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2012年2/8、05/28、06/19、08/18、2013年05/17、07/22、2015年05月09日




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国別料理/ヨーロッパ系の巻 (その1)



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ポルトガル料理編
ドイツ料理編
モダン・オーストラアン編
チェコ料理
オーガニック料理編
その他



★イタリア料理


 シドニーで最も頻繁にみかけるレストランのベスト3は、中華料理、イタリア料理、タイ料理だと思うのですが、イタリア料理店は、本当にた〜くさんあります。もともと癖がなく万人に親しまれやすい料理であることに加えて、イタリア系移民が沢山いる等の事情によるのでしょう。「イタリア料理店」という形でなくても、ピザ専門の店や、ファーストフード系のピザやパスタの店、あるいは紅茶よりも多く消費されているのではないかと思われるようなカプチーノの浸透ぶりなど、その影響力は大です。

 何度も他のページで紹介してますが、イタリア料理のメッカといえば、シティから西に数キロいったところにあるLeichhardt(ライカード)という町です。イタリア系移民が多く住む地域で、ここ行けば、どこの店入ってもそう大きくハズすことはないでしょう。ただ、ここ数年有名になりすぎたのか、週末なんぞに行こうものなら駐車に苦労しますし、オシャレな外観で高値設定している店もちらほらあります。が、シティあたりの気取った店よりはまだしもリーズナブルでしょう。が、オーストラリアバブルの進行で、ライカードも結構チャラくなりつつあるように思います。今は、より本格的な町としては、ライカードの隣町であるHaberfield(ハーバーフィールド)の方がいいんじゃないかって気もしています。2013年以降は、さらに奥に侵攻し、もっぱらFivedockあたりに行ってます。


Leichhardt(ライカード) エリア

バー イタリア Bar Italia
169 Norton St, Leichhardt 9560-9981
Mon-Thu:9:00am-midnight Fri-Sat:9am-1am Sun:10am-midnight
 イタリア人の街ライカードの中でも老舗のカフェ。佇まいはこの10年何も変わってません。
 ジェラートの美味しさで有名ですし、その味も変わってないと思います。
 料理の値段もパスタ一人前で10ドル前後というのはライカードでもっとも低廉だし、値上げ率も低いです。味は特別うまい!って感動するほどではないけど、コストパフォーマンスはいいと思います。先にカウンターのところで注文し、お金を払うというシステムです。飲み物はその場で受け取り、食事はあとで席に運んでくれます。奥に中庭があり、豪華じゃないけど緑に囲まれ、学食の開放感みたいな感じでイイです。時折上空を通過する飛行機がうるさいのが玉にキズ。ジェラートは感動しますが、それ以外は別に「おお!」というほどの味ではないです。結構盛り付けもゴージャスじゃないし、学生街の定食屋さんみたいにチャッチャと炒めてそこらへんの皿に盛って「はいっ」てな感じ。でも、食べてると結構満足してしまう。


 写真下段左は、話題のジェラートバー。パンナコッタ、ティラミス、ピスターチオほか聞いたことないような味も楽しめます。量が多く、2スクープ(2種類の盛り)で十分でしょう。それでもどんどん溶けていくから、食べている間は必死で、会話が出来ない(^_^)。写真下段右は、質素なんだけど感じの良いコートヤード。青空にブーゲンビリアがいい雰囲気出してます。





Moretti
47 Norton St,Leichhardt 9568 1354
 ここは地味に、地元的にけっこう有名。お値段そこそこリーズナブルだし、美味しい、常連店になりうる店。
 Colesの入っているショッピングセンターの隣で、Norton Stに面しているというか、軽く奥に引っ込んでます(下の写真参照)。
 ピザがメインと思いきや、ピザ以外のイタリア料理も十分な出来かと。数回行ってハズレはなかったです。下右の写真は、”Involtini di pollo ”と呼ばれる、チキンを巻いた料理。


 余談ですが、メニューもねー、中国料理やベトナム料理だったら英語で解説があるのだけど、なまじ英語に近接しているイタリア料理だと、英語解説抜きのイタリア語オンリーの場合が多く、殆ど闇鍋か、CDのジャケ買いかってな感じで頼んでいたのですが、段々覚えましたね。

