方で、海外駐在を嫌がるなど若者の「内向き志向」が強まっていることに危機感を募らせているためだ。
民主党政権は、2020年に留学や研修などで海外に出る日本人学生らの数を30万人に増やすことを目標に掲げ、国際人づくりが日本経済の成長に欠かせない課題と位置付けている(「中日新聞」夕刊2011年3月8日付)。
筆者が勤務している大学も、中部地域に位置する中堅大学の一つとして国際交流を積極的に行っている。欧米諸国のほか、中国と韓国を含むアジアの多くの国々とも姉妹校関係を締結しており、毎年、交換留学生を受け入れ送り出している。しかし近年、一つの課題が急速に浮上している。それはほかならぬ送り出す日本人学生の不足である。
姉妹校関係の最大のメリットは、学費免除で学生を相互に留学させることである。中国語には「礼尚往来(礼を受ければ礼を返さねばならない)」「来而不往非礼也(返礼をしなければ失礼になる)」という言葉がある。諸外国から留学生が来ているが、本学は同じように学生を送り出さなければ姉妹校に対して失礼になり、姉妹校関係の意味がなくなる。しかし近年、国際交流センターが一所懸命に募集しても定員まで集まらないようなケースは増えているようだ。
関係者の分析によれば、家庭の経済的負担が重いこと、就職活動を最優先したいことなどが大きな要因。それに加えて、日本の生活が一番よく、外国に行ってチャレンジしたくないといった意識面の要因も強く働いているようだ。
筆者は授業でも自分の留学経験を踏まえて海外留学の意義を力説する。なかで特に強調しているのは、以下のことである。
第一に、日本の企業はどんどん海外に移転し、産業の空洞化をもたらしている。その結果、働きたくても職場がない。もし海外移転は企業だけでなく、人間も積極的に飛び出していくならば、就職先の確保はこれほど心配しなくても済むだろう。
第二に、日本国内で就職難が続いており、フリーターやワーキングプアを甘んじるよりも、むしろ一大決心して、海外で新天地を求めたほうがよい。
第三に、「毎日味噌汁が飲めなくても平気だ」というようなハングリー精神を養わなければ、これからやっていけない。
しかし、いつも不景気を尻目に、リーマンショックの直後も98%近い就職率を誇る本学では、いくら「外向きになれ」と発破をかけても、真剣に耳を傾けてくれる学生はどのくらいいるのかよくわからない。(執筆者:王文亮 金城学院大学教授 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
海外ボランティア経験者、95%が「人間的成長を実感」……7割が 「就活に役だった」 (
2011年03月21日 RBB TODAY)
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トレンド総研は、海外ボランティアの経験がどのような影響を与えるのかを調べるため、1ヶ月以上の海外ボランティアを経験した男女310名に、「海外ボランティアに関する実態調査」を実施した。
■海外ボランティアを通じて身についた能力は?
まず、「海外ボランティアを経験した期間はどれくらいですか?」と聞いたところ、「1ヶ月以上〜3ヶ月未満」が42.3%と一番多く、次いで「1年以上〜」が21.9%と続いた。
次に、「海外ボランティアに参加した理由」では「視野を広げたかった」が61.9%、「自分が人として成長したかった」が61.3%、そして「困っている人の役に立ちたかった」が45.2%で、「自分を高めたい」という動機をもって参加したことがわかった。その他の意見としては「東日本大震災の時に海外の人の協力を見たので」など、東日本大震災がきっかけとして挙げた人もいた。
「参加したボランティアプログラムの実施団体」についての問いに対しては、「NPO・NGO」が29%、続いて「JICA の青年海外協力隊・シニア海外ボランティア」と「大学のボランティアセンター」が共に20%だった。
続いて、「海外ボランティアを経験した事で身に付いたと感じる能力」について聞いたところ、75.5%が「コミュニケーション能力」、74.5%が「異文化適応能力」、53.2%が「語学能力」、42.6%が「忍耐力」だった。語学力だけでなく、文化や習慣の異なる他国の人と関係を築く能力や協調性が身に付ついたという意見が多かった。その他の回答としては「既成概念がとれて、ライフスタイルが変わった」「想像力や応用力といったイマジネーション能力」「相手を思いやる心」など、チームや組織を率いる際に必要な能力を身に付けられた、という声も挙がった。
調査ではさらに、海外ボランティアの経験がその後にどのように活かされているのかを聞いている。「海外ボランティアの経験は就職活動や転職活動で役に立ちましたか?」と聞いたところ、「役に立った」という意見が72.3%を占めた。 どのように役に立ったかを聞くと、「外を見ている(視野の広い)人間として見てもらえた」「自分の行動力や主体性をアピールするための理由としても話すことができた」など、得られた経験やスキルが帰国後の仕事や職業に活かされているという声が挙げられた。
■世界的な視点で日本や社会を見つめ直す機会に
