気候
シドニーはちゃんと寒い
まずシドニーと東京の気温比較表を作ってみました。資料は
オーストラリアの気象庁のシドニーの記録データ(過去71年分平均)と、日本
気象庁サイトのデーター(東京の1971-2000年統計)です。
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年平均 |
| 東京最高気温 | 9.8 | 10.0 | 12.9 | 18.4 | 22.7 | 25.2 | 29.0 | 30.8 | 26.8 | 26.8 | 16.7 | 12.3 | 19.7 |
| 東京最低気温 | 2.1 | 2.4 | 5.1 | 10.5 | 15.1 | 18.9 | 22.5 | 24.2 | 20.7 | 15.0 | 9.5 | 4.6 | 12.5 |
| シドニー最高気温 | 26.4 | 26.3 | 25.2 | 22.9 | 20.0 | 17.6 | 17.0 | 18.3 | 20.5 | 22.5 | 24.0 | 25.7 | 22.2 |
| シドニー最低気温 | 18.7 | 19.0 | 17.4 | 14.1 | 10.9 | 8.5 | 7.1 | 8.1 | 10.3 | 13.1 | 15.3 | 17.5 | 13.3 |
これをみると、年平均で1−3度高めですから、確かに日本に比べればシドニーは温暖です。しかし、しょせん数度の差でしかありません。
シドニーでは、山間部は別として真冬でも雪も降らないし、氷も張らず、霜もおりません。その意味では日本の真冬の厳しい寒さからしたら、かなり楽です。しかし、6、7、8月という冬場の平均最低気温は10度を下回ってますし、朝は息が白くなります。その程度にはしっかり寒いです。決してハワイや東南アジアような常夏の国ではありません。
しかし、何となく温暖なイメージがあるせいか、この寒さを舐めて失敗する人が多いです。
この種の表は、旅行ガイド本などには必ず載ってますが、
もしかして「1月が26度だから温暖」とか早とちりをしてませんか?次に述べるように季節真逆だから1月は真夏です。
ちなみに、「オーストラリアの気候は?」とつい聞いてしまうのですが、これはオーストラリアの巨大さを理解していない愚問に近いです。北の隣国はインドネシア、南の隣国は南極です。Google地図でよく見たらわかりますが、オーストラリアを持ち上げて日本の端っこにおいたら、他方は中国を通り越えてタイやベトナムにまで達します。日本とベトナムの気候をゴッチャにして論ずるようなものです。ご存知のように、オーストラリアにはジャングルのワニも、砂漠のラクダも、そしてペンギンやアザラシもいます。したがって、この項目では、広大なオーストラリアのただ一点、シドニーに焦点を合わせて述べます。ただし、シドニーが分かれば、メルボルン、パース、アデレード、ブリスベンは、多少の差はあれども大体似たり寄ったりです。タスマニアや、ダーウィン、ケアンズ、ブルームは全然違います。
季節が真逆になる
このことをトコトン理解してください。知ってるという意味では全員知ってますが、トコトン分かっている人は少ないです。季節が真逆というのは6か月ズレるということであり、今のカレンダーの月から6を足すor引いてください。あるいは時計の文字盤の対称数字(7時だったら1時という具合に)を見るのも手です。今が8月だったら2月、大学入試シーズンの寒さです。渡豪する日が6月10日だったら日本における12月10日に相当し、忘年会やったり年賀状書いている季節になります。
気温だけではありません、日の長さも変わります。すなわち夏至と冬至も真逆になるから、12月下旬に最も日が長くなり(サマータイムが入るから尚更)、6月下旬は最も日が短くなります。シェア探しをやっていても、夕方5時前には真っ暗になります。
季節真逆がピンとこないまま、どこかしら寒さを舐め、冬だというのにTシャツ一枚で来て、着いていきなり風邪を引くという愚かなことはしないように。見知らぬ異国で病気になるのは心細いです。
トリッキーな気温変化
今度は夏冬逆転を補正して、シドニーの気温を半年ズラした表を掲示します。この方が比較しやすいでしょう。
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年平均 |
| 東京最高気温 | 9.8 | 10.0 | 12.9 | 18.4 | 22.7 | 25.2 | 29.0 | 30.8 | 26.8 | 26.8 | 16.7 | 12.3 | 19.7 |
