語学学校研究/総論
語学学校の選択の基準(その4)
語学学校のコースには、一般英語コース(ゼネラルイングリッシュ、EGP=English for Academic Purpose)のほかに、進学コース(アカデミックコース、EAPあるいはIELTSコース)、ビジネス英語コース、ケンブリッジ検定試験受験コース、その他の試験コース(TOEICなど)、高校編入準備コースなどがあります。
しかし、95%の人の場合、一般・ゼネラルコースで良いと思います。
最終的な目的が進学であれ、ビジネスであれ、それら専門コースに入るためには中上級クラスの英語力が必要とされます。なぜなら、これらのコースは、基礎的な英語知識と技能を修得したことを前提に展開されますので、4スキルズに不足の点があったり、バランスが悪かったりしたら、まずはそこからやりなさいってことです。そして、最初からそのレベルまで達している人は、日本人の場合非常に少ないです。以前TOIECで860点以上クリアしている方が来られましたが、それでも進学コースに入るのを拒まれたという事例もあります。ある程度知識はあるけど、「温まっていない」と。つまり、実戦経験が乏しいので、英語を自分の言葉として喋るまでに至ってないので、まずはウォーミングアップでゼネラルをやりなさいということですね。逆に現地で数年以上の滞在経験があって、オーラルはそれなりにこなしても、文法などツメが甘い人は、同じく基礎をもうちょっと固めなさいということになります。かくして、多くの場合は最初はゼネラルで地力をつけ、後々意向に応じて進路を変えていくという感じになろうかと思います。
ところが、英語の発展段階に応じて学校に求められる機能は異なります。海外生活それ自体に不慣れで、英語を日常的に使うことに慣れてない人の場合、まずは日常生活の安定、精神の安定が大事であり(これも性格によりますが)、英語に関して言えばこれまで中高生時代やってきた知識を実際に使ってみる、実戦現場において身体に馴染ませていくプロセスが不可欠になります。そのため、「楽しく英語を使って生活できる環境」というのが重要なポイントになるでしょう。黙々と勉強するだけだったら日本ででも出来ます。留学する意義は、イチにもニにも実戦&実践でしょうし、実践というのは楽しければ楽しいほどはかどります。不機嫌だったら口数も自然と少なくなるから、結果として喋る機会も少なく、伸びない。
そうなると、どういう環境だと自分は快適に感じるのか?という自己分析から始める必要があります。幼稚園的にほんわかムードでキャーってやってるのが好きという人もいるでしょうし、シリアスな切磋琢磨的雰囲気が好きな人もいるでしょうし、のしゃらんとしたマイペースが好きな人もいるでしょうし、ワイルドでパワフルなヨーロピアンパワーに「持っていかれる」のが気持いい人もいるでしょう。ここは思案のしどころだと思います。これは「選択基準その3:雰囲気」と重複しますが、いかに自分が気持がいいか、のびのびとした自分になれるかという環境こそが一番大切だと思います。
さて、そういった心地よい環境である程度地力をつけた場合、いよいよ個々のコースに関して選ぶ必要があります。
各コースにはそれぞれ特徴があるのですが、なんとなく雰囲気とか名前とかで選んでしまう傾向もなきにしもあらずです。各コースに関して、簡単にコメントしておきます。
もっぱらオーストラリア国内の大学、専門学校への進学を目指したコースで、EAPコース、IELTSコースなどと呼ばれます。
IELTS(”あいえるつ”と読む)というのは、イギリスやオーストラリアで最もポピュラーな英語検定試験であり、大学、専門学校、あるいは永住権の審査などあらゆるところに登場してくる試験です。進学コースというのは、とりもなおさずこのIELTSのための受験勉強コースだったりします。
IELTSは、いわゆる4スキルズといわれる、Reading, Writing, Listening, Speakingが均等に試されます。その意味で、もっぱらグラマーや、Reading、ListeningがメインのTOEICやTOEFLと違います。
ところで、こちらの語学学校にはTOEICコースもありますが、大体が正規のコースというよりは、パートタイムや夜間で、しかも2週間程度だけだったりします。TOEICは過去問に慣れ、テクニックを習得すると100点くらいすぐに上昇すると言われているので、それ以上専門にやる必要はないと思われているのでしょう。これに対し、IELTSコースは正規のフルタイムコースで最低でも4週間からということで、かなりガッチリやります。IELTS試験は、一般試験とアカデミック試験があり、大学などを目指す場合はアカデミック試験を受けなければなりません。そこで要求されるのは、文系理系それぞれにキチンと通用する論文作成能力であり、いわゆるエッセイライティングです。またリーディングの内容も、ある程度専門的なものが出ますし、数十行にわたる長文を殆ど読み返ししないで一気に理解できる程度の読解力が求められます(読み返したたら時間が無くなる)。また、リスニングにせよ、スピーキングにせよ、ヤマも張れないし、また誤魔化しがきかないだけのまとまった時間やります。