また、「海外ボランティアで得た経験がその後の仕事に活かされていると思いますか?」と聞いたところ、75.4%の人が「活かされている」と回答。その理由について聞くと、「言葉もろくに通じない環境の中で一つのことに皆が協力し助け合えたことが大きな自信となった」「何事も投げ出さない力がついた」など、自ら困難を解決させた経験が自分の限界の可能性を広げたり、諦めない力が身に付いたりしたと感じた例が多く挙げられた。
そして、「海外ボランティアの経験は人間的な成長につながりましたか?」と聞いたところ、94.8%の人が「そう思う」と回答。具体的にどのように成長につながったかを聞くと、「自分自身がいろいろな人の助けを得ていると感じることができた」「海外の人々の現状を知ることで自分が社会に貢献できることは何なのか日々考えるようになった」、「世界の状況を知ることにより、日本という国をとらえなおすことができた」等の声も。
調査レポートでは、「海外ボランティアの経験が、その人の人生に大きく影響を与えている」と総括しており、その経験は、世界的な視野で日本や社会を見つめ直す貴重な機会となると言えそうだ。
大学生が見た「日本式が勝てないワケ」(上・下)“グローバル化”に受け身では… (
2011年03月25日 Sankei Biz)
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〜世界の若者と交流して分かったこと〜
なぜ、日本の企業はいま世界で劣勢に立たされているのか。挽回するには、何が必要なのか−。獨協大学4年の有志学生記者、金田隼人さんが、世界一周をしながら各国の大学を巡り、ともに未来を描ける同志を探す旅の中で考えた。半年に及ぶ卒業旅行では、その難題を解くいくつかのカギが浮かび上がってきた。
リポーター 獨協大学 有志学生記者 金田隼人さん
日本企業や日本の社会では、「グローバル化」という言葉がごく日常的に飛び交うようになった。だが、大学生をはじめとする若者たちは、漠然とした見えないものを追いかけるかのような不安に襲われ、言葉だけが独り歩きしている。
いったい「グローバル化」とは何なのか−。海外と日本では何が違うのか−。何を変えていかなければならないのか。大学生という視点で海外と海外の同世代を見てみたいと思った。
飛び入り日本語授業
「彼らは何を考え、どういう将来を描いているのか」「世界中の大学を見て、各国の教育環境、文化を肌で感じたい」「今後の将来を共に描ける同志を見つけたい」…。次から次へと夢がふくらんだ。
大学の先輩の大村貴康さんと宮本秀範さんが昨年、世界一周大学巡りのプロジェクトを自分たちで立ち上げ、成功させた。その旅は、昨年(2011年)2月8日付「Campus新聞」で、「起業調査の2人旅 『世界一周ライブ!』」として紹介された。その第2期プロジェクトとして旅立つことにしたのである。
このプロジェクトは、世界の大学へ出向き、大学生たちが描く夢を直接、聞き取り調査をするというものだ。今年(2012年)も、昨年と同様に数多くのスポンサー企業や学生団体の支援、協力を得ることができた。経済界の著名人たちの応援メッセージもいただき、2011年8月30日、半年間の世界一周大学巡りの旅に出発した。
日本からアジア、中東、ヨーロッパ、アメリカ東海岸、中南米、アメリカ西海岸の順に、23カ国50の大学を訪ねた(ルート図を参照)。各国の大学訪問では主に、日本語や経済・経営を学ぶ学生、教授に会い、インタビューを行った。
このほかにも、大学のキャンパス見学や講義の聴講もさせてもらった。日本語学科ではなんと、にわか日本人講師として飛び入りで授業をする機会にも恵まれた。事前に大学側に面会の予約を入れることもあったが、キャンパスに飛び込んで見ず知らずの学生に声をかけたりもした。そこでは最初の問いの答えとなるヒントを得た。
トライリンガルも
海外に出て最初にぶつかったのは言語の壁だ。基本的には、大学巡りのみならず私生活も英語で会話をするわけだが、英語圏ではない場所は通じないこともある。それでも多くの学生が親切にインタビューに受け答えしてくれた。
言語については、さまざまな意見をもらった。ベトナムでは「せっかく異国にいくのに、なぜその国の言葉をしゃべれないで平気なの? 僕だったらかなり勉強してからいく」。イタリアでは「日本人は謙遜し過ぎだ。英語をちゃんとしゃべれるのに話せないと言う」。言語の習得に関しては、お国柄によって認識の違いを感じた。
アメリカの学生と話をしたときのことだ。「日本語、しゃべれる」といわれて、実際に会話をしてみると、一向に「ありがとう」「こんにちは」しか言わない。これでしゃべれているという解釈なのである。日本人は最低限生きていくための英語は話せる。だが、シャイ(恥ずかしがり屋)だったり、苦手な英会話を避けたり、外国人とのコミュニケーションを避けたりしているようだ。
また、英語圏以外の学生は、大半は母国語と英語は完璧で、それ以外にも他の言語を話せる人が多い。最低でも、2カ国語を話すバイリンガル。3カ国語を操るトライリンガルも珍しくはない。日本はどうだろうか。英会話を避けていては、いつまでたっても「グローバル化」という波にのみ込まれていくだけではないだろうか。