| 東京最低気温 | 2.1 | 2.4 | 5.1 | 10.5 | 15.1 | 18.9 | 22.5 | 24.2 | 20.7 | 15.0 | 9.5 | 4.6 | 12.5 |
| 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 年平均 |
| シドニー最高気温 | 17.0 | 18.3 | 20.5 | 22.5 | 24.0 | 25.7 | 26.4 | 26.3 | 25.2 | 22.9 | 20.0 | 17.6 | 22.2 |
| シドニー最低気温 | 7.1 | 8.1 | 10.3 | 13.1 | 15.3 | 17.5 | 18.7 | 19.0 | 17.4 | 14.1 | 10.9 | 8.5 | 13.3 |
一見して分かるのが、シドニーの方が冬に温かく、夏に涼しいということです。
最高気温だけ比べてみても、シドニーの夏(1月)は26.4度、冬(7月)は17度で、夏と冬の最高気温の差が10度もないです。これが東京の場合は、夏(8月)30.8度、冬(1月)9.8度ですから、20度以上も違います。
また、「1年で一番暑い時期と寒い時期の差」を見ます。東京の平均最低気温は1月の2.1度、最高は8月の30.8度で、最高から最低まで30度近くあります。ところがシドニーの場合、最低は7月の7.1度、最高は1月の26.4度であり、その差は20度もありません。
以上のことを簡単に、「シドニーは四季の変化が乏しい」「春と秋しかない」と言われたりもします。
確かに、こちらに長く住んでいると、日本の四季変化の鮮烈な美しさが懐かしい。
というわけで、統計数値だけ見ていると、シドニーというのは、のっぺりした凹凸の少ない穏やかな気候に見えますし、そういう側面もあります。
が、生活実感は必ずしもそれに尽きるものではないです。
そこが
統計のマジックというやつです。
なぜか?というと、データーを「平均」でみると消えてしまうのですが、実はシドニーは、
@、1日の間の気温変化(日較差)が激しい
A、昨日と今日との気温変化が激しい
という特徴があります。それに加えて、
B、しかし1年間の季節変化(年較差)はゆるやか
という特徴もあるから、タチが悪いのです。
つまり、「年較差はゆるやかだが、日較差は激しい」ということですが、わかりにくいでしょう?ゆっくり説明します。
@〜Bの特徴をグラフで言うと、遠く(年・月単位)からみると優美でおだやかな曲線を描いているのだけど、近くによって見ると(目盛りを一日単位に細かくすると)途端に激しいギザギザ状になり、さらに時間単位で細かく見ると鮫の歯のようなノコギリ状になっている。
「年単位では穏やかだが、日・時間単位ではギザギザ」とご理解下さい。
これを生活実感に置き直して翻訳すると、
「いまは夏だからこのくらい」という日本的な感覚が全く通用しない荒っぽい大陸性気候を意味します。
日本の場合、異常気象や不順な時期もありますが、大体の季節に従って「衣替え」をすればOKです。ある意味楽だし、安全です。ところが、昨日は晩秋で今日は真夏、昼間は酷暑で夜は早春みたいなシドニーの場合、今が夏だからといって全然安心できません。昨日暑かったといっても今日も暑いという保証はなく、昼間暑かったとしても夜には寒くなるかもしれない。気候の荒っぽさで有名なメルボルンでは「1日に四季がある」と言われますが、シドニーもそうです。
日較差の激しい実例でいえば、数年前に45.2度という記録的な猛暑がありましたが、午後3時を過ぎると強風が吹き、夕方には一気に20度台まで下がりました。場合によっては、30分で20度下がったこともありますし、雹が降ってきたこともあります。そしてその翌日は最高気温23度とか、昨日とは20度以上低いという。そう頻繁にあるわけではありませんが、「別に珍しくもないね」というのが地元民の実感です。
例えば、2009年の11月22日の最高気温は40.4度に達しましたが、最低気温は21.2度、その翌日の最高(最低ではない)気温はなんと22.8度どまり。20度台前半というのは、かなりギンギンにクーラーで冷やしているか、東京の最高気温でいえば5月か10月に相当します。GW旅行や秋の運動会くらいの服装を思い出してください。ここでリアルに想像して欲しいのですが、40度以上(内陸部では48度くらいいく)という日本ではありえないくらいの熱暑を経験したその日のうちに、秋の行楽シーズンの服装にしなくてはならないということです。
より直近の例でいえば、2011年2月上旬のシドニーは久々に猛暑が続き、土曜日がピークで41度に達しましたが、猛暑のあとはお約束の「冷たい南風」寒気団が到来し、垂直落下のように気温が下がりました。