 英語と単語が似てるからうまくリンクさせられたらいいんですけど。Involtiniは、おそらく英語のInvolve(巻き込む)だろう、PolloはおそらくPoultry(鶏肉、家禽。見慣れぬ単語と思ったらスーパーの肉コーナーの分類を見ると書いてある)だろうと。真ん中の"di"ですけど、イタリア語やフランス語などラテン言語のこの種の"La""De""Di"というのは、theなどの冠詞か、ofなどの前置詞だと思われるところ、ようするに日本語の「てにをは」だわと荒っぽく推測をつけ、involtini di pollo =鶏肉を巻いたもの、くらいの意味だろうとするとそこそこ当たります。でも、英語で書いて欲しい、、

 それはさておき、料理はGOOD!です。一品料理も美味しいけど、ピザがまず外れません。
 下の写真左はCalzone(カルツォーネ)と言われる二つ折にしたピザ。

 右の写真は、これは季節商品らしいのですが、プロシュート(生ハム)ピザに新鮮なFIG(無花果・いちじく)とマスカルポーネチーズを乗せたもの。めっちゃくちゃ美味かったです。こちらは本当によく無花果を食べます。日本にいるときよりもずっと多く食べる機会があります。




 ライカードの店は幾つか行ってますが、「おお、ここは!」という店はそんなに発見できてないです。むしろ失望する店の方が多いかも。

→以下、書いたのが古く、リアルタイムの話ではないのでタックしておきます

Haberfiled (ハーバーフィールド) エリア

IL Goloso (POST OFFICE)
60 Dalhousie Street、Haberfield NSW 2045、Phone (02) 9716 4344

ココ数年行ってないので、リアルタイムのことは言えないな〜と思ってタックします

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Dolcissimo
98 Ramsay St、Haberfield NSW 2045、Phone (02) 9716 4444

 ここも2013年終わり頃からかな、わりとドンと値上げしてしてしまってから足が遠のいてますね。雰囲気は変わらないみたいだけど。
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Napoli in Bocca
73 Dalhousie St、Haberfield NSW 2045、Phone (02) 9798 4096

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Il Locale
94A Ramsay St、Haberfield NSW 2045、Phone (02) 9797 8966
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 あと、Napoli in Boccaと双璧をなす有名なピザ屋で "La Disfida"という店があるのですが、未だ行ってないです。ここも有名(07年度にSMHで賞を取ってる)なんだけど、ナポリ以上に毀誉褒貶が激しいので、何となく行くのを躊躇っています。



Paesanella Cheese Shop (デリカデッセン)
88 Ramsay Street、 Haberfield NSW 2045、(02) 9799 8483 
ホームページ

これは2015年時点も健在!ただし10ドル冷凍ティラミスがちょい値上げしてるのは良いにしても、前ほど美味しくなっていたのは残念。でもチーズ工場直営なので、商品がよく入れ替わっていて面白いです。


 地味なたたずまいで、なにげに入ったお店なのだけど、実は美味しい。HPを見てわかったのですが、ここってチーズ工場(Marrickvilleにある)のアウトレットショップだったのですね。

 いかにもハーバーフィールド(イタリアンタウン)らしいというか、近所のオバちゃんとおぼしき人が店番してたりして(本当のところは分からんけど、よく人が変わってるので)、のんびりした小さなお店です。でも、美味しいんですよね。さすがチーズ工場。生チーズ系は、賞味期限守って早く食べないと、本当にあっという間にいっちゃいます。それだけにフレッシュで美味。でもって安い。

 自家製冷凍ティラミスが1パック10ドルで冷凍庫に入ってます。これがまた結構ボリュームあって、しかもsuperbではないものの、かなりいいセンいっててお勧めです。ただし、食べる1日前くらいから冷蔵庫でじっくり解凍したほうがいいかも。焦って食べるとリキュールが染み込まず、イマイチおいしくないです。

Colefax Coffee Lounge and Chocolate Shop (2013年5月17日記)
78 Ramsay St、Haberfield NSW 2045、(02) 9798 2022