大学生が見た「日本式が勝てないワケ」(下)日本の「当たり前」は通用しない
旅で痛感したのは、教育から根付いた「当たり前」が日本とは全く異なることだ。
イタリアでは、一般高校(5年制)で早くも専門科目を専攻する。エジプトでは、小学校が5年制のため、日本より1年以上早く21歳で大卒としてIBMで働いている学生がいた。イスラエルでは、軍役が男性3年、女性2年と義務づけられているので高校卒業後、軍に入りその後受験勉強をする。韓国の男性もこれと同様である。
シンガポールでは、小学校の成績順で中学校のクラスが分けられ、その後の進路がほぼ決まってしまう。大学進学率は10%ほどで、さらに優秀な学生は政府の要請で海外へ留学するという。インドでは、生まれた瞬間にカースト制度で階級が決まり、大学に進学する人はほんの一握りである。
一方の日本は、大学の進学率は世界と比較すると、かなり高い。しかし、海外を目指す留学生の数は年々、少なくなっている。欧米の大学を見ると、中国人やインド人が圧倒的に多く、韓国人もいる。それでも、日本人の留学生は増えない。
制度に守られた学生
海外の学生に一番驚かれたことは、私が企業から内定をもらいながら、休学せずに半年間世界一周の旅をしているということだった。海外の大学の多くでは、在学中に企業内定を持っていること、それ以前に就職活動をすること自体ありえない。
ヨルダンでは、大学卒業後アラブ諸国でインターンをしてからでないと、国内で就職がほとんどできないらしい。そもそも卒業後すぐに就職というのも変な話である。新卒一括採用は日本独自の制度で、外国では基本的に就労体験を在学中、卒業後に積んで就職をする。日本と外国の企業では学生に求めるものが違うのだ。
日本では、大卒には将来性を求める。一方、海外では、即戦力を求める。おそらく、いまの日本の学生は、この新卒一括採用制度に守られている。それでも、日本では新卒一括採用に反対するデモが起きている。この制度がなくなれば、さらに多くの日本の学生は路頭に迷うことになるだろう。
「インパクト残す」
大学訪問で面白かったのは、国によって夢の持ち方、夢に対する考えが違ったことだ。
イスラエルでは、日本と対照的で「夢を持て」という教育はされない。夢は特別持つものではなく、日々を楽しむことを教えられるという。そのため、夢の調査をしたとき、学生たちに私がふざけているとの印象を持たれた。一方、英国の学生は他の多くの国の学生が、答えをためらったり考えたりするのとは対照的に全員即答した。常日頃、頭に入れて勉強をしているからだという。
もっと広い枠で捉えると、アジア・南米は一言目に「社会貢献」という言葉が出ることが多かった。反対に欧米では「社会にインパクトを残す」という言葉が多かった。
現地を理解しない
「日本はビジネスの海外展開が下手くそだ」。至る所でこう言われた。なぜか。
日本人は海外でサービスを展開する際、日本人が海外に出向き、海外で現地人を雇用し、日本の文化や仕事のやり方を教育し、やっと仕事をし始める。一方、アメリカや中国は、現地法人とパートナー契約を結び、現地人にやりやすい文化・環境で仕事をさせる。日本式は教育をしている分、約3年間遅れるわけである。
日本では、大卒には将来性を求める。一方、海外では、即戦力を求める。おそらく、いまの日本の学生は、この新卒一括採用制度に守られている。それでも、日本では新卒一括採用に反対するデモが起きている。この制度がなくなれば、さらに多くの日本の学生は路頭に迷うことになるだろう。
「インパクト残す」
大学訪問で面白かったのは、国によって夢の持ち方、夢に対する考えが違ったことだ。
イスラエルでは、日本と対照的で「夢を持て」という教育はされない。夢は特別持つものではなく、日々を楽しむことを教えられるという。そのため、夢の調査をしたとき、学生たちに私がふざけているとの印象を持たれた。一方、英国の学生は他の多くの国の学生が、答えをためらったり考えたりするのとは対照的に全員即答した。常日頃、頭に入れて勉強をしているからだという。
もっと広い枠で捉えると、アジア・南米は一言目に「社会貢献」という言葉が出ることが多かった。反対に欧米では「社会にインパクトを残す」という言葉が多かった。
現地を理解しない
「日本はビジネスの海外展開が下手くそだ」。至る所でこう言われた。なぜか。
日本人は海外でサービスを展開する際、日本人が海外に出向き、海外で現地人を雇用し、日本の文化や仕事のやり方を教育し、やっと仕事をし始める。一方、アメリカや中国は、現地法人とパートナー契約を結び、現地人にやりやすい文化・環境で仕事をさせる。日本式は教育をしている分、約3年間遅れるわけである。
≪「夢」を語る世界の学生たち≫
半年間に及ぶ世界一周の旅では、23カ国50の大学を訪ね、そこで出会った学生たちに思い思いの夢をホワイトボードに書いてもらった。
「着物の着付けの仕事をしたい」「有機野菜の農家になりたい」…。そんな夢調査で一番印象に残ったのは、ヨルダン大学日本語学科を訪ねた際、イスラム教徒の女性が身につけるスカーフの一種、ニカブをまとった女子学生が「アフリカでの医療ボランティアの仕事がしたい」と日本語で書いてくれたことだ。
