日本食を安く、楽しく作りたい!!!








2)食べたいときが工夫のチャンス


*魚のみそ漬け
 さて魚のみそ漬けを作ってみましょう.みそも高いのにそんなにたくさん使えないなどと心配はご無用です.意外と少しのみそで作れるのです.

 まずみそ漬けにしたい魚の切り身を買ってきましょう.trevaleyや赤魚( red fish )などがおいしいですが、好みで何でも試してください.切り身の魚全体に薄く塩をして、網かざるの上に並べてラップをし、冷蔵庫に一晩置きます.急ぐときは3、4時間で構いません.

 つぎにみそ床を作りましょう.みそ大匙3、しょうゆ大匙2、酒大匙1、さとう大匙1/2をよくまぜあわせます.これを魚肉全体によくまぶしつけ、タッパー容器やナイロン袋に入れて漬けておくこと5、6時間.あとはみそをこそげ落として、グリルで焼くだけです.

 ついでに同じ方法で牛タンもみそ漬けにしてしまいましょう.fresh (=生=pickledとかconed ではないもの ) の牛タンは1本2〜3ドルで手に入ります.



  1. 牛タン1本を皮付きのまま深めのなべに入れ、たっぷりの水をはって強火にかけ、煮立ったら弱火にし、アクをすくう.
  2. 酒カップ1/2を加え、途中タンがゆで汁から頭を出さないように、水を足しながら2時間くらいゆでる.
  3. ゆで上がったら火を止め、そのままさます.
  4. 皮をむいた後(手で簡単にむけるはず)、フォークなどであちこち突き刺す.
  5. ボウルに、上記のみそ床を調合する.
  6. ナイロン袋に4.のタンと、5.の合わせみそを入れ、タンの表面によく行き渡るようにする.
  7. 冷蔵庫で2、3日おいて味を染ませる.
  8. 薄切りにして召し上がれ.オードブルやビール、ワインのつまみに最高です.


*明太子
 本場福岡のたらこから作った明太子とは行きませんが、かなりそれに近いものを作ることもできます.

 まず、アジア系の魚屋さんで、活きのよい形のくずれていない生のfish roeを買ってきます.trevaleyのものを売っていることが多いようですが、しらこや、別のさかなのfish roeもごちゃまぜにして目方で売っているのをみかけます.山盛りの中から新鮮そうなものを注文をつけて選んでください.これにたっぷりと塩をして、ふきんで包み、冷蔵庫で数日間塩づけにします. 

 つぎにfish roe 500グラムあたり、だし汁11/2カップ、酒1/2カップ、みりん1/4カップを沸騰させ、砂糖大さじ1、塩大さじ1を加え、さらにチリパウダー20グラムを入れて調味液を作ります。調味液が冷めたらfish roe を漬け、冷蔵庫で3日以上経ったら出来上がりです.もちろん生でも食べられます.保存したい時は一つ一つラップに包んで冷凍庫に入れたら数ヵ月は大丈夫です.明太子スパゲティなんかにしてもとてもおいしいです.


*手打ちうどん(讃岐風)
 さて今度は本物の手打ちうどんの作り方です.うどんはメルボルンでも半生麺や、乾麺でそこそこ良いものが手に入りますし、そう値段も高くないので、自分で作ろうという動機にはやや欠けるかも知れません.しかしオーストラリアの小麦粉(plain flour)はうどんに最適の中力粉で、日本がわざわざうどん用に輸入しているくらいです.おまけにさしたる技術も要らず、素人でもプロ並みのこしのあるおいしいうどんが作れるとなったら、やってみない手はありません.

材料(8-10人分程度)
    中力粉 1kg(普通に売っているplain flour です)
    水  500ml (塩を含む* )
    かたくり粉 (前述の一生粉など.打ち粉に使います)

* 時間に余裕があれば、水400ml に塩60g を溶かし、450ml くらいの塩水を作り数日間置いて完全に溶けるのを待ちます.
 こねてすぐ延ばす時は、水500ml に塩20g を溶かしたものを使います.
 一般に塩が多いほど麺にこしがでます.この塩はゆでる時にほとんど麺の外に出てしまうので、塩辛くならないかと心配することはありません.