 Closed。削除してもいいけど、「このレベルのホットチョコレートを探してます!」と言いたいので、「理想はかくありたい」的な意味で残しておきます。

→今更だけど過去の紹介記事です

Five Dock(ファイブ・ドック) エリア

 ファイブドックは、ライカード→ハーバーフィールドと続くイタリアンタウンで、実は手つかずの濃厚さ(商業的チャラさの薄さ)では前二者以上じゃないかと僕が密かに思ってるところです。なにげにイタリアン・デリがあったり、街行くおばちゃん達がイタリア語(と思う)で会話したのを聞いたのも一再ならずあります。

 実際調べてみると、2006年のセンサスによれば、ファイブドックの住民の4人に一人はイタリア系であり、12%はイタリア生まれだそうです。ファイブドックの公立小学校ではイタリア語を教えるカリキュラムもあり、イタリア語の語学学校もあります。年に一度のこのサバーブのお祭り(どこのサバーブにもある)は「Ferragosto」と名付けられ、これは本家イタリアのお祭りの名前だそうです。カソリック的にはマリア様が昇天された日らしく(実際にはお盆のように夏祭りでしょうが)、これは日本的には終戦記念日の8月15日になります。Five Dock的にはそのあたりの日曜日ということで、2012年には8月12日に行われます

 でもって紹介してないけど、イタリアンケーキ屋&カフェがあります(Tamborrino,75 Great North Rd 未紹介)。ここも隠れ家的に美味しいです。びっくりするのが値段で、嘘みたいに安い。「え?それだけ?」と覚悟してた半額とまでは言わないまでも、でも、シティのリンツあたりに比べたら半額以下でしょう(や、半額なんてもんじゃないな。2ドル台でもあるから4分の1とか)。で、ケーキの種類は違うけど、質は劣らない。リコッタ系のケーキや、シュークリームが豊富だし。値段が全く表示されてないので不安になるけど、客はローカルばっかりなので、勝手知ったるという感じでガンガン買っていく。大雑把に予期して20ドル札用意していると10ドル札だけで足りてしまう。でもって、注文すると「シ!」(イタリア語のYES)と言われたりして面白いです。昼下がりには地元のおばちゃん達の溜まり場になってる。

 なんの話かというと、ファイブドックあたりまで足を伸ばしてリーズナブルで質の高いレストラン(アジア系のタイ料理屋=Thai Expression Cuisineも安くて美味いし)とこのカフェをハシゴすると、お財布に優しく楽しい午後が過ごせるということですね。お天気が良ければ、近くのウォーキングのメッカであるIron Coveをぶらぶら歩いても良いし、逆にカナダベイにいって、いっそう人口密度の低い、のほほん水辺の公園を堪能するもよし、です。車もってる人向けだけど、でも461番バスでシティからパラマッタRD一直線でも行けます。


Filicudi/フィリクーディ
11 Ramsay Rd , Five Dock NSW 2046 Ph:9713 8733

2015年時点でイチオシです。


 Fividockエリアの二軒目は、上で紹介したEatbilityでTipco以上のレビュー数を獲得しており、前から目をつけていたフィリクーディです。

 地元では有名らしいこの店は難点が二つあって、一つは見つけにくいこと。
 街道沿いの打ち捨てられたような一角にちんまりと鎮座しているから、車でばーっと走ってたら、まず見過ごしますね。HaberfieldとFivedockを結ぶRamsay St沿いで、ほとんどFivedockに入ったかなどうかなくらいのエリア。

 真正面(お向い)にELIO'Sという車の修理工場があって、そっちの看板の方がずっと目立ちます。これを目印にした方がわかりやすいですよね。Google Viewのリンクを貼っておくので、見てください。
 Fivedockの商店街から行こうと思っても、普通はここまで来ませんよね。僕も商店街で色々とイタリア料理店を探しているときには、はるか手前で「ああ、ここから先は住宅地か〜、もう店はないよな」と諦めてましたから。客商売のレストランをしながら、こんな殆ど絶望的とも言えるような立地で(^_^)、よくやってられるよなと思うのですが、それどころかイタリア料理の隠れたメッカのFivedockでEatablityのレストランで一番人気を誇っています。