彼らの内の何人かは、来日を真剣に検討している。どんなに困難な時代でも、夢を思い描き、時代を変えていくのは若者たちの特権ではないだろうか。(リポーター:獨協大学 有志学生記者 金田隼人、写真も/SANKEI EXPRESS)
■かねだ・はやと 1990年3月埼玉生まれ、私立新島学園卒、獨協大学在学中。高校まではサッカー部に所属し、毎日練習の日々。大学入学後は、フリーペーパー発行、ビジネスコンテスト開催、採用イベント主催、地方大学セミナー開催を通して全国的に活動。今春からは新社会人としてベンチャー企業入社予定。
英国留学1年目の悲惨な経験を話そう
「覚悟」があれば誰でもグローバル人材になれる (
2012年03月28日 DIAMOND ONLINE)
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英国で行った講演の「録音」が大和日英基金のHPに掲載された。見事な「カタカナ英語」で恥ずかしい限りだが、講演後に英国人聴衆から「とても明快だった」とのコメントを頂いた。
高校卒業後、13年間ほとんど英語を使うことがなかった。商社に勤務していたが、ずっと国内鉄鋼部門にいた。会社を辞めて、30歳を過ぎてゼロから英語を勉強し直した。そこから12年かけて、ここまでできるようになった。これを聴いて「これなら自分もできるかも」と思う方がいてくれればと思う。海外で仕事をすることは、一部のエリートや帰国子女だけのものではないのだ。
「グローバル人材」とは「宇宙人」のようなものか
円高による日本企業の工場移転、海外M&Aの展開(第26回を参照のこと)や、日本企業への就職を目指すアジアからの留学生の増加など、「グローバル化」の進展によって、東京大学の学部「秋入学」の提唱(第28回を参照のこと)に象徴されるように、国境を超えて活躍できる「グローバル人材」の育成が、課題として急浮上してきた。巷には「グローバル人材養成論」の類のマニュアル本が溢れている。「語学力」「コミュニケーション能力」「ネットワーキング能力」などが「グローバル人材」の条件とされ、その習得のためのノウハウが書かれている。
だが、「グローバル人材」の条件がわかっても、それらは簡単に身に付くものではない。私自身、英語をゼロから勉強し直して、ようやく世界的権威に顔を覚えてもらえるようになるまで、12年かかった(第31回を参照のこと)。しかし、日本の若者が「グローバル人材」になるために、そんな長い月日はかけられないだろう。大学入学後、わずか2年半後に就職活動が始まる。その時、必要な語学力、スキルを身に付けていなければ、企業からは「外国人の若者を採用する」と、冷たく突き放されてしまうのだ。
多くの若者は、「ゆとり教育」で世界の競争から隔離されたぬるま湯の環境で育ってきた。彼らに、わずか2年半で「グローバル人材」になれと言っても、あまりに現実味のない、雲を掴むような話だ。多くの若者にとって「グローバル人材」とは、一部の「帰国子女」など特別な人間で、「宇宙人」のようなものではないだろうか。
若者は誰でも、2年もあれば国際舞台で戦えるようになれる
だが、大学卒業前に、マニュアル通りの「グローバル人材」になる必要はない。逆に、大学入学後2〜3年あれば、国際舞台で戦えるようになるには十分だ。私のことを考えれば、荒唐無稽な話ではない。
31歳で会社を辞めた時、英語はほとんど忘れていた。それでも、3ヵ月間ブリティッシュカウンシルに通っただけで、強引に渡英した。渡英3ヵ月後にはウォーリック大学大学院修士課程に入学。その1年後には、修士号を取ってPh. D(博士後期課程)に進むことができた。
30歳を過ぎて頭の柔らかさを失った自分でさえ、わずか1年の「突貫工事的」勉強でここまでできたのだ。ちなみに、私は文学部卒で、語学だけでなく政治学の素養すらなかったのである。20歳くらいの、まだ頭が柔らかい若者ならば、私以上のことができるはずである。今回は、私の英国留学最初の1年の話を振り返り、「宇宙人」だけが国際舞台で働くことができるのではなく、誰にでも可能なことなのだと論じたい。
議論を一言も聴き取れず大学院入学直後の悲惨な現実
まず、大学院修士課程入学直後の悲惨な現実から話したい。後に、博士課程で私の指導教官となったイタリア人ローザ・ミューレ博士の「比較政治学」第1回目は、一生忘れられない屈辱的な体験だった。この授業は、私のほかに6人の英国人学生が参加する少人数セミナーだったが、周りの学生がなにを議論しているのか、一言も聴き取れなかった。
入学前の語学コースである程度英語を勉強したはずだった。だが、語学コースには英国人はいなかった。英語の得意でない外国人がゆっくり話す英語が、なんとか聴き取れるようになっていても、英国人が早口で議論をするとまるで別の言語だった。
宇宙人が会話している中に1人ポツンと入った感じだった。私はずっと黙っているしかなかった。だが、30分ほど経過すると、ローザが私に向かって、「あ・な・た・の・『声』・が・き・き・た・い・わ」と言った。意見ではなく、「声」が聴きたいというのだ。それでも、私は黙りつづけるしかなかった。恥ずかしかった。私は寮の部屋に戻って、号泣した。