わずか1時間に15〜20度一気に下がるという、いかにも荒っぽい大陸性気候です。
→オーストラリアの気象庁のサイトからキャプチャーした気温変化グラフを掲示します。土曜日は最高41度になり、夜になってもせいぜい27度どまり、日曜日は朝から気温が上がり始め、12時半くらいに35度に達したあとは、急転直下、1-2時間の間に15度くらい下がり、19度までいってます。いかに凄まじい変化であるかが分かると思います。
よく砂漠などでは夜は零度、昼間は50度というくらい極端に差があるといいますが、シドニーはさすがにそこまで極端ではないです。しかし砂漠は極端ながらもパターンが一定していますが、シドニーはそのパターンが読みにくいのがツライところです。3日くらい熱暑状態が続いたとしても、その次の日にはいきなり10度以上気温が落ち込んだりします。そして、気をつけていても、いつそうなるかがわかりにくい。日中に暑くても朝晩は涼しくなり、それが救いでもあるのですが、「涼しいわ〜、助かった」と思ってスヤスヤ寝てたら、夜半から急に冷え込んできて風邪をひくとか。一日の温度差の激しさと、数日周期の変動という、二重にトリッキーな要素が混在している点が、対処しにくい点であります。
これに加えて、年間を通じての季節感の無さ(またユーカリなど常緑樹が多いから風景が変わらん)、プラス季節と月数感覚が真逆になることで、こちらに住んでる日本人は、いったい今が夏なのか、これから寒くなるか暑くなるのかが分からなくなります。特に日本から来たばかりの場合、何が何だか分からなくなるでしょう。先ほどの例でいえば、2009年11月に40度台が出てるくせに、もっと暑い筈の12月は最高に暑い日でも32度どまりなんです。実際平均気温でも11月は26.1度ですが、12月には25.4度で下がっています。だから、もう、季節がどっちに向ってるか分からないという。
それだけに、日頃から天気予報は注意しておかれるといいです。「英語だからわからなーい」なんて寝言言ってないで、新聞だってどこだって書いてあります。そして、こちらの天気予報は、晴とか雨よりも気温の方を先に言います。
実際生活してくると、晴れるかどうかよりも、気温がどうなるかの方が遙かに重要な意味を持つことが分かってくるでしょう。そして、晴雨予報はあんまり当たらないのだけど、気温変化の予想は結構な確率で当たります。その日の最低気温、翌日の気温あたりに注意して、「今晩は結構冷え込みそうだから、温かくして寝よう」という具合に対処してください。
このトリッキーな気候は、実際に体験しないと本当のところは分からないでしょう。僕も今年で17年目ですけど、未だに対応し切れず、他愛なく風邪をひいたりしています。しかし、完璧は無理でも、少しでもリアルに想像していただければ、被害(思わぬ疾病)を防げるでしょうから、くどくどと書かせていただいている次第です。皆さんの体験記にも出てきますが、風邪どころか肺炎になった人もいます(もっとも、季節を舐めていたからそうなったわけではないでしょうが、無理をすればそこまでいくという例証として)。
それでも快適なシドニー
トリッキーだなんだ散々書いていますが、実は僕はシドニーの気候がキライではないです。わかってしまえば、日本に比べれば全然しのぎやすいし、楽だと思ってます。
なぜなら、気候に伴う不快感というのは、酷暑、酷寒、それに湿度ですが、シドニーではそれらの要素が少ないからです。
夏は確かに40度台の酷暑もありますが、大体そんなの1日だけだし、それも夕方以降にぐっと気温が下がり安息の夜が訪れます。それに、夏だからといって日本みたいに連日延々と酷暑が続くわけでもないです。比較的暑い年でも、暑い日としのぎやすい日が半分半分くらいでしょう。炎暑が続こうともせいぜい数日間の辛抱で、また軽井沢みたいな爽やかな高原気候に戻ります。前述の2011年2月の猛暑時期は記録破りだったのですが、それは
過去150年で5日以上続けて30度を超えたということはなかったのに「7日も続いた」点が記録破りだったのです。もうオージーもブーブー言ってましたね。こう書くと2011年はさぞ暑かったかと思いそうですが、実は冷夏と言っても良かったです。雨が続いて肌寒いときもありましたし、猛暑!というのはその一週間だけで、あとはしのぎやすかったです。日本の夏に比べたら全然楽です。
また、冬場のシドニーは、絶対に零度以下にはならないのですから、寒いといっても日本の晩秋/初冬程度でしかないです。1年で一番寒い時点(一番寒い日の夜明け前の冷え込み)で3度とか5度ですから。
そして