 あ、一番人気というのは、単にレビューの平均点ではなく、レビュー数そのものです。平均点だとレビュー数一人でその人が10点つけたら一番になっちゃうので。レビュー数は、有名店はミーハー人気でアテにならないけど(高いだけで感心しなかったBills Cafeとか)、ここまでドローカルでミーハー度が限りなくゼロだった場合、レビュー数は意味を持つと思います。で、このどうしようもない(^_^)立地で、フィリクーディは86レビューを集め、第二位の70レビューのTipicoを押えています。ちなみに第三位は48レビューだからいかにこの二つが突出しているかです(もっとも知る人ぞ知るというレビュー激少、それどころか載ってさえいない名店もあるけど)。


 もう一つの難点は名前が読みにくいこと。名前が読みにくいと、「今度行こう」とか思っても、忘れちゃうんですよね。これも"Filicudi"という、やたらLとかIが詰まってるスペルだから、読むのめんどくさい。ふぃ、ふぃ、ふぃり、あーもーって感じ。だから覚えられない。そうすると、たまたま現地近くまで行ったとしても、「えっと、なんて名前だっけな?」と確信が持てず、探しきれず、、という。今回は、もうねらい打ちでグーグルビューでバッチリ確認しまくってから行きましたけど。
 だからレストランの名前はベタがいいんでしょうね。日本料理店だったら"TOKYO""KYOTO"とか、「ニンジャ・カフェ」なんても僕ら的にはDQN丸出しだけど、商売的には大アリなんでしょうねえ(実例はシドニーにはないけど)。

 で、この「フィリクーディ」ですが、調べたら、イタリアの南方、シシリーの北にポツンと点在する小さな島で、普通の地図ではまず小さすぎて見えません。世界遺産のエオリア諸島七島の一つです。伊豆七島みたいな感じかな。一番未開で、手つかずで、ミステリアスな島がフィルクーディ。中に入ったら、確かにドーンとポスターが貼ってありました。


 さて、味の方ですが、めっちゃオーソドックスな味、、、って、いうほど知ってるわけではないのですが、なんかそんな感じがしました。最先端の試みとかシェフの独創的センスが光るとか、そういう店ではなく、イタリアのそのエリアの普通の料理を普通に出しているって感じではなかろうか、と。

 メニューの内容も、盛りつけも見てくれも、どってことないんだけど、でも、すごい美味しい。
 パスタは、ペンネ・アラビアータ(ピリ辛トマトソース)という何処にでもあるメニューですが、これ美味しかったです。今まで食べたアラビアータのなかでは一番おいしい。ほんとどってことないタタズマイなんだけど、ソースが上手い。ピリ辛具合もとても自然で。

 ピザはベジタブルピザで、むちって内容が詰まっているのですが、これも良い。茄子がむにゅっとして素材の甘さが十分乗ってて。多分、これ最初に具の野菜だけ一回ローストしてるんじゃないかな?という気がする。かけてあるオリーブオイルもよくて、オイルとチーズの味だけで食べさせるんだけど、すっと入ってしまう。多少生地は厚めか?とは思うのだけど、気にならない。あ、ピザは3サイズあります。パスタも2サイズあります。上のパスタは大きい方(メイン。オントレではなく)、ピザは中間サイズです。これで二人だったら十分かな。

 オーソドックスぽい感じがしたのは店の雰囲気もそうです。田舎の小さなマフィアの組の3兄弟みたいな男ばっかで、無駄口叩かず、無駄な動きもせず、黙々と仕事してる。何にも喋らないんだけどいるだけでキャラが立ってるという。でもって、厨房でチラチラ見えるシェフは、実はおばちゃんで、母親が作って息子三人がサーブしているんじゃないかと思われるほど(違うんだろうけど)、なんかハマってる。だから「シェフ」というより、どっか地方を旅行したときに、地元の人が作っている地元の料理って感じ。「商業料理」っぽくないというか。店の客も全員顔なじみみたいなノリでした。

 最後にデザートとコーヒー。コーヒーは当然外してません。デザートは、黒板に書いてある定番メニューが3つほど。いたって地味。「やる気あるのか」というくらい地味。で、そのうちマスカルポーネを頼んだのですが、冷蔵庫からひょいと取り出してくるだけなんだけど、美味しかった。これもなんてのかな、日本の田舎にいって、ちゃんとしたオハギをご馳走になったような感じです。