いずれも英語としての総合力を試すには良い試験なのですが、それだけにハードですし、付け焼刃では通用しない恐さがあります。そのため、このコースに入るには大抵入学試験が課せられますし、ゼネラルコースで中級上(Upper intermediate)クラスでないとそもそも入れてくれないところも多いです。英語に関する基礎的なレベル、つまり文法上で分からないことがあるとか、スピーキングがたどたどしいとか、そういったものは全てゼネラルで習得すべきであり、進学コースは、それら基礎力は十分に習得してきたという前提の上で、IELTSというハードな試験においていかに自分の実力を表現するか?という点に眼目がおかれます。そして、そのコースの実質的内容は、もっぱら読み書きだったりします。特にライティングは、他の3スキル以上に鍛えれば鍛えるほど伸びます。なぜかというと、ここで求められるのは、特殊なエッセイライティングという起結承転結のフォーマットに即し、簡にして要を得た切れ味鋭い論文であり、日常生活ではそんなに使わないパターンだったりするからです。
以上のことから、IELTSコースを、ぶっちゃけて言うならば、ハードであり、濃くもあるのだが、もっぱら読み書き中心であり、ともすれば退屈なコース、ということになろうかと思います。退屈かどうかの感じ方は人それぞれでしょうが、ゼネラルコースのように授業中にゲームをやったり、楽しいやりとりがあってどっと湧く、、という感じではないでしょう。
多くの日本人の場合、いきなりこのコースに入るのは難しいでしょう。学校によって、IELTSコースのレベル設定もマチマチですし、また最終目標が専門学校(IELTS5点程度)なのか、大学なのか(6.5点−7点、かなり高度な言語能力を求められる法学部などのコースの場合は7.5点)によっても違うでしょう。しかし、殆どの場合はまずゼネラルからやることになろうと思います。
いわゆるダイレクトエントリーについて
なお、英語学校によっては特定の大学や専門学校と提携していて、当該英語学校の特定のコースを修了すれば無条件にその大学に進学できるという、いわゆるダイレクトエントリーをやってる場合も多いです。これはここ数年の流行のようになっていて、あちこちの英語学校があちこちの大学や専門学校と提携しますので、もうリアルタイムに「どこがどこと?」というのが把握しきれなくなるくらいです。
もっとも、ダイレクトエントリーだからといって特別に易しく入学できるというわけではなく、英語学校も提携先の大学に責任がありますから、あまり出来ない生徒にお墨付きはあげないでしょう。あんまり出来の悪い生徒を送り込んだら提携先から「もうちょっと鍛えてから送ってくれ」と文句を言われるでしょうしね。ですので、ダイレクトエントリーを「楽チンな近道」と過大に期待しない方がいいです。それに入学基準のIELTSのレベルなど、実際に進学したら本当に最低限であり、多少余裕で入学するくらいでないと後で泣きをみます。
なお、ダイレクトエントリーによらず普通にIELTS試験を受験して入学するパターンも十分あり、シドニーでしたら、IELTS試験は毎月最低1−2回はやってます。詳しくは、IELTSの本家のページから、オーストラリア、シドニーのロケーションで調べていくと、試験会場や日程が分かります。シドニーの場合は、UTS(シドニー工科大学)が会場として有名ですが、シドニー大学、マッコーリー大学も試験会場として認定されています。
また、大学の学部によっては、入学基準を単に日本の高校卒業資格だけでは足りないとして、その分補充的にファウンデーションコースに通学することを求めているところもあり、そこは大学によって違います。また、英語学校の進学コースの中でも、単にIELTS受験準備だけではなく、ノートティキング、リサーチ、プレゼンテーションなど、ファウンデーションコースのように大学に入ったあとに必要となる基礎スキルをやっているものもあります。
ところで、大学に進学しようという人の場合、特に日本でも大学や短大を卒業して、新たにこちらでまた大学にいくような場合、どの大学のどの学部がいいか、手続はどうするか、また日本で修了した単位を認めてもらい修学年限を短縮してもらう交渉事など(担当教授や主任係官にアポとって直接面談するとか)など、全部自分ひとりの力で調べて、出来るくらいになっておいてください。こちらの大学はかなりハードです。その程度のタスクすらこなせないようでは、入ったとしてもついていけないでしょう。