何より湿度が低いので、蒸し暑さも少なく、不快指数が低いのは大きな救いです。炎暑の日中であっても、日陰に入ればわりと涼しいし、扇風機も結構ききます。というか、ウチも含めて多くのオージーの家ではクーラーもないし(あっても家が巨大なので効きにくい)、ウチの冷房器具は1500円くらいで買った扇風機一台しかなく、しかもそれを使うのは年に10回あるかどうかです。見切ってしまえば、日本よりもはるかに楽です。
ときどきトリッキーな変化が訪れ、思いっきり乱上下するのだけど、ツボさえ押さえておけば、ゴキゲンな気候は東京よりもずっと多いと思います。まあ、「気分屋で乱暴者なんだけど、大体においてカラッとしてて根はいいヤツ」みたいな感じ。これに比べれば、日本の気候は「ネチネチと根に持つタイプ」みたいな感じで、つきあっててあんまり楽ではない。だから、早くシドニーに気候との「付き合い方」をマスターされるといいです。
シドニーの夏場対策
なんでそんなに40度クラスの暑い日があるのか、なぜ翌日にはコロッと変るのかですが、強烈な太陽光線が原因なのではありません。太陽だけが原因なら、晴れてたら常に40度になってるはずですから。同じ晴れでも25度ってときもあるわけです。じゃあ何故か?といえば、大陸中央の砂漠地帯で熱せられた空気層が移動してやってくるからです。熱波です。普通はシドニーまでやってこないけど、気圧配置その他の関係でやたら遠距離までやってくるときがある。そのとき熱波到来で、空気自体が暑く(熱く)、もう焚き火にあたってるような感じになります。
一方、オーストラリアにおける冷たい空気団というのは、南極方面からやってきた冷えた空気であったり、海上の空気です。海水は大地ほど温度変化が激しくない(熱しにくく冷めにくい)から、夏冬いずれにおいてもクッション材になります。熱波がシドニーを襲い、その熱で強力な上昇気流が起きます。あとは小学校の理科の世界ですが、猛烈な上昇気流=地表付近の空気が薄くなる(気圧が下がる)=周囲の空気を引きつける、ということで、周囲にある海上の冷たい空気を招きます。
だから夕方になると海風になると習ったように、午後3時くらいになると強烈な南風(南半球では寒風)が吹き込んできたりします。天気予報で、"southerly change"とよく言われる現象です。だから一気に冷えたり、熱い空気団と冷たい空気団が激しく入り混じることによって、上空で急速に冷やされた水蒸気が雹として降ってきたり、上昇下降のぶつかり合いが電気を発生させ、凄まじい雷になったりするわけです。オーストラリアの解説というよりは理科の解説ですけど。
オーストラリアの夏の天気の原理は大体こんな感じですね。だから時々狂ったようにクソ暑い日があるのですが長続きはせず、そこそこ暑い日であっても、夕方以降はぐっとしのぎやすくなる、ということです。夏の暑い日、午後過ぎになって公園の樹木がザワザワ音を立て始めたら、「お、きたな」と思ってください。
このしのぎやすさは本当に天国で、エアコンなんかそれほど必要ないです。最近は普及しつつありますが、別に無くてもそれほど不自由はしません。また空気が乾燥していることもあり、扇風機だけでも結構涼しくなります。寝苦しい夜というのが少ない。
また、夜にしっかり冷えてくれるから、翌朝は午前中まで家が冷えてくれているのでしのぎやすいです。したがって天気予報や朝の気温から「今日は暑くなるぞ!」という日は、家中の窓を閉め、カーテンも閉めます。夜間に冷えた家の中の空気を逃がさない為です。暑いからって窓を全開にしてたら、外から熱波が入ってきて堪らないです。それでも徐々に外側から温められますから昼過ぎには家の中も暑くなってきます。そこから3時過ぎの救いの南風が吹きはじめるまでがしんどく、この時間帯はランチ方々ショッピングセンターに逃げ込みます。同じ事を考えているオージーで駐車場が満杯になったりします。あるいは海辺にいくと、海に冷やされた空気があるので、かなり涼しいです。で、待望の風が吹き始めたらカーテンと窓を全開にして、徐々に冷えてゆく外気を家の中に取り込む。そして、今度は冷えすぎ対策で、適当なところでTシャツの上に何か羽織ったりする。こんな感じです。
※関連コラム
:ESSAY271/日本帰省記2006(2)水蒸気の国とエアコン
日射病と脱水に注意
→続きを読む
オーストラリアの太陽光線はメチャクチャ激しいです。冬であっても日本の真夏の陽射しくらいに感じられるでしょう。ましてや真夏の陽射しになると、もう物理的な力で頭を押されているくらいに感じます。

→右の写真は、上で述べた45度の日の翌日に撮ったものですが、庭の植物が直射日光で黒こげになってる様子がわかると思います。こうなるともう太陽光線というより、殺人光線ですね。
陽射しが強い+空気が乾燥という二点から導き出される注意ポイントは何か?