 総じて言えば、オーソドックスなローカルイタリアンであり、だからといって「家庭の味」を売りにするつもりもなさそうだし、そもそも「売りにする」とかいう商業的な発想があるのかどうかすら疑わしいというか、普通にちゃんと料理作ってたら普通に客がついてくるから、別にそれでいいのだという、21世紀型チャラ系資本主義を歯牙にもかけてないって感じの店です。だからこの立地で平然とやってるわけですね。なるほどって、なんか納得してしまうのでした(まあ、本当のところはわからんけどね)。


Gatto Matto Trattoria (2013年5月17日記)
Level 1, Shop 4, 12 Garfield St,Five Dock NSW 2046 Ph:9712 7770

WEB  Fividockエリアの3軒目は、スーパーマーケットの入ってるビルの二階、隣が市民図書館という現代的な店です。大通りからちょい入ってますが、建物自体がデカいし「行けば分かる」と思います。



 上のTipicoがカジュアルな路面店、Filicudiがトラディショナルだとしたら、ここはスタイリッシュな現代イタリア料理って感じ。シティあたりによくあるメッチャ値段が高い風な。ちょいビビってガラスに貼られているメニューを見ていたのですが(こっちはレストランのガラスにメニューが貼られている、明朗会計で良い習慣だと思う)、別に他と比べて全然高くもないので突撃。

 天井高くて、キッチンがドーンと丸見えになってるブラッセリー風(て言うの?)、内装も凝ってて(今週の一枚エッセイにも載せた〜右の写真)、ちょいお洒落目。でも、お店の人らはフレンドリーでツンケンしたところはないです。2回行ってそうだったんだから、多分普通にそうなのでしょう。結構メディアに取り上げられていて有名なシェフさんらしいけど、いろいろ解説してくれて。選挙ダルマのような巨大ヌッテラ瓶を話してきたら、「これはね」とか説明してくれたり。

 肝心な内容ですが、普通に美味しかったです。
 どれもこれも良かったですが、特徴的なことを幾つか。

 メニューの品数が少ないこと。これは良店にありがち(イタリア料理屋には特に)で、あれもこれも作らない。「これを食え」って自信作だけ少数品目だけ載せる。ここも少なかったです。だから、「今日は○○が食べたい」という特定の一皿を目当てにしていくと「無い!」という事態にもなるので注意。


 ピザは、一見縁が厚くて、カリカリ薄焼きを期待していると外します。が、この厚い縁が実は美味い。なんなんだろな、小麦粉やセモリナ粉が違うんかな(よう知らんけど)。良い味があるのですね。パンみたいにおいしい。載ってるものは、いつも頼む定番のシンプルなもので、生ハム(プロシュート)、チーズ、ロケットレタスですが、いずれも焼き上がってから上に乗せる。載せてから焼かない。天麩羅そばの天麩羅みたいなもの。

 でも一番美味かったのはパスタです。手打ちパスタで、以前シティ近辺で一皿(ちょっとしかない)44ドル「美味い喜び<高い悲しみ」経験もしましたが、ここは同等の質でお安い。接写の出来がよいカメラを買ったばかりなので嬉しそうに接写してますが、質の良さはなんとなくおわかりかと思います。パスタはシコシコしてて、それ自体の味がよく、かつソースが良かった。詳しく分析する能力がないので「良かった」としか言えないのですが(ごめん)、具のエビよりもパスタ本体の方が美味かったような気がする。食べちゃうのが勿体なくて、「ああ、終っちゃう〜」って切なかったですね。二皿くらい連続してモシャモシャ食べたかったかも。このパスタは本日のスペシャルだったようで、よく覚えていない。


 デザートは、ちょっと変ったところで、サイコロ状に切ったフルーツをシロップと共にフライパンで炒ったものにアイスクリームが載っているという。Frutta Saltataとかいう。「ほお?」と思って食べたのですが、これも美味しかったです。温かくて甘い果物が冷たいアイスクリームとハーモナイズされてます。「もう病みつき!」ってことはないけど、意外と食いでがあるし、いい経験させてもらいました的な〜。