それと、脅かしてばかりいるようですが、こちらの大学の事務はかなり劣等です。もうハッキリ言い切っちゃいますが、基本的な事務処理能力が欠落してるんじゃないかと思われるくらい、いい加減だったり、嘘を教えられたり、書類を紛失されたりします。ですので、トリッキーな対応に振り回されず、多少ダメといわれたくらいではメゲないだけのタフさとしたたかさを鍛えてください。
余談になりますが、オーストラリアの大学に入学する人の相当数の割合が、永住権狙いだったりすると思います。新卒者永住ビザというのがあり、またボーナスポイントを稼ぐために、日本人が行くのは、特定の学校の特定のコースだったりします(NATTIコースとか、調理師専門学校とか)。そのあたりは、留学相談ではなく、ビザ相談から始めて、大きなグランドデザインを画定してから、論理必然的に「自分のキャリアと年齢からしたらこれらの学校」という感じに絞られていくと思いますし、何となく行き当たりばったりでやってたら永住権はおぼつかないでしょう。
これも英語検定試験のための対策コースで、IELTSに似ているのですが、おもむきはかなり違います。一つにはヨーロピアンが好きな試験であり、ヨーロピアンの生徒が殆どであるという点ですね。IELTSは、オーストラリアの大学や専門学校への進学コースですが、こちらの学校に進学したいと思うのは、大体においてアジア人です。ヨーロピアンの場合、ヨーロッパにもいい大学が山ほどありますから、よほどのことがないとこちらの大学等に進学したいとは思わないでしょう。ですので、IELTSコースはアジア系の学生がメインであり、ケンブリッジはヨーロピアンの学生がメインであるという、かなりクッキリとした色分けがなされているように思います。
ケンブリッジ検定コースがヨーロピアンに人気があるのは、それがヨーロッパにおける英語の実力証明試験として広く認知されているからでしょう。逆に日本の場合は、ケンブリッジ検定コースは(IELTS試験ともども)、ほとんど無名に近く、もっぱらTOEIC試験(プラスTOEFL)でしょう。ちなみにTOEIC試験は世界的には殆ど無名です。
ともあれ、ケンブリッジ検定試験は、ヨーロピアンとしてはかなり実益のあるコースになります。特に西ヨーロッパの学生の場合、もともと言語体系が英語とかなり近いこともあり、英語による日常的な意思疎通や会話では殆ど困ることがなかったりしますが、よりハイグレードな職を得るためには、なんとなく通じるだけではダメで、「キチンと、格調高く、正確に」出来ないとなりません。その証明としてケンブリッジ試験が広く認知されているのでしょう。
もともと英語における本家本元であるイギリスが近くにあるのに、わざわざ地球の反対側のオーストラリアまで英語学校にやってくるヨーロピアンの意向は何かというと、推測するに、第一に留学費用がイギリスよりも安いという経済的なことに加えて、第二に「遊べるから」だと思います。寒い地方であるヨーロピアンのトロピカルなものへの渇望でしょう。ケンブリッジ検定コースを受けにはるばるやってくるヨーロピアンの感覚は、一方で実益のあるケンブリッジ検定をゲットしつつ、他方でトロピカルにエンジョイしようということであり、丁度、本土の日本人が、自動車免許の合宿に石垣島に行くような感じなのかもしれません。それゆえ、北半球が寒くなる年末ころから、特にケンブリッジ検定コースの行われる1月初頭に、彼らが続々とやってきたりするわけです。また、彼らにトロピカルなアクティビティを提供することも学校の営業上大事なサービスになりますから、海辺の学校が頑張ってサーフィン教室などを開いたりするわけです。
ヨーロピアンの事情はさておき、日本人にとってケンブリッジ検定コースの意味は何かというと、日本の就職にそんなに役に立つとは思いにくい以上(日本の企業はそんなに英語に明るくないのでしょうね、明るかったらTOEICなんか基準にするわけないと思うし)、もっぱら”知的好奇心”ということになるでしょう。そして、実益から離れた知的好奇心で受講したとしても、それなりに満足できるコースであるとも言われています。
ケンブリッジ試験は、IELTSやTOEICなどと違って、点数が示されるのではなく、各レベルに応じて行われる試験(アドバンスト=Certificate in Advanced English [CAE] とか、ファーストサーティフィケイト=First Certificate in English [FCE] とか)に合格するか落ちるかという形で示されます。そして、各レベルといっても、もともとかなりレベルが高いです。実際に開講されるのは、CAEやFCEがメインだったりするのですが、比較的楽なFCEですら、コースへの入学試験をクリアするのはかなりの英語力が求められます。中上級から上級クラスですから、TOIECに換算してもあんまり意味ないのですが、優に800点以上の実力がないと、そもそも受験対策コースに入ることすら出来ない。