日射病と脱水です。
この二点だけは気をつけてください。
日射病は、僕も一回なったことがありますが、キツいですよ。庭仕事をしててなったのですが、最初はシャワーを浴びて、ビールを飲んで「やれやれ、いい気持ち〜」とか言ってたのですが、ビール飲み終わる頃には足腰が立たなくなってて、「うげ、気持ち悪い、、」状態のまま、ベッドに倒れ込み、一晩中吐き続けました。二日酔いのキツイやつみたいな感じ。日射病(熱中症)の症状は人によって違うと言われますので、誰もがそうなるというわけではないです。いきなり意識を失ってぶっ倒れるかもしれません。要するにオーバーヒートして、身体の機能がメタメタになるわけですから、何がどうなるかはその人の身体のクセによるのでしょう。
日射病が恐いのは、自覚症状として「おかしい」と思ったときには、もう手遅れだということです。基本的には身体を冷やして、機能回復させてやるしかないのですが、場合によっては緊急入院して輸液する必要があったりします。恐いですよ。僕なんか自宅でなったからいいようなものの、これが出先だったら、即救急車です。夏場に友達がぐったりしてたら、救急車。
日射病は、しかし、簡単に防げます。まず暴力的な直射日光を防ぐために、直射日光を頭頂部に当てたまま1時間以上放置しない。もちろん帽子をかぶるのが望ましいのですが、かぶってなくても定期的に日陰にいって冷やすようにしてください。「む?」と思ったら、ペットボトルの水を頭からかけてください。
脱水も恐ろしいです。空気が乾燥しているからしのぎ安い反面、脱水も又生じ易いのです。だから、水は必ず持つ(シドニーは水道水でも全然飲めるし、美味い)、頻繁に飲む。シェア探しなどで一日出歩いているときは、見学先の家で水をもらって補給するのがコツ。
何かあった場合のための緊急英単語も覚えておいてください。今、この場で覚えてください。「いつかやろう」といってやる試しはありませんから。脱水はディハイドレーション(dehydration)。「ハイドロ」というのは水を意味します。それに"de"という反対接頭語がくっついて脱水。熱中症はハイパシーミア(Hyper*therm*ia=高・熱・病)だけど、簡単にサン・ストローク(sunstroke)の方が通じやすいかも。救急車はアンビュランス(ambulance)。
山火事 total fire ban
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オーストラリアの夏の風物詩のような山火事です。ブッシュ・ファイアーです。これだけ乾燥し、これだけ直射日光が強ければ、自然発火の山火事が起きても不思議ではありません。またオーストラリアの自然は、定期的に山火事が起きることを前提にした生態系になってます。ラウンド旅行先でガイドさんが説明してくれるでしょうけど。オーストラリアでは、災害のスケールも大きく、大きな山火事ともなると東京都全焼くらいの規模で起きたりします。オーストラリア人にとっての山火事は、日本人における台風や地震のようなもので、かなり気合いを入れて対策を講じています。
乾燥した日が続くと、警報が発令されます。「英語なんか分からん、知らん」とか言ってないで、ちゃんと気をつけておいてください。いわゆる「火の用心警報」ですが、その根性の入れ方は殆ど軍隊並みです。いかに山火事被害を抑えるかで、日頃から組織を整備し、いざとなれば大量のボランティアが参加します。「オーストラリアでは水をムダ使いすると叱られる」とか聞いたことがあるかもしれませんが、水よりも火です。うかつに火を使ってると叱られるどころかブン殴られるくらいに思っててください。野外で火を使う場合、それは建築現場とか種々のケースがあるでしょうが、多くの場合はバーベキューとかキャンプファイアーです。その時期、そのエリアによって、どこまでが許されるか、どういう事前申請が必要かが細かく定められています。
取りあえず覚えておくべきは、
total fire banです。野外で火を使ってはダメ!という、大袈裟にいえば戒厳令みたいなもんです(^_^)。新聞の天気予報の警報(warnings)欄でも分かりますが、いよいよ自分達がやろうとなったら、もっとキチンと確認してください。NSW州の場合は
ココでいろいろわかります。なお、
日本語に翻訳されたパンフレットも沢山あります。