Tipico→Fabrizia
86 Great North Road, Five Dock NSW 2046 Ph:9713 5122
ホームページ

 2015年時点消滅してます。削除してもいいけど、ここのミルフィーユが死ぬほど美味かったので、「このレベルを探してます」って意味で参考に残します。
→過去の紹介記事

 Five Dockは他にもイタリアンレストランがあります。このエリアのイタリア濃度を考えれば期待できます。が、他の店は分かりにくいところにあるのですね。「行けばわかるだろ」で行っても分からなかった。ちゃんと調べてまたチャレンジしたいです。取りあえず一番分かりやすいのがこの店だったのですが、一番チャラそうな店でこのレベルですからね。ファイブドック、恐るべし。



Balmain (バルメイン) エリア

 2015年記:かつて足繁く通ったのですけど、いずれも閉店しちゃって、今はこれといったところを見つけられないでいます。いい店いっぱいあったんだけどなあ。

→MORE

Darlinghurst エリア

 いっとき足繁く通ったのですがあっという間に変わってしまい、昔話になってしまうのでタック。
→MORE

Glebe (グリーブ)エリア

Mixing Pot
178 St Johns road, Glebe
http://www.mixingpot.com.au/

 これも無くなっちゃったみたい。一番最初に紹介した想い出深い店だけど。

→昔の紹介記事


Northshore エリア

 良店探しに苦労するノースですが、あるところにはあります。


16/Sixteen (2013年5月17日記)
236 Military Rd, Neutral Bay NSW 2089 Ph:9909 0160

 日本人のシェフさんなので在住日本人には有名な店です。今更ですが、紹介します。
 日本語で綺麗に紹介してくれるCheersのページもあります。



 先に書いておくと、この店、決して安くはないです。パスタでも30ドル前後、メインは30-40ドルするから、二人で軽く食べても100ドルいきます。しかし、内容と質(同じことか)を考えたら、全然安いと思う。この質で、シティあたりの有名店にいけば軽く倍は取られても不思議ではないわけで、それをこんなお値段で、、、ということで「高いけど安い」という本物良心系だと僕は思います。

 さて、場所はニュートラルベイのミリタリーRD沿い。とっても普通にカジュアルな佇まいです。中に入っても、ほんとに普通のカフェみたいな感じで、「ウチは高級イタリア料理屋だぞ、わかってんのか、お前?」という威迫的な雰囲気は限りなくゼロ。またお店のスタッフも至ってフレンドリーです。

 メニューは黒板形式で、目の悪い僕としては席を立って「出張調査」にいかねばなりませぬ。でも、それほど品数が多いわけではなく、字も読みやすい。ただ、一品一品が本格的なので、「ああ、あれね」とすぐに分かるようなものばかりではなく「むむ?なに?」「ほお、なるほど」という。時間がかかるあるね。しかし、そこは日本人の特典、奥様(なのかな)が「今日はですね〜」と日本語で説明してくれて、うれしいです(^_^)。

 あ、この種の「今日は美味しいものを食べるぞ!」的気合の入ってるときは、予めお店のWEBのメニューで予習しておくといいです。いざ現場で「単語が分からないから何の料理か分からない」「英語で説明されてもますます分からない」というトホホ事態を最小限にするためにも。特にイタリア料理の場合、イタリア語の単語のまんま書かれてたりするし。

 さて、前菜は、トラウト(鱒)のマリネです。カルパッチョみたいなもので、塩漬け(cured)したものを、柑橘系(レモン、ライム、オレンジの皮のすり下ろし(zest))、それにConbu Seaweed、つまり昆布で味付けしたもの。これで17ドルで、おお一枚5ドル以上だあとか思うのだが、その価値あります。てか、5ドルかそこらでこの体験ができたら安いですよ。こういうのって、買ってきて→皿に並べて→レモン振りかけてもいいっちゃいいんだろうけど、その過程にあーでもないと無限の試行錯誤をしているわけで、その膨大な労力と時間を考えたら、、、。

