生活マニュアル上級編
福島記:1997年4月23日作成
田村記:2009,2010年補訂


シドニーで仕事を探す方法

シドニーで仕事を探す方法 (2)
●イチにもニにも英語力!!




英語力さえあれば、チャンスは広がる

 当たり前のことですが、オーストラリアの共通語である英語をマスターすることが基本条件です。就職の面接の際には、英会話の試験(といってもオージーと会話したりとか、そんな程度だが)が必ずあります。勿論、TOEFLやTOEICのテスト結果もないよりあった方がマシですが、こういったテストが現場の実力とは異なることを皆さん知っていますので、あまりアテにされません。




 じゃあ、どうやって英語力を判断するの?と疑問に思われるでしょうが、だいたいオージーと会話しているノリで「現場の実力」は把握できるようです。あとは実際に翻訳のテストやビジネスレター作文を課す会社もありますし、秘書的な業務の場合には英文タイプの速度を測るところもあります。

 あとは、「英語環境での仕事経験、あるいは学習経験の有無」。つまり、英語圏の高校・大学への留学経験があったり、英語で仕事をした経験があるかどうかですが、実はこれが、実際の判断基準になっているように私には感じられます。

     というのは、私が永住権取得してシドニーに来た時、最初の仕事を探すのにエラく苦労したという経験があるんです。私って客観的に履歴書だけ見ると「使えそうな人材」に見えるハズだと思うんですけど、なぜか途方に暮れるほど仕事見つからなかった。でも2回目からは引く手あ・ま・た。1回目と2回目と何がそんなに違うの?と冷静になって考えてみると、「シドニーでの職経験が1つあるかないか」だけなのです。きっと、最初の仕事探しの時には「こいつ、本当に英語大丈夫なのかな?」と思われたのでしょう。


 この傾向は我々外国人だけでなく、地元のオージーたちにも言えることで、同じようなジレンマに悩まされているといいます。この社会では日本と違って終身雇用制ではないので、「人材を育成する」という概念がなく、とにかく即戦力になる「経験者優遇」というシステムになっているのです。よって「初めての仕事探し」では誰も皆苦労するようです。「経験がなきゃ仕事させてくれないんだったら、いつまでたっても仕事できないじゃない?!」というジレンマ(英語で 「Catch 22」と言います)なのです。だから、「最初に巡ってきたチャンスは逃さず、ステップアップの踏み台にしろ!」ということです。




 ところで、他でも何度か書いていますが、外国に居れば英語が出来るようになるってもんじゃありません。確かに買物や移動に必要な言葉は次第に覚えるかもしれませんが、仕事で必要な英語はまた質が違います。仕事の内容にもよりますが、電話の応答はやはり基本ですし、ビジネスレターの1本も書けないようでは、就職は難しいでしょう。(職人さんなら技術力で勝負できるでしょうが、手に職のない事務屋はツライ・・)

 私も最初の頃はフォーマルな表現を知らずに結構失礼なことを言っていたような気がしますが、慣れてくると逆に日常会話よりもビジネス会話の方が楽な面もあります。というのは、使う表現、単語が限られているから。でも本気でここで仕事をしようと思ったら、定型的なビジネス表現だけじゃなくて、パーティーなどくだけた場でジャンジャン登場する、スラングやユーモアの類もマスターしなきゃいけないのでしょう。英語はほんとーに奥が深いです。

 まあ、英語ネイティブでない我々が無理してネイティブと同じような仕事をする必要はなく、私らの得意分野(日本語)を武器に仕事すればよいのですが、どんな職種であれ、基本的な意思疎通は難なく出来るレベルでないと、仕事にはならないのではないかと思います。さもなければ、日本人しか来ないジャパニーズレストランで働くというテもありますが(注:逆にローカルの人で賑わっていて日本人客がほとんど来ないジャパレスもある)、当然のことながら日本語しか使わない生活をしていたのでは英語は伸びません。このジレンマがツライところ。

 出来るだけ渡航前に勉強しておくこと、現地に来てからも英語学習の努力を続けることが大切です。なんか当たり前のこと言ってますが。




 そしてもう1つ、日本でかなり英語を勉強してきた人にありがちなことですが、現地に来ると自分の英語力にいきなり自信をなくして落ち込むこともあるかもしれません。「あんなに勉強したのに八百屋のおっちゃんの言ってることがわからない・・」と焦るわけです。でも、日本で勉強した英語と現場の英語が違うのは当然ですから、「こんなもんさ」と現実をそのまま受け取って、現場に慣れるよう頑張ってください。日本でTOEFL650点を取得してきたツワモノでも、オージー同士の会話に入っていけるようになるまで2年かかったと言いますから、そんなもんです。でも、日本でちゃんと勉強していた人は、やはり慣れるのも伸びるのも早いですし。

 語学習得に王道なし。お互い頑張りましょう。





★→「シドニーで仕事を探す方法」つづき へ
★→「シドニーで仕事を探す方法」のトップに戻る

★英語の習得とはどういうことか、もうちょっと突っ込んで考えてみたい方は→語学学校研究・英語雑記帳へ

《インデックス》

●トップページ

●ビザの問題をクリアする!