多くの場合読んでもよく分からないでしょうから、こういうときは学校の先生とかシェア先のオージーに聞いてください。生まれ育った地元オージーだったらまず知ってますし、的確に答えてくれるでしょう。学校仲間、バッパー仲間の勝手な判断だけだど、全員がよそ者なのでこのあたりの感覚に疎いから危ないのですよ。この禁を破った場合、50万円近くの罰金と最高12か月の禁固刑を食らいますし、火の不始末によってダメージを与えた場合、1000万円以下の罰金、最高14年の刑務所暮らし、プラス腰が抜けるような損害賠償(多分保険でも賄いきれないくらい)を食らいます。戒厳令とか軍隊とか言ってますけど、冗談ごとではないのですよ。ブン殴られるだけ済んだらむしろラッキーです。だからこそ、オーストラリアのことをよく知っておき、地元オージーと知り合っておくことが、重要なリスク管理ポイントになるわけです。
参考:
ESSAY35:山火事・Bushfire2001-02
天気予報の読み方/用語解説
新聞に掲載される英文天気予報については、
英語の学習方法(9)−リーディング(2)新聞(2)で解説してあります。いちいち見に行くのが面倒でしょうから、ここに抜粋しておきます。
→続きを表示させる
新聞には大抵天気予報が載っています。
一回、数時間費やしてもいいから、徹底的に辞書を片手に読破されるといいですよ。なぜかというと、天気予報の用語というのは厳密に定義づけられているものが多く、気分によって文学的に表現を変えるということを普通しません。また、天気の種類なんか限りがありますから、一通りの天気(予報)用語と表現を覚えておけば、それでOKというお手軽さがあります。
こうやって、ある程度単語を覚えておけば、次にTVやラジオで天気予報を聞くときも、かなり聞き取れるようになっているはずです。
この際徹底的に用語をマスターしようという方は、
オーストラリア気象庁のWeather Wordsのコーナー をどうぞ。
なんとなく分かったようで釈然としないのが、「シャワーとレインの違い」とか、「ファイン、クリア、サニー、ドライの違い」とかですよね。シャワーとレインの違いは、以下のように説明されています。
Rain: Precipitation of liquid water drops greater than 0.5 mm in diameter. In contrast to showers, it is steadier and normally falls from stratiform (layer) cloud.
Showers: Usually begin and end suddenly. Relatively short-lived, but may last half an hour. Often, but not always, separated by blue sky.
ということで、
Rainは、「直径0.5ミリ以上の水滴の落下であり、シャワーとの違いは、より間断なく、通例何層にもなった雲から降るもの」であり、
Showerは「通例、突然始まり突然終わる。比較的短時間のものであるが、30分降ることもある。しばしば、しかし常にではないが、青空によって分けられる(=降ってるところと降ってないところの間に青空がのぞいたりする)」となっています。要するに、レインの方がしっかり降り、シャワーは一時的ってことですね。でも、シャワーっていいながら一日中延々降ってたりすることもありますが、一応予報のレベルでは雲がビッシリ詰まっていて一時的にせよ止みそうもなかったらレインで、降ったり止んだりが予想されたらシャワーなのでしょう。
ちなみに、直径0.5m以下の水滴の場合は、
Drizzleといい、”Fairly uniform precipitation composed exclusively of very small water droplets (less than 0.5 mm in diameter) very close to one another.”となってます。「煙るような雨」「霧雨」ですね。ここまでくると、霧(fog)とかもや(mist)と近くなります。fogとmistの差は、視界が1キロ以上あったら
mist、それ以下だったら
fog。なお、fogのようでありながらそれが水以外のもの(煤煙とか)の場合、
smoke fog = smog、スモッグと呼ばれます。
ちなみに、日本の天気予報の場合の用語の使い方はどうかというと、
気象庁のホームページに詳しくかかれています。0.5mで分けるのは、日本も同じようですね。
あと、降り方なんかも段階があります。よく聞くのが、
isolaeted(アイソレイティド=孤立した、降ってる地域と降ってない地域がはっきり分離できるもの)、
patchy(パッチィ=パッチワークのパッチで、降ってるところと降ってないところが”つぎはぎ”的にまだらになって、降ったり止んだりすること)などです。あと、