語学以上に厳しかったのが「予習」だった。授業1回について、約20冊の参考図書を読まねばならなかった。ところが、いくら頑張っても議論についていけなかった。最初は語学力の問題だと思っていたが、コースがスタートして3〜4週間くらい経つ頃、どうも大学院の勉強について考え違いをしていることに気づいた。
私は、大学院を政治学の「知識」を習得するところだと考え、本に書いている知識を記憶しようと予習をしていた。だが、授業では、「知識」は当たり前のことで、その「知識」を批判的に考えた上で、1人1人の学生がどういう主張を持つかが議論されていた。
例えば、ローザの「比較政治学」では、「ウェーバーとデュルケムの比較方法論の違い」という、比較政治の基礎を議論した。私は2人の方法論がどういうものか必死に覚えて授業に臨んだ。ところが授業では、学生たちが2つの方法論の批判を展開し、その優劣が喧々諤々議論された。私は、少しずつ英語が聴き取れるようになってきていたが、議論に入ることができなかった。
「英会話」を捨てて、猛勉強に迷いがなくなった
授業以外にも不安があった。授業の準備で図書館や自室に籠もって勉強するほど、他人と交流する機会を失ってしまい、英会話が上達しないことだった。焦りを感じた私は、ある日の夕方、寮生が夕飯を楽しんでいる寮のキッチンに行ってみた。会話の機会を得られるからだ。
ところが、私のキッチンはギリシャ2人(男女)、トルコ2人(男女)、ブラジル1人(女)キプロス1人(男)、台湾1人(男)という「人生楽しまなきゃ系」の人種構成で、少しだけキッチンで会話して、また勉強に戻るというわけにはいかなかった。酒を次々と勧められ、会話が延々と終わらず、夜の12時過ぎまで続いた。これが毎日だ。こんなことを続けていたら、間違いなく落第すると思った。
外国人との交流は大事だ。だが他の寮生たちは、私とは違う。昼間か深夜に短時間集中して勉強して、修士号を取れるような秀才たちだ。彼らと同じことをしていたら、英会話はできるようになっても、修士号は取れない。私は32歳だった。「英国に留学して、多少会話ができるようになりましたが、学位はありません」では、ただでさえ難しい「社会復帰」が不可能になる。私は寮生たちとの交流を捨て、「英会話」をあきらめた。その代わり、「政治学」をできる限り学んで帰ろうと決めた。
私は1日のすべてを勉強に費やすことに、迷いがなくなり、「覚悟」が決まった。朝は午前6時に起床し、シャワーを浴びて2時間くらい勉強。午前8時になったら朝食を食べて、図書館へ行く。12時に一旦寮に帰って軽く昼食を取ったら、再び図書館へ行く。午後5時になったらまた寮に帰って、寮生がキッチンに来る前にさっさと夕食を済ませてまた図書館へ行く。午前0時、図書館の閉館まで勉強して寮に帰って寝る。この生活パターンを、土日も含めて毎日ひたすら続けたのだ。
誰にも負けないことを見つけることが「一筋の光明」となった
この生活パターンは、全く苦痛ではなかった。会社員時代、横浜の寮から会社に8時半頃に着く必要があった。そのために、6時前には起床して、満員電車に2時間弱揺られていた。深夜まで残業してタクシーで帰ることも多かった。寝るのは午前1〜2時くらいで、睡眠時間は多くて4時間だった。それに比べたら、午前0時まで図書館にいても、寮まで歩いて10分で帰れる。6時間弱は毎日寝られる。なんと楽なのだろうと思った。会社員時代に鍛えられたおかげで、肉体的に楽だと思えたことが、私にとって、1つの救いになった。
そして、周りを見回してみた。私ほど長時間勉強している学生がいないことに気付いた。しかも、私はこれを楽だと感じるタフさがあり、誰にも負けていないと思った。ならば、他の学生が1時間で読むところは、3時間かけて読めばいい。1時間で理解するところは、5時間かけて理解してもいい。それなら自分にもできると思った。これは、授業についていくのに苦しんでいた私にとって、「一筋の光明」となった。
私は勉強のやり方を変えた。コースが始まって2ヵ月ほど経つと、英語で読み・話し・書くことが少しずつできるようになっていた。だが、この段階で新たな悩みが生じた。英語では物事をきちんと思考できないということだった。セオリーでは、英語で学ぶ時は、英語で考えるべきとされる。だが、英語だとおそらく12歳くらいの思考力に落ちると感じた。セオリーは大事だが、それにこだわるばかりでは、小学生の作文のようなエッセイ(小論文)しか書けないと思った。
修士課程をパスするには、32歳の思考力をフルに発揮するしかない。それには日本語で考えることだ。そこで、授業の準備やエッセイを書く際、まず日本語で自分の考えをまとめて書き、英語に翻訳するという作業をした。これは明らかに邪道で、膨大な時間を費やすことになる。
しかし、私は「人の何倍勉強に時間をかけてもいい」と「覚悟」を決めていたので、時間のかかる作業は苦にならなかった。むしろ、より広く深く思考できることで、準備がしっかりできて、授業で自分の考えを先生や他の学生に伝えられるようになった。少しずつ自信らしいものが芽生えてきた。