●イチにもニにも英語力!!

●基本的に過去のキャリアがモノを言う。

●未経験者でも入り込めるチャンスがある職種

●時期によって変わる雇用情勢

●日系企業か、地元企業か

●仕事の探し方
(人材紹介会社リスト)

●履歴書、命。
(英文履歴書サンプル)

●面接の心得

●やっぱり、仕事するなら「自分の会社」?
参考:シドニーでの就職・仕事に関するページ

エッセイから〜
オーストラリアで実際日本人が就職できる職種とその給料について(97/6/11)
オージーの仕事観を探る(96/12/1)
下手な英語で仕事するコツ(97/5/29)
ESSAY 278/「外国人労働者」とは我々のこと〜「海外で働く」ということに過剰な幻想を抱かないために(06/10/02)

体験レポート
特別寄稿体験談 (by Kさん)/アルバイト先との給与支払トラブルを労働委員会を通じて解決した実例レポート
日本語教師アシスタント・ボランティア(インターン)

実戦ワーホリ講座
8−1.仕事をしよう(その1) 仕事の効用 
8−2.仕事をしよう(その2) 仕事の探し方 日系〜ジャバレス編
8−3.仕事をしよう(その3) 仕事の探し方(2) 日系その他編、ローカル編
8−4.仕事をしよう(その4) 英文履歴書・実戦例
9−1.ラウンドのススメ(その1) ラウンドとは何か?都会定住との比較
9−2.ラウンドのススメ(その2) ラウンド先での仕事

◆コラム/間違いだらけの留学&ワーホリ生活
 7.ジャパレスで働いても英語が伸びない?
 8.タックスリターンで税金が返ってくる?

さらに関連:オーストラリア移住に関するもの
オーストラリア移住について INDEX
第一の関門:VISA
ビザの原理原則/技術独立移住永住権/頻繁に変わるビザ規定/専門業者さん/その他の永住権/永住権以外の労働できるビザ
第二の関門:生計
ビザ用のスキルと生計用のスキル/「日本人」というスキル/世界のオキテ/オーストラリア仕事探しサイト内リンク
戦略と戦術(その1)
フォーマット設定/欲望のディレクトリ〜永住権だけが全てではない、手段と目的を明瞭に意識すべし
戦略と戦術(その2)  よくある基本パターンと組み合わせ
永住権優先でいくか、ステップアップ方式でいくか/「はじめの一歩」をどうするか/利益衡量/ストレート永住権の場合の具体的戦略/ステップアップ方式の場合の具体的戦略〜意外と使えるワーホリビザ/ダメだった場合〜あなたにとっての「成功」とは何か?/先のことは分からない/

今週の一枚ESSAYより
 「”海外”という選択シリーズ」 過去回INDEX

ESSAY 452/(1) 〜これまで日本に暮していたベタな日本人がいきなり海外移住なんかしちゃっていいの?
ESSAY 453/(2) 〜日本離脱の理由、海外永住の理由
ESSAY 454/(3) 〜「日本人」をやめて、「あなた」に戻れ
ESSAY 455/(4) 〜参考文献/勇み足の早トチリ
ESSAY 456/(5) 〜「自然が豊か」ということの本当の意味 
ESSAY 457 / (6)〜赤の他人のあたたかさ
ESSAY 458/(7) 〜ナチュラルな「まっとー」さ〜他者への厚情と冒険心
ESSAY 459/(8) 〜淘汰圧としてのシステム
ESSAY 460/(9) 〜オーストラリアの方が「世界」を近く感じるのはなぜか(1)
ESSAY 461/(10) 〜オーストラリアの方が「世界」を近く感じるのはなぜか(2)
ESSAY 462/(11) 〜日本にいると世界が遮断されるように感じるのはなぜか 〜ぬくぬく”COSY"なガラパゴス
ESSAY 463/(12) 〜経済的理由、精神的理由、そして本能的理由