few, scatterd, sporadic, widespreadなんかもあります。
風については、日本以上にしつこく言いますよね。方角のほか、強さ。
calm→light→moderate→fresh→strong→galeという順に強くなります。なお、風速の表示は、日本の「秒速」ではなく「時速」で言います。だから分かりにくいんですよね。ヒマなときに自分なりに暗算用の目安を作っておくといいです。時速10キロの風は、秒速に直すと10000メートル÷3600秒ですから、秒速2.77メートルです。さらに面倒なのはノットで表示されるときで、時速1ノットは時速1.852キロです。10ノットで時速18キロ強だから、秒速5メートル。日本の基準では風速10−15メートルで「やや強い風」と表現されるようですので(前述の気象庁のページ)、20ノットを超えると「やや風が強いのかな」と思っておくといいということです。
シドニーの冬場
冬場であってもオーストラリアの太陽光線は強いです。もう天空に大きなストーブ(太陽)があると思えばいいです。雲の切れ間からストーブが出てくると温かく、雲に隠れると寒い。そして風が吹くともっと寒い。つまり、体感的には、陽射しというプラス要素と、風というマイナス要素のせめぎあいになります。したがって、風を防いで陽射しだけ受けるという温室状態になっていると(例えば車の中とか)、非常にポカポカして暖かい、というか時として暑くなります。こちらの家にはサン・ルームという日当たりの良いガラス張りの部屋がよくありますが、「なるほど」と思いましたね。
ところがストーブ(太陽)が隠れると、つまり朝晩になると、ぐっと寒くなってきます。朝から曇天/雨天で、しかもそのうえ風まで吹いてると、かなり寒く感じます。
このように寒いながらも小刻みに変動するので、車に乗っても昼間はクーラー夜はヒーターにし、服装にしても昼間はTシャツ、夜はフリース+ストーブ+湯たんぽということも決して珍しくないです。さすがに真夏時期にストーブをつける機会は少ないけど、つける日があっても不思議ではないです。僕も最初の頃は日本の季節感に準じて、春以降になったらストーブをしまってたけど、すぐに出すハメになって、終いには出したりしまったりするのが邪魔くさくなってきて、もう通年で出しています。服も年間通じてあんまり変らず、@Tシャツだけ→Aその上に軽いシャツやトレーナー→B温かいフリースの3段階があるだけって感じです。「衣替え」という感覚は無くなりますね。

しかし、シドニーの冬場の寒さは、半分以上は人口的な要素が大きいです。
何かというと、オージー(ヨーロピアン)は寒さに強い人種なので、寒さに無頓着であるということです。日本いる白人系の外人さんも薄着で、どうかすると冬場にもTシャツ一枚で闊歩してたりしますが、こちらでも同じ事です。僕らアジア人にとっては寒くても、
肝心のオージー達がそもそも寒いと思っていないことが問題なんです。
証拠写真→
右の写真は、8月6日にマルーブラビーチで撮影したものです。オーストラリアの8月6日といえば、季節が半年ズレる日本でいえば2月6日、節分くらいの厳寒期に相当します。その時期の吹きさらしの海岸の風景です。厳冬期!という緊迫感はまるでないですが、右手の老夫婦らしき人がコートを着ていることから冬場であることは分かるでしょう(というかオージーが長袖着てたらとりあえず冬)。しかし、皆が寒さに震えているかというと、真夏のようなカッコで闊歩してる人も結構いるわけです。
この体感差は、例えば、ステイやシェア、バッパーでの
暖房器具が非常にショボいという形で現れます。暖炉を使ってくれたら非常に温かいのですけど、そんな家は珍しいし、暖房器具といえば電気ストーブやオイルヒーターがメインで、マレにガスヒーターがあるくらいです。石油ストーブ系は限りなくゼロです。当たり前ですけどコタツなんかありません。寝具もろくすっぽ温かい布団がなく、せいぜい毛布があるだけってこともあります。ショボイどころか暖房器具なし!という家もあったりします。
電気ストーブも、消費電力2000Wと途方もなく強力なのですが(途方もなく電気代も嵩む)、こうなると
家がデカいのが災いします。ちょっとやそっとでは部屋全体が温かくなりません。オイルヒーターも良いのですが、温かくなるまでが時間がかかります。また、電気代がかかることから、ストーブ使用禁止とか、ストーブ電気代で別途週10ドルというシェア先もあります。
したがって、寒さ対策としては、日中の外出着よりも、
むしろ家の中の部屋着、寝着、下着の類を充実させるのが重要です。
湯たんぽ/Hot Water Bottleのすすめ
オススメは、耐熱ゴムで作っている日本の水枕みたいな湯たんぽです。