このくらい英語が出来るようになると、ある程度英語も楽に使えるようになっているのですが、まだまだ甘いというか、スキだらけだったりするわけです。「なんとなく喋れるようになってる」程度のレベルでしょう。そして、そのスキや、脇の甘さをケンブリッジ検定コースではビシバシ指摘し、叩きなおされますから、自分の英語が引き締まっていく、キメ細かく完成されていくという知的快感があるのだと思います。単純に面白いだけではなく、中上級になり、なんとなくまったりと伸び悩んでる英語力がさらに向上するという実益もまた当然にあります。
ケンブリッジ検定コースは、オーストラリアにおけるケンブリッジ試験の日程に合わせて、逆算して8-12週間前から始まります。検定試験のレベルにもよりますが、通例年に2−3回開講されます。
よく、ビジネスに役立たせたいからビジネス英語コースを捜しているのですがという問い合わせが寄せられるのですが、メールのお返事を書くときにいつも「うーん」と考え込んでしまいます。
僕も海外でビジネスやってますし、英語で意思疎通する機会も多いですが、別にビジネス英語コースを取ってないし、またビジネス学校にも行ったことがないです。シドニーで働いているほかの日本人にしたって、アンケートを取ったわけではありませんが、知ってる範囲で言えばビジネス英語コースなんかやってないんじゃないかなあって思います。だから、英語でビジネスをやるのにビジネス英語コースというのは本当に必須なのだろうか?という、ものすごい根源的なところで「むむむ」と思ってしまうわけです。
実際こっちでビジネスやる場合に何が必要かというと、あくまでも一般的な英語力です。基礎力がしっかりしてたらそれで差し支えないんじゃないかってのが僕の実感です。いま日本で働いているあなたは、いったい一日の間にどれだけ「いわゆるビジネス的言い回し」を使ってますか?会社の同僚、取引先との電話、クールに見ていけば、その殆どが一般会話じゃないですか?いわゆる雑談とか世間話は営業マンにとっては非常に大事です。「いやー、なかなか涼しくなりませんねー」「桜ももうすっかり散っちゃって」「最近ゴルフに凝りはじめましてね」とかそんなこと喋ってるでしょう?必要なのは、キチンとした日本語(敬語、てにをは、要領を得た話し方、そして如才なさ)であって、格別のビジネス的用法なんかあんまりないでしょ?「謹啓、薫風の候、貴社益々御清祥のことと御慶び、、」なんてのはパソコンにあらかじめ入ってる手紙定型分を呼び起こして、名前と日付を変えてるだけって気もしませんか?
だいたい、考えてみたらわかるように、「ビジネス」という名前のビジネスはどこにも存在しません。実際のビジネスは、その業種、職種、細かく言えばその会社会社によって、使用するボキャブラリや言い回しが自ずと決まってくるのであり、ホテル業界も、証券業界も、法曹界も、製造業もひっくるめて統一的な言語体系があるわけではないともいえます。
それらの最大公約数をやろうと思ったら、いわゆるビジネス的なややかしこまった語法による電話の受け答えであったり、FAXや手紙の書き方だったりという形式的な部分になっていかざるをえない部分があります。でも、そんなのだったら市販の教材で十分だという気もします。あるいはそれすら要らないのかもしれません。実際にあなたがどっかの会社に入って現場に立ったら、もう現場で覚えるという感じになると思います。一般的な商用文例集などは殆ど役に立たず、先輩たちが書いたFAX文などを探してきてそれを盗んだり、自分のパソコンに一定の類型ごとに入れておいたりしてやっているのが実情なのではないでしょうか。僕もこちらに来るにあたり、「ビジネス英文手紙の書き方」などの本を買い漁ってきましたが、およそ役に立ったという記憶はありません。何が役にたったかというと、実際の取引で相手から送られてくるFAXや、銀行や電話会社から送られてくるお知らせやINVOICEなどでした。「ははあ、この表現はパクれる」と自分でメモしたり、パソコンに定型書式を作ったりしました。
こういった「生きた商用文例」というのは、別に学校にいかなくたって、あるいは留学しなくたって、集めることは十分可能です。「商用文例集」という形で探すのではなく、英語で記載されているインターネットのサイトを片端から見ていけば、実際のパブリックアドレス用の生きた文例があるわけですし、そこから自分の好きなフレーズや言い回しをパクってくれば良いです。また、実際の個別の手紙やメール文は、個々的に各サイトと問い合わせなどのメールのやりとりをすればわかったりもします。