作り方


  1. 粉を十分大きな鉢かボールに入れ、上記の量の塩水を一度に入れます.
  2. 両手を上に向けて、粉を指であおり上げるようにしながら、水と粉をよく混ぜます.
  3. 全体がしっとりとして粉っぽさがなくなるところまで少しずつ水を加えます(真水でよい).この粉のかたまりをドウと呼びます.
  4. ドウをボウルの真ん中に盛り上げ、真上から拳で押します.平らになったら、二つに折り重ねてまた拳で押します.これを何度も繰り返します.最終的なドウの硬さはつきたての餅よりは硬く,紙粘土より少し柔らかめくらいが目安です.柔らかすぎるとあとで麺どうしがくっつき易くなります.適当でない場合には,水か小麦粉を追加してまたこねながら,適当な硬さに調整して下さい.
  5. 最後にラップかビニール袋に包み、さらにビニール風呂敷か袋に入れて、かかとで踏みつぶします.
  6. 空気に触れないようにラップにくるんで、ドウを数時間ねかしておきます.急ぐ場合は冷蔵庫で30分程度ねかせるだけでも構いません.
  7. ドウを150g くらいの小玉にわけ、乾かないように濡れ布巾で包んでおき、一玉を50cm 四方の正方形になるよう適当な道具を使って延ばします.打ち粉にはかたくり粉を使います.かたくり粉を切らした場合は小麦粉で代用することもできますが、小麦粉の場合はしばらく置くと麺どうしがくっついてしまうので注意が必要です.延ばしたドウはやはり乾かないように濡れ布巾等をかけておくのがよいでしょう.
  8. 全部延ばし終わったら、5-6枚のドウを重ねて、2つか3つ折にします.
  9. 包丁で押し切りにします.切った麺にも充分に打ち粉をしておいて下さい.

    * 均一な麺に切るのは、素人にとって一番難しい作業です.もっと手軽に作りたければ、包丁と悪戦苦闘するよりも、パスタメーカーを利用すると、よくそろった麺がびっくりするくらい早くできます.

     私たちは、OMC-MARCATO社のATLASというパスタメーカーと、Trenette(太い麺)用の3/3.5mm幅のaccessoryを使用しています.accessoryを変えれば蕎麦も作れます.このパスタメーカーはオーストラリアでは本体と予備accessoryを合わせてA$80くらいで百貨店や台所用品店で売っています.


  10. 麺が切れてからたっぷりの湯を沸かし始めます(麺を切ってすぐにゆでるのはよくないから).火加減は中火で、鍋には蓋が必要です.
  11. 沸騰したら麺を静かに振りいれ、箸で静かに麺をほぐします.鍋のやや端に火を当てて、鍋の中で湯が対流し、入れた麺が中で踊るようにするのが理想です.びっくり水はふきこぼれない限りしません.
  12. 麺が透き通ったころに、麺を1 本湯から上げて水にさらし、味見して固さ加減をみます.粉っぽさが無くなっていればOKです.麺は冷水にさらすと締まるので、ゆですぎをあまり心配することはありません.
  13. 麺を湯から上げて、冷たい水をざーざーかけて温度を下げます.冷めてきたら手でごしごし揉み洗いして表面のぬめりをとります.できれば最後に氷水に漬けるとよく麺がしまります.
  14. 水切りのよいざるにあげます.


麺つゆの作り方

  麺つゆの好みは、人により、地方により違います.ベースのだしは、いりこ・鰹節・鯖節・昆布などでつくることができます.市販の麺つゆを利用するのは簡単ですが、試行錯誤しながら、より安く、より自分好みの麺つゆを作り出すのも大きな楽しみといえるでしょう.プロは鯖節・鰹節を長時間煮て濃いだしをとるそうですが、日本国外では贅沢はいえません.参考までに私たちが普段作っている麺つゆ(前述の讃岐流の食べ方のつけ汁)のレシピを示します.

だし(粉末鰹だし)1袋(8g)
200ml
しょうゆ150ml
みりん40ml
砂糖大さじ2

これらをあわせて一度煮立たせ、冷ませばでき上がりです.これで約400mlの濃い麺つゆができます.冷蔵庫に入れれば、暫く保存可能です.

食べ方のヒント

 どんぶりか碗に入った麺に、好みの量のおろし大根、おろしショウガ、きざみねぎ,天かすなどをのせて、濃い目の麺つゆを少量かけて食べるのが本場、讃岐流です.


*和風ドレッシング


100ml
しょうゆ50ml
サラダ油50ml
さとう大匙1
小匙1/2
ごま油大匙1
バルサミックビネガー大匙1ないし2
おろしにんにく小匙1/2
こしょう 少々
オレガノ、タイム、セージetc

 上記材料をまぜあわせるだけです.冷蔵庫でかなり長期間保存できます.ご参考までに.







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