 でもって、パスタがまた秀逸で、ブルースィマー(ワタリガニ)のスパゲティ。この蟹はシドニーでいつも売ってて、実はかなり美味いし、値段もリーズナブルでお値打ち。これのパスタなんだけど、蟹の海鮮ダシが活かされるかどうか、また無味に近い淡泊な蟹身の美味しさをどう引き出すか。こんなの自分じゃ絶対無理。つい塩やらガーリックやら白ワインやら入れすぎて素材の味がびゅーんと飛んで行ってしまい、何食っても同じ味になり、フィッシュマーケットまで行った甲斐がなくなるという。でも、ここのはすごい美味しかったです。「カニ食った!感」ありあり。

 ↓メインはスパッチコックのリゾット詰め。Spatchcockってよくメニューに出てくるのだけど、イマイチ分からなかったので今回調べてみたら、”A chicken or game bird split open and grilled”だそうです。ネットでいろいろ見ても、要するに個別の鳥の種類ではなく工程作業の名前のようです。魚で「アジの開き」がありますが、あの「開き」に相当するのがスパッチコック。鳥を二枚に開いて平べったくして、すぐに調理できるようにしてあるものらしい。

 それはともかく、これも美味しかったですね〜。なかのリゾットが絶品。こういう手間暇かけている料理は手間暇かけましたという価値に、さらに「手間暇かけただけのことはあった」価値を付加するのが結構難しいと思うのですよ。手間はかけたけど味そのものは別にそれほど、、という場合も、自分が料理する場合に良くありますねえ。でも、これはかけただけのことはある。リゾットの味と、チキンの味、そして外側のパリ皮、さらにソースがいい感じでミックスしてて、美味しい。シェアするといったら、二皿にわけてくれたのもうれしい。


 デザートのティラミス。これは、ふうわりとしたテキスチャーが良かったです。




Bather's Cafe(Balmoral Beach) (2015年5月新規追加)
4 The Esplanade, Mosman NSW 2088
WEB

 ここはなんといっても立地がいいです。目の前海、ドーン!ですからね〜。
 右の写真は、この店の玄関先で、順番待ちしてるときに撮ったものです。

 しかし、「眺望と価格は比例し、味と反比例するの法則」があります。E=MC2みたいな、万国共通、宇宙共通。
 ですので、最初入るのは失敗覚悟で腹くくっていったのですが(高いだろうな〜、マズイだろうな〜、でもいいかと)、これがいい感じに裏切られて、美味いわ、思ったほど高くないわ(眺望代なんか入ってないって感じ)。

 店がどうこういう以前に、まずバルモラル・ビーチがいいですよね。留学など短期滞在の人は意外と知らなかったりするけど。場所はノースのMosmanの”先”というか、”北”というか標高的には”下”というか。地形の関係上、静かな内海で、しかも泳げます。

 高級立地の場所柄、いかにも富裕層っぽい人々が(アジア人率異常に低し)、のんびりとゆとりのある生活送ってらっしゃる風な、首都圏でいえば葉山みたいな感じですね。でも意外とバス一本でいけたりしますが、スピットジャンクションからトコトコと階段などで降りて行けますし、その過程の風景が絶景ですので、よく晴れた日には是非。


 だもんで、店内もこんな感じ。
 どの席からもよく海が見えるように配置されていて(その意味では大テーブルが奥にあるので、2人くらいで行くのが吉)、別け隔てなく(常連優先とか嫌らしい感じではなく)良い席に連れてってくれます。


 基本はイタリアンのようです。わりと有名なシェフらしい。ちょい味濃いめだけど、美味しいです。
 ピザ二種類ですけど、どちらも美味しかったです。良いチーズを使ってるのと、薄焼きのカリカリ感が良かったです。ちなみに、何が何でも薄焼きじゃないとダメだあとかいう向きもありますが(僕もいっときそう思ってたことがあるが)、モコモコの厚生地でも生地自体がめちゃくちゃ美味いピザを食べてから、そーゆー問題では無いのね、それって外人さんが「蕎麦はいいけどウドンはダメだ」とか決めつけているようなものなのねって、今では思っています。ただし、厚焼きで美味しいピザが希少なのは事実ですけど。