それに個々の業種のボキャブラリは、その業界のサイトにいって見ていれば、自然に覚えるでしょう。例えば証券業界の用語を知りたかったら、その関係のサイトを見ていけばいいわけです。
ちなみに、役に立ちそうなサイトをちらっと探してみたら、
http://www.esl-lab.com/index.htm
などではインターネットで様々な局面でのリスニングを無料でトライすることができます。
http://www.oldandsold.com/articles10/voice-27.shtml
は基本的にはアンティークのサイトなのですが、なかなかためになるコツなどが書かれています。
http://www.basic-learning.com/bls/index.htm
http://www.askoxford.com/betterwriting/letterwriting/usefulphrases/business/?view=uk
なども面白そうです。
このように、題材それ自体でしたら、インターネットを活用することで無料でいくらでも引き出してこれると思います。なぜ、こんなにあるかというと、ビジネス系のかしこまった英語というのは、ネィティブだって自然に出来るわけではなく、ある程度修練が必要なので、広く一般にコツなどで伝授されているからです。これは日本語の場合を考えてみたらよく分かると思います。学生さんが就職するときのための「ただしい敬語の使い方」「会社での基本的なものの言い方」などのコツは、インターネットにいくらでも転がっているでしょう?そして、それらは、外国人のための「日本語講座」としてではなく、僕ら日本語ネィティブのためのものだったりします。だから、ちょっと調べたらいくらでも出てくるというわけですね。
じゃあ、ビジネスコースって何の意味もないのか?というと、別にそんなことはないです。あれはあれで面白いし、実際非常に楽しかったという声も多いです。でも、何が良かったかというと、ゼネラルをある程度やった人が、ある程度目先を変えて新鮮味があって面白かったとか、全体のレベルが高くて引き締まってて良かったとか、あるいはクラスメートが良かったとかいう感じだと思うのですね。ビジネスコースを取る人自体、ある程度英語力があり、且つビジネス経験が豊富な人が多いし、自分自身ビジネス経験が豊富だったりしますから、これまでの仕事経験を生かして突っ込んだ内容で討論ができるなどのメリットがあります。それははっきりとメリットだと思います。
題材は、商用文などのほかに、株式や先物取引の実例やら、人事事務の実際などトピック的なものも多く、「それって本当に自分が将来使うのだろうか?」という実用性に疑問のあったりもするでしょう(^^*)。でも実用性よりも、題材としての面白さがミソなのだと思います。
総じて言えば、「将来英語を使った仕事をするからビジネス英語は必須だ」とあまり思いつめなくてもいいですし、別に英語圏や外資に就職するつもりはないから無用だというわけでもない、ということです。
実戦英語力をはかるメソッドとしてTOEIC試験がとしてどれだけ優れているか?というとかなり疑問視する声は多いです。なぜならスピーキングやライティングという最も実戦において意味をもつ部分が試されないからです。実際、TOEICをやってる国は世界でも日本と韓国だけですし。
しかしながら、日本に帰国したときに「TOEIC○点」というのは就職その他で意味をもつのは事実です。まあ、こんな試験に意味をもたせてる時点で、日本の企業がいかに英語というものを知らないかが露呈しちゃってるわけですが、それはさておき、「帰国の際へのお土産」としてTOEICで高得点を取って帰ろうというのはリーズナブルな選択だと思います。1年こっちにいたら800点かそこらは取れなくては嘘ですから。
そこでTOEIC対策コースがどこの学校でも開催されています。が、フルタイムでギンギンにやってるところは少ないです。「しょせんTOEICでしょ」みたいな、余芸としての扱われ方で、午後の選択科目に入っていたり、夜間コースに入っていたり、あるいは集中の2週間だけのコースになっていたりします。そのココロは「TOIEC対策なんか2週間あったら十分」ということなのでしょう。実際十分です。