この時期、私は1日中「政治」のことを考えていた。ある日、図書館が閉館した午前0時。勉強を終えて寮に帰る前に図書館の外で、夜空を見上げながら、「しんどいなあ。でも、楽しいなあ」と思った。精神的・肉体的に厳しい日々が何ヵ月も続いていた。だが、決して嫌になることはない。本当に「政治」のことを考えるのが好きなのだと気づいた。「この仕事は絶対に手放さない」と決めた。この時の気持ちが、今でも自分を支えている。
翌年3月、最初の課題であった3本のエッセイの成績が発表された。意外なことに、博士課程に進める好成績を収めることができた。そして、9月には修士課程を修了し、内部進学で博士課程に進むことができたのだ。
若者はとにかく国際舞台に飛び込み「覚悟」を決めてやり通せ
グローバル人材が「宇宙人」に見えて、なりたくてもどこから手を付けたらいいかわからず、あきらめている若者に言いたい。マニュアル本通りのプロセスを踏む必要はない。大事なのは、「覚悟」を決めて、とにもかくにも海外に飛び出して、やるべきことをやり通すことだ。2〜3年もあれば誰でも国際舞台に立つことができると思う。
ただ、「覚悟」を持つのは、甘い環境に育った日本の若者には難しいことだとは思う。私が「覚悟」を決めて1年間なりふり構わずできたのは、「後には引けない状況」だったからだ。31歳という「高齢」で会社を辞めたら、海外の修士課程を出ても、まともに企業に再就職できるはずがない。英国の大学院に入ったからには、博士を取って学者になるしかなかった。
トンネルの出口は全く見えない苦境だったが、だからこそ絶対にやり通すという「覚悟」を持てた。今の若者が「覚悟」を決めるには、日本的な環境を絶たねばならない。うまくいかなくても、誰かが助けてくれる。仲間と一緒に手をつないで頑張ろう。そんな日本の若者にありがちな依存心から「覚悟」は生まれない。依存心を絶つには、自分のことはすべて自分で解決する「独立心」「自立心」を持つことだ。
「覚悟」こそ、日本の若者が海外の若者と比べて最も劣っていることだと思う。アジアやアフリカなど途上国の若者は、政治的・経済的に不安定な自分の国に依存できない。だから、個人で道を切り開くしかないと「覚悟」を決めている。「秋入学で若者にギャップタームを与えよう」と社会が考えるような、甘ったれた国に育つ若者とは、全く違うことを知ってほしい。そのためには、とにかくまず海外に飛び出して、いろんな国の若者に会い、そのたくましさを知り、なにかを感じてみることだ。
上久保誠人のクリティカル・アナリティクス
海外留学の経験は就職に有利か 「採用企業」増えるきざしも (
2012年04月20日 JCAST-NEWS)
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近年、日本企業の中には海外市場を意識して外国人の採用を増やすと宣言しているケースが多い。グローバル化を進めるためだが、この風潮は日本人で海外留学を経験した人材にとっても「追い風」になっているだろうか。
留学をしたという事実だけでは決定力不足だ。どんな目的で外国に渡り、何を身につけてきたかという「質」が問われるという。
内向きにならざるを得ない現実
大手企業が外国人の採用にシフトしている。カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、アジアでの出店を加速するのに伴って採用人数の8割にあたる1200人を外国人とする計画だ。パナソニックや楽天も同様に、外国人の人材確保を進めている。
一方、海外留学を経験した日本人学生の採用については、あまり伝わってこない。実は海外留学の件数はここ数年、減少が続いている。文部科学省の2012年1月の集計によると、2004年に8万2945人とピークに達して以降は下り坂で、直近の2009年は5万9923人にまで落ち込んでいる。
理由はいくつも絡み合っているようだが、一橋大学国際教育センターの太田浩教授はそのひとつに就職を挙げる。厳しい就職状況が続くなか、「学生にとって、3年生の秋から4年生にかけて長期の就職活動となれば、『留学するぐらいなら公務員試験の勉強をした方がいい』と考えてしまいます」と指摘する。内向きにならざるを得ないのだ。加えて、豊かな日本社会に満足してしまい、海外に行って苦労してでも何かを身につけようという気にならないのでは、とも太田教授は考える。
だが最近になって、海外留学組にとって就活上での明るいきざしが見え始めてきた。就職情報を提供するディスコは2012年3月14日、2013年3月卒業予定者の採用活動に関する企業調査を発表した。この中で、日本人の留学経験者を「採用する」と答えた企業が全体の22.8%に上り、前年より10ポイント増加した。この傾向は、社員1000人以上の大規模な企業に顕著だ。日本の大学よりもカリキュラムの厳しい海外の大学で学び、習得した実績を評価するのだという。
ディスコの広報担当者に聞くと、「企業は国籍にかかわらず、グローバル人材に注目しています」と説明する。外国人に限らず、目的を明確にして海外で経験を積み、語学力や学力を身につけた日本人学生ならば、むしろ企業としては積極的に採用したいようだ。
「留学経験者は給与2倍」を提示した企業も
学生の就職事情に詳しいジャーナリストの石渡嶺司氏はJ-CASTニュースの取材に対して、留学を経験した日本人学生は「就職に有利」と話す。内定がなかなか取れない今の時代に、あえて休学してまで外国で学ぼうとする「チャレンジ精神」を評価する企業は少なくないというのだ。