 左は、ポーチト・トラウト(茹でた鱒)にキノワのサラダ。キノワ、最近流行ってますね〜。どこ行っても見る。しっかりした店はいい野菜使ってるので、普通のものが普通以上に美味しいです。インゲン豆とか美味かった。
 右は、魚(バラマンディだったかな)をリゾットの上に乗せているもので、これびっくりするくらい美味かったですよ。魚は日本料理法の方がやっぱ美味くて、西欧風で美味しい魚料理って珍しいんだけど、これは美味いと思いましたね。下のリゾットがまたいい味してて、ハーモナイズして。

 おまちかねのデザートですけど、そーんなにすごーい!ってほどではないけど、水準は超えてます。やっぱ美味しいケーキとスィーツとか、持ち帰りのケーキ屋さんでは限界あって、ちゃんとしたレストランでパティシェが注文ごとに作るというのが美味しいですね〜。高いけど、It's worthであるという。右のものはアイスクリームとイチジク(Fig)ですね。こっちの人、イチジク好きですよね。スィーツじゃなくて、ピザやサラダに使うなど絶妙な食べ方知ってて、参考になります。


 どうでもいいですけど、このお店のフロアマネージャーさんらしきオジサンが、どうみても「フレンドリーなテリー伊藤」に見えて仕方ないんですけど。



 →ヨーロッパ料理(2)(ギリシア、ポルトガル料理など)


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シドニー食生活向上委員会
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無ければ作れ!日本食材
無くても作る!和菓子編
あきらめるのはまだ早い!安く手に入る代用品の数々
どこに買いにいけばいいの?SHOP編
日本のものとちょっと違う?現地の食材研究

留学・ワーホリのための生活向上委員会
食のDIY 自炊の超実戦ノウハウ
第1回:料理の基本構造とその応用(1)ストック+調味料の二重構造
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第2回:基本構造の応用(2) 和風編
 うどん・蕎麦の麺つゆ系、煮込み料理系、丼系。インスタント食品は要らない(自分で作れるカレー、釜飯、麻婆豆腐など中華系)
第3回:基本構造の応用(3) エスニック編
 イタリア料理、タイ料理、インド料理
第4回:実践&食材調達編 (1)
 サンドイッチ編 基本コンセプト、パンの選定、具の選定、製作
第5回:実践&食材調達編 (2)
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第6回:実践&食材調達編 (3)
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ヨーロッパ系
1:イタリア料理編
2:ギリシア料理編フランス料理編ポルトガル料理編ドイツ料理編
3:モダン・オーストラアン編 オーガニック料理編チェコ料理編その他
CAFE系
その1 : オーストラリアのコーヒーの種類と解説
その2 : カフェランチ編(1)
その3 : カフェランチ編(2)
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その他
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料理エッセイ
料理凡人によるしょーもな料理録
その1:能書き
その2:カツオのタタキの巻
     〜オマケ:カツオ一尾→刺身までの簡単解説
その3:麻婆豆腐の巻
関連
フィッシュマーケットで魚を買って調理するダンドリをまとめたエッセイ(今週の一枚エッセイ123回)
  鯛→湯霜作り、鯛茶漬け、潮汁。オコゼ→薄造り、骨せんべい。マナガツオ→煮付け、味噌漬

★シドニーで台所を預かるプロフェッショナルな男の料理について、経営学的アプローチを施した力作
 Essay 153/「男の料理」について
 Essay 154/続・「男の料理」について

★(日本食も含めて)料理のことだけ考えてシドニーに住むならどこがいいかというお気楽な話。プラス鯛の塩焼き→鯛雑炊の作り方
ESSAY/ 料理のおはなし

★シドニーのテイクアウェイ(テイクアウト)についてのエッセイ
 Essay14/TAKE AWAY
★シドニー現地でのお手軽アジア系インスタント系食品
 Essay33/面倒臭い感覚細胞


★メルボルン家庭生活向上研究
1.食材の工夫/日本はアジアの一部
2.食べたいときが工夫のチャンス/こんなものいかが?
3.Never Give Up/挑戦しよう高級難度

世界の料理のレシピー
★世界の料理のレシピ、奮闘録
各国料理を見よう見まねで作ってみようと挑戦。
中華チマキ、バジリコのスパゲティなどお馴染みのものから、ムサカやタブーリ、ガドガドなど、日本ではまだマイナーな料理まで、画像入りでご紹介。