hot water bottleといいます。
「湯たんぽ〜?」って最初は馬鹿にするのですが、使ってみたら非常に温かいです。また、電気アンカなどと違って、自然の発熱であり且つ発熱量がナチュラルに衰微していくから身体には優しいです。布団の中に入れていけば優に一晩は持ちます。二つくらい買ってツープラトンでいくとかなり安心です。寒いときに机で勉強するときなどは、腰と足に当てておくといいですよ。寒さが気になる人は、是非。
季節商品なので、時期(こちらはシーズン前にバーゲンがあるので秋から初冬時のpre-winter)にはコールズなどの普通のスーパーで売ってる場合もあります。→右の画像はWoolworthというスーパー店内のものです。また、K-MARTやTarget、BIG-Wなどの一般雑貨スーパー。季節商品なので売り場が固定しておらず、思わぬ所にあったりします。店員さんに聴くべし。意外に盲点になるのが、ケミストと呼ばれる薬屋さんです。一種の療養器具でもありますから、大きめの薬屋さんだったら、季節に関係なく置いてあったりします。
しかし、この湯たんぽも以前3ドル台だったのが、デフレJAPANとは真逆に全てが値上がりしているオーストラリアでは、最近では8−9ドルくらいします。この写真でも8ドル99ですもんね。見た瞬間、「嘘っ!」って思ってしまった。もっと安いところがあると思うけどな。そうはいっても、死ぬほど高いわけでもないので、よほど寒さに強い人でない限り「絶対買っとけ!」と強くオススメしたいアイテムです。一括パックでこの時期にウチに泊まられる方には部屋に常備してありますが、特に女性などは「もう手放せない〜!」状態になります。フリース製などのすっぽり包む、容れ物というか袋状のものが売ってますが、別に無くてもバスタオルなどで巻いておけばいいです。
湯たんぽのお湯の注ぎ方ですが、これもコツがあります。
@流しの近くで、安定した平面の上に置いて注ぐ
中に空気が入ってますから、一気にお湯を入れていると空気の関係で、間欠泉のようにゴポッと熱湯が多少吹き上げることがあります。その熱湯がボトルを支えてる手に飛んだりしたら、反射的にボトルを落としてしまい、さらに自分の身体にボトル内の熱湯がかかる、、、大火傷になったりします。だから、何かあって手を放しても大丈夫なように(自分にかからないように)、安定したところ&シンクの近くで注がれるといいです。僕も一回失敗したことがあり、恐いな〜と思いました。なお、熱湯が服にかかったら、恥ずかしいとか言ってないで一秒でも早く服を脱いで、冷やしてください。ヤケドは恐いです。また、体表が冷たくなっても熱はどんどん身体の深部に進んでいきますので、冷やし続けてください。冷熱で追いかけていくような感じ。
A空気を抜いてから栓をする
ボトル内に空気が残ってると不安定になります。空気の抜き方は、まず安定したところにボトルを横たえ、徐々に口を水平方向にすること。水平になるに従って口からお湯があふれ出てきます。その時点で栓を締めると。お湯によって空気は押し出されてますから。
以上、シドニーの冬場は、
気温それ自体の絶対値は大したことないのだけど、メインストリームのオージー達がやたら寒さに強いから、全体に防寒対策がショボイ、という人為的な部分が問題なのです。ああ、山火事対策のエネルギーの10分の1でいいから防寒対策に注いでくれたら、、、
なお、春と秋ですが、夏と冬のミックスというか中間地帯というか、夏冬のように極端に暑かったり寒かったりする日がなく、日々これ変動するだけって感じです。小刻みな変化にさえ気をつけておけば、それでOKですので対応は楽でしょう。日本のように鮮烈な四季変化は乏しいのですが、それでも冬から春にかけては、ちゃんと三寒四温になりますし、春ともなると一気に花が咲きますので、いい季節だなって感じがします。ウチの近所では、冬場のツバキが満開のうちから、木蓮が咲き、梅みたいな花が咲き、ツツジが咲き、それから一気にアヤメ、藤、さらにアジサイ(hydrangea)になり、最後にオーストラリアの桜ともう言うべきラベンダー色のジャカランダが満開になります。秋は、紅葉樹が少ないので日本のような秋の風情は乏しいのですが、空を見てると天が高くなっていって、ああ秋空だなって分かります。
ところで、今年(2011年)は結構寒いです。夏場も基本的に冷夏でしたが、5月段階でもう冬みたいになってます。「今年はいつもより寒いよね」とか言ってますので、くれぐれも「シドニー暖かい幻想」に惑わされず防寒装備を。それも家の中が寒いので、ヒートテックやフリースなどジャケットを脱いだその下部分が大事です。ま、こっちでも安いフリースなどは買えますけど。
→次に続く