ただし石渡氏は、「留学の『質』が問われます」と付け加える。短期の「体験留学」や、渡航先でも日本人とばかり交流していたようでは、企業へのアピール度は低い。どこへ行き、何を専攻したかは問題ではないが、異文化の中で「さまざまな苦労を乗り越えたかどうか、何かひとつのテーマを徹底して勉強したか、が見られるでしょう」。
米国の大学などは、授業中に同級生と英語で討論する機会が多く、宿題も驚くほど大量に出される。寮生活ともなれば、周囲との英語でのコミュニケーションは欠かせない。これらをクリアして自己の目標を達成できれば、会社としても「世界を舞台に活躍できる見込みあり」と判断する可能性が高いようだ。
自動車部品メーカーのユーシンは、2013年4月入社の学生の中で留学を経験し、ビジネスレベルでの外国語力をもつ人を対象に、給与を1.5〜2倍引き上げる制度を導入する。日本経団連は8月に、海外の大学や大学院での課程を修めた学生に対する就職説明会を開催する予定だ。
石渡氏も「例えば日本経団連が、『留学経験者は就職活動でしかるべき処置を図るよう考慮する』といったメッセージを発信すれば、学生も『留学は就職にマイナスにならない』と理解するのではないか」と提案する。企業がグローバル化を強力に推進していく中で、社会のサポート体制も徐々に整っていくかもしれない。
海外適応力検査、日本人の弱点 (注釈アリ)(
2012年04月26日 マイナビニュース)
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海外進出企業のメンタルヘルスケアを行うMD. ネットは、2006年より提供している海外勤務適応力検査「グローバルIQ(R)」を、日本と中国の大学生に実施しその結果を発表した。海外適応力は、日本人大学生より中国人留学生の方が高いという結果になった。
日本人大学生と中国人留学生を比較
このほど実施した検査「グローバルIQ(R)」とは、海外業務適応力とメンタルリスクを同時に測定できる、精神科医監修のテストのこと。「予測できない課題、変化に臨機応変に対応する力」「結果を出す力」「葛藤を乗り越える力」などの資質の評価ができるという。今回の検査は2011年11月〜3月に、日本と中国の対象者それぞれに対して実施。日本は東京都内の私立大学に通う大学生262人(男性202名、女性60名)、中国は東京都内の大学(国公立、私立)に通う中国人大学生246人(男性153名、女性93名)。年齢は日本人・中国人とも18歳〜22歳を対象に行った。
調査結果からは、日本人大学生に比べて中国人留学生の海外環境適応力が高いことが明らかとなった。「グローバルコミュニケーション能力」「身体健康度」「精神健康度」「環境適応性」「レジリアンス」をそれぞれ比較した結果、「身体健康度」は日本人大学生と中国留学生では同様だったが、他はすべて中国人留学生が上回るという結果に。また、中国人留学生は目標に向かう意欲が高く、チャレンジ精神も旺盛であることもわかった。これは海外に勤務し一定の成果をあげているグローバルビジネスパーソンと比較しても遜色ない結果であるという。
補足と注釈
この検査は、海外勤務者のメンタルヘルスの専門マネジメント企業である
MD. ネットのレポートが記事になったものです。対象が都下の日本人&中国人大学生なので日中比較になり、記事のタイトルも「海外適応力検査、中国人留学生が日本人大学生をリード」になります。
しかしここでは、”意訳”して世界のレベルからみて日本人の何処が足りないか?と捉え直しました。そのココロは、別に中国の人だけがライバルになるわけでもないし、中国人とだけ比較してモノを考えるよりも世界のレベルと比較してみた方が意味があると思ったからです。
この記事の本質は結果グラフですのでグラフ画像も掲載しますが、注目すべき点がいくつかあります。世界基準に比べて、@日本人のコミュ力は意外にもそれほど劣ってないこと、A身体健康度もさほど悪くないし、中国人と比べても同等レベルであること。その代わりB環境適応性がやや落ち、さらにC精神健康度とレジリアンスがかなり劣っていること、つまり弱点はココだということです。
「レジリアンス」というのは聞き慣れない言葉ですが、resiliance(弾性、回復、立ち直る力)ということで、平たいコトバで言えば「打たれ強さ」でしょう。精神健康度、ひいては環境適応性が劣るのも、同じようなベースでしょう。簡単に言えば、カラダは結構元気だし、コミュ力もそこそこあるのだけど、ココロが弱い。環境が変ると動揺するし、凹んだら元気になるまで時間がかかるような感じでしょうか。
ちなみに個人的に一番興味深かったのは、中国人の場合で、環境適応性や打たれ強さはほぼグローバルレベルで遜色ないくらい強いのだけど、なぜか精神健康が劣るという。日本人ほどではないけど、ちょっと落ちている。適応力があって、打たれ強かったら精神的にも安定しそうなんだけど、そうなっていない。そこが不思議というか、深いところですね。