IELTSとかケンブリッジ試験は、付け焼刃の受験勉強はききません。それなりの対策は必要だとしても、基本的に誤魔化しのきかない英語力をチェックされます。しかし、TOEICは選択肢から選ぶだけの試験方式であることから、バリエーションに乏しく、結局はある程度正確な文法知識を身に付けると同時に、「傾向と対策」を徹底的にやれば、それだけで無条件に100点はあがるといわれています。2週間の対策コースというのは、この傾向と対策をみっちりやるわけで、具体的には過去問や練習問題です。毎日100問、2週間で1000問やってれば、大体のひっかけ問題パターンとかは網羅できますし、よく出る個所もわかります。ですので、それを集中的にやればよい、と。つまりは受験技術であり、受験技術をしっかりやれば点が取れてしまう試験がTOEICだということです。
もっとも幾ら受験技術を身に付けても、基礎力に乏しかったら話にならないです。しかし、その基礎学力はTOEIC対策コースではなく、ゼネラル英語コースでやるべきであり、TOEICコースでやることといえばやっぱり受験技術になってしまうってことです。
ですので、語学学校を選ぶときにTOEICコースの有無だけで選ぶのはあまり賢い方法ではないでしょう。TOEICコースだけだったら、どうせ夜間コースなどで他の学校、あるいは学校ですらない情報センターなどでも開催されていますから、正規の学校とのダブルヘッダーで十分可能です。2週間だけですしね。英語力をつけたいのでしたら、ちゃんとゼネラル英語コースを照準に据えて選ぶべきであり、いよいよ帰国間際になって、英語力が最高レベルになった頃にTOEICコースをやってるところを(それは自分の学校かもしれないし、他かもしれない)探せばいいです。
ちなみにTOEIC試験はオーストラリアでも受けられますが、多くはTOEIC対策コースを持っている学校内で行われます。学校などはTOEICの組織に「TOIEC会場として試験を実施したい」と申請すれば自分のところでTOEIC試験を開催できます。わりと簡単に認められるようで、ですので多くの学校では「うちはTOEIC会場にも指定されてます」と言ってるわけですね。逆に一般のTOEIC試験がどれだけ実施しているのか実はよくわからなかったりします。
なお、TOEIC対策コースの受講生は圧倒的に日本人、そして韓国人です。その両国でしか知られてない試験ですので、当たり前ですけど。
HSP (High School preparation)コースは、オーストラリアの現地の高校に編入するための英語コースです。これは普通の語学留学とは全然違って、こちらの中学高校への留学の前提として設けられているものです。
ある程度のところまでは英語の基礎ですが、実際に現地の学校に入ってもやっていけるように、「勉強英語」をやります。つまり、一般の英語コースではあまり出てこない単語、たとえば四則計算や九九を英語でやるとか、「二等辺三角形」とか、理科とか社会とか実際の授業に則して必要な英語をやります。
これはもう中高生留学論としてやるべきなのですが、中高生留学をする場合の英語力養成は、@留学先の学校が英語補修プログラムをもっていてそこに通えば十分という場合、Aカトリック系スクールの共通のインテンシブスクール、そしてB一般の英語学校の高校準備コース、という選択肢があります。
中高生留学は、多感なティーンエイジャーがすることから、単に英語を習得すればそれでOKという単純な話ではなく、生活面や精神面でもまだ脆いところがありますから、それについてのサポートがどれだけあるかというのが選ぶにあたって基準になろうかと思います。親御さんの立場でいえば、まずその学校に日本人のカウンセラーが常駐していること、そのカウンセラーがあなたから見て(実際に会ったり、話したりした感じとして)信頼できそうだし、相談しやすい感じであることが大事な点だと思います。そうでないと、現地で精神的にトラブッたりしたとき、学校と親御さんとの通信連絡はすべて英語という話になり、意思疎通面に不安があります。
あと、こちらの高校の2年生、3年生(Year11、12)は完全な進学コースになります。現地のオーストラリア人は高校一年終了時に卒業することが出来、大学進学を望む生徒だけが11,12年生に進級します。そしてこの2年間は急に難度が上がり、アカデミック重視の予備校並のハードな授業になります。そのため、この2年間だけ独立して学校として成り立たせることも可能であり(もちろん当局の認可を受けて)、語学学校の中には別エリアにこの2年分の学校を設けているところもあります。そういった学校に通えば、高校準備コース→語学学校内高校(11,12年次)というパターンになり、現地の高校には行かないということになります。このルートは、どちらかといえば現地の高校に留学するのが最終目的なのではなく、現地の大学に進学するのが最終目的であり、そのための予備校みたいな感じなのだと思います。
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