もう一つ付言するなら、このレポートに関するネットの反応を見てても思うのですが、今の日本人は中国人を意識しすぎだと思いますね。長期展望に立った場合、意識すべきは中国ではなく、むしろインドであり、さらに周辺のアジア諸国だと思います。でも、ちょっと前まで「世界=アメリカ(英語=米語みたいな)」で、今は「グローバル=中国」なのだろうか?この多極化の時代、そんなシングルトラックのモノの見方でいるのが一番ヤバいような気がします。
「内向き」学生には旅をさせる? 大学が留学を後押し(
2012年05月01日 日本経済新聞)
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海外への関心が薄い「内向き志向」が指摘される学生向けに、早稲田大学、一橋大学など主要大学が相次ぎ留学支援を広げている。世界で活躍する人材を育てるため、選抜した少数の学生に留学機会を与え、高額の資金も援助。一方、多くの学生に留学を促そうと相談窓口や留学プログラムも充実させている。
早稲田大学は4月から全学生を対象に、国際政治や異文化理解などを学ぶ無料講座を新設。500人以上が全50講座の受講を始めている。このうち15人を選抜し、2013年にワシントン大学など米国の有力5大学に1年間派遣する。現地の授業料を免除し、渡航費も1人約30万円給付する。
帰国後も米側5大学から留学にきた学生と環境問題などの世界的課題を論じる講座を設け、英語の論文も指導する。
立命館大学は4月、韓国の東西大学、中国の広東外語外貿大学と組み、各大学で選抜した学生が一緒に留学して学ぶ「キャンパスアジア・プログラム」を設けた。文学部1、2年生の計10人が対象で、12年度はまず韓国語、中国語などを学習。13、14年度は、1年を3学期に分け、学期ごとに各大学を回って学び、寮生活も共にする。留学中の授業料は免除する。
一橋大学は12年度、英オックスフォード大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに1人ずつ派遣し、1人に最大350万円を給付する制度を立ち上げた。
幅広い学生を対象にした支援策では明治大学が11年度、どの学部でも正規の授業として単位が取れる留学準備講座(全15回)を開設。12年度は交換留学の対象ではない大学で学ぶ際、最大30万円補助する制度を始めた。
文部科学省によると、海外留学した日本人は09年、5万9923人にとどまり、5年連続で減少している。
内定者6割「グローバルな人材に」変わる就活戦線 大学生「外向き」 企業、語学や留学経験重視(
2012年05月05日 MSN産経ニュース)
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海外旅行や留学に行かず国内での安定した生活を希望するなど、近年「内向き志向」とされてきた若者に、就職活動を通じて海外へ目を向ける“変化”が出始めている。不況で国外に活路を見いだす企業が、留学経験者など国際社会で活躍できる人材の獲得に乗り出したことの影響だ。内定者の約6割が「グローバルな人材になりたい」と答えた調査結果もあり、「内」から「外」への意識改革が加速しそうだ。(玉嵜栄次)
「卒業証書を持って、熱帯雨林へ。」。ソニーの製造子会社のマレーシア現地法人は今春、新卒者向けの採用サイトにこんなうたい文句を掲載した。
これまでは現地採用が中心。昨春に同じうたい文句で、初めて日本国内で新卒の社員募集したところ、数人の枠に100倍近い応募が殺到した。
ソニー広報センターの新中さつきさん(28)は「応募者からは今すぐ海外で働きたいという熱意を感じた」と驚く。
今年4月に入社した大学生778人を対象に、就職情報サイト「リクナビ」が昨年12月にアンケートしたところ、59%が「グローバルで通用する人材になりたい」、48%が「グローバルで通用する人材になるため実際に行動した」と回答。53%が語学の勉強、61%が語学資格の受験、19%が留学などの海外経験を行っていた。
背景には採用の変化がある。就職情報会社「ディスコ」が行った今年2月の調査に回答した1245社のうち、「今春、留学経験者を採用する」とした企業は前年度比約10ポイント増の22%。経済同友会の調査でも「留学が採用に影響しない」とする企業は平成18年に72%だったのに対し、22年は60%まで減り「外向き」の人材に注目が集まる。
キャリア形成に詳しい東京大学の村上壽枝・特任専門職員(43)は「企業にとって留学経験はこれまで、サークル活動やアルバイトと同列の扱いだったが、人口減や内需の底打ちで海外進出は避けられず、国際的な人材を確保しなければ立ちゆかなくなった」と指摘。原発停止による電力不安や円高で、国外に進出せざるをえない企業ならではの事情が拍車をかけているという。
秋入学導入を進める大学の変化も追い風だ。留学すると帰国時に採用が終わっていたり、就活期間が短期化したりすることが多かったが、経団連が留学生向けの就職説明会を今年8月に計画するなど、学生が海外に出やすい環境が整いつつある。
ただ、リクナビの岡崎仁美編集長(41)は「秋入学は追い風と思うが、企業は留学実績ではなく海外生活で言語や文化の壁を乗り越えた“攻め”の経験に注目している